こんにちは!
今回の記事では、IELTSの勉強方法を全セクション詳しく説明していきます。
これからIELTSを勉強し始める方や「今の勉強方法で大丈夫なのかな」と疑問に思っている方の参考になれば幸いです。
やみくもに勉強量を増やすだけでは目標スコアは取得できません。「自分には何ができていないのか」を正しく理解して、自分に必要な学習を体系的に学ぶことが一番の近道です!
それでは詳しくみていきましょう。
目次:
学習計画の立て方
IELTSに限らず資格対策をするにあたって、大切なことは「目標達成のためには何が必要か」を事前に理解することです。
つまり、
- 目標スコアを決める
- 現状の自分のレベルを正しく理解する
- 「目標 – 現状」で足りない知識を理解する
上記の三つのをステップで、目標達成のためにはどんな能力を身につけるべきかを自分で認識することが大切です。
自分にとっての課題を明確にして、それらを一つずつ解決していくことで着実に目標スコアに近づきます。
漠然と「英語力を伸ばそう」とするのではなく、IELTSという限定されたフレームの中で「スコアを伸ばす」という要素に関連した勉強に焦点を当てることが学習を始める前の大前提です。
① 目標スコアを決める
まずは、自分がどれくらいスコアが必要なのかを理解しましょう。
参考までに、海外進学などで必要になるIELTSのスコアは以下のようになっています。
ファウンデーション | 5.0 – 6.0 |
一般的な大学 | 6.5 前後 |
トップ大学 | 7.0 – 7.5 |
MBA | 6.5 – 7.5(大学によって大きく異なる) |
ファウンデーションコースとは大学進学前のプレスクールのような位置付けで、一定期間通学することで大学に進学できるようになります。
トップ大学とはオックスフォードやMITなど、大学ランキングで常に上位にある大学を指します。
上記の表を見ると分かるように必要になるIELTSのスコアは7.5が最大で、それ以上のスコアを求められるケースは滅多にありません。
まずは感覚でいいので「自分は何のためにIELTSを受験するのか」を考えて、自分に必要なスコアがどれくらいなのかを理解しましょう。
この時、くれぐれも「スコアが高ければ高いほど良い」と目標を曖昧にしないように注意してください。必要以上に学習課題が出てきて、対策に余計に時間がかかる上に、満遍なく勉強する必要がありスコアが逆に伸びにくくなります。
② 現状のレベルを正しく理解する
目標がわかったら、次に自分の現状を正しく理解します。
自分の現状を理解するためには、
- IELTSを受験する
- 模試を解く
- その他の英語試験で換算する
上記のような方法があります。
上記の中で最もおすすめは「1. IELTSを受験する」ことです。
費用がかかるので抵抗があると思いますが、本番の雰囲気や試験の流れを実際に経験することで、目標をより具体的にイメージできるようになるからです。
「2. 模試を解く」場合は、ケンブリッジが出している公式に最も近い模試を解いてみると良いでしょう。
もし、周りにネイティブの先生がいるのでしたら、先生方にライティングとスピーキングを見てもらうのも良い方法です。
「3. その他の英語試験で換算する」場合は以下の換算表を参考にしてください。
IELTS | TOEFL iBT | TOEIC | 英検 |
9.0 | 116 – | N/A | N/A |
8.0 – 8.5 | 106 – 115 | N/A | N/A |
7.0 – 7.5 | 95 – 105 | 945 – 990 | 1級+ |
6.0 – 6.5 | 72 – 94 | 805 – 940 | 準1級-1級 |
5.0 – 5.5 | 55 – 71 | 605 – 800 | 2級 – 準1級 |
4.0 – 4.5 | 42 – 54 | 410 – 600 | 2級 |
注意点として、TOEICはテスト形式に慣れることで比較的スコアが伸びやすい傾向があるので、仮に900点台でも換算表通りにならないケースが多いです。
TOEICはスピーキングとライティングのスコアが換算されないという観点も注意が必要です!
