こんにちは!
英語を軸に、海外進学される方をサポートしています。
今回の記事では「IELTSリーディング対策と勉強法」を解説します。
設問のキーワードを、パッセージ中で探す練習をしたけれど、スコアが微動だにしない. . .
このように、テクニックに頼った学習者は意外と多いのではないでしょうか。
しかし!
たった1つの文が、きちんとわかること
IELTSリーディングでは、それ以上のことは必要ないのです。
音読だー、速読だー、多読だー. . .学習をしていると、様々な雑音が入ってきます。本当に必要なのは、一文がはっきりとわかること。この記事が、その手法を提示できると幸いです!
それでは、詳しく見ていきましょう。
目次:
IELTSリーディングの概要
まずは、IELTSリーディングの概要を確認しましょう。
試験時間 | 60分 |
パッセージ数 | 3つ |
設問数 | 計40問 |
ワード数 | 各900語程度 |
ジャンル | 自然科学 生物学 美術/歴史 医学 ビジネス |
IELTSリーディングは、60分で3つのパッセージに解答します。
つまり、1パッセージあたり20分の計算ですが、注意が必要です。
IELTSリーディングは、パッセージが進むにつれて難易度が上がるのです。
パッセージ1を15-18分、パッセージ2を18-20分、パッセージ3を22-25分を目安に解答することを、オススメします。
本試験で時間配分を上手にするコツがあります。
練習時の徹底したタイムマネジメントです。
もう少し時間をかければ解答できるのに . . . という経験は誰しもがあるはずです。
しかし、ある設問に時間をかけすぎることによって、後続の設問をごっそり落としてしまっては元も子もありません。
また、時間をかけたからといって、正解できるものでもありません。
むしろ、一度じっくり読んで理解できない場合、何度読んでも理解できないことの方が多いです。
練習だからといって長い時間をかけてじっくり解答するのではなく、いつも本番を想定して臨むことが大切です。
スコアについて
IELTSリーディングスコアは、正答数によって決まります。
正答数 | バンドスコア |
39 – 40 | 9 |
37 – 38 | 8.5 |
35 – 36 | 8 |
33 – 34 | 7.5 |
30 – 32 | 7 |
27 – 29 | 6.5 |
23 – 26 | 6 |
19 – 22 | 5.5 |
15 – 18 | 5 |
13 – 14 | 4.5 |
10 – 12 | 4 |
8 – 9 | 3.5 |
6 – 7 | 3.0 |
4 – 5 | 2.5 |
3 | 2.0 |
IELTSのスコアは0-9点の、0.5点刻みです。
日本人のリーディングの平均点は6.1点です。全セクションで最も高い数値です。
(※ 最も低いのはスピーキングのスコア5.5です)
40問中23-26問正答すると、スコア6.0になります。
裏を返すと、14-17問間違っても到達可能だということです。
自分が目標とするスコアは、何問間違っても良いのか把握しておきましょう。
そうすることで、本番で勇気をもって捨てる問題を取捨選択することが可能です。
難易度
次に、リーディングの難易度を確認します。
パッセージの難易度と、設問の難易度を分けて考えます。
- パッセージの難易度:
難 TOEFL < IELTS < 英検一級 易 - 設問の難易度:
難 IELTS < TOEFL < 英検一級 易
文章の難易度自体は、ライバル試験のTOEFLの方が難しく感じる人が多いです。
IELTSに出題されるトピック自体は、比較的とっつきやすいものが多いです。
一方で、設問の難易度に関しては、IELTSが高いです。
全14種類の設問から出題され、独特の問題形式が多いです。
FalseとNot Givenの違いに苦しむ人、多いですよね. . .
また、IELTSはパッセージと設問の間を、いったりきたりさせられるという点でも、非常に解答のしづらさを感じます。
そこそこ読みやすいけど解答しづらい。それが、IELTSのリーディングです。高得点を取るという観点では、どの試験もさほど差はありません!
