こんにちは!
今回の記事では「IELTSのリスニングの勉強法とスコアアップのコツ」を紹介します。
「IELTSのリスニングスコアに伸び悩んでいる方」や「これからリスニングの勉強を始める人」の参考になれば幸いです。
リスニングは天性のものではなく、スキルです。正しい勉強法で一定量こなせば、誰でも必ずスコアが伸びるので、根気強く勉強を続けましょう!
それでは詳しくみていきましょう。
目次:
IELTSリスニングの勉強法
IELTSのリスニングの勉強法は、音源のトピックなど、話しの全体像を理解するためのトレーニングと、トピックに対する具体例など1文ずつ細部を理解するためのトレーニングに分かれます。
まず、リスニングの試験内容やスコアなどについて理解を深めましょう。目標スコアまでの距離を理解した上で、勉強を始めることが大切です。
試験概要
以下が、IELTSリスニングの試験概要になります :
- パート数:4つ
- 合計問題数 : 40問
- 試験時間:音源約30分+( 10分 )
IELTSのリスニングは、4つのパートから構成されています。各パート10の問い、合計で40の問いに答える形式です。ペーパーテストの場合に限り、音源が終わった後に、回答を紙に書き出す時間が10分間あります。
正答数とスコアの関係
次に、IELTSリスニングの正答数と実際のスコアの関係を確認しましょう。自分の目標としているスコアに必要な正答数を確認してみて下さい :
正答数 | バンドスコア |
39 – 40 | 9 |
37 – 38 | 8.5 |
35 – 36 | 8 |
32 – 34 | 7.5 |
30 – 31 | 7 |
26 – 29 | 6.5 |
23 – 25 | 6 |
18 – 22 | 5.5 |
16 – 17 | 5 |
13 – 15 | 4.5 |
10 – 12 | 4 |
日本人のリスニングの平均点は5.9です。「スコア6.0」を取得するためには、40問中23 – 25問正答する必要があります。海外の難関大に進学するための、おおよその基準である「スコア7.0」を取得するためには、約30問の正解が目標になります。
リスニングの勉強に必要な前提知識
IELTSのリスニングが聴けるようになるために共通する特徴は以下です:
- 特徴1:正確な発音を習得している
- 特徴2:語彙力が十分にある
- 特徴3:要点の理解力が高い
基本的にリスニングは、「音声知覚」と「意味理解」の2つから成り立っています。つまり、何と言っているかを認識できて、その意味を理解できれば聴き取ることができるということです。
また、もう一つ重要なことが「要点の理解力」が高いということです。これは、前後の文脈から話の流れ全体を意識して聴き取る力が高い人が、リスニングで高スコアを取得しやすいということです。
要点の理解力はリスニングのみならず、リーディングのスコアにも影響を与える要素です。意味の塊を意識して、英語をインプットすることを意識してみましょう!
勉強法1. 要約練習
IELTSリスニングの最初の勉強法は、全体を把握するための「要約練習」です。要約練習は、以下の順でおこないます :
- 手順1. 問題に回答
- 手順2.口頭で1分程度で要約
- 手順3.トランスクリプトを確認
- 手順4.再度要約
IELTSのリスニングは、全体と細部の双方から聴く必要があります。まずは、リスニングの音源が何のトピックについて話しているのかという「全体を把握」する必要があります。
リスニングの音源を聴いて回答した後に、どのようなトピックについて話していたか、口頭1分程度でぶつぶつと要約をしてみましょう。要約ができる問題は、きちんと理解できた問題と考えることができます。口頭での要約が難しい人は、時間をかけて紙に書き出しても構いません。
その後、トランスクリプトの精読をします。1文ずつきちんと読んで理解できるかを確認するためです。当然ですが、時間をかけて読んで理解できない文章は、聴いても理解できません。
トランスクリプの精読後は、自分がきちんと要約できていたか確認します。要点やアイデアはきちんとまとめられていたか、できていない場合は、できるまで何度も要約練習をしてみて下さい!