③「目標 – 現状」で足りない知識を理解する
目標と現状がわかったら、その間にある差にはどのような課題があるのかを書き出していきます。
例えば、
- ・難関文章を正しく読むことができない
- ・制限時間内に読み終わることができない
- ・数字の聴き取りができない
など、目標スコアを達成するにあたってできていないことは何なのかをできるだけ客観的に書き出すことがポイントです。
必要な学習課題を書き出したら、その課題の意味を反転させて目標に書き換えます。
- ・
難関文章を正しく読むことができない
→ 難関文章を正しく読むことができる - ・
制限時間内に読み終わることができない
→制限時間内に読み終わることができる - ・
数字の聴き取りができない
→ 数字の聴き取りができる
上記のように、課題の意味を反転させることで課題が中期目標に変化します。
中期目標がわかったら、その中期目標を達成するためには何が必要かを要素分解していきます。
例えば「難関文章を正しく読める」という状態を細かく分解していくと、
その文章に含まれる「語彙(フレーズ)・文法・構文」を理解することが必要であることが分かります。
この要素の中で「自分に最も足りていないことは何なのか」を理解して、優先的に学習することが対策を始める前の準備段階で重要になります。
課題はさまざまあると思いますが、その中でも最も基礎に位置する課題解決から始めましょう。根っこにある課題を「ボトルネック」と言い、これが解決することで他の課題も解決する確率が高くなります!
目標スコア別学習計画
IELTSのスコアは、全セクションの平均がOA(オーバーオール)のスコアとして算出されます。
つまり「二つのセクションで目標のスコア以上取得」し「その他のセクションで目標から0.5低いスコア以上を取得」することが基本的なスコア戦略になります。
例えばスコア6.5を目指す場合、
- リーディング・リスニングのスコア=6.5
- ライティング・スピーキングのスコア = 6.0
- 合計 = (6.5*2 + 6.0*2) / 4 = 6.25
平均値は6.25ですが、スコアは四捨五入して切り上げられるので最終的なスコアは6.5になります。
もちろん、受験生によって得意・不得意があるので、自分の得意なセクションを伸ばしてそこでスコアを大きく稼ぐということも戦略の一つとして効果的でしょう。
注意点として、大学によってはセクションの最低スコアが指定されていることがあります。その場合は、得意なセクションを伸ばしつつ、弱点のセクション対策にも注力する必要があります!
スコア5.5を目指す場合
スコア5.5を目標とする場合ポイントなるのが、
- 基礎語彙力・文法力の向上
- リスニング模試トランスクリプトの読解・聴き流し
- ライティングのテンプレート理解
の三点です。
5.5を目標とする場合、現在の概算スコアは4.0-5.0であると考えられます。
スコア4.0 – 5.0 は、英語の基礎力が圧倒的に不足している状態なので基礎の定着を中心に学習に取り組みましょう。
語彙力の目安は英検2級を余裕で合格するレベル。文法は大学入試の参考書を2 – 3冊学習すると良いでしょう。
語彙力と文法力は全セクションに共通するスキルなので、最初から模試を解こうとせずに着実に基盤を固めることに意識を向けてください。
模試は、リスニング模試のトランスクリプトを精読することを中心に取り組んでください。
リーディングに比べると文章が理解しやすく、精読したトランスクリプトを繰り返し聴き流すことで英語の音感やリズム感を身につけることができます。
リーディングの模試は、内容が難解すぎて復習に時間がかかり、モチベーションも低下してしまう恐れがあるのでかえって学習効率を下げる可能性があります。
そのため、リーディングは余力があればニュースを読む程度に抑えておくと良いでしょう。
ライティングは、段落構成や各設問ごとの回答方法を理解することから始めます。
まずは型に沿って、学んだ文法の知識を活かしてシンプルな文章を書き出す練習を行いましょう。
リスニングで読解力が高まると、リーディングも自然とスコアが伸びやすくなります。また、リスニングで音感が身についていると、スピーキングの流暢性を伸ばすことができるので、リスニング対策に焦点を当てることは効果的だと考えられます!