伸びない理由
学習をしても、IELTSリーディングが伸びない。
- 時間が足りない
- 何度も読み返してしまう
- 意味が想像できない
人によって様々な原因があります。
共通しているのは「分かったつもりになる」というものです。
知識には3種類あります。

厄介なのが、中心の「理解できたと思い込んでいる知識」です。
復習の解像度が低いと陥りやすいパターンです。
間違った理由を目で確認した. . .
単語を少し日本語で調べた. . .
日本語訳を確認した. . .
音読した. . .
こういったところで学習を止めている人は注意が必要です。
IELTSリーディング対策と勉強法
IELTSのリーディングは「正確に読める」文章を増やしていくことでのみスコアが上がります。
正確に読めるとは、「文章を意味のまま理解し、情景レベルで想像できること」です。
「筆者はこういうことが言いたいのだろう」を正確に言葉にできるスキルでもあります。
以下で、勉強法を詳しくみていきます。
単語力をつける
正確に読むためには、まず第一に、知っている単語量を増やす必要があります。
当たり前だろ. . . と思われたかもしれません。
単語は知っていれば知っているほど有利です。文章は、単語と文法でできているからです。
文中でキーになる単語が一つでもわからなかった場合、全体のメッセージを損なう可能性すらあります。
「単語帳は買った方が良いですか?」とよく聞かれます。
単語帳で紹介されている単語が分からないのであれば、購入をオススメします。
IELTSリーディングは、3万単語程度のプールから出題されています。
覚えても覚えても、知らない単語が次々に出てきます。
そんな膨大な単語の中から、特によく出る単語を集めてくれているのが単語帳なのです。
単語帳に出てくる単語がわからない場合、IELTSのリーディングはほとんど読めないです. . .
では、どの単語帳が良いのか?
どれでも構いません。紹介されている単語に差はほとんどないためです。
書店に行って、パラパラめくってみて、やり切れそうなものを選ぶことがポイントです。
また、練習問題で出くわす知らない単語も、復習の過程で全て覚えてください。
重複しますが、単語はキリがありません。
実際に、スコア8.0-8.5ぐらい取る人でも、知らない単語がポツポツ出るようです。
しかし、その覚えた単語が本番であなたを救う可能性があるのです。
後から復習しやすいように、単語アプリなどにまとめておくと良いでしょう。
また、すでにリーディングが7.0-7.5程度に到達している方は、IELTSの学習以外からも単語を補強する必要があります。
これらは、IELTSのリーディングトピックと親和性が高いメディアです。
1日3-5記事ほどを目安に、精読する中で単語を補強します。
固有名詞などはスペルまで暗記する必要はありませんが、Googleの画像検索などで情景として想像できるようにしておく事をオススメします!
意味の塊で理解する
単語を覚えましょう!
とお伝えしたばかりですが、
単語学習ばかりをした人が陥りやすい罠があります。
1語ずつ単語だけを読んでいくというものです。スコア5.5に届かない方に顕著に多いです。
正確に読むためには、第二に、文章を意味の塊で理解していくことが必要です。
言い換えると、英文解釈力をつけることです。
大学受験の時に頑張った方が多いのではないでしょうか。
大学受験の学習は、IELTSリーディングでもそのまま役立ちます。
いわゆる、SVOCがパッと分かる状態です。
文章の前から、意味の塊が理解できるようになると、返り読みをする癖がなくなります。
つまり、一回読んで理解できるようになるのです。
IELTSでは長い文章が多く出てきます。文が長いので、途中で切れ目がわからなくなり、また文の冒頭から読み始める人がいます。
これが、時間が足りなくなる一番の原因です。
英文解釈力をつけて、文章を一回だけ読んで、一発で理解する。これが目標です。
こちらも書店に行って、自分のレベルに合った参考書を購入すると良いでしょう。
最終的には、難関大学の英文解釈ができるようになることを目標にしてください。
具体的な参考書としては、「英文読解の透視図」「ポレポレ英文読解プロセス50」をゴールにすると良いでしょう。
ポレポレは、著者がYouTubeで解説をあげいるので、個人的にオススメです。
最初のうちは、SVOCとメモをつけないと塊を意識できないかもしれません。それで構いません。慣れてくると、塊が目に飛び込んでくるようになります!