勉強法2. シャドーイング
IELTSリスニングの2つ目の勉強法は、細部を把握するための「シャドーイング」です。シャドーイングは、以下の順でおこないます :
- 手順1. 問題に回答
- 手順2. トランスクリプトを精読
- 手順3. 音源を1文流して止める
- 手順4. シャドーイングする
- 手順5. 次の1文にうつる
シャドーイングをいきなりする前に、きちんと文章が理解できるか要約練習の時と同様に、トランスクリプトを精読します。当然ですが、時間をかけて読んで理解できない文章は、聴いても理解できません。
シャドーイングは、最初は難しいと思うので、1文ずつ区切って練習していきましょう。具体的には、音源を1文流して止める。その上で、シャドーイングにチャレンジする。きちんとできた場合のみ、次の1文にうつる。といった流れで行います。
シャドーイングの方法を説明しましたが、発音に自信がない人は発音練習に立ち返りましょう。シャドーイングは難易度が高く、正しい発音を出せない状態で行っても学習効果が上がらないからです。以下に発音の習得方法を説明しています !
発音の習得方法
シャドーイングをきちんと行うための発音習得は以下の順で行います:
- 個々の発音(IPA)
- 音声変化
- イントネーション
- ストレス
上記のプロセスの中で重要なことが「イントネーション」と「ストレス」です。これは、英語の抑揚や強勢と言われる要素で、いわば英語っぽく音を出せるようになることが重要なのです。
せっかく綺麗な発音を習得しても、なぜか日本語っぽく聞こえてしまう人はイントネーションやストレスがうまく習得できていません。日本語とは性質が全く異なるので、理論からしっかりと理解していきましょう!
勉強法3. 多聴トレーニング
その他に、高スコア取得者に共通する要素として「勉強としてではなく、趣味や習慣の一つとして英語のリスニングをしている」ことが挙げられます。例えば:
- 方法1:通勤中にポッドキャストを聞く
- 方法2:ランニング中にオーディオブックを聞く
- 方法3:英語の歌を真似して歌う
- 方法4:海外ドラマのセリフを真似る
上記の勉強方法で共通するのが、どの勉強法も本人とっては辛くないということです。辛くないので継続して英語に触れることができる。それが結果的に高いリスニングスコア取得につながっています。
また、当たり前なことかもしれませんが、高スコア取得者に共通する点として「分からない語彙を自分で調べる」ことが挙げられます。知らないことを一つずつ消化していくことで、着実に英語力を上げるかてにしているイメージです。
海外ドラマをみる姿勢を変えるだけで、学習効果は大きく変わります。大事なことは「わかったつもり」で終わらさないで、誰かに説明できるレベルで知識を理解することです!
リスニング スコアアップのコツ
勉強法がわかったところで、IELTSリスニングに役立つコツを学びましょう。具体的には、以下5つのコツを意識すると正答率が上がります:
- コツ1:ひっかけ問題に注意
- コツ2:一部例外を知る
- コツ3:人、街、住所のスペル
- コツ4:よく間違える数値
- コツ5:複数形に注意
それでは、詳しく見ていきましょう :
コツ1:ひっかけ問題に注意する
IELTSリスニングのコツの1つ目は、「ひっかけ問題」のパターンを知ることです。よく出題されるひっかけは、「急に全文を打ち消す」ものです。例で確認してみましょう :
A: I presume you’ll be coming into Terminal One?
B: Ahh … I don’t know … I’ll have to find out which one it is …
A: Yes … you must … we don’t want to be waiting at the wrong one!
B: But hang on … I’ll be arriving at about lunch time … and that’ll mean you have to take time off work to pick me up. You really mustn’t do that.
A: That’s right. You might better arrange a taxi.
「空港のどのターミナルでお迎えするのか」という話から、”hang on”以下で話の流れが急に変わり、「タクシーを予約する」という展開になりました。同様に、以下のような表現が出題された時は要注意です。
- Wait
- No, wait
- Having said that
- That being said
“That being said”などには馴染みがないかたが多いかと思います。これらの語彙が使用された際は、話が急に展開するので、おいていかれないようにしましょう。
コツ2:一部の例外がでてきたら注意する
IELTSリスニングのコツの2つ目は、「一部例外」のパターンを知ることです。 音源中で、一部の例外を示すことで、受験者をひっかけるタイプです。例で確認してみましょう :
Tour Guide: Ah, yes. This is a very popular tour. You’ll need to book ahead for this one. The tour starts here at 8 p.m. every evening except Mondays and finishes here at about well, about two hours later.
