こんにちは、SOLOのルークです!
IELTSとTOEFLを、オンラインで専門的に教えています。
この記事では「IELTSとTOEFLのどっちがオススメかを比較」します。
IELTSとTOEFLは、海外大学に進学する際に求められる英語資格試験です。
近年では、東大、早稲田、上智、ICUといった上位校の国内受験でも採用されています。
では、一体どちらのテストで対策をすれば良いのでしょうか?
全体的な難易度は、両テストさほど変わりません。とはいえ、テストですので相性があります。途中で対策テストを変えるのは大変です。この記事が、自分に合ったテストを選べるきっかけになれば幸いです!
記事の内容は、下記の動画でも参照していただけます。
目次:
IELTSとTOEFLのどっちが良いか
ポイント1. 北米はTOEFL、その他はIELTS?
今やどちらのテストも世界中で活用できます。99%以上の大学で、どちらのテストも使用が可能です。
確かに、アメリカの著名ビジネススクールなどは、TOEFLオンリーを掲げるところが多かった過去があります。
ところが、2015年以降はIELTSを受け入れるスクールが急速に伸び始めました。そして、今年に入り、世界ランキング上位校のWhartonが、ついにIELTSを認可。
これにより、ビジネススクールの上位校は全て両方のテストが使えます。
したがって、北米はTOEFL、その他はIELTSという選び方は、すでに過去のものとなっています。
ポイント2. IELTSの方が簡単を信じない
正直、どちらのテストも全体としての難易度は変わらないです。
今まで日本の受験界隈は「とりあえずTOEFL」でスタートをすることがほとんどでした。
TOEFLで苦労をされた方が、IELTSに戦場を変更したことで、上手くいった例が拡散されました。
たまたまその方にとって、IELTSの方が相性が良かったに過ぎません。
IELTSで苦労をされる方、たくさんいますよ。
ポイント3. 両テストに回答してみてみる
テストですので、学習者それぞれと相性があります。
その相性というのは、どうすればわかるのかというと、問題に回答するしかありません。
回答してみて、初めて感じることがたくさんあります。その直感を信じてみてください。ほとんどの場合、当たります。
「こっちの方が学習過程が楽しめそうだな」「スコアが伸び悩んだ時に粘れそうだな」と感じる方を優先すると良いでしょう。
IELTSやTOEFLはそこそこ難しいテストです。 必ず壁にぶち当たる時が来ます。 その時に、どっちなら自分は頑張れるのか?想像してみてください。
以下に、テストセンターの公式無料模試を載せておきます。是非、回答してみてください。
ポイント4. 志望校の基準を比較する
志望校の基準は必ず確認して、以下のスコア域から出ていないかをチェックする。
- IELTS5.5 = TOEFL55-72
- IELTS6.0 = TOEFL73-83
- IELTS6.5 = TOEFL84-94
- IELTS7.0 = TOEFL95-103
- IELTS7.5 = TOEFL104-110
弊社では、年間およそ500名ほどIELTSとTOEFLを指導しています。ほとんどの場合、スコアは上記の換算におさまります。
しかし、志望校によっては、明らかに片方が緩く定められていることが多々あります。 例えば、メルボルン大学です。
IELTS6.5に対して、TOEFL79です。なんと、TOEFLの方が取りやすいですね。
オーストラリアに進学される方は、IELTSで対策をされる方がほとんどですので、意外に思われるかもしれません。
こういったことは本当に多々あります。数分かけてウェブサイトをチェックするだけで、対策期間が数ヶ月、場合によっては1年程度変わったりします。
ポイント5. リスニングの得意不得意は重要
次に考慮すべき点は、リスニングの得意不得意です。
TOEFLはリスニングに苦手意識がある場合、膨大な時間と労力が必要です。120点満点のテストですが、なんとその67点分にリスニングが関わってきます。
リスニングセクション自体は、その他のセクションと同様に30点満点です。ですが、スピーキングとライティングでも、「聴いた内容を要約する」といった課題が出題されるのです。
逆を返せば、リスニングが得意な人には有利なテストです。
とはいえ、その「得意」の基準が一般的に思われているよりも、はるかにできないと厳しいです。TOEICのセクションで満点が取れるような方でも、TOEFLのリスニングではものすごく苦労されます。
TOEFLは、設問がわからない状態で、5分程度のレクチャーを聴かされます。リスニング力のみならず、記憶力も必要です。
是非一度、TOEFLのリスニングに解答してみて、強みにできるかどうかを確認してみてください!
