こんにちは!
今回の記事では「アメリカで医師(医者)として働く方法・必要な英語力・医師の年収」を紹介しています。
「既に日本で医師として働いて、アメリカで働きたいと希望している方」や「海外移住を視野に入れて人生設計をしている方」の役に立てれば幸いです。
アメリカで医師をするためにはUSMLEで高得点をとること、コネクションの双方が鍵になります。年収は日本の医師のおよそ1.5-2倍ほどです!
それでは詳しくみていきましょう。
目次:
アメリカで医師(医者)として働く方法
日本で医学部を卒業した人のアメリカ臨床留学
日本で医学部を卒業した人が、アメリカで医師として働くための臨床留学は以下のプロセスを踏む必要があります。
ステップ1: アメリカの医師免許の取得
まずはアメリカの医師免許を以下の順で取得する必要があります :
- 日本で医学部を卒業
- ECFMGにてUSMLE受験申込
- USMLEステップ1
- USMLEステップ2 CK
- USMLEステップ2 CS
(2020年現在はOET) - 上記合格後ECFMG Certificate (医師免許)取得
ECFMGとは海外の医学部を卒業した人を米国国内で医師として研修させることについて責任を持っている機関です。ECFMG certificateはいわゆる医師免許でECFMGが発行しています。
USMLEは米国医師資格試験でECFMG certificateを取得するために合格しなければならない試験です。USMLEは「プロメトリック」という機関によって運営されています。試験の運営のみを受託している機関です。
受験者はプロメトリックのテストセンターに赴いてUSMLEを受験します。日本ではSTEP1及びSTEP2 CKを東京または大阪のプロメトリックで受験することが可能です。
現在はCovid19の影響で、USMLEステップ2 CSの代わりにOETというオンラインで受講可能な医療英語の試験を受験する必要があります。記事の下で詳しく説明しています!
ステップ2: レジデンシー/フェローシップ(研修)に参加
ECFMG Certificateを取得したあとはレジデンシーと呼ばれる一般内科・一般外科等、専門領域の基礎となる領域に特化した研修を以下のプロセスで行います。
- National Residency Matching Program (NRMP)に申請
- 希望するプログラムに応募
- 面接
- レジデンシープログラムの参加と終了
- フェローシッププログラムの参加と終了
どこの研修機関でレジデンシーを行うかはオンラインでのマッチング形式となります。NRMPというオンラインプログラムにて病院と医師の双方の希望からマッチングを行います。ちなみに上手くNRMPによりマッチングがいかなかった際は1年の見送りとなります。
フェローシップは「呼吸器内科」「心臓血管外科」など、さらに専門性を追求するための研修であり、レジデンシーの後に行います。アメリカのフェローシップというポジションの殆どが、同国でレジデントを修了している医師を対象としています。
USMLEの成績と推薦者のコネが非常に大切です。特に2つ目のコネを軽視する人がいますが失敗談をまとめている方がいますので参考にして下さい!
- 参照: アメリカで夢破れた理由
アメリカのメディカルスクールから現地で医師を目指す方法
現在高校生や大学生などでアメリカのメディカルスクール(大学院扱い)を卒業して現地で医師を目指す方法は以下のプロセスです :
- 高校を卒業
- 日米問わず一般の4年制大学を卒業
- The Medical College Admission Test (MCAT)受験
- 米でメディカルスクールを卒業 (4年制)
主に在籍2年目にUSMLE ステップ1
主に在籍4年目にUSMLE スッテプ2CK&CS - インターンシップ(1-2年)
- USMLEステップ3
- 州ごとの医師登録
- レジデンシー
- フェローシップ
アメリカが医学部は修士、つまり大学院扱いです。学部は一般学部で良いですが、多くの人は生物や化学など医学部と関連性の高い学部を先行します。
メディカルスクールの受験資格には、学部時代に生物、化学、物理の単位が必須です。大学によっては数学、心理学、社会学が必要な場合もあります。また、MCATと呼ばれる試験をオンライン受験する必要があります。
また見落としがちですが、メディカルスクールに入るために大切になるのが学部時代の成績(GPA)です。大学名よりもGPAの数値自体が大切です。
メディカルスクール後はインターンシップ→レジデンシー→フェローシップと進んでいきます。
雇用してもらう場所探しはメディカルスクール時代のコネが大事だと覚えておいて下さい!
