こんにちは。SOLOのルークです!
オンラインでIELTSを専門的に教えています。
今回の記事では、その「IELTS 6.5のレベルと勉強法」を解説します。
それでは、詳しく見ていきましょう。
目次:
IELTS 6.5はどれくらいのレベルか
TOEFLや英検と比較
まずは、IELTS 6.5のレベルを見ていきます。
感覚的に理解するためにその他の英語テストと比較をします。以下の図を見てください:

IELTSとレベルが近い試験としてよく比較されるTOEFL iBTでは、IELTS6.5はおおよそ80〜93点程度に相当することが多いです。
また、「IELTS6.5 = 英検一級程度」と考えると、日本の方にはイメージしやすいかと思います。実際に、英検一級を持っている方がIELTSの試験形式に慣れてくると、スコアが6.5前後になることがよくあります。
最後にTOEICとの比較ですが、これは少し難しいところです。というのも、試験の出題傾向や問題の内容が大きく異なるため、単純に比較することができません。
とはいえ、IELTS6.5を持っている方がTOEICを受験すると、概ね900点以上を取るケースが多いです。
一方で、その逆は簡単ではありません。TOEIC対策だけを続けていて、スピーキングやライティングの練習をほとんどしていない場合、IELTSで6.5を取るのはかなり難しいでしょう。
CEFRでは
IELTS 6.5のCEFRでの位置付けを確認しておきましょう。
CEFRとは、Common European Framework of Reference for Languagesの略です。分かりやすく述べると、外国語の運用能力を同一の基準で測ることができます。
CEFRの等級はA1、A2、B1、B2、C1、C2の6段階に分かれています。グラフでCEFRを確認してみましょう。

CEFRでは、英語を使って「具体的に何ができるか」を表していることがわかります。
この中で、IELTS 6.5はCEFR B2に位置します。スコア5.5-6.5がCEFR B2扱いですので、IELTS 6.5はCEFR C1よりのB2といったところです。
上級者の登竜門とも言えるスコアです。履歴書などでも、英語ができるアピールになります!
勉強時間
次に、IELTS 6.5取得に必要な勉強時間を確認してみましょう。

図表の中央にあるケンブリッジ社のデータによると、IELTS6.5に到達するまでには、おおよそ500〜600時間の学習が必要とされています。
ただし、ほとんどの日本人学習者の場合は、これ以上の時間がかかるのが一般的です。このデータには、英語と近い言語を母語とする話者も含まれているためです。
一般的に、英語から距離のある言語である日本語を母語とする人は、より多くの時間と労力を要する傾向があります。図表の右側をご覧ください。英語初学者の日本人であれば、少なくとも2,000時間は必要と見積もっておくとよいでしょう。
これは、たとえば1日3時間の学習を続けたとしても、到達までに約2年かかる計算になります。
思い通りにスコアが出ないのがIELTSです。少し厳しめのスケジュールを組むことをオススメします!
スコア6.5が使えるケース
IELTS 6.5が使えるケースを確認しましょう。
- オーストラリアの全大学の出願条件
- カナダの全大学の出願条件
- イギリスの優良大学の出願条件
- 国内の英語外部試験利用
スコア6.5を取得すると、オーストラリアとカナダの全ての大学の出願条件を満たすことができます。
例えば、オーストラリアではメルボルン大学、シドニー大学、UNSWなどの世界ランキング上位校にも出願が可能です。
カナダも同様に、トロント大学、UBC、マギルなどの上位大学の出願要件となっています。
イギリスでは、オックスフォード大学とケンブリッジ大学を除いて出願可能です。世界ランキング上位校の、UCL、インペリアル、エディンバラなども例外ではありません。
また最近では、日本国内の大学入試でも、英語外部試験利用としてIELTSを活用することができます。ほとんどの大学で、出願で有利に働くスコアです。
IELTS 6.5の対策と勉強法
ここからは、IELTS6.5を取得するための勉強法を紹介します。
リーディングとリスニングでは、トピックに左右されずに「意味を意味のままを理解する」力が必要になります。
ライティングは、内容面にフォーカスをした練習を、スピーキングでは、得意なトピックとそうでない場合の、緩急をつけながら話す訓練が必要です。
詳しく見ていきましょう:
リーディング
まずはリーディングの勉強法について見ていきましょう。リーディングで6.5を取得するには、全40問中27〜29問の正解が必要です。
