こんにちは!
今回の記事では、 英語力テスト「Versant」と「TOEIC」はどちらがオススメなのか、メリットとデメリットをできるだけ詳しくまとめていきます。
「VersantとTOEICの違いがよく分からない方」や「両テストの特徴を知りたい人」も少なくないと思います。そんな人がこの記事を読んで、どちらが自分に合っているのか理解する参考にしていただければ幸いです。
VersantもTOEICも、ビジネスパーソンを想定して作られたテストです。しかし、そのテストの目的や難易度は違います。現状の自分の実力と目標から自分に合ったテストを選ぶと良いですね!
それでは詳しくみていきましょう。
目次:
VersantとTOEICを徹底比較
Versantの特徴
まずは、以下のVersantの概要と特徴をみてみましょう:
団体 | Pearson |
試験名称 | Versant (ヴァーサント) |
試験内容 | ・音読:8問 ・復唱:16問 ・質問に回答:24問 ・文の構築:10問 ・話の要約:3問 ・自由回答:2問 |
試験時間 | 合計:約17分 |
スコア | 最高点:80点(最低点:20点) |
Versantは、ロンドンに本部を置く世界最大規模の教育サービス会社Pearson社という団体により運営されています。試験は、「英語を聞いてから英語で話す」というリスニング能力とスピーキング能力の両方を測定します。
試験は6つのパート、問題数は合計63問です。試験時間は約17分で、スコアは20点 – 80点の自動採点が行われます。オンラインで申し込みをすると、数日内に受験番号と受験方法が登録したEmailに届きます。
評価は、「文章構成、語彙、流暢さ、発音」の4つの評価項目から採点されます。評価の半分が、「流暢さ」「発音」の音声に関係していることが特徴です。
Versantは、日本では普及し始めたばかりです。一般的にビジネスパーソンが、会社の昇進や海外駐在をするにあたって、十分な英語力を有しているかを証明するために受験しています!
Versantのメリットとデメリット
以下が、Versantのメリットとデメリットです :
メリット | ・低コストで受験できる ・時間、場所の制約がない ・実践的な形式である ・主観性を排除している ・CEFRに換算できる |
デメリット | ・世間の認知があまりない ・Versantの伸びが続くか分からない ・Versantの勉強が目的になる ・問題がパターン化されている ・初心者にはハードルが高い |
Versantは、一回の受験料が5,500円(税込)と低コストです。また、他の英語テストと違い、時間や場所の制約がない点も、忙しい人にとっては大きなメリットです。
機械が採点することによる人間の主観を排除しています。ですので、Versantは 連続で受験をしてもほとんどスコアにブレが出ません。また、外国語の習得状況を示すガイドラインであるCEFRに換算をすることも可能です。
Versantのデメリットは、まだまだ世間の認知が低いことや、これから先も認知が伸びていくかわからない点です。また、Versantで高スコアを取ることが目的になってしまうと、本質的な英語の学習から離れてしまう可能性もあります。
TOEICの特徴
次に、以下のTOEICの概要と特徴をみてみましょう:
団体 | ETS |
試験名称 | TOEIC(トエック) |
試験内容 | < リスニング> ・写真描写問題 : 6問 ・応答問題 : 25問 ・会話問題 : 39問 ・説明文問題 : 30問 <リーディング> ・短文穴埋め問題 : 30問 ・長文穴埋め問題 : 16問 ・1つの文書の長文:29問 ・複数の文書の長文:25問 |
試験時間 | 合計:約120分 |
スコア | 最高点:990点(最低点:10点) |
TOEICは、アメリカ合衆国ニュージャージー州に本部を置く教育サービス会社ETS社という団体により運営されています。試験は、ビジネスに必要なリスニングとリーディング能力を測定します。
試験は7つのパート、問題数は合計200問です。試験時間は約120分で、スコアは10点 – 990点の自動採点が行われます。オンラインで申し込みをすると、試験日から17日後にテスト結果を確認することができます。
TOEICは、その難易度とテスト内容を考慮すると、英語ができる人を選別するテストというよりは、「英語ができない人を選別する」のに役立つテストかと思います!
