こんにちは!
今回の記事では、IELTSやTOEFL対策で重要な知識の一つ「ディスコースマーカー」について紹介していきます。
ディスコースマーカーは、英語における接続表現の総称を表します。
TOEFLやIELTSのライティングとスピーキングでは、このディスコースマーカーを適切に使えているかがスコアアップに繋がります。
また、リーディングやリスニングでも、要点を理解することに役立つので学んでおいて損はありません。
ということで、今回は「ディスコースマーカーとはどのようなものなのか?」という疑問への回答や、実際の表現例をまとめていきたいと思います。
ディスコースマーカーが適切に使えるようになると、話の論理的な展開が明確になります。特に異文化コミュニケーションの場では非常に重要なテクニックなので、必ず覚えておきましょう!
それでは詳しくみていきましょう。
目次:
ディスコースマーカーとは?
ディスコースマーカーとは、会話や文章において論理的な流れを示す接続表現です。IELTSでは「Cohesive Devices」TOEFLでは「Transition Words」が、ディスコースマーカーにあたります。
例えば「but」や「however」があれば、これまでの論説とは異なる意見に展開する「逆説」を示していることがわかり、「because」や「since」があれば、原因や理由などを示していることが瞬時に理解できます。
センテンス同士を適切なディスコースマーカーで結ぶことによって、前後の因果関係が明確になり読み手にとってより明確でわかりやすい文章を述べることができるようになります。
ディスコースマーカーの種類
ディスコースマーカーは、その役割や使い道に応じて主に九種類の役割があります。
以下に、その九通りの役割をまとめました:
- 情報の追加(and, alsoなど)
- 情報の具体化(in fact, in other wordsなど)
- 情報の列挙(first, secondなど)
- 具体例の提示(for exampleなど)
- 逆説(but, yetなど)
- 譲歩(althoughなど)
- 対比(whereas, whileなど)
- 原因・根拠(because, sinceなど)
- 結果(so, thereforeなど)
上記でまとめたディスコースマーカーは、主にライティングで用いられます。
スピーキングでは、上記でまとめたものよりも比較的ライトな表現である「so」や「anyway」といった話題を切り替えるときのディスコースマーカーが含まれます。
1. 情報の追加
並列した情報を追加して述べる場合、以下のようなディスコースマーカーを使用します:
- and
- also
- too
- moreover
- furthermore
- what is more
- beside
- additionally
主に「ボディ」の中で、新しい「理由」や「具体例」を追加して述べるときに使用します。
2. 情報の具体化
最初に述べた言葉を別の言葉として再度置き換えて表現するときに、以下のようなディスコースマーカーを使用します:
- in other words
- that is (to say)
- it means
- in fact
- indeed
- strictly(generally) speaking
- in short(brief)
英語に限らず言語は「抽象>具体」と情報の具体度を変化させることで、聞き手に理解できるようなイメージを共有することができます。
自分が話している内容があまりにも抽象的すぎる場合や、聞き手が理解できていない様子を確認できた場合にこういった表現を使用してみると良いでしょう。
3. 情報の列挙
並列した情報を列挙して述べていく場合は、以下のようなディスコースマーカーを使用します:
- First, Second, Third
- Firstly, Secondly, Thirdly
- To begin with
- First of all
- Next
- Then
一般的なライティングや会話では、主張をサポートする理由を述べる場合に、こういった列挙のディスコースマーカーを使用します。
4. 具体例の提示
前文で述べた内容に関する具体的な事例を述べる場合、以下のようなディスコースマーカーを使用します:
- for example
- for instance
- (let’s) suppose
- (let’s) say
- take ~ as an example
- in particular
主張に関する「理由」を述べた後に、その理由を表している具体的な事実や過去の経験、データなどを述べていくことで、主張に説得力をもたせる役割があります。
5. 逆説
これまで述べてきた内容と正反対に異なる内容に展開する場合、以下のようなディスコースマーカーを使用します:
- but
- however
- yet
- nevertheless
- conversely