IELTSリーディングでは、難易度の高い文章とそうでない文章が混在しています。スコア6.5を目指す場合、難しめの文章をしっかりと理解する力が求められます。
そのために必要なポイントは、以下の3つです。

この3つが揃ってはじめて、英文を意味のままに理解することができます。
実は、スコア6.0までは、上2つの「単語がわかる」「構文がわかる」を徹底することで到達可能です。
しかし、6.5を目指す場合には「文意がわかる」力が欠かせません。これは、「筆者はこういうことを言いたいんだな」と、文全体の意図を正確に読み取る力を指します。
たとえ高校レベルの英語力をきちんと身につけていたとしても、1〜2年の対策期間を想定しておくとよいでしょう。文意を正確にとらえるための練習として効果的なのは、意味があいまいな英文を、自分で日本語訳してみることです。
そして、その日本語訳が正しいかを確認するために、元の英文をChatGPTやDeepLに入力して、AI翻訳と自分の訳を比較してみましょう。
その違いを確認することで、自分がどこで理解できていないのかが見えてきます。
さらにもう一歩進めて、その翻訳された文章が、なぜその場所に書かれているのか、その挿入理由を自分の言葉で説明してみてください。
リーディングの文章は、それぞれに意味があって書かれています。各文の役割を意識できるようになると、文章全体の構造や流れも自然と理解できるようになります。
さて、問題はここからです。
ここまでしっかり復習しても、「なんとなく意味はわかるけれど、情景としては思い浮かばない」ということが起こるかもしれません。
その原因は、該当トピックに関する背景知識の不足です。知らないことは、日本語で説明されても完全には理解できないのです。
この場合の対処法はシンプルです。背景知識をつけるしかありません。
YouTubeで「トピック名 + Documentary」と検索してみてください。IELTSのリーディングに出てくるような内容と近い動画が、数多く見つかるはずです。
そういった動画をいくつか視聴したうえで、もう一度英文を読み返してみてください。驚くほどスッと内容が頭に入ってくるはずです。
最後に、リーディング学習で避けてほしいのが、「キーワード探し」だけに夢中になることです。こうしたテクニックだけでは、スコアを安定して伸ばすことは難しいのです。
リスニング
次に、リスニングの勉強法です。リスニングで6.5を取得するには、全40問中26〜29問の正解が必要です。
リスニングでスコア6.5をとるための有効な学習法は、ディクテーションです。ディクテーションとは、書き取り練習です。
そもそも、IELTSのリスニングは書き取り問題が全体の7割程度を占めますよね。
本番では、1-3語程度のみ書かされる試験ですが、練習では一文全文をディクテーションします。
全文ディクテーションしようとすることで、文脈を強く意識するようになりますし、記憶できる英語の幅が変わってきます。
ディクテーションをやる目的は、個別の音の聞き分けと、記憶できる音の幅を広げるためです。
自分が書き取れる音は、きちんと聞き取れるという証明になりますよね。また、書き取れる語数が増えるほど、記憶の幅も広がっている証拠です。
スコア6.5を目指している人は、公式問題集を中心にディクテーションをおこななってください。その他の教材は、使う必要はありません。
公式問題集のレベルはほんの少しだけ難易度が高く、ちょうどいいはずです。
ディクテーションのやり方がいまいちわからない人は、「自分でスクリプトを作成する」と考えるとわかりやすいかと思います。
問題に解答後に、スクリプトを見るのではなく、自らが作成します。一文ずつ音源を流しながら、書き起こしてみてください。
一回では書き取れないかと思います。自分が満足するまでチャレンジしてみてください。
「もうこれ以上、何回聴いても書き取れない」というところで、実際のスクリプトと自分が書き起こしたものを比べてみます。
そこで間違っているものが、まったく聞き取れていない箇所です。
その個所を何度も何度も聞いてみてください。そして、できれば自分でも言えるように真似をしていきます。
自分でも音源の真似ができるようになると、より聞き取りやすくなります。
気づいた方もおられるかと思いますが、復習は問題に解答するよりも10倍は時間がかかります。
リスニングは、問題に解答をしてもスコアは全く上がりません。いかに復習に時間をかけるかが大切です。
最初からスクリプトを見る癖をやめましょう。スクリプトを見た瞬間に、それはリーディングの勉強になってしまうためです。何度も粘り強く聞いてみて、その後で初めてスクリプトを参照にします!