TOEICのメリットとデメリット
以下がTOEICのメリットとデメリットです :
メリット | ・就職や転職でアピールできる ・昇進や海外赴任などで役に立つ ・世間の認知がある ・周囲から評価をえやすい ・初心者でも対策しやすい |
デメリット | ・あらかじめ予約が必要 ・時間や場所の融通が利かない ・スピーキング力が測れない ・現実のビジネスレベルから乖離している ・上級者にとっては物足りない |
TOEICの大きなメリットは、多くの人が知っているということです。ビジネスパーソンの方で、「TOEIC」という単語を聴いたことない人はほとんどいないのではないでしょうか。就職や昇進、社会のあらゆる場面で役に立つかと思います。
また、テストの難易度はVersantと比べてもさほど高くありません。英語学習をし始めたばかりの初心者でも対策をしやすいかと思います。スコアの幅も広く、伸びている実感があり、モチベーションも維持しやすいのがメリットです。
一方で、TOEICのデメリットは、あらかじめ数ヶ月前から予約が必要なことや、受験会場もランダムに配置されることです。Versantと比べて、融通はききません。また、現実のビジネス英語よりテスト内容が簡易的であったり、上級者にとっては満足できないかもしれません。
VersantとTOEICのスコア換算
以下が、VersantとTOEICの英語テストとの換算になります :
CEFR | Versant | TOEIC |
C2 | 79 – 80 | N/A |
C1 | 69 – 78 | 945 – 990 |
B2 | 58 – 68 | 785 – 940 |
B1 | 47 – 57 | 550 – 780 |
A2 | 36 – 46 | 225 – 545 |
A1 | 26 – 35 | 120 – 220 |
< A1 | 20 – 25 | N/A |
- 参照元 : VERSANTスコアと各種英語力指標の対応表
ビジネスパーソンが目指すべきVersantの最初の目安のスコアは47点だといわれています。これは、CEFRのB1であり、「なんとか英語で業務をこなせる最低ラインのスコア」だと認識してください。
上の表では、Versant 47点はTOEICの550 – 780点と換算されていることがわかります。しかし、TOEICで900点の方でもVersantで47点を獲得するのは苦労することが多いようです。これは、日本人は読み聴きが得意な人が多いので一般のスコア換算とはブレが生じているためです。
Versantのスコアは、まずは中級者の証である47点がとれたら、その次は上級者の入り口である58点を目指すと良さそうですね!
VersantとTOEIC どちらがオススメ
基礎力を伸ばす場合
現状、基礎力がない方は、TOEICを中心に学習していくと良いです。以下が理由になります :
- 理由1. Versantと比べて難易度が低い
- 理由2. 語彙、文法を学べる
- 理由3. モチベーションを維持しやすい
TOEICは、Versantと比べて難易度は低めです。出題される英語のレベルに関しては大きな相違はありません。しかし、Versantはスピーキングで回答するため、回答の際に瞬発力が求められます。
また、TOEICではリーディングセクションがあるため、効率よく語彙と文法を学べます。語彙と文法は、英語の構成要素にあたります。TOEICの学習を通して、英語の土台づくりをすることができます。
TOEICは、人によっては短期間の集中で大きな成果を上げることができます。挫折をすることが多い言語学習においては、進捗が細く確認できることは非常に良い刺激になりますね!
スピーキング力を伸ばす場合
中・上級者の方や、スピーキングに特化して勉強している人にはVersantがオススメです。以下が理由になります :
- 理由1. Versantで高スコアを取得するのは難しい
- 理由2. リスニングができることが前提
- 理由3. スピーキング力がテストの8割を占める
Versantは、60点以上のスコア取得をするのが難しいテストです。英検1級やTOEIC900点以上を取得しているような人でも、50点に届くかどうかといったテストです。既に中級以上のレベルの人にとってはやりがいがあります。
また、Versantは実際のビジネスと同様に、リスニングができないと答えることすらできません。つまり、初めからある程度リスニング力がある人向けのテストになっています。
私が知っている英語のスピーキング力を正しく測るテストの中では、Versantは最も有効なテストの1つです!
まとめ
自分のレベルと目的にあったテストを選ぼう
最後に、今回の記事のポイントをまとめておきます:
- VersantもTOEICもメリットとデメリットがある
- 初心者の方はTOEICを中心に勉強しよう
- スピーキングを伸ばしたい人はVersantがオススメ
VersantとTOEICの違い、メリットとデメリットは理解できましたか。どちらもビジネスパーソンのための英語試験で、客観的なスコアが算出されます。
現状、英語力に自信がない人は、まずはTOEICで基礎力をつけるところからスタートしましょう。その上で、定期的にVersantを受験しスピーキングのレベルを確認すると良いですね。
英語も言葉です。言語の上達に特効薬は存在しませんが、自分の弱みをしり改善を重ねることで少しずつ進歩します。今日も何かしら英語で知識を得てみましょう!
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
英語が伸び悩んでいる中上級者の方や、勉強法などでご相談などあれば私にお気軽にご連絡ください。