こんにちは!
今回の記事では、PTEリーディングセクションの概要と対策方法についてまとめていきます。
PTEのリーディングは、数ある英語テストの中でも難易度が高く、正確な読解力だけではなく速読力が求められるセクションです。
読解に関しても単に文章を訳すというよりは、要点とそれ以外の情報のメリハリをつけた読解が求められる点に注意が必要です。
他のセクションと同様に、高配点の問題の対策にフォーカスしていくことを意識しましょう!ただ、基礎的なスキル(語彙・文法)を蔑ろにしては絶対にスコアは伸びないので、しっかりと自分の課題に向き合うことも大切ですよ!
今回の記事でまとめている内容は、基本的にPTEの公式ウェブサイトに載っている情報を元に、受講生からのヒアリング、筆者の個人的な経験から書いています。
○ PTE Academic test format: Reading
それでは詳しく見ていきましょう。
目次:
PTE リーディングセクションの概要
PTEのリーディングセクションでは、以下の5種類の問題が出題されます:
問題タイプ | 問題数 | 配点方法 | 問題内容 |
① Reading & Writing Fill in the Blanks | 5~6 | 部分点(正答ごとに加点) | ドロップダウンメニューから適切な単語を選択して文章を完成させる問題 |
② Multiple Choice – Multiple Answers | 2~3 | 部分点(誤答は減点あり) | テキストを読んで複数の正解を選択する問題 |
③ Re-order Paragraphs | 2~3 | 部分点(隣接ペアごとに加点) | ランダムに並べられた文章を正しい順序に並び替える問題 |
④ Fill in the Blanks | 4~5 | 部分点(正答ごとに加点) | テキストの空欄に適切な単語をドラッグ&ドロップして埋める問題 |
⑤ Multiple Choice – Single Answer | 1~2 | 正誤判定(正答で加点) | テキストを読んで最も適切な1つの答えを選択する問題 |
リーディングセクションの多くは “Partial Credit” (部分点)が採用されていることが大きな特徴です。
部分点とは、一部が正解であれば全ての問題に正解しなくても加点されるシステムです。
例えば「① Reading & Writing Fill in the Blanks」では、一つのパッセージに複数の空欄があります。それら空欄のうち一つでも正解を選ぶことができれば、スコアとして加算されていきます。
間違えても減点されることがないので、わからなかったらとりあえず何かしらを選択するようにしましょう!
リーディングセクションの試験時間は、およそ30分。(正確には29〜30分)
この部分点のシステムを考えると、問題を最後まで解き切ることを優先した方が、全体のスコアが上昇する見込みがあると考えられます。
一つ一つを丁寧に回答するよりも、ザッとでいいので全部回答する方が総合的なスコアが高くな理やすいです!
各問題タイプの対策方法
次に各問題タイプと対策方法についてまとめていきます。
全ての問題で共通する対策ポイントは、
- 語彙:
最低でも英検準1級程度・TOEIC900点程度は語彙力があることが望ましいです - 文法:
高校までの内容は全て覚えておくことが好ましいです(TOEICのリーディングパート5全問正解できると良いですね) - 精読:
感覚ではなく正しく英語の情報を読み取ることができる状態が望ましいです
上記3点です。
「1. 語彙」と「2. 精読」は、インプットが中心の基礎スキルです。これらは大学入試用のテキストがたくさん出ているので、隙間時間にそれらをこなしていくことをオススメします。
文章を読んでいて知らない単語が少なくなってきたら、日本語の訳を覚えることから、徐々に英語の類義表現を覚えることにシフトしていきましょう。英語の語感を身につけるのに役立ちます。
「3. 精読」はさまざまな要素が含まれますが、個人的にオススメなのが論理構造(アカデミック・ライティング)を理解する方法です。
英語の文章は基本的に抽象的なアイデアから具体的な事例が展開されます。この特徴を理解し、文章を大局的に捉えることができるようになると、大量の文章でも正確に文意を読み取ることができるようになります。
精読と聞くと「SVOC」といった内容が頭に浮かびますが、大量の文章を読まなくてはいけないPTEではあまり効果的ではないかもしれません!(個人差があると思いますが。)
以下の記事で具体的にまとめたので参考にしてください:
① Reading & Writing Fill in the Blanks
Reading & Writing Fill in the Blanks は、300字程度のパッセージの中にある複数ある空欄に入る適切な語を選択する問題です。
対策のポイントは、
- 空欄前後のキーワードをチェック
- コロケーションに着目する
- 全ての問題に必ず回答する
の3つです。
空欄前後のキーワードとは、品詞や論理の流れなど。特に品詞はラッキー問題なので、必ず正解できるようにしておきましょう。TOEICのPart 5と少し形式が近いので、最初はそれをベースに学んでも効果的です!
コロケーションとは、英語圏でよく使われる表現の総称です。例えば、 “deal with” のような表現がそれに当たります。インプットを増やせば対応できる範囲が増えるので、語彙・フレーズの学習は継続することが望ましいです。
最後に、全ての問題に回答することを心がけましょう。前述の通り、部分点が採用されており間違えても減点されることはありません。
わからなくても諦めず、最後まで解き切ることを優先してみてください。
この問題形式が高配点と言われています!優先的にこのパートは学習時間を割くようにしましょう!