スピーキング
IELTSスピーキングの勉強法です。スピーキングでスコア6.5を取るためには、以下の3つがポイントになります。
- 複文で回答すること
- トピック語句を活用すること
- 攻め場を理解すること
「複文で回答する」というのは6.0を出すために必要な要素で、「トピック語句を活用する」というのは7.0に必要な要素です。
複文で回答するというのは、主部と述部が2つ以上入っている文章で回答することを意味します。例えば、
- I feel that advertisements are a great way to promote a company’s products and services that are newly launched in the market.
関係詞 that により、複文になってることが確認できます。
特に、「関係詞、接続詞、仮定法」はIELTSスピーキングで複文を作るのに役立ちます。
また、上の文章では、3つのトピック語句が活用されています。promote, launch, market の3つです。
あるトピックを議論するにおいて、期待されている語句をトピック語句と呼びます。闇雲に単語を覚えるのではなく、スピーキングでよく出題されるトピックにおける語句を強化すると良いです。
そして、最後に重要になるのが「攻め場を理解すること」です。
スコア6.5を目指す人にとっては、うまく話せる箇所とそうでない箇所があるはずです。
自分が馴染みのある問いに対しては、積極的に長い文章で、トピック語句を活用することがポイントです。
回答が困難な場所では、手短に切り上げることも大切です。文章の途中で詰まったり、沈黙してしまうと、減点対象になってしまうためです。
ほとんどの方にとっては、パート3はまだまだ難しく感じるかと思います。パート1と2のトピックを網羅することを優先すると良いでしょう。
パート2が終わった時点で、スコア7.0ほどの印象を与えられれば、仮にパート3で多少失速したとしても、スコア6.5はでる可能性が高いです!
ライティング
最後に、ライティングの勉強法です。ライティングで6.5を取得するためには、以下の3点を満たすことで取得が可能です。
- エラーミスを減らす
- 展開と構成を改善する
- 全ての設問に対応できるようにする
スコア6.5を達成する上で、最重要ポイントは、語彙文法のエラーミスを減らすことです。各タスクでエラーを3つ以下にすることを目標にしましょう。
ライティングは4つの評価項目があります。そのうちの半分が「語彙」と「文法」です。この2つの項目で、スコア7.0を目指すことが、結果的に早くスコア6.5に到達させられます。
自分が自信をもって書ける文章を増やすことが大切です。背伸びをして、難しい語句などは使う必要はありません。
次に重要なポイントが、展開と構成の改善です。こちらは、評価項目「タスク達成度」「首尾一貫性」に関わるところです。
本番でスコア7.0を出すことが難しい項目です。どのような回答を作成すれば、スコア7.0の展開と構成を達成できるか、練習の段階では理解しておくと良いでしょう。
そのためには、書いたライティングを、必ず誰かに添削してもらいましょう。ライティングはなかなか自分では客観視することができないためです。
添削してもらったライティングをもとに、書き直しをしてください。リライトしたものが、スコア7.0になることを目標にします。
そういった形で、IELTSライティングでよく出るトピックにおいて、自分だけのスコア7.0の解答集を集めていくことがポイントです。
短期間でライティングを伸ばしたい方は、量よりも質です。100回書くよりも、10のトピックを書き直しまで行うことがより重要です!
まとめ
以上がIELTS 6.5のレベルと勉強法の解説でした。今回の記事のポイントを以下にまとめておきます:
- IELTS6.5は英検一級程度のレベル
- 復習では「意味の理解」にこだわる
- トピックの運任せにしない
4技能の対策が大変な人は、まずはリーディングとリスニングにしぼって学習することをオススメします。
リーディングとリスニングが苦手な人が、スピーキングとライティングで高得点を取得する事は難しいためです。
また、本番でトピックの運任せにするのはやめましょう。実際に、このレンジの人はスコア5.5-6.5を行き来することが多いです。
自分の得意なトピックに当たった時はスコアが上がり、そうでない時は下がるといった具合です。しかし、全てのセクションで、自分と相性の良いトピックが出ることはありません。
結局のところ、IELTSに出題される可能性があるトピックを一つずつ網羅することが大切です。
トピックを網羅するとは、知識をつけることと同義です。つまり、IELTSの学習とは、必要な知識をつけることと言い換えても良いでしょう。
自分が苦手なトピックを中心に、読める文章、聴ける音源を地道に増やしていきましょう。自分が苦手なトピックを中心に、書けること、話せる内容を充実させていきましょう。
IELTSは、テクニカルなことでは、太刀打ちできないテストです。
当たり前の積み重ねが、スコアアップにつながります。
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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