- instead
逆説表現後は、それまでの内容よりも重要な情報が述べられることが一般的です。リーディングやリスニングでは、この逆説表現後の内容をしっかりと理解することで要点を掴みやすくなります。
6. 譲歩
部分的に逆説の展開をする場合、以下のようなディスコースマーカーを使用します:
- though
- although
- even though
- even if
- while
- in spite of
- despite
- regardless of
「5. 逆説」と同様に、譲歩表現の後も重要な情報が述べられることが一般的です。
また、導入部分で主張を述べるときに「一般的には〜と言われているが、私は〜と思う」のように使用することで、自分の主張をより強めることができます。
7. 対比
二つの情報を比較・対比するときには、以下のようなディスコースマーカーを使用します:
- while
- whereas
- some ~ others …
- the former ~ the latter …
- on the other hand
- meanwhile
TOEFLスピーキングでは、リーディングとリスニングの内容を対比させること。IELTSライティングでは、データの変化を比較させることが求められるので、両テストの攻略には不可欠な表現です。
比較級などを併用して表現することもあります。
8. 原因・根拠
主張や理由に関する「原因」や「根拠」を述べるときは、以下のようなディスコースマーカーを使用します:
- because
- as
- since
- now (that)
- for
- because of
- due to
- on account of
- The reason (why …) is that
- This is because
アカデミック領域では、必ず「自分の意見」と「他者が納得できる理由」を述べることが求められます。日本人には馴染みのない感覚かもしれませんが、どんなことでも理由を述べる癖をつけておくと役に立ちます。
また、英語圏の日常会話でもディスカッションが頻繁に行われるため、自分なりの理由をしっかりと考えておくことが役に立ちます。
特にお酒を飲むような場だとディスカッションに熱が入りやすく、適当な理由ではすぐに論破されてしまいます。そういった場で、シュンと黙っているのは非常に辛いので、今のうちに理由を考える癖をつけておくことを強くオススメします!
9. 結果
結論を述べるときには、以下のようなディスコースマーカーを使用します:
- so
- therefore
- thus
- hence
- consequently
- accordingly
- as a result
- as a consequence
- in consequence
- This indicates that
これらの表現があることで結論部分であることがわかるので、最も重要な情報が含まれるということを聞き手が理解できます。
同じディスコースマーカーの使いすぎに注意
今回紹介したディスコースマーカーは、文章の内容が分かりやすくなるので積極的に使うことを良いとされています。
しかし、TOEFLやIELTSなどの資格試験においては、同じディスコースマーカーを繰り返し使用することは減点対象になってしまうので注意しましょう。(大学の出願レターやResumeも同様です)
これは、アカデミック領域では「同じ表現を使いすぎない」ことが良いとされているためです。同じ表現が繰り返し使用されることによって、逆にどの部分に焦点を当てればいいのか、が聞き手にわかりにくくなってしまうのです。
まとめ
今回の記事の要点を以下にまとめておきます:
- ディスコースマーカーは、文章の論理的な展開を示すことができる接続表現の総称
- TOEFLやIELTSのライティングとスピーキングで高スコアを取得するために欠かせないテクニック
- 但し、同じディスコースマーカーばかりを使用することは控える
ディスコースマーカーは、頭で覚えただけでは実生活で使えるようにはなりません。「覚えたら必ず実践で使ってみる!」ということが大切なので、是非これから意識的に使ってみてください。
また、最初から完璧なタイミングで表現を使えることは滅多にありません。何度も失敗を繰り返し、ネイティブから訂正されたりする過程で適切な表現が身体に身に付いてきます。
アウトプットを学ぶためには、アウトプットが必要。このことを覚えておいてください。
言語は反射や反応に近いプロセスなので、最終的には感覚的に覚えていくことが重要になります。最初のうちはもどかしいかもしれませんが、何回か失敗を繰り返せば必ず自由に使える表現が一つずつ増えていきます!
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
最後に、TOEFLやIELTS対策、その他海外進学などで悩んでいることがあればお気軽にご連絡ください!