スコア6.5を目指す場合
スコア6.5を目標とする場合ポイントとなるのが、
- 語彙力の向上
- 読解精度の向上
- アウトプット力の向上
の三点です。
6.5を目指す場合も、引き続き語彙力の向上は必要です。
理解できる語彙が多ければ多いほど、試験本番で対応できる幅が広がるので英検準1級程度を目指して語彙力を伸ばしていきましょう。また、このレベルからIELTS専用の単語帳を用いても大丈夫です。
そして、一番重要になるのが「読解精度」の向上です。
つまり、英語を感覚的に理解するのではなく、文章で述べられていること(または音声で話されていること)の意図を正しく読み取る力を伸ばす必要があります。
読解精度を高めるということは、
- センテンスの構文を理解すること(主語群・動詞群の把握)
- センテンスで伝えたいメッセージを理解すること
の二点を高めるということです。
なので、文章を読み聴きした時に「このセンテンスを述べることで何を伝えたいのか」や「このセンテンスはどのような役割があるのか」などを把握しながら読解することが大切になります。
最後に、6.5を目指す場合はアウトプット力の向上にも焦点を当てる必要があります。
特にIELTSは抽象的な質問に対して、自分の主張を論理的に組み立てて回答する力が求められます。つまり、英語ではなく母語の考える力も重要になるということです。
そのためには、日頃から些細なことに対して自分の意見をまとめてみたり、ロジカルシンキングを学んだりと英語以外の部分にも意識を向ける必要があります。
論理展開が理解できるようになると、ライティングやスピーキングだけでなく、リーディングも読解しやすくなります。海外に進学した際にも役に立つので、ロジカルシンキングは学んでいて損はないと思います!
スコア7.5を目指す場合
スコア7.5を目標とする場合ポイントとなるのが、
- 読解「精度」の向上
- 読解「速度」の向上
- 流暢性の向上
の三点です。
7.5を目指す場合は「早く・正確に」読解する力が求められます。
可能であれば、リーディングとリスニングのスコアは8.0以上を目指すことが望ましいです。というのも、IELTSのライティングとスピーキングで6.5以上のスコアを取得することは非常に難易度が高いためです。
読解速度を伸ばすためには、日頃から大量の英語の文章に目を通すことに慣れておく必要があります。そのため、英語のビジネス書や記事などを積極的にインプットすることを意識しましょう。
これは個人的な経験からですが、分厚いビジネス書をグッと我慢して 2 – 3 冊読むと要点を掴むことが早くなったり、英語の論理展開がイメージしやすくなります。
7.5を目標とする場合、スピーキングでも6.5以上のスコアを目指して対策する必要があります。そこで必要になるのが、流暢性の向上です。
流暢性とは、ネイティブが自然と感じるリズム・イントネーション・音の区切り方・発音で英語を再現できているかという観点で、日本語話者にとっては大きな課題の一つです。
流暢性は覚えたらできる訳ではなく、スポーツのように何度も繰り返し練習して身体で感覚として覚える必要があります。
すぐには変化が現れず、向上している感覚も得にくいためこの点を理解しておかないとモチベーションを大きく下げる要因になってしまうでしょう。
完璧にネイティブと同じ音を再現する必要はありません。「自分の英語がどのように聴こえるか」を客観的に正しく理解して、馴染みのある英語のリズムで話せているかということを分析してみてください!
セクション別勉強法
勉強は基礎の強化が最も重要です。
基礎理解が不足している状態で、セクションを解くコツやテクニックを学んでも再現性が高まることがないので注意してください。
参考までに、英語学習においてどの能力が基盤にあるかを以下の図で確認してみましょう。
勉強は上記の図の重要度が高いことから取り組むことが大切です。
つまり「語彙力・読解力(文法力)」の強化を優先的に行いつつ、発音矯正など英語の音声理解を平行して行うと効果的でしょう。
正しく文章を理解することができれば、その知識を応用して正しい文章をアウトプットできるようにもなります。
逆に理解できている語彙や文法が限定されていると、アウトプットできる表現も限られたものだけになり応用が効かなくなります。
前提として言語学習には「語彙力強化」と「文法理解」の二点は欠かせないということを理解しておいてください。
この時に「わかったつもり」にならないことが非常に重要なポイントです。「わかったつもり」という感覚が、学習を邪魔する障害の最も大きな要因の一つです!