背景知識をつける
単語と文法力をつけても、スコアが6.0付近から上がらない. . .
といった声を耳にすることがあります。
トピックの背景知識不足が原因です。
背景知識がないと、意味が想像できないのです。
その場合は、知識をつけていく必要があります。
IELTSは「知識がないと答えられないことがある」から難しいのです。
オススメは、YouTubeの活用です。
Youtubeで「トピック名、Documentary」と検索すると関連動画がたくさん出てきます。
例えば、パッセージのトピックが “Army Ant” だったと仮定をしましょう。

上から順に、いくつか見てみてください。
コンテンツが、パッセージの内容に似ていて驚くかと思います。
こういった動画を見た後に、もう一度パッセージに立ち返ってみてください。意味を情景レベルで想像しやすくなります。
あくまで背景知識を付けることが目的なので、字幕をつけても構いません。リスニングの勉強にもなるので、一石二鳥です!
情報の階層を考える
自分は読解力がないから、リーディングができないんだ. . .
と思っている人がいるのではないでしょうか。
その認識は正しいかもしれません。
上記で紹介した学習をしても、スコア6.0-6.5でピタっと止まってしまう方がいます。
紛れもなく、読解力不足です。
IELTSのリーディングでは、読解力がないと高スコアは取れないのです。
残酷ですが、読解力は人生で読んできた読書の質と量がものをいいます。
これは事実ですが、今からでも読解力を付けることができます。
そもそも、読解力とはフワっとした言葉です。
私は、読解力があるとは、情報の階層を考えることだと定義します。
情報の階層とは、各文章の抽象度を考えることです。
図で確認してみましょう。

左によるほど文章が抽象的で、右に寄るほど具体的です。
皆さんが今読んでいる文章は、前文に対して具体的なことを述べているのか。
それとも、同じ階層の話、補足的な話をしているのか。
それとも、前文を要約するような、抽象的な話をしているのか。
このように、各文章の役割を「常に」考えるのです。
一般的な英語の段落は、抽象的な話から始まります。
抽象的なことを述べたら、それを説明・補足する。そして、例を挙げて、最後にまた抽象的にまとめる。
イメージとしては、
抽象→やや抽象→具体→具体→具体→抽象
といったような感じです。
リーディングには全ての文章に意味があります。そして、各文章が呼応しあっている。
抽象と具体を考えることは、各文章の繋がりを意識することなのです。
これが上手にできるようになると、パラグラフ全体のメッセージも正確に取ることができるようになります。
読解力がある人は、こういった読み方を自然としています。このスキルは、ライティングでも必須のスキルです。ものすごく疲れますが、マスターできると別の世界が見えます!
最後に
今回の記事のポイントを以下にまとめておきます:
- 英検一級より難易度は上
- 正確に読むための訓練が重要
- スコアアップには時間がかかる
以上が、IELTSリーディング対策と勉強法を紹介の紹介でした。
リーディングは平均スコアが最も高いセクションだとお伝えしました。
これは、一重に日本の学校教育のおかげだと思います。
中高6年かけて培った力は、IELTSでも大いに活きます。
一方、リーディングが苦手な人にとっては、時間がかかるセクションであるということを意味しています。
テクニカルなことに頼って、リーディングを伸ばそうとすると、スコア5.5前後から伸びなくなります。
テクニックとは、実力がある人が活用することによって、初めて意味があるものです。
IELTSの学習者にとっては、さほど気にする必要はありません。
どれだけ時間がかかろうとも、地道で時間がかかる学習を選択、継続して下さい。
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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