こんにちは!
今回の記事では「OET(医療英会話)のリスニング『パートA』」を徹底的に解説します。
「医療に特化して英語力を伸ばしたい方」や「OETをこれから受験する方」の役に立てれば幸いです。
OETのリスニング「パートA」は最も独自性が強く書きとる英語表現の専門性も高いので、高い語彙力と音声知覚能力が必要になります!
それでは詳しくみていきましょう。
目次:
OET(医療英会話)リスニング・セクションの概要
リスニング・セクションの概要
まずはOET(医療英会話)リスニング・セクションの概要を確認しましょう。以下がリスニング・セクションの概要です:
パート数 | 3パート |
問題数 | 42問 |
試験時間 | 約40分 |
点数 | 500点満点(旧形式の場合A〜Eの6段階評価) |
合格ライン | 350 / 500点(旧形式のB以上) |
トピック | パートA:診療現場におけるダイアローグ パートB:医療現場における短い対話(または説明) パートC:医療に関するプレゼンテーションやレクチャー |
設問内容 | パートA:リスニング音源の書き取り パートB&C:選択問題(3択) |
英語発音の種類 | オーストラリア英語 アメリカ英語 イギリス英語 その他(ニュージーランド、アイルランド、南アフリカなど) |
今回紹介するパートAは「診療現場におけるダイアローグの書き取り」をおこないます。リスニングをしながら、聴き取れた内容を書き取ります。
合格ラインである350点以上を取得するためには42問中「30問以上」正解することがボーダーラインです。毎回のテストでスコア配分が変わるので、可能であれば「32問以上」は取得できるように対策しましょう。
OETのリスニングは選択肢も専門的な用語が多く、パートBとパートCでも安定したスコアを取得するのが難しいです!
リスニング「パートA」の概要
次にリスニング「パートA」の概要を見ていきましょう。以下がが概要です:
Extract数 | 2 Extract |
問題数 | 24問(各Extract12問) |
再生時間 | 約5分(各Extract) |
問題形式 | 医療カルテ空欄部分への書き込み |
トピック | 医者と患者の診断場面 |
Extractとは音源のことです。つまりパートAでは2種類の音源が再生されます。
基本的に、症状の「診断」「処方」「今後の治療方針」以外の部分は患者役の人が答えを話します。音源が再生される前に、回答用紙を確認することができるので必ず事前に話の流れを確認しておきましょう。
ダイアローグは基本的にカルテ(回答用紙)の上から順番に話されていきます。聞き逃さないように集中しましょう!
リスニング「パートA」の流れ
続いてリスニングパートAの流れを見ていきましょう。リスニングパートAでは以下のように試験が進みます:
- リスニング・セクションの概要説明
- 「Extract 1」の概要説明
- 準備時間(30秒)
- Extract 1(約5分)
- 回答のチェック時間(30秒)
- 「Extract 2」の概要説明
- 準備時間(30秒)
- Extract 2(約5分)
- 回答のチェック時間(30秒)
準備時間の間に回答用紙を読み込み、話の流れと回答箇所を推測しておくことが重要です。またリスニング音源を聴きながら、同時並行で回答する必要があるので注意しましょう。
リスニング「パートA」で覚えておくと良いこと
リスニング「パートA」を解くに当たって、以下のポイントを覚えておくといいです:
- ポイント1:ミススペルは減点されない
- ポイント2:音源と同じ語彙を書き取る
- ポイント3:省略語は使用しない方が良い
パートAでは、ミススペルは元の意味が理解できる範囲であれば減点はされません。なぜなら薬剤の名前や病状は難しいものが多いので、細かいミススペルは実際の医療現場でも頻繁に起こり得るためです。
一方で、聴き取れた音と同じ意味の違う単語を書き出した場合は減点です。あくあでリスニング音源を聴き取る能力が問われているためです。
省略語に関しては、意味が明瞭な場合は減点されません。しかし、医療領域によって理解しにくいケースもあるので極力略語は使わないようにしましょう!
