こんにちは。SOLOのるうくです。
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今回の記事では、慶應義塾湘南藤沢(以下SFC)の傾向と対策について詳しくご紹介します。
合格できれば、ほぼ全員が推薦で慶應義塾大学に進学できるため人気の高い学校です。
SFCの帰国生入試では、中等部と高等部で内容が異なります。一挙に見ていきましょう!
目次:
SFC帰国生入試の概要
まずは、慶應義塾湘南藤沢(SFC)帰国生入試の概要を確認します。該当の情報は、下記の慶應義塾湘南藤沢帰国生入試のホームページを参照にしています。
https://www.sfc-js.keio.ac.jp/exam/ir/result.html
受験の対象者
慶應義塾湘南藤沢(SFC)の帰国生入試を受験するためには、海外在留経験が必須です。
滞在していた時期が昔に遡るほど、求められる海外滞在期間が長くなりますが、ほとんどの場合、1年半または3年以上の期間が必要です。
近年では、国内のインターナショナルスクールに在籍をしている生徒も、帰国制入試の対象内であることが増えています。しかし、現時点でインター生は、SFCの受験資格はありません。
入試の日程と科目
帰国生入試の日程ですが、システム登録が11月、出願が12月、実際の試験は2月上旬~中旬に行われます。
中等部の一次試験の入試科目は以下です:
- 選択1. 国社理数の4科目
- 選択2. 国英数の3科目
SFC中等部は帰国生入試、一般入試ともに四科目入試(国算理社)か三科目入試(英国算)を選択できます。国語と算数の試験内容は、どちらの選択肢も同じです。
海外の日本人学校に通われていた方は選択1の国語を、現地校に通われていた人は選択2の英語を選択する傾向にあります。
一次試験に合格をした人のみが、二次試験の受験をします。一次試験の合格倍率は1.6倍程度ですが、二次試験の合格倍率も1.7倍程度と、最終的には2.5倍強の倍率です。
高等部の入試科目は以下です:
- 英語資格スコア提出(出願に必須)
- 国数2科目(各100点)
- 面接
高等部の帰国生入試は、事前に英語資格試験を受験する必要があります。指定スコアを獲得し提出できる人のみが出願できる仕組みです。英検準一級、IELTS5.5、TOEFL iBT70以上の3つの選択肢があります。
高等部の入試は、中等部のように一次と二次に別れていません。全員が面接を受験します。面接の言語は、日英両方で実施されます。
高等部の合格倍率は3.6倍と、中等部のそれよりも高くなっています。
SFC中等部受験の傾向と対策
次に、傾向と対策について見ていきたいと思います。まずは、慶應義塾湘南藤沢(SFC)中等部入試を確認します。
国語
国語は、以下の4つの大問から出題されました。
- 大問1:総合的知識問題
- 大問2:論説文
- 大問3:小説
- 大問4:論述問題
試験時間は45分、配点は100 点です。分量は全体で7000 ~ 10000字程度とかなり多めです。普段からの読書の習慣が、早く正確に読むための鍵です。
合格者と不合格者の差は、論述問題の対策の有無になります。SFC中等部では、「世の中をハッピーにしているもの」といった突拍子もないお題が課せられます。練習を通して、発想力豊かに言語化する力を養う必要があります。
対策としては、語彙力と文法力の徹底強化が必要です。語彙ノート作成や過去問演習を通じて知識を蓄積し、速読力を鍛えましょう。また、記述問題は要約練習や字数感覚の向上を意識して訓練を重ねることが重要です。
算数
算数は、以下の6つの大問から出題されました。
- 大問1:小問集合
- 大問2:小問集合
- 大問3:規則性
- 大問4:平面図形
- 大問5:立体図形
- 大問6:ニュートン算
試験時間は45分、配点は100 点です。前半は基本的な問題、後半は応用題と、近年はこのパターンで出題されています。他の難関校と比べると、算数の難易度は低めです。
