こんにちは、SOLOのルークです!
IELTSを専門的に教えています。
今回の記事では、IELTS7.5のレベル感と勉強方法を紹介します。
「IELTS7.5を目指している方」や「海外進学やMBAを考えている人」の参考になれば幸いです。
IELTS7.5を取得すると、一流校を含めた全ての海外大の英語の入学基準を満たします。英検の一級がIELTS6.5程度だと考えると、7.5の難易度は想像しやすいのではないでしょうか!
目次:
IELTS7.5の難易度とレベル感
結論ですが、IELTS7.5の難易度はTOEFL iBT105点と同等で、TOEICや英検では測定できません。
英語学習を始めたばかりの初心者の方ですと、IELTS7.5に到達するためには、1日3時間を勉強すると仮定しても、少なくとも3年ほどの時間が必要です。
レベル感を、他の英語試験と比較して確認してみましょう::
IELTS | TOEFL iBT | TOEIC | 英検 |
9.0 | 116 – | N/A | N/A |
8.0 – 8.5 | 106 – 115 | N/A | N/A |
7.0 – 7.5 | 95 – 105 | 945 – 990 | 1級+ |
6.0 – 6.5 | 72 – 94 | 805 – 940 | 準1級 – 1級 |
5.0 – 5.5 | 55 – 71 | 605 – 800 | 2級 – 準1級 |
4.0 – 4.5 | 42 – 54 | 410 – 600 | 2級 |
これまでのSOLOの受講生データを参照すると、以下がよりバンドスコア7.5のイメージに近いスコア換算です:
- TOEFL iBT:105点前後
- TOEIC(L&R):950-990
- 英検:1級(余裕を持って合格)
重複しますが、あくまで一般論です。人により個人差があります。例えば、TOEFL105点近くを取得していても、IELTS6.5-7.0ほど、TOEIC満点保持者でもIELTS6.0であったケースなどもあります。
最短でスコアを取得するためには、問題の出題傾向や採点基準を正しく理解した上で、自分にとって攻略しやすい学習戦略を立てることが大切です!
必要な学習時間
Cambridge Assessment Englishが公表している情報に以下のようなデータがあります:
CEFR / IELTS | CEFRの定義 | 必要学習時間 |
C2 / 8.5-9.0 | 熟練した言語使用者 | 1,000 – 1,200 |
C1 / 7.0-8.0 | – | 700 – 800 |
B2 / 5.5-6.5 | 自立した言語使用者 | 500 – 600 |
B1 / 4.0-5.0 | – | 350 – 400 |
A2 | 基礎段階の言語使用者 | 180 – 200 |
A1 | – | 90 – 100 |
およその目安ですが「約200時間」学習をすると、バンドスコアが「1.0」上がると言えそうです。
ただ、学習の質や学習者の年齢・学習時間以外で英語に触れることができるか、英語という言語からの距離によって必要な学習時間は変動します。日本語は英語から遠いので、通常は2-3倍の時間がかかる人がほとんどです。
学習量をこなすことはもちろん大切です。ただ、テストを攻略するという観点では、質を高めることも同じくらい大切です。正しく復習ができていないと、たとえ模試を100題解いてもスコアは伸びません!
7.5が必要なケース
IELTS7.5を求められる基本的なケースです:
- 難関海外大の入学基準
- 難関MBAの出願資格
- 医療従事者の海外就職
IELTS7.5は、オックスブリッジ(オックスフォード大学とケンブリッジ大学の複合名称)などの難関海外大学、もしくは、INSEADやハーバードビジネススクールなどのトップMBA校にて求められる基準です。
また、医療従事者の方が海外で働こうと思った時に、IELTS7.0-7.5のスコア提出を求められることが多いです。
IELTS7.5以上あれば、問題なく英語が使用できるかというと、そうではありません。実際には進学してからはIELTSのスコアに関係なく苦労されることも多く、一歩ずつ英語の運用力を高めていく必要があります!
IELTS7.5の勉強法
まずはスコア配分からです。基本的には、以下のスコア配分を目指すことが、最もIELTS7.5を取得しやすいです。
- リーディング:8.0
- リスニング:8.0
- ライティング:6.5
- スピーキング:6.5
IELTSの受験経験がある方は分かると思いますが、IELTSのスピーキングとライティングセクションはスコアが伸びにくい傾向があります。特に、「6.5以上」を取得するためには集中的なトレーニングが必要です。
そのため、リーディングとリスニングに焦点を当てて学習戦略を組むのがオススメです。高得点を目指す際に、SWがRLを超えることはほとんどありません。RLの基礎力アップにきちんと時間をかけましょう。
確かに、大学によってはセクション別の制約(例. ライティング7.0以上)がついてきます。そういった際でも、まずはRLで7.5-8.0を着実に取れるようにした方が、結果的に全てのセクションでより早くスコアの到達が可能です!