② Multiple Choice – Multiple Answers
Multiple Choice – Multiple Answers も同様に、300字程度のパッセージを読んで、それに関する選択問題に回答する形式の問題です。
選択肢の中に正解が複数あるため、全リーディング問題の中でも非常に難易度の高い問題です。
対策のポイントは、
- 設問から先に読む
- 対応する表現に意識を向けてパッセージを読む
- 選択肢を消去法で絞り込む
の3つ。
個人的な考えですが、設問から最初に目を通すことをオススメします。相当なリーディング力があれば、パッセージから目を通しても内容を覚えていられますが、そうでないと読み返しに時間がかかるためです。(ちなみに選択肢には目を通さない方が良いと思っています)
設問を読むと、「パッセージのどの情報を読み取るべきか?」がわかるので、それに対応する表現や論理の流れを意識して上から読解していきます。
対応する箇所を見つけたら、各選択肢と照らし合わせて内容が合致しているかを判断していきます。
これも部分点なので、間違いを恐れず最後まで解き切ることを優先してください。
この問題は本当に難しい!私もよく間違えます。配点はそこまで高くないので、それよりも他の高配点のパートに学習時間を割いた方が効率的かもしれないですね!
③ Re-order Paragraphs
Re-order Paragraphs は、複数のセンテンスを並び替えて正しいパッセージを作る問題です。
対策のポイントは、
- 指示語(代名詞など)や接続詞をチェック
- 論理の流れを大局的に捉える
- イントロダクションとコンクルージョンを先に見つける
の3点。
センテンスを組み立てる時にヒントになるのが、代名詞や接続詞です。これらは必ず2段落目以降に用いられます。
英語の文章は基本的に「抽象→具体」の順番で論理展開されます。具体的な情報は、西暦や固有名詞、引用が含まれるのでこれらを元に抽象と具体を区別すると問題が解きやすくなります。
上記のことからイントロダクション(最初のセンテンス)とコンクルージョン(最後のセンテンス)は、抽象度が高く比較的見つけやすい情報です。
抽象から具体にシフトしていくイメージを掴む方法を、以下の記事で詳しくまとめたのでご覧になってください:
④ Fill in the Blanks
Fill in the Blanks は、80字程度のセンテンスの中にある空欄に、適切な語彙を挿入する問題です。
語彙は文章の下にいくつか候補が用意されており、その中から適切な語を選びます。
対策のポイントは、
- 文脈から意味を推測
- 同義語や類義語に注目
- わからない時は飛ばす
の3点。
空欄補充系の問題は基本的に文脈から語彙を推測することがセオリーです。ポジティブかネガティブかという大きな性質だけでもつかめればヒントになるので、点でなく線で情報を得るように意識しましょう。
もう一つ空欄前後で着目するポイントが「類義語」や「対義語」です。並列の接続詞(and/alsoなど)がある時は、その語と同じ性質の語が入ると予想することができます。
また、Fill in the Blanks に出てくる語彙は比較的難易度が高めのものが多いです。単語を知らなければほとんど勘に頼ることになるので、その時は潔く諦めて次の問題に進みましょう。
正確な単語の意味がわからなくても、それがプラスの性質か、マイナスの性質かをイメージするだけで流れを予測することができます!これも大局的に文意を掴むということにつながります!
⑤ Multiple Choice – Single Answer
Multiple Choice – Single Answer は、300文字程度の文章を読んで選択問題に回答するタイプの形式です。
対策のポイントは、複数回答のものと基本的には同じ。
設問を読んで、「パッセージのどの情報を読み取るべきか?」を理解した上で、重要な情報とそれ以外を区別していきます。
選択肢は基本的に本文のパラフレーズ(表現の置き換え)になっているので、
- 本文のパラフレーズを見つける
- 消去法
の2つを用いて正解を絞り込んでいきます。
この問題は配点がそこまで高くないので、あまり重点的に取り組まなくてもOKです。他の配点が高い問題の対策を優先しましょう!
まとめ
リーディングセクションの中で高配点と言われているのが、 “Reading & Writing Fill in Blanks” です。逆にMultiple Choicesは比較的配点が低いので、優先度はあまり高くありません。
その上で戦略を練ると、
- Reading & Writing Fill in Blanksの対策:
語彙・コロケーションのインプット - Fill in the Blanks/Re-order Paragraphsの対策:
前後の文脈から内容を推測する力・速読力を伸ばす - 他のセクションの対策を行う
の3点を意識してみると良いかもしれません。
特に “Summarize Wirtten Texts” はライティングの中で配点が高めなので、この対策をリーディングの練習として活用すると相乗効果が高まります。
以下に詳しく書いた記事があるので、参考としてご覧ください:
リーディングの基盤となるのは語彙と文法です。これらが不足していると、いくら量をこなしてもスコアが安定して伸びないので、基礎が必要な場合は焦らず覚えることに専念すると良いでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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