リーディング
読解力を高めるためには、基盤となる語彙力と精読力を伸ばすことが前提として必要です。
文章内に「あれ、この単語の意味は何だったけ?」という語彙がなくなるほど、スムーズに英語文章を読むことができるようになります。
また、正しく文構造を理解できると、複雑に見える文章でも意図を掴めることができるので文章を何度も読み返す必要がなくなります。
その結果、より早く文章を理解できるようになります。
効果的な学習方法は、
- 精読(翻訳)
- 多読
の二点です。
精読
精読(翻訳)は文章をあえて日本語に書き起こす作業です。
頭の中では「理解できている」と思っている文章も実際に文字に書き起こすと上手くできないことがあります。
これは「思い込んでいる内容」と「実際に理解している内容」にギャップがあることで生まれます。このギャップに気付くことができ、文章の理解力を高めるのがこの翻訳の作業です。
精読する時のポイントは「直訳」を意識することです。
リーディング力を上げるためには「主語群」「動詞群」「(あれば)目的語群」は何なのかを明確に区別 し、想像力で内容を補完することなく、文字通り書いてある内容を理解することが必要不可欠です。
意訳に慣れてしまうと「感覚的に英語を理解する癖」が付いてしまい、肝心なところで意図を把握できて いなかったり、想像力が膨らみすぎて全く違う内容を頭の中でイメージしてしまうことがあります。
また、直訳する時は、
- 主語が何なのか
- 動詞は何なのか
- トピックセンテンスは何なのか
- 各センテンスはどのような役割があるのか
- パラグラフで伝えたいメッセージは何か
という五つの観点を意識してみてください。
単に「書かれている文字を理解する」ことだけでは読解力は高まりません。書かれていることから筆者が伝えたいメッセージを読み取るという作業が必要です。
そのため、文章を読んだらできるだけメタに文章を捉えるようにして、段落の中でセンテンスがどのような役割を持っているかを理解することに努めてください。
多読
精読ができるようになったら、次は一定量の文章を読む練習をしていきます。
数100ページある英語の書籍などを2 – 3冊読んでいると、次第に英語の語感や主張展開の流れなどを労力をかけずに理解することができるようになります。
最初の段階でおすすめなのは、日本語で読んだことのある書籍や、あらすじやストーリー構成を理解している書籍などを読むことです。
元々一定の理解ができている書籍を読むことで、具体的に本の内容をイメージすることができ英語を読む労力を軽減することができます。
多読はくれぐれも精読ができるようになってから取り組んでください。少し言い方が悪いですが「適当に」英語を読んでも読解力は身につきません。センテンスを正しく理解できて初めて、文章が理解できるようになります!
リスニング
リスニングは音声知覚(発音精度とインプット)と意味理解(語彙と文法)で成り立っており、発音の再現性向上と語彙力の向上でスコアが上がります。
そのため、模試を解き終えた後は音源のオーバーラッピング(又は音読)を必ずおこない、英語のインプット量とアウトプット量を増やすことを意識してください。
効果的な勉強方法は、
- 多聴
- オーバーラッピング・シャドーイング
の二点です。
また、聴き取れた音をセンテンスとして読解する力も重要なため、リーディングの勉強と同様に精読力が高まることで理解力が向上します。
以下の勉強法に加えて、読解力の向上も忘れずに取り組んでください。
多聴
トランスクリプトを精読して内容を完璧に理解できた音声を繰り返し聴くことで、英語の音声をよりクリアに認識できるようになります。
ポイントは「完璧に復習できている音源を使用すること」で、音を聴いたと同時に日本語の意味が頭の中で同時に思い浮かべることができる状態がベストです。
また、音を聞いた時に「センテンスの最初から順番に訳す」ということを意識するとより効果が高まります。
例えば、
- I think I made more progress in German than in any of my other studies.