「小問集合」や「図形」問題の難易度が低めなので、得点源にしたいところです。一方、「規則性」「ニュートン算」がひねられた問題になっており、差がつきそうです。
対策としては、過去問演習を徹底し、特に規則性、速さ、立体図形など頻出分野に注力すると良いでしょう。古めの過去問も活用し、処理能力を鍛えることが鍵です。
英語
英語は、以下の5つの大問から出題されました。
- 大問1:リスニング
- 大問2:長文読解
- 大問3:文法問題
- 大問4:語彙問題
- 大問5:ライティング
試験時間は60分、配点は100 点です。全体的には英検2級程度の難易度で、長文問題だけが準一級程度となっています。
リスニングは短い会話文とインタビュー問題です。帰国子女の方にとっては、かなり容易に感じられるはずです。
心配がある場合は、英検2級~準1級の問題で練習をしておくと良いでしょう。細かな音の聞き取りは重要ですが、文全体の流れと意味を理解することがより重要です。
最も難易度が高いのが、大問2の長文読解です。分量が多いため、パッセージを2回読む時間はないかと思います。ゆっくりでもいいので、一度で理解できる力が求められます。
受験者の多くは、物語を中心に読解をしてきたケースが多いかと思います。SFCの入試対策という観点では、説明文を読む練習は必須です。また、感覚的に読むくせから脱却し、前後の文脈を意識した読解の仕方を身につける必要があります。
語彙・文法の問題は選択式のオーソドックスなものばかりです。日本の高校で習う英文法の範囲からの出題で、共通テストやマーチレベルの難易度です。
実は、このパートが穴場です。文法を体系的に英語を学んだ方にとっては回答しやすいですが、英文法を学習していない帰国子女やインターの子たちは意外に点数に開きがでます。
過去問を中心に対策をしても、短期的にスコアを上げることは難しいです。日本語を介して英語を身につけていない場合などは、日本語での文法学習よりも、ケンブリッジのFCEを活用した学習なども効果的です。
ライティングは従来型のエッセイ形式です。自分の意見を相手に読ませるという観点で書く練習が重要です。
英語のエッセイを書いたことがない方などは、IELTSライティングタスク2などを中心に練習をすると良いでしょう。
試験の内容自体は、IELTSと比べると回答しやすいものです。IELTSを通してエッセイの型を身につけた人は、過去問を中心に書く練習をするのが良いでしょう。
二次試験
あなどれないのが二次試験です。なんと、倍率は一次試験より高くなっています。体育と面接に合格する方が、筆記試験よりも難しいというのはにわかには信じられないですね。
体育
- 内容:立ち幅跳び(距離測定あり)、ハンドボール投げ(距離測定なし)
- 注意点:持ち歩きやすい鞄を用意、待ち時間中の姿勢・態度に配慮、先生や在校生への挨拶を忘れないこと
面接試験
- 回数:受験生2回、保護者1回(各10分程度)
- 質問例:
– 志望動機や将来の夢
– 家族との関係や過ごし方
– 「なぜ慶應?」「なぜ湘南藤沢?」への回答を親子で準備 - ポイント:親子の回答に矛盾がないよう事前に話し合うこと
SFC高等部受験の傾向と対策
次に、慶應義塾湘南藤沢(SFC)高等部の傾向と対策について見ていきます。
英語試験対策
SFC高等部に出願するためには、英語資格試験に合格をする必要があります。以下の3つから選択可能です。
- 英検準一級
- IELTS 5.5
- TOEFL iBT 70
英検とIELTSは概ね同等のレベルですが、TOEFL iBTだけが少し高めに設定されています。
弊社はIELTSとTOEFLを専門的に指導していますが、英検一級に合格をするような人でもTOEFLは70程度であることことも珍しくありません。
どの英語試験で望むかは、受験者との相性を考慮することが重要です。また、その他の受験予定校でも使用できるかなども加味すると良いでしょう。
いずれのテストも、帰国生にとっては、リスニングやスピーキングは大きな問題にはなりません。リーディングとライティングの対策が重要になる可能性が高いです。