“except”が使われることによって、ツアーが「月曜だけ」おこなわれない曜日だとわかります。 一部例外を示すためには、以下のような語彙が使用されます :
- 1. except
- 2. exclude
- 3. not including
- 4. but
- 5. omit
“not including”や”except”は問題なく理解できる方が多いですが、”But”が以下のような語句と連結して、「除く」という意味に変わると対応できない人がいるので注意をしましょう :
- 1. all but
- 2. everything/nothing but
- 3. everyone/no one but
- 4. everybody/nobody but
コツ3:固有名詞のスペルを覚える
IELTSリスニングのコツの3つ目は、「人、街、住所」などの固有名詞のスペルを覚えることです。これらは必ず毎試験出題されます。
人の名前
まず、人の名前ですが、スペルが読まれる名前と呼ばれない名前に分かれます。例えば、以下のような名前は、常識として扱われますのでスペルを読まれません。
Andrew / Tony / Ben / Chris / David / Edward / George / Henry / Alice / Amelia / Brenda / Catherine / Kate / Charlotte / Claire / Diana / Elizabeth
スペルが読まれませんので、事前に覚えておくことが大切です。
町の名前
次に町の名前です。特徴としては、町の名前はおおよそスペルを読み上げてくれます。以下は、IELTSのリスニングでよく出題される町の名前の練習問題です。音源を聴いて、答えを書きだしてみてください。
以下が解答です。あらかじめスペルを覚えておきましょう。
- 1: Amersham
- 2: Melbourne
- 3: Birmingham
- 4: Leicester
- 5: Wolli Creek
道の名前
IELTSリスニングでは、道の名前を含む住所を書き取る必要がある場合があります。道の名前は、スペルが読まれるときと、読まれないときがあります。練習問題で確認してみましょう :
解答は以下です :
- 1: 32 Station Road
- 2: 5 East Street
- 3: 75 Green Avenue
- 4: Flat 3, 54 Sleet Street
- 5: 108 Seaview Crescent
小さなスペルミスでスコアが下がるのはもったいないですよね。あらかじめ対策しておきましょう。
コツ4:数値に注意する
IELTSリスニングのコツの4つ目は、「英語の数字を聴き取る」ことです。「13(thirteen)」と「30(thirty)」など、英語は音の響きが似ている単語が多くてややこしいですよね。
単語の「アクセント」の位置を意識してリスニングするだけで、聴き取りが簡単になります。つまり、単語のどの位置が「はっきりと・強く」発音されているかを聴き取ることによって、数字を判断することが可能です。
以下の音源では、私がランダムに数字を発音します。何の数字が発音されたのかをアクセントの位置を意識しながらリスニングしてみてください:
以下に発音した数字をまとめたので、音が聞き取れたか確認して見てください:
- 80
- 16
- 30
- 50
- 18
- 60
- 15
- 14
- 70
- 19
コツ5:複数形に注意する
IELTSリスニングのコツの最後は、「複数形」の聴き分けです。単数や複数の書き取りが多くでるのは、ギャップの穴埋め問題です。
単語の最後に”s”がくるか集中しているにも関わらず聴き取れないことはないでしょうか?これは、音声がくっついたり、落ちたりする「音声変化」が起こるためです。IELTSのリスニングでは音声変化がよく起こります。
練習問題で確認してみましょう。音源を聴いて、1-5に当てはまる語を書き出して下さい :
1: try to keep to ____ which are well lit
2: She loves to listen to ____. She says she’s not a player,
3: Do ____, and aim at all times to increase your flexibility
4: I expect to go home in ____.
5: they’ll be running one or two additional ____ so I might go to those
以下が解答です :
- 1: busier areas
- 2: drums
- 3: stretching exercises
- 4: twelve months
- 5: seminars
まとめ
IELTSリスニングの勉強は根気強く
今回の記事のポイントをいかにまとめておきます:
- ポイント1:発音の精度が上がればリスニング力が伸びる
- ポイント2:要点を理解する力が重要
- ポイント3:辛くなく継続できる手段を見つけよう
英語に限らず言語習得で最も重要なプロセスは発音の習得です。なぜなら、発音を習得することで、聴き取れる音が増えるので相対的にインプット量が増え、また自分の英語が伝わることで学習に楽しさを見い出せるからです。
そしてもう一つ重要なことは、リスニング能力は天性の才能ではないとうことです。原因を特定して、一つずつ自分のペースで解決していけばだれでも必ず上達します。
聴き取れる音を増やしてから、一気にインプット量を増やしていきましょう。インプット量の多さが重要です!
最後にIELTSに関するご相談などありましたらお気軽にご連絡ください!