【英語学習】スピーキング力の伸ばし方をステップごとに徹底解説

こんにちは!

SOLO IELTS TOEFLルークです!

今回の記事では、スピーキング力を向上させる方法についてまとめていきます。

IELTSやTOEFLを指導していて、スピーキング力に伸び悩むケースを非常に多く見かけます。

「スピーキング力にはシャドーイングが有効です!!」

このように指導されて、シャドーイングを一年間続けたにも関わらずスコアが伸びなかった。そんな、学習者の自信を砕いてしまうようなケースもあるようです。

確かにシャドーイングは音声再現力を高めるのに有効な手段の一つですが、実際のコミュニケーションのようなイレギュラーの連続に対応することには効果があまり見込めないのです。

では、もっとも効果的な学習方法は何か?

答えは、自分の現状の根本的課題を解決する学習を適応させることです。

正しい発音が身に付いていない状態でシャドーイングをしても効果が出ないのは当然です。また、そもそも単語力がなければ聞いた音声を理解することができません。

スピーキング力は、運動能力のようなものです。パスの練習だけしていてもサッカーが上達しないことと同じように、基礎練習や実践など、様々な刺激を身体でインプットすることが大切になります。

それでは詳しくみていきましょう。

スピーキング力の伸ばし方

スピーキング力を伸ばすためには、主に以下の4つのステップをおこないます:

  1. スピーキングの仕組みを知る
  2. プロセスの最後から対策する
  3. 役立つフレーズを真似して覚える
  4. 論理展開を真似して覚える

スピーキングは、リスニングの上位スキルです。つまり、流暢に言語を話せるようになるためには、基礎的な語彙や文法などの学習が必要になります。

もし、これから言語を学習するという場合は、スピーキングの学習だけではなく基礎力も平行して伸ばしていくとこ学習効率が向上します。

Step1. スピーキングの仕組みを知る

まずは、他言語でスピーキングをする時に、どのようなプロセスを経ているのかを確認していきましょう。

基本的に、他言語を話す時は以下の3つのプロセスを経由する必要があります:

  1. 思考(話す内容を母語で考える)
  2. 変換(母語を英語に置き換える)
  3. 発話(他言語を実際にアウトプットする)

「1. 思考」は、母語に関わるスキルです。日本語で物事を考える力であったり、自分の意見を論理的に組み立てるロジカルシンキングなどが関わっています。

「2. 変換」は、単語力や文法力に関連したスキルです。母語でイメージした内容を、他言語に置き換えて表現するためにはこれらの力が必要になります。また、アウトプットの経験値を増やすことで、このプロセスを限りなく省略することが可能です。

「3. 発話」は、発音の再現性に関わるスキルです。頭の中で整理した内容を、聞き手が理解できる言語として音声情報に変換して伝達することが求められます。

上記の3つのプロセスのなかで、シャドーイングが解決できるのは主に「3. 発話」だけです。「2. 変換」も学習の負荷を調整することで伸ばすことができますが、あくまで定型文を模倣することが中心になるので劇的にスキルを伸ばすことが難しいことが現実です。

まずは、上記のプロセスを見て「自分はどの部分に根本的な課題があるのか?」ということを正しく分析することが大切です。

多くの場合、これらのステップが複合的に絡まって「スピーキングができない」という結果に繋がります。「1. 思考」のプロセスを見ると分かるように、必ずしも英語力が根本的な原因ではない可能性がある、ということも視野に入れておくことが大切です!

Step2. プロセスの最後から対処していく

自身の課題が分かったら、上記のプロセスを下から順番に対策をしていきましょう。

つまり、

  1. 発話(他言語を実際にアウトプットする)
  2. 変換(母語を英語に置き換える)
  3. 思考(話す内容を母語で考える)

の順番で苦手な要素を潰していきます。

なぜ、反対から対策していくと良いかというと、相手に言語が伝わるという成功体験がスピーキングの実践経験の総量を増やすことにつながるからです。

言語学習だけでなく「成功体験」は学習において不可欠な要素です。脳内に報酬系ホルモンが分泌されることで、学習対象に対して「もっと学習してレベルアップしたい」という感情が自然と湧き出てくるからです。

言語における成功体験とは、相手に自分が話した内容が理解されることです。

仮に「思考」から対策を始めると「伝えたいことがあるのに、何を言っても全然伝わらない…」と、英語を話すことにコンプレックスを感じたり、学習に対して億劫(おっくう)な気持ちが湧いてくることは簡単に想像できると思います。

逆に、いつも「Hah?」や「Pardon?」と聞き返されてしまうのに、自分の話したことがスムーズに相手に伝わっている状況を思い浮かべてください。些細なコミュニケーションでも「やった!!」と心が躍る感じがイメージできませんか?