リーディングの勉強法
リーディングで、7.5以上を取る基本戦略は「精読→多読」です。7.5を獲得するためには、40問中33-34問(8.0は35-36問)の正解が必要となります。
IELTSでは、1文をきちんと読めないと、正解できないように問題が作られています。ですので、まずは精読です。その上で、多読を取り入れます。
以下の順で勉強していくと精読力が身に付きます :
- 回答する
- 誤答した文章を和訳する
- 文意を書き出す
- 誤答した根拠を書き出す
- 後日、再度回答する
回答した後の、復習にきちんと時間を取るようにします。まずは、間違った問題のパッセージ内の該当箇所を和訳します。間違ったということは、読み違えているということです。日本語にすることで、読み違いをおかした原因を追究できます。
次に、和訳した文章の、文意を自分で説明してみてください。文意を説明するとは、「その文章がそこに入っている理由を書き出す」という意味です。全ての文章には意味があります。
最後にまとめとして、間違えた問題を「なぜ間違えたのか」自分で原因を書き出します。頭で考えるのでなく、書き出すことで整理されます。この過程をサボる人がいます、騙されたと思ってやってみてください。
ここまでして、初めてきちんと復習ができたと言えます。このプロセスを通して7.0まで到達したら、多読を取り入れます。以下が、IELTSのリーディングに効果的な多読教材です。クリックするとサイトに飛びます :
上記のサイトは全て無料です。IELTSのリーディングでよく出るアカデミックトピックが集まっています。
多読のポイントとしては、読んだものを100字程度で口頭もしくは書き起こして要約することです。要約を課すことでアクティブリーディングになりますし、SWの底上げにもつながります。
重複しますが、多読はあくまで精読が上手にできるようになってから行いましょう。IELTS7.0までは、IELTSの公式問題集を中心に行うことで到達可能です!
リスニングの勉強法
リーディングで7.5以上取るための勉強法は、精聴→多聴です。リスニングで7.5を獲得するためには、40問中33-34問(8.0は35-36問)の正解が必要となります。
精聴トレーニングを通して、1文ずつきちんと聞けるようにしてやります。その上で、多聴を取り入れます。
リスニングは、単語の意味を理解できて、自分で音声を再現できれば必ず聞き取れます。聞き取れない音は、真似をすることができないからです。以下の順で勉強していくと精聴力が身に付きます
- 回答する
- トランスクリプトで意味を確認
- もう一度通して聴く
- 1文ずつシャドーイング
- 1文ずつリプロダクション
リスニングは、問題を解答することには意味がありません。従って、問題を解きまくってもスコアが上がることはほとんどないです。そういった意味では、回答後に何をするかが最も大切です。
まずは、回答後にトランスクリプトに目を通し、分からない単語や、表現、文意があったかを確認します。その上で、もう一度目をつぶって初めから最後まで聞いてみてください。そこで聞き取れなかったところが、音声が原因で聞けない箇所です。
聞き取れない箇所を、重点的にシャドーイングとりプロダクションを行っていきます。2つの違いを確認しておきましょう。
- 1:シャドーイング
- 音声を聴きながら、即座に復唱するトレーニング
- 2:リプロダクション
- 1文を聴き終えてから、1文全てを復唱するトレーニング
以下は、私がサンプルで行なっているものです。
シャドーイング
リプロダクション
シャドーイングは、音声を聴きながら真似をするのに対して、リプロダクションは、聴き終えてから全文を真似します。全部を真似する分、リプロダクションの方が難易度が高いです。
シャドーイングやリプロダクションをする際はクオリティにこだわってください。クオリティにこだわるためには、時折で構いませんので、録音して自分の声とオリジナルのIELTSの音源を比較してください。
時には何百回も練習しないと同じ音が出せないかもしれません。そこで修正できることが、次に近い音源が出てきた時に、聞こえるか聞こえないかの命運を分けます。
こうして7.0点が安定的に取れるようになった人は、多聴を取り入れます。IELTSのリスニングに役立つ無料教材は以下です。
上記のように、あくまでIELTSとトピックが似ている教材を活用しましょう。IELTSもテストですので、限定的なトピック下において出題されます。従って、Netflixで多聴をしても”短期的には”さほど効果はありません!