特に、リーディングで伸び悩む方が多いので下記に、対策の記事を参照しておきます。
小論文(国語)
小論文(国語)の制限時間は、45分で100点満点です。
小論文では、テーマに即した論述力と説得力が求められます。特に帰国子女枠では、限られた準備時間内での対策が重要です。以下の3つの評価ポイントを押さえて準備しましょう。
- 制限時間と文字数
45分で500〜600字を満たす文章を完成させることが必要です。時間配分を意識し、事前に練習しておきましょう。 - 主張の整合性
課題に対して、自分の主張がテーマに即していることが重要です。例えば、属性による変化を論じる場合、テーマに適した意見を展開し、主観に基づく価値判断の多様さを反映させることが求められます。 - 説得力のある実例
具体的な実例を挙げ、変化を説明することが評価されます。実例を欠かすことなく、課題に関連した変化の説明を行いましょう。
数学
数学の制限時間は、45分で100点満点です。
慶應義塾大学SFC高等部の帰国生入試における数学対策は、「基礎の徹底」が鍵となります。試験では標準レベルの問題が中心に出題されるため、各単元の基礎をしっかりと固め、苦手分野を作らないことがポイントです。
特に重要なのが演習問題です。計算ミスを減らすための反復練習や、典型的な問題パターンに対するアプローチを身に付けることは、試験当日に大きな自信となります。
割合は少ないですが、応用問題対策としては、過去問や類似形式の問題集に触れることで、出題形式や解き方に慣れると良いでしょう。
面接
最後に面接です。面接は英語と日本語で分けて行われ、両方の言語で自分の考えを明確に表現することが求められます。面接は以下の流れで進みます。
- 1. 英語面接(10分)
- 2. 5分程度待機
- 3. 日本語面接(10分)
合格者からの情報をもとに簡潔にご紹介します。
英語面接では、最初に、250語程度のパッセージを音読します。内容は「ペンギンを守るためにロボットを設置する」というテーマでした。
その後、一般的な質問(例:「あなたが住んでいる都市と日本の都市の違いは?」)が続きます。
主な質問:
- What did you think about the passage?
- How do you think the penguin population will change?
- What does “harmony” mean to you?
日本語面接は、主に事前に提出する活動報告書に基づいた質問です。以下が実際に聞かれた質問例です。
- 滞在していた地域の様子について教えてください。
- 日本語をどう保持してきましたか?
- 日本の学校と海外の学校の違いは?
- SFC入学後の部活や勉強面の不安は?
面接試験では、英語と日本語でしっかりと自分の意見を述べることが求められます。
英語面接では自分の考えを簡潔に表現し、日本語面接では自分の経験や思いを具体的に話すことが大切です。両言語で自分の考えをしっかり伝えることが、合格への近道となります。
最後に
以上が、慶應義塾湘南藤沢(SFC)帰国生入試の傾向と対策の紹介でした。
いかがでしたでしょうか?
中等部に関しては、一次試験の試験内容自体は、その他の難関校と比べると比較的回答がしやすいレベルです。
一方で、二次試験の体育と面接がそもそも対策がしづらい上に、倍率が高いというのが慶應中等部合格の難しさと言えるでしょう。
高等部は英語資格試験が必須になりました。求められるスコアは、帰国生にとってはさほど高くないかもしれません。
しかし、IELTSやTOEFLといったグローバル試験を採用しているあたり、世界標準の学校になることを意識していることが伺えます。
記事を最後まで読んでいただきありがとうございました。
最後に、弊社ではオンラインで難関受験対策を提供しています。英語、エッセイ、インタビューなどの入試でお悩みなどありましたら、遠慮なくご連絡下さい!