という文章を訳す時に、
- 「他のどの研究よりもドイツ語で進歩したと思います」
というような綺麗な日本語で訳すのではなく、
- 「私は、思った、より進歩したと、ドイツ語で、他の研究よりも」
のように、聴こえた順番に英語を理解することを意識してください。
綺麗な日本語に訳そうとするとどうしても文を最後まで聴き取ってから意味を理解する必要があり、音声知覚と意味理解の間に時差が生じます。
最初は小さな時差でも、音声を長く聞いていると次第にその時差が大きくなります。
そうすると、途中で音声が理解できないということが起こるので、聴き取れた順番で訳すことに慣れておくことが重要です。
オーバーラッピング・シャドーイング
多聴で使用している音源をオーバーラッピングやシャドーイングすることでより高い効果が期待できます。
効果を高めるポイントは、自分がニュースキャスターになったつもりで抑揚やリズム感を意識しながら行うことです。
また、振り返りの精度が学習の質を左右するので定期的に自分の英語を録音して、
- 音源との違いは何か
- 聴き取りやすい英語かどうか
- どうすれば音源に近づくか
- 次にチャレンジするべきことは何か
など、自分の英語をできるかぎり客観的に評価してみてください。
くれぐれもお経のように、カタカタ英語で抑揚なく英語をアウトプットしないようにしてください。
世間一般ではシャドーイングがオススメの勉強法として紹介されていますが、個人的にはオススメしません。というのも、シャドーイングは負荷が高く、適当に行っても期待する学習効果が得られないためです!
ライティング
ライティングのようなアウトプットスキルは、実際にアウトプットしたことを正しく振り返ることでしか能力は向上しません。
いくらテンプレート表現を学んでも、その表現の使い所や、適切な使い方を理解できていないといくらライティングを行っても一向にスコアは向上しないので注意してください。
効果的な学習法は、
- Argument(論理展開)の理解
- 振り返り
の二点です。
可能であればネイティブの先生から添削をもらえると、より学習効率が高まるでしょう。
仮にスコアが6.5以下の場合は、日本人の講師からの添削でも大丈夫です。その時は、細かい文法表現ではなく大枠の論理構成や、主張の展開についてフィードバックをもらうと良いでしょう。
Argument(論理展開)の理解
Argumentとは、自分の主張を相手にわかりやすく伝えるための論理展開方法で、スピーキング・ライティングの基本スキルです。
基本的に以下の順に自分の主張を組み立てていきます。
「論理的な主張が展開できている」という状態は、上記の各要素が「自然に繋がっている」状態を表します。
これは英語力だけに拘る領域ではないので、日頃から母語でArgumentを組み立てる練習をすることが効果的です。
また、練習として自分が考える主張とは逆の主張をあえてサポートしてみることも効果的です。
振り返り
振り返りとは、自分の書いた文章を客観的に分析して、自分が改善するべきポイントを自分で認識する作業です。
前述の通り、アウトプットスキルは自分自身が「改善する必要がある」と強く思わなければ改善されることはありません。
自分が採点官になったつもりで自分の文章を見返し、批判的に自分のライティングを分析できるようにしましょう。
また、添削をしてくれる方が身近にいる場合は、
- ・なぜ添削を受けたのか
- ・元々の文章の何がダメだったのか
- ・そもそも(添削を受けた部分の)文法は理解できているのか
など、添削理由をしっかりと理解して、同じミスを繰り返さないように注意してアウトプット量を増やしていってください。
ライティングは、最初のうちはできるだけシンプルな英語で表現することを心がけてください。日本語で考えていることをそのまま英語にすると、複雑になりわかりにくい文章になりやすいので違う表現に置き換えてみることが効果的です!