アメリカで働くために必要な英語力
アメリカで医師として働くために必要な英語力は以下いずれかの英語のレベル感の上に医療英語が必要です :
- 英検1級
- TOEFL95点
- IELTS7.0
実際の英語力はUSMLE(米国医師資格試験)のSTEP 2 Clinical Skillにて実践形式で測ります。以下の順で模擬診察を何例か行います。
患者の基礎情報読解→診察室に呼ぶ→問診・身体所見→アセスメント・プランの決定→カルテ記載というプロセスの模擬診察です。
医療英語ですので特殊スキルではありますが、あくまで基礎の英語力の上に成り立っている事は変わりません。まずは基礎英語力をきちんとつけましょう!
USMLEが医療英語試験OETを採用
COVID19の影響で上記で紹介した実践模擬が困難となったため2020年8月今現在はオンライン受験が可能な医療英語試験OETを採用しています。
OETは英語が母語ではない医療従事者に向けて「実際に海外で働くことができる英語力があるか」を測定することを目的としたテストです。詳しくは以下を参照にしてください。
- 参照: OETとは
元々はオーストラリアやイギリスで医師や看護師をしたい人が受験する資格でしたが近年より多くの国でOETを使用した採用が進んでいます!
OETの合格点は350点
USMLEのClinical Skill合格のためには各セクションで350点(500点満点)を取得する必要があります。下記が350点取得に必要な各セクションの正答数です。
- リーディング42問中30問
- リスニング42問中30問
- ライティング38点中27点
- スピーキング39点中30点
OETはリスニングとスピーキングで苦しむ人が多いです。リスニングは音源の真似をしていく訓練をして下さい。
スピーキングは発音よく流暢に目的意識をもった会話を相手に配慮しつつ行えるかが30点獲得のポイントです!
OETのサンプル問題
OETが公式で出題しているサンプル問題を下記に用意していますのでまだ回答した事のない人は是非とも解いてみて下さい。
リーディングやリスニングで25点に届かない人は基礎力が足りていませんので、OET対策の前にIELTS6.5を目指すと良いです。
スピーキングに関しては以下の動画からどういったロールプレイなのかを確認して下さい!
アメリカで医師になった場合の年収
最後にアメリカの医師の年収2020年度版平均値をまとめておきましょう。
- 整形外科医: $511,000
- 美容整形 : $479,000
- 耳鼻咽喉 : $455,000
- 心臓医 : $438,000
- 放射線学 : $427,000
- 胃腸病学 : $419,000
- 泌尿器科 : $417,000
- 皮膚科 : $411,000
- 麻酔学 : $398,000
- 眼科 : $378,000
- 腫瘍学 : $377,000
- 一般外科: $364,000
- 緊急医 : $357,000
- 救命救急 : $355,000
- 肺内科 : $342,000
- 病理学 : $318,000
- リハビリテーション : $308,000
- 産婦人科 : $308,000
- 腎臓学 : $306,000
- 免疫学 : $301,000
- 神経学 : $280,000
- 精神医学 : $268,000
- リウマチ学 : $262,000
- 内科 : $251,000
- 感染症 : $246,000
- 内分泌学 : $236,000
- 家庭医療 : $234,000
- 公衆衛生 : $232,000
- 小児科 : $232,000
日本の医師の平均年収は1,696万円、開業医は2,800万~4,000万円です。アメリカでは勤務医でも日本の開業医ぐらいは稼げる事が分かります。また毎年上昇しています。
まとめ
以上がアメリカで医師として働く方法と年収まとめでした。
このブログを読んでいる方のほとんどの人が現在日本で医師をされている方でUSMLEにチャレンジをされているかと思います。
弊社は日本で唯一、OETの対策が専門的にできるオンラインスクールです。わざわざ海外の語学学校にてOETを学ぶ必要なく、日本で働きながらUSMLEステップ2 CSで必要なOET対策をする事が可能です。。
現状英語力が低い人から、既に一般英語力が高い人まで自信を持って海外でも働けるレベルまで押し上げる事が可能です。
将来海外で医師として働きたい、もしくはOET対策を通して医療英語のスキルをつけておきたいという人は遠慮なくご相談ください。
きっとお力になれます。