IELTSとTOEFLを徹底比較
ここから先は、セクション別により詳しく違いを比較していきたいと思います。
その前に、まずは各テストの概要を確認しておきましょう。
IELTS | TOEFL iBT | |
試験形態 | 紙とパソコンの選択制 | パソコン |
受験料 | 25,380 – 28,500円 | $245 |
スコア | 0 – 9 | 0 – 120点 |
日本人の平均 | 5.8 / 9 | 70 / 120点 |
試験時間 | 約3時間 | 約2時間 |
構成と時間 | Writing (60分) Reading (60分) Listening (40分) Speaking (11-14分) | Reading (35分) Listening (36分) Speaking (17分) Writing (29分) |
IELTSはイギリスのケンブリッジ社、TOEFLはアメリカのETS社により作成されています。
従って、IELTSは主にイギリス英語、TOEFLはアメリカ英語で構成されています。
IELTSの方がテスト時間が長いですが、価格は安くなっていますね。
採点方法の違い
次に、より詳しい採点方法の違いを確認しておきましょう。
まずは、以下の表を見てみてください。
項目 | IELTS | TOEFL |
リーディング | 0 – 9.0点(0.5刻み) | 0 – 30点満点 |
リスニング | 0 – 9.0点(0.5刻み) | 0 – 30点満点 |
ライティング | 0 – 9.0点(0.5刻み) | 0 – 30点満点 |
スピーキング | 0 – 9.0点(0.5刻み) | 0 – 30点満点 |
総合 | 0 – 9.0点(4セクションの平均) | 0 – 120点満点(4セクションの合計) |
IELTSは、4つのセクションの平均点が総合スコアになります。
TOEFLは、4つのセクションの合計点が総合スコアになります。
TOEFLはシンプルですが、IELTSは注意が必要です。
オーバーオールスコアは0.25刻みで「切り下げ」「切り上げ」を行います。例えば、各セクションが以下のようなスコアだったと仮定をしましょう。
- リーディング : 7.0
- リスニング : 7.0
- ライティング : 6.5
- スピーキング : 6.5
オーバーオールスコアは、全セクションを足して4で割った数値になりますね。つまり、以下の数式になります :
- (7.0+7.0+6.5+6.5)÷ 4 = 6.75
6.75は繰り上げですので、オーバーオールスコアは7.0になります。
次に、切り下げの例を確認しておきましょう。各セクションが以下のようなスコアだったとしましょう。
- リーディング : 6.5
- リスニング : 6.5
- ライティング : 5.5
- スピーキング : 6.0
オーバーオールスコア算出の数式は以下になります :
- (6.5+6.5+5.5+6.0)÷ 4 = 6.125
6.125は6.5よりも6.0に近いため、切り下げになります。よって、この場合のオーバーオールスコアは6.0になります。
リーディング
リーディングの比較です :
IELTS | TOEFL | |
パッセージ数 | 3 | 2 |
問題数 | 40問 | 20問 |
解答時間 | 60分 | 35分 |
1問あたり時間 | 1.5分 | 1.75分 |
パッセージ語数 | 800-900語 | 700-800語 |
IELTSは常にパッセージが3つなのに対して、TOEFLは2つです。
パッセージの文章自体は、TOEFLの方が難易度が高いです。
一方で、TOEFLは問いへの解答がしやすさいです。パラグラフの上から順に問題が出題されるためです。
IELTSは、TOEFLと比べるとパッセージ自体は読みやすいです。しかし、設問の種類が多く、問いの解答もパッセージ中でバラバラに出てくることがあり、解答しづらいです。
必要なスキルですが、TOEFLのリーディングは細部の意味を問う問題が大半です。つまり、精読力が最も大切な力です。
一方のIELTSは、ディテールを問う問題の他にも、「パラグラフの大意が正確に取れるか」といった設問も頻出ですので、要約力も必要です。
まとめです。リーディングに関しては「文章の難易度か、問題への解答のしやすさ」を基準に考えると良いです。高得点を取るという観点では、リーディングの難易度は変わりません!
リスニング
リスニングの比較です :
IELTS | TOEFL | |
パート数 | 4 | 5 |
設問タイプ | 1: 日常会話 2: 社会で遭遇する場面 3: 教育現場の会話 4: レクチャー | 会話形式 : 2題 レクチャー: 3題 |
問題数 | 40問 | 28問 |
解答時間 | 30分 | 36分 |
IELTSは常に設問が4つに対して、TOEFLは5つです。
双方のテストの違いとしては、IELTSは音源を聴きながら解答していくのに対して、TOEFLは聴き終えてから全てに解答します。
IELTSは、事前に問われる問題を確認することができますが(つまり音源を聴く前に準備ができる)、TOEFLでは何が聴かれるかわからない状態でリスニングをさせられます。
音源の難易度に関してはTOEFLの方が難しいです。特に講義問題は、背景知識がないと何を言ってるか全くわからないこともあります。
一方のIELTSは、日常に即した題材であることが多く、意味を聴き取りやすいと思います。
では、IELTSの方が良いのでは?
と思ってしまいそうです。
ですが、スコアを出すという観点では実はどちらもさほど変わりません。
IELTSは書き取り問題が多く、一語一句正確に聞き取り、スペルもきちんと書く必要があります。
つまり、全体の意味をつかむという点で、IELTSの音源は聞き取りやすい。ですが、細部の聴き取り+書き取りで、高得点を取るのはなんだかんだで難しいのです。
TOEFLは音源も難しく、記憶力も求められるテストです。一方で、設問自体は多肢選択肢で、設問の内容も音源の流れが理解できていると、おおよそ正答できます。
まとめです。リスニングも「音源の難易度か、問題への解答のしやすさ」が基準になるかと思います。
双方のテストに解答してみて、どちらが自分に合っているかを確認してみてください。正答数から、おおよそのスコアを出してみて、どちらが改善しやすいかを自分に問うてみてください!