スピーキング
スピーキングもライティングと同様に「振り返り」が改善のポイントになります。
また、IELTSのスピーキングは「流暢性」がスコアアップのポイントになるので、自然なリズムで英語を再現できるように練習することが効果的です。
効果的な学習は、
- 発音矯正(リズムやイントネーション中心)
- 振り返り
の二点です。
ライティングと同様に、Argumentの展開が上手になると、自然とスピーキングでも主張をうまく展開できるようになります。
繰り返しになりますが、母語が関わるスキルなので日頃から、些細なことにでも自分の主張を組み立てる練習をすることが役に立ちます。
発音矯正(リズムやイントネーション中心)
IELTSのスピーキングで重要になる「流暢性」とは、あなたの英語を聞いて「ネイティブが自然と思えるかどうか」が重要なポイントです。
発音矯正と聞くと多くの場合、[ l ] [ r ] の発音の違いなどをイメージしますが、それよりもセンテンス全体としてテンポ良く英語を再現できることがIELTSでは重要です。
例えば、
- 音の区切り方(ポーズ)
- イントネーション
- ストレス(強勢)
- 息の使い方
など、個々の発音にフォーカスした学習よりも、文章として英語っぽく再現することが重要になります。
リスニングの勉強法で紹介したオーバーラッピング(シャドーイング)で、上記の観点を意識することで、より高い効果を得ることができます。
振り返り
ライティングと同様に、スピーキングもアウトプットスキルなので振り返りは必須です。
具体的には、
- 英語を話して録音する
- 自分が話した内容を書き起こす
- 表現や主張展開を修正する
- 自然に発音できるように練習する
というように、自分の音声を録音して客観的に分析することを意識してください。
自分の英語を聴いた時に「聞きやすい英語かどうか」と批判的に分析してみましょう。
指導者がいる場合は、定期的に発音をチェックしてもらいフィードバックをもらうとより高い効果が期待できます。
繰り返しになりますが、自分が「海外のニュースキャスターになったつもり」でオーバーラッピング・音読してみてください。少し誇張して英語を話すくらいがちょうど良い練習になります!
オススメの参考書・ウェブサイト
IELTSを対策する上で、市販の参考書やウェブサイトを活用することで学習効果を高めることができます。
今回紹介するものは、
- 情報の信憑生が高いもの
- 読解力を伸ばすもの
- IELTSと関連が高いもの
のいずれかの観点から、私の個人的なオススメをまとめています。
現代ではインターネットで検索すると、膨大な量の英語の情報にすぐにアクセスすることが可能です。
使わない教材にお金をかけることは勿体無いので、上記で挙げた参考書等は無理に買う必要はありません。
自分の弱点や性格に合った取り組み方を模索してみると良いでしょう。
The Official Cambridge Guide
まず最初に紹介するものは「IELTS公式ガイドブック」です。
名称 | The Official Cambridge Guide to IELTS |
価格 | 5,940円 |
目標 | バンドスコア6.5以上 |
おすすめの理由 | ・本番の模試に最も近い形式(レベル)の問題が揃っている ・模試以外の学習教材が豊富 ・繰り返し復習することで一冊でも十分な学習効果が見込める |
URL | ・AMAZON ・楽天 |
ケンブリッジが出版している書籍で、本番の試験と同レベルの模試がまとめられています。
加えて、ライティングタスク1で必要になる地図描写や図形描写の練習問題も豊富に掲載されているので、全てのセクションを網羅的にカバーすることが可能です。
特にスコア6.5以上を目指す場合は、この一冊を中心に繰り返し模試を復習すると一定の学習効果が期待できます。
最初のうちは、模試を徹底的に復習すると1〜2週間はかかると思います。全ての模試の復習が終わった段階で、最初の模試を解いてみるとちょうど内容を忘れている頃なのでインプット内容が定着しやすくなります!
SOLO IELTS TOEFL
私が運営しているウェブサイトで恐縮ですが、SOLO IELTS TOEFLではこれまでにIELTS対策で必要になる情報を網羅的にまとめています。
名称 | SOLO IELTS TOEFL |
価格 | 無料 |
目標 | バンドスコア5.5 – 7.5 |
おすすめの理由 | ・IELTS対策に必要な情報を網羅的に公開している ・情報が全て無料 ・ライティングのテンプレートなどを豊富に紹介している |
URL | https://solo-ielts-toefl.com/ |
IELTSやTOEFLなどの専門性が高い英語試験対策をおこなってきた経験から、これまでまとめてきた対策方法やコツに関する情報をすべてまとめています。
情報は全て無料で、広告のポップアップ等は出さないようにしているのでアクセスもしやすいと思います。
最初のうちはこのウェブサイトにある情報を使って学習しながら、本格的に対策を始める段階で公式問題集などにお金を使ってみると良いかもしれません。
元々は「受講生の役に立てば…」と思い記事をまとめてみました。書き始めた当初の記事などは、誤字やレイアウトが見にくいことなどあると思いますが温かい目で見てくれると幸いです!