さて「パートA」の大まかな全体像が見えてきたので、次に実際の問題を元に説明していきます。
OETリスニング「パートA」の対策方法
OETリスニング「パートA」では以下の対策が効果的です:
- 対策1:回答箇所を予測する
- 対策2:聴き取るべき情報を理解する
まずパートAで高得点を取得するためには、前提条件として一定量の語彙力は必須です。なぜなら語彙の意味が理解できないと、そもそも音を聴き取ることができないからです。
語彙力の目安は「10,000語〜12,000語」程度です。英検でいうと「準1級〜1級」。TOEICでいうと「900点以上」が目安になります。
語彙力が足りない状態でリスニングの勉強をしてもあまり学習効果が高くありません。語彙力が足りない場合は基本に立ち返り、基礎的な語彙力を身につけることにまずは集中しましょう。
対策1:回答箇所を予測する
回答用紙(カルテ)の前後の文脈を読み解くことで、空欄部分にどんな情報が入るかをある程度予測することができます。試しに以下の回答用紙サンプルを見てみましょう:
「空欄前後の語句」または「空欄の属するトピック」の2点を意識して問題を見ることで、どんな情報を聴き取るべきか準備することができます。
またトピック(回答用紙の左側、太字部分)を確認することも重要なポイントの一つです。トピックは上から順番に話が進行していくので、どのような話の流れかを予想することも可能です。
今回の紹介しているサンプル問題は整形外科における診断シチュエーションですが、内科における診断シチュエーションも当然出題されます!
対策2:聴き取るべき情報を理解する
上記の「回答部分を予測する」ということと近いですが、回答になり得る情報はある程度決まっています。どの情報を重点的に聞くべきかを理解しておくことで、リスニングで集中するべきポイントが明確になります。
以下が回答になり得る情報です。あくまで参考程度ですが、ご覧になってください:
- 情報1:症状
- 情報2:症状の程度(痛み、など)
- 情報3:症状の結果(不自由になったこと、など)
- 情報4:身体の部位
- 情報5:患者の情報(職業、家族構成、など)
- 情報6:治療法・薬剤
- 情報7:期間・時期(症状が始まった期間、服用期間、など)
- 情報8:服用量・頻度(薬剤の服用量、頻度、など)
- 情報9:その他(直接医療とは関係のないもの、など)
パートAの目的は情報の書き取りなので、専門性が高い語彙が出題されるケースはほとんどありません。しかし、医療関連で日常的に使用さる薬剤や治療法などは書き取りの対象になるので注意しましょう。
せっかく情報を聴き取れても、知らない語彙を書き出すことはできません。基礎的な語彙力が非常に重要になることが分かりますね!
リスニング「パートA」のサンプル問題
対策方法がわかったところで、最後にサンプル問題を実際に解いてみましょう。
リスニング「パートA」リスニング音源
リスニング「パートA」回答用紙
回答用紙のダウンロードは以下のOET公式ホームページからダウンロード可能です:
リスニング「パートA」 解答
- Q1. (a) (heavy) suitcase / case
- Q2.(his/the) right leg
- Q3.(really) intense
- Q4.turn over in bed / get comfortable
- Q5.tingling
- Q6.events organiser
- Q7.compression packs
- Q8.(an) osteopath
- Q9.ultrasound
- Q10.acupuncture
- Q11.combination of treatments
- Q12.slipped/herniated disc
今回参考にした問題例は全てOETの公式ホームページで無料で公開されています。「Extract 2」を解いてみたい場合や、他のサンプル問題も確認したいときは是非参考にしてください:
まとめ
OETの対策は基礎知識を一定量インプットした後におこなおう
今回の記事のポイントを以下にまとめておきます:
- ポイント1:リスニング「パートA」は音源の書き取り問題
- ポイント2:合格ラインは42問中「30問以上」正解
- ポイント3:前後の文脈から回答を推測する
これから英語勉強を始める場合、いきなりOETの問題を解くことはオススメしません。なぜなら内容の難易度が高く、分からないことだらけなので学習効率が高くならないからです。
たとえ最終目標がOETだったとしても、最初は基礎的な英語習得が必ず必要になるということを覚えておきましょう。
最初からOET(医療英会話)の勉強を始める方がいますが逆効果です!遠回りのように思えますが、必ず基礎的な英語力を身につけてから対策を始めましょう!
その他のOETリスニング対策に関する情報は、以下の記事を参考にしてください:
最後に、OET対策や医療英会話でお悩みなどありましたらお気軽にご連絡ください!