スピーキングの勉強法
次に、スピーキングで7.0以上を取得する方法です。まずは、7.0の評価基準を確認しましょう。評価のされ方に合わせて戦略を練ることが効率的です。

大切なポイントは、「どんな問いに対しても、発音よく、ある程度流暢に復文で回答できる」ことです。そのため、スピーキングは以下の手順で学習をすると良いでしょう :
- 発音を矯正する
- トピックを用意する
- テイクワンを録音
- 分析と修正
- 再度録音
この学習手順は、独学を前提としています。IELTSのスピーキングは対面で行われますが、練習自体では独学でも十分可能です。
まずは、出題される可能性があるトピックをまとめましょう。分からない人は、下記のリンクのスピーキングセクションにまとめているので参考にしてください。
- 参照:IELTS対策
まずは、パート1から順番に対策をしていきます。最も難易度が低く、採点官に最初の印象を与えるとても大切なパートだからです。パート1が上手にできない方で、パート2や3ができるといったことはほとんどありません。
次に、いかなる場合もテイクワンは録音する癖をつけましょう。本番でやり直しはききません。常に本番の緊張感を保つためにもテイクワンに集中しましょう。
その上で、「発音よく、ある程度流暢に話すこと」が7.0に到達するための第一条件ですので、きちんと音声面に着目をして振り返りをしていきましょう。特に、ストレスとイントネーションにこだわって改善をしてください。
ストレスとは、強勢です。強く話すべきところが、きちんと強く話せているかという意味です。イントネーションとは、音の抑揚です。一文全体を話す時に、上がるべきところ下がるべきところが明確に分かれているかを評価されます。
このストレスとイントネーションの改善が、全体の音声の印象値に最も大きく影響を与えます。この2つの改善ができるかどうかが、7.0以上を出すにあたっては非常に大切になります。
何度も録音した自分の音声を聞きながら修正をし、もうこれ以上は上手くならない!というところまで1つの問いに対して頑張ってください。スピーキングは、客観視からの習性が全てです!
ライティングの勉強法
ライティングも評価基準から確認しておきましょう。以下が、タスク1の7.0の評価です。

タスク1で7.0を取るためには、書かれるべき「主要な情報」が全て書かれていることが前提として大切です。その際に、比較表現や受動態などの構文を使えているか、語彙の言い換えを多く行えているかことができているかが評価に大きく影響を与えます。
続けて以下は、タスク2の7.0の評価基準です。

タスク2で7.0を目指すにあたって最も大切なことは、設問に対して適切な回答を論理的に展開できているか、という観点です。論理的な展開とは、「自分が示すアイデアに対する具体例に説得性があること」です。
以下の手順で学習をしましょう。
- ライティングの型を覚える
- 頻繁に使用する英語表現を覚える
- 段落構成を覚える
- 実際にライティングする
- フィードバックをもらう
- 再度ライティングする
初めのうちは、語彙や文法の使い方にフォーカスを置いた学習をしましょう。7.0を取るためには、英語の間違いはおよそ5つ以内に抑えたいからです。
エラーミスを少なく英語を書けるようになった人は、「展開」にフォーカスして学習する必要があります。展開が正しくできているかどうかは、自分で判断することは困難です。当然、書いている本人は正しく書けていると思って書いているはずですよね。
アイデアに対する具体例や理由の妥当性は、できればプロに依頼してきちんとフィードバックをもらうと良いでしょう。フィードバックを元に、書き直し(リライト)まで行うことがポイントです。ライティングは、リライトして初めて上手になります。
短期でライティングを伸ばしたいのであれば、量より質です。様々な問いを数多く回答するのではなく、リライトまで行い目標スコア+0.5のライティングのストックを15-20ほどためましょう。そうすることで、必ずしも本番で同じトピックが出なくても、再現性が高まります!
スコアが伸びないパターン
これまでの指導経験上、いくら勉強してもスコアが伸びないパターンがあります。
例えば、
- 模試の正答数の上下に一喜一憂しやすい
- とにかく模試を解き続ける
- 分かったつもりになりやすい
のようなパターンです。
あくまで勉強の段階では模試の正答数は全く関係ありません
大切なことは「何を自分が理解できているか・理解できていないのか」を正しく把握して、自分の弱点にしっかりと向き合うという作業です。
そのためには、日々の振り返りの精度を高めることが非常に重要です。
振り返りを行わずに単に量をこなしているだけでは、自分の弱点を認識する機会がなくなり、本質的な原因がどんどん見えにくなります。
結果として「自分は理解できている」という思い込みが強くなり、弱点を弱点として認識できずに何をしてもスコアが上がらないという八方塞がりの状態になってしまいます。
例えば「東大の過去問を30年分解けばみんな合格できるか?」と言えば、そうではないはずです。自分が出来ていないことを客観的に理解して、その都度軌道修正していく柔軟さが目標スコア達成には求められると言えるでしょう!
IELTS7.5は長い道のり
今回の記事のポイントを以下にまとめておきます:
- IELTS 7.5はTOEIC満点・TOEFL iBT105点・英検1級と同等
- RLで8.0以上を目指そう
- SWは採点基準をベースに修正
IELTS7.5は、通常一般の人が考えているよりも長い時間がかかります。相当に英語力がある人でないと、一発で出ることはほとんどありません。
私が見ている学習者の方も、何度かチャレンジをして到達することがほとんどです。期間で言うと、すでに7.0に到達している人でも半年ほどかかります。あくまで私の主観ですが、6.0→7.0のスコアアップと、7.0→7.5は同じくらい大変です。
IELTSを通して学びを得る事と、IELTS以外での学びの双方を相乗していくことがスコア到達において大切です。途中で挫けそうになるかもしれません。それでも諦めずに学習を続けた人だけが到達できます。
応援しております。
最後にIELTS対策や海外進学などでお悩みのことがあればお気軽にご連絡ください!