英文解釈の技術100
「英文解釈の技術100」は大学受験用の参考書ですが、言語力の基盤となる読解力を身につけるのに最適な参考書です。
名称 | 英文解釈の技術100 |
価格 | 1,485円 |
目標 | バンドスコア5.5以上 |
おすすめの理由 | ・リーディング/リスニングの基礎となる読解力を効果的に身につけることができる ・解説が丁寧でわかりやすい |
URL | ・Amazon ・楽天 |
難解センテンスの構造を丁寧に説明し、どのように読解すると良いのかを学ぶことができる参考書です。
各スコアで伸びやなんでいる方は、基盤となる読解力の部分に何か「抜け・モレ」がある可能性が高いので、そういった場合にもオススメできる書籍です。
センテンスは本節の主語と動詞を適切に理解することから始まります。そういった、英語を理解する方法を丁寧に解説してくれている書籍です。
ポレポレ英文読解プロセス50
「ポレポレ英文読解プロセス50」も上記と同様に大学受験用の参考書ですが、より難解な問題をまとめています。
「わざわざこんなに難しい文章を読解する必要はあるんですか?」と、受講生の方からよく質問をいただきます。
私の答えは「YES」で、難解な文章が理解できるようになっておくことで、読解速度や精度の向上に繋がるからです。
簡単な文章ばかり読んでいても、読解力は身につきません。そのため、あえて難解な文章の読解に取り組むことが基礎力を高めるためには必要になります。
「ポレポレ英文読解プロセス50」はYoutubeでも解説動画を見ることができます。本を読みながら並行してYoutubeもみることで、より学習のポイントを理解できるようになると思います!
BBC Learning English Teen
「BBC Learning English Teen」は、ブリティッシュ・カウンシルが無料で提供しているウェブリソースです。
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目標 | バンドスコア5.5 |
おすすめの理由 | ・英語学習に関わる問題がレベル別にまとめられている ・全ての問題は無料でアクセスができる ・イギリス英語なのでIELTSとの相関性が高い |
URL | https://learnenglishteens.britishcouncil.org/ |
CEFR A1(初級)からC1(上級)ごとの、各レベルにあった模試や学習に必要なリソースにアクセスできます。
特にリスニングは、各レベルごとに問題があり、各音源にトランスクリプトが付いているので、このウェブサイトだけでもとても充実した対策ができるでしょう。
「これまで英語を勉強してこなかった」方や「これから英語を再勉強する」方などには特におすすめのウェブサイトです。
個人的な感覚ですが、扱われている問題の出し方などもIELTSと類似している点が多くある印象です。最初のうちは、このウェブサイトにある問題を徹底的にやりこむのも良い勉強になると思います!
まとめ
「分かったつもり」をなくしていくことが大切
今回の記事のポイントをまとめていきます:
- 目標スコアを定めて現状の英語力を正しく認識する
- 語彙力と読解力(文法力)が最も重要
- 「分かったつもり」をなくしていく
IELTSのような高度な英語力を測定する試験は、暗記などの単純作業だけではスコアが絶対に伸びません。
インプットだけでなく、インプットした情報を自分の知識として咀嚼(そしゃく)して理解していくプロセスが非常に重要になります。
「勉強のコツはありますか?」
というような質問をよくいただきます。
確かに問題ごとの着眼点やテクニックなどはありますが、大切なのはそのテクニックを自由に使えるようになる基盤の強化です。
特に大人になると「できるだけ時間をかけずに…」という思考になりがちですが、本当に必要になるスキルは「キツい・辛い」を乗り越えた先に身に付くものであることを忘れないようにしてください。
「すぐに覚えられる・効果が出る」ということは、裏を返すとすぐに忘れてしまうということです。言語は何度も繰り返し、失敗して身体で覚えていく必要があります!
以上、長くなりましたがIELTS対策に必要になる勉強法をまとめさせていただきました。
わからないことや、実際に勉強してみて行き詰まってしまうこともあると思います。そんな時は私でよければ相談に乗るので、ご連絡いただけますと幸いです。