こんにちは!
今回の記事では、シャドーイングとオーバーラッピングの効果的な学習方法についてまとめていきます。
コーチングサービスの増加と共に、英語学習としてシャドーイングに取り組むケースが増えてきました。確かに音声知覚力を伸ばすのに効果的なシャドーイングですが、難易度が高く適切に学習できているか実感が湧きにくいという問題もあります。
またシャドーイングと類似のオーバーラッピングに関しても、イマイチ「何が適切なやり方か?」ということが浸透していないように感じます。
そこで、今回はシャドーイングとオーバーラッピングの効果の違いや、適切に行う方法についてまとめていきます
リスニング力を伸ばす勉強はシャドーイングだけではありません。自分の現状にあった学習方法を取り入れることが一番の近道になりますよ!
それでは詳しく見ていきましょう。
目次:
「シャドーイング」と「オーバーラッピング」の違い
シャドーイングとオーバーラッピングの大きな違いは、トランスクリプトを見ながら発音するかどうか、という点です。
オーバーラッピングは、トランスクリプトを読みながら聴いた音声を発音します。一方でシャドーイングは、読まずに聞いた音声を発音する勉強方法です。
文字を読みながら発音できるオーバーラッピングの方が負荷が低く、音声の再現により意識を向けることができます。そのため、発音矯正の一環として取り組むことが効果的です。
聴いた音声を思い出しながら発音するシャドーイングは、頭の中で内容を整理する必要があり負荷が高いです。発音矯正よりも、スピーキングの瞬発力を向上させる効果が見込めます。
シャドーイングに必要なプロセスは、「内容を思い出して適切な文法に再構築して発音する」ことです。そのため、スピーキングの瞬発力を高めたいときや、文構造を定着させたいときに効果的です!
どちらがオススメ?
「シャドーイングとオーバーラッピング、どちらがオススメですか?」
という質問を定期的にいただきます。
率直に回答すると、「こっちの方が効果的!」という学習方法はありません。それよりも大切なことは、「現状の英語力に適しているかどうか?」という観点です。
以下に難易度ごとの、リスニング勉強方法をまとめてみました:
- Short Dictation:1単語・フレーズの書き取り
- Repeating:音声を止めながら発音
- Overlapping:トランスクリプトを見ながら音声に合わせて発音
- Long Dictation:トランスクリプトの書き起こし
- Shadowing:トランスクリプトを見ずに音声に合わせて発音
上記をみると、シャドーイングは最も難しい学習方法ということがわかります。
基礎が身に付いていない状態では分からない単語や再現できない発音が多いので、シャドーイングは非常に手間がかかり学習効果を高めることができません。
例えるなら、水泳を始めたばかりの人に「1キロメートル泳ぎなさい」と指導しているのと同じことです。現状に合った学習でないと学習効果が高まらないどころか、違うフォームを覚えたり変な癖が身に付いたりとデメリットの方が多くなってしまうのです。
逆に簡単すぎる学習方法は、刺激が少なくなり学習効果が上がらなくなります。1つの学習方法に慣れてしまうことも、学習効果を下げてしまう要因になるので注意しましょう!
シャドーイングとは
「シャドーイング(Shadowing)」は、トランスクリプトを見ずに英語を聞いて発音する勉強方法です。
シャドーイングは大きく分けて以下の2つの方法があります:
- プロソディ・シャドーイング
- コンテンツ・シャドーイング
プロソディ・シャドーイングは、英語の音声を真似することだけに意識を向けるシャドーイングです。オーバーラッピングと同様に、発音矯正の効果が高いです。
コンテンツ・シャドーイングは、音声ではなく内容だけに意識を向けるシャドーイングです。プロソディ・シャドーイングとは異なり、英語の語順や文章理解といった文法力向上に効果があります。
シャドーイングの方法
効果的なシャドーイングは、以下の手順で行います:
- リスニング
- (シャドーイング・録音確認)
- トランスクリプトの読解
- シャドーイング・録音確認
- 4を繰り返しおこなう
いきなりシャドーイングを行うのではなく、まずは練習する音源全文をリスニングします。内容の全体像を掴むことで、文脈の推測力を鍛えることができます。
基礎力が身に付いている場合は、続けてシャドーイングを実際におこなってみましょう。初回はとても難しいので、無理だと思ったらトランスクリプトを先に確認します。
内容が全て理解できたら、シャドーイングに挑戦してみましょう。音声は必ず録音して、振り返りをすることが効果をあげるポイントです。
「振り返り」はどの学習においても重要なプロセスです。どれだけ客観的に自分の英語を分析できるかによって、学習の定着度が大きく変わっていきます!
オーバーラッピングとは
「オーバーラッピング(Overlapping)」とは、トランスクリプトを見ながら英語を聞いて発音する勉強方法です。
シャドーイングと比べると、トランスクリプトが見れるので内容理解がしやすく、音声を真似することに意識をより向けることができます。
オーバーラッピングの方法
効果的なオーバーラッピングは以下の手順でおこないます:
- リスニング
- トランスクリプトの読解
- オーバーラッピング・録音確認
- 3を繰り返しおこなう
基本的な学習方法はシャドーイングと同様です。
まずは内容の全体像を把握します。「どういった意図でセンテンスが構成されているのか?」のように、段落全体の流れを把握しましょう。
続けてトランスクリプト全文を精読して、内容を完璧に理解します。理解できたら実際にオーバーラッピングと録音をおこない、精度を高めていきます。
言語を習得する上で、適切な発音を身につけることは非常に重要です。そのためSOLOでは、シャドーイングよりもオーバーラッピングをオススメすることが多いです!
オススメの学習教材
シャドーイングやオーバーラッピングをおこなう上で、オススメの学習教材を紹介します:
「Voicetube(ボイスチューブ)」と「Ejoy English(イージョイ)」は、動画の横にトランスクリプトが組み込まれており、動画に合わせて字幕を簡単に目で追うことができます。
練習したいセンテンスをクリックすると該当部分まで動画が自動的に戻ってくれるので、繰り返しフレーズを勉強したいときに役に立ちます。
Youtubeはコンテンツ量が多いことが特徴で、自分の興味関心にあった英語情報を簡単に見つけることができます。
言語学習を「勉強」として捉えるのではなく、趣味や学習の過程として自然に触れる状態を作りましょう。英語だけを学ぶよりも、もっと有益なことを学びつつ英語力も伸ばすことができます!
まとめ
今回の記事を以下にまとめます:
- トランスクリプトの有無がシャドーイングとオーバーラッピングの違い
- シャドーイングの方が難易度が高い
- 「振り返り」の精度によって学習の定着率に大きな差が出る
- 興味関心を軸に英語に触れる環境を作る
シャドーイングやオーバーラッピングは、非常に効果的な学習方法です。しかし言語習得という大きな視点に立つと、異文化コミュニケーションの課題を解決することはできません。
コミュニケーションのようなアウトプット・スキルを伸ばすためには、「実践の場数」が重要です。自分自身で完結できる勉強法だけでなく、実際に英語を使って関係性を築くことにチャレンジすることを忘れないでください。
たとえシャドーイングを1年続けたとしても、実際に「英語がはなるか?」は別問題です。私としては勉強だけでなく、他言語でコミュニケーションができた時の成功体験を少しでも経験してみると良いのではと思っています!
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
英語の学習方法を含め、海外留学や英語試験など、何かお悩みがありましたら下記よりお気軽にご相談ください。それではまた。