スピーキング
スピーキングの比較です。
IELTS | TOEFL | |
形式 | 対面式 | パソコン |
パート数 | 3 | 4 |
設問タイプ | パート1: 日常会話 パート2: スピーチ パート3: 意見展開 | タスク1: Independent タスク2: Integrated タスク3: Integrated タスク4: Integrated |
解答時間 | 11-14分 | 17分 |
双方受験した時の感想としては、内容が最も大きく異なるセクションかと思います。
IELTSが人の面接官と対面式で行われるのに対して、TOEFLはパソコンに向かって話します。
IELTSのスピーキングが純粋に英語力を試しているのに対し、TOEFLは「読んで聴きとる要約して話すスキル」が試験されます。
IELTSのスピーキングは、TOEFLと比べると一見簡単に感じます。確かに5.5-6.0ぐらいまでは、瞬発力を持って何かしら文章を立て続けに話すことでスコアが出やすいセクションです。
しかし、そこから先6.5→7.0→7.5とあげていくのは至難です。目指すスコアが6.0以下なのであれば、IELTSはオススメです。
TOEFLスピーキングは、学習初期は愕然とするほど難しく感じるかもしれません。設問の抽象度が高く、「これ日本語でもできるかな?」とおっしゃる方もいるぐらいです。
一方で、評価基準の関係で18-20(30点満点)ぐらいまでは出やすいです。ですので、全体として目指すスコアから、スピーキングに必要なスコアが18-20ぐらいの場合は、TOEFLもありです。
実際に、IELTS5.5ぐらいの方でも、TOEFLスピーキングで20ぐらいまでは目指すことが可能です。そこから先、特にTOEFLスピーキングで24以上は、日本人にとっては最高難度です。
なんだ、双方ともスピーキングで高得点は難しいのか. . .
はい。ただし、求められているスキルは異なります。IELTSの高得点では「綺麗な発音と豊富なトピック語句」が鍵を握ります。TOEFLでは「時間内にいかに分かりやすくポイントを網羅できるか」です。
まとめです。目標スコアが低い場合は、どちらも可能。高い場合は、求められているスキルをベースに選ぶと良いと思います。
ライティング
ライティングの比較です。
IELTS | TOEFL | |
タスク数 | 2 | 2 |
設問タイプ | 1: グラフの描写 2: エッセイ展開 | 1: ディスカッション (エッセイ展開) 2: 内容の要約 |
解答時間 | 60分 | 29分 |
IELTSは、図表を描写する問題と、エッセイの2題です。
図表には、意見などは書きません。提示されている図法内の事実を淡々と描写します。
一方、エッセイでは自分の意見を展開します。説得力を持たせるために、客観的な理由や具体例を提示しながら書くことが重要です。
TOEFLのアカデミックディスカッションは、意見を展開するという点ではIELTSエッセイと似ています。ただし、書かなければいけない分量は1/3程度になります。
アカデミックディスカッションは、採点官に行間を読ませないように、具体的に書くことがポイントです。
一方の、Integratedライティングは、読み聞きした内容をまとめる課題です。つまり、読み聞きができないと、そもそも回答ができなくなっています。
IELTSのライティングは難しいで有名です。ただし、からくりがあります。
実は、IELTSライティングは6.0までは非常に取りやすいのです。語彙と文法のエラーを少なくしていけば、取得できるスコアだからです。
IELTSライティングは、6.5から先、特に7.0以上が必要な場合は、相当の難易度です。TOEFLライティングで26-30(30点満点)が取得できる人でも苦労します。
IELTSのライティングの特徴としては、とにかく採点基準が厳しいことにあります。一方のTOEFLは、小さなミスには寛容で、ある程度の文字数をもってきちんとした展開と構成の答案を出すことが出来れば高得点が望めます。
ライティングはIELTS6.0、TOEFL20までの場合、どちらも難易度は変わらないです。
しかし、IELTSライティング7.0以上は難易度は飛躍的に上がります。ライティングセクションで高得点が必要な人などは、TOEFLを選ぶとよいでしょう。
最後に
さて今回の記事のポイントをまとめておきます:
- IELTSとTOEFLの相性は人それぞれ
- 自分の得意不得意を加味して選ぶことが大切
- まずは志望校の基準をチェックしよう
いかがだったでしょうか。
IIELTSとTOEFLどっちが良いか、選ぶ際のポイントは理解できましたでしょうか?
百聞は一見にしかずです。
ぜひ一度、まず問題に解答してみてください。
具体的な進学先などはまだ決まっていないけれど、先にスコアメイクを考えているという人もいると思います。
そういった方は、まずはIELTS6.5、TOEFL90点を目標にするのが良いのではないでしょうか。この2つの基準は、志望校の選択肢が大きく増えるスコアです。
最後に、弊社はオンラインでIELTSとTOEFLを専門的に教えています。英語対策でお悩みなどありましたら、遠慮なくご連絡下さい!
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。