まずは「他言語を話す」ということにポジティブな感情を植え付けること。これは子どもでも大人でも一緒です。そのためには、相手が理解できる音声を再現できるようになることが何よりも先決なのです。

英語以外の言語を学ぶときは、必ず発音から練習が始まります。しかし、英語は最初から文法などが中心となるため「英語ができるけど、話すと通じない」というような状態に陥ってしまうのです。

Step3. 役に立つ表現を真似して覚える

発音の再現性が向上してくると相手が理解できることも増えるので、必然的に自分の意見を述べたり「思考」に関するスキルが求められてきます。

ここで大切なことは「ゼロから発話する内容を構築しないこと」です。非ネイティブがゼロから言語を変換すると、相手に伝わりにくい表現になる確率が高くなります。

それを避けるために、実際にネイティブが使用しているフレーズから使えるフレーズをそのまま真似して話すことを心がけてください。

例えば「Do you prefer eating at home or eating out?(外食と家での食事のどちらが好きか?)」という質問に対しての解答例をみてみましょう:

  • Q. Do you prefer eating at home or eating out?
    「外食と家でご飯をたべることのどちらが好きか?」
  • A. I would like to eat out since I don’t want to cook very often.
  • 「あまり料理をしたくないので、外食が好きです。」

上記で下線を引いた部分は、他の質問でも活用できる汎用性の高いフレーズです。こういったフレーズをそのまま使って、中身だけを少しだけ変えてみましょう。

そうすると、例えば別の質問を聞かれた時も、

  • Q. Do you prefer to work alone or in a group?
    「一人で働くのと集団で働くのはどちらが好きか?」
  • A. I would like to work alone since I don’t want to chat with others while working.
    「仕事中に他の人とおしゃべりをしたくないので、一人で仕事をしたいです。」

このように、内容を少し変えるだけで他の質問にも回答することが可能です。

ゼロから構築していくのは途方のない作業で、相手が理解できない文法を生み出してしまう恐れが常にあります。そのため、スピーキングは「使える表現を増やしてく」というイメージで表現をインプットしていくことを意識していきましょう

慣れてきたら「would like to」を「would be glad to」と置き換えてみたり、「since」を「because」や「as」に置き換えてみたりしてみましょう。類義表現を使えるようになることで、表現の幅が増えていきます!

Step4. ネイティブの論理展開を真似して覚える

Step3と同様に、ネイティブが話す内容が「どのように展開されているのか?」についても、積極的に模倣してみましょう。

ネイティブのスピーチは、基本的に以下のArgumentに沿って展開されます:

異文化コミュニケーションにおいて、このArgumentの構成に沿って話を展開することはとても大切です。

言語知識や価値観が異なる状態でコミュニケーションを取るためには、共通したユニバーサルなフォーマットで意見を述べないと自分の考えが相手に理解されにくいのです。

まず最初に、明確にかつシンプルに自分の考えを述べる。意見を表した上で、その意見がいかに説得力があるかを「Evidence(具体例・データ)」を述べていくことで細く説明していきます。

シャドーイングなどの練習をしていると、どうしても話している内容のディテールにばかり目がいってしまいます。

しかし、話している内容が「そもそもどういった役割を持って述べられているのか?」という部分に着目して、論理的な流れを把握することで、汎用性の高いスピーキング力を身につけることができます。

英語の「役割」を意識できるようになると、リスニングで聞き逃しがあった時も比較的リカバリーがしやすくなります。リーディング、ライティングでも効果があるので、ぜひ意識してみてください!

まとめ

今回の記事の内容を以下にまとめておきます:

  1. スピーキングが伸びない原因は複数の問題が絡み合っていることが多い
  2. 「思考>変換>発話」のプロセスを後ろから対策していく
  3. ゼロから文章を作ろうとせずに表現を模倣することから始める

「表現を真似する」というと「どうしても自分の考えていることを正確に伝えたい!」と思う方も一定数いると思います。

しかし、異文化コミュニケーションにおいては「自分が正しく伝えた」と思っている内容を「聞き手が正しく理解できたか」は分かりません。どれだけ自分が満足するようにコミュニケーションが取れたとしても、相手が理解できていなければそのコミュニケーションは成立していません。

言語を100%完璧に変換することは難しいです。

なぜなら、言語には単なる音声情報だけでなく、話し手のバックグララウンドや価値観が大きく反映するからです。自分が当たり前と思って話していることでも、異なる価値観を持つ人たちには全てを理解することはできません。

スピーキングに苦手意識がある方は、どうしても「自分の気持ちを正しく伝えたい」という気持ちが強い真面目な方が多いです。なので「正しく伝えても理解されるかは相手次第」という意識をもつことで、スピーキングに対するハードルを少し下げてみてもいいかもしれません。

最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。

英語の学習方法を含め、海外留学や英語試験など、何かお悩みがありましたら下記よりお気軽にご相談ください。それではまた。

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