【IELTS】ライティング満点9.0はネイティブでも取れないのか

IELTSのライティングって満点スコア9.0とれるの?サンプル解答つき

こんにちは、SOLO IELTS TOEFLルークです。

この記事では、IELTSのライティングで満点スコア(9.0)を取る方法を紹介していきます。

「満点を取る方法」と大々的に書きましたが、これまで私が担当してきた日本人受験生で最も高いスコアを取得できた方でもスコア7.5でした。

なので、満点に必要なエッセンスを理解するという感覚で読み進めていただけると幸いです。

ライティングで満点を取得するためには、文法や語彙のミスをほぼゼロにして、設問に対して論理的に意見を展開することが必要です。また、ネイティブが読んで「自然な文章」を書く必要があり、これが非ネイティブにとって鬼門になります!

満点(9.0)はネイティブでも取れないのか?

  • 「ネイティブがIELTSを受けたら満点を取ることができますか?」

という質問を受講生の方からよくいただきます。

実際に、私の周りのオーストラリア国籍の方々や講師人の話を聞いてみると、ネイティブでもスコア「7.0 – 7.5」のスコアレンジが平均して多いようです。(無対策の場合)

もちろん、リスニングとスピーキングでは問題なく満点が取得できるようですが、ライティングは対策をしないと満点取得はかなり難しいようです。

IELTSと類似試験のTOEFLでも、満点(120点)取得者は少ない印象で平均して110 – 120の間のスコアを保持しているケースが多いです。

満点が取れない理由

ネイティブでも満点が取れない理由として、以下のことが考えられます。

  1. テスト形式に慣れていない
  2. 英語力以外に地頭の良さが求められる

IELTSに限らずどんな試験でも「何が評価されるか」を正しく理解していないと高スコアを取得することはできません。

単に文章を書くのではなく、評価基準を意識して意図的に言葉を選ぶことが満点を取るためには必要です。

評価基準に関連した内容ですが、IELTSのライティングは評価基準の一つに「TA(Task Achievement)」という項目があります。

TAとは「設問の意図を正しく理解して、適切な回答を展開すること」を評価する観点で、英語力ではなくクリティカル・シンキングやトピックに関する背景知識が求められます。

このように、絶妙に英語力以外の能力も評価に混ざり合っていることからネイティブでも対策なしで満点をとることが非常に難しいことが分かります。

ネイティブでもライティングは難しい

ネイティブたちが集まるフォーラムで、以下のような意見がありました。

  • “I hold a master’s degree, so have experience in academic text and the ‘writing style’, but when the question you get completely sucks, it is really hard to write a coherent piece on that subject. I had a detailed and long question about driver’s licenses – a topic I have no opinion on. I must’ve read the question at least 20 times! It took me such a long time to actually decide on a standpoint and reasons for my fake standpoint that I didn’t even have time to reread my piece because the time was up. I managed to score a 7,5.”
  • 「私は修士号を取得しているので、アカデミックな文章の書き方を理解しています。しかし、質問が最悪な場合、そのテーマについて回答するのがとても大変です。設問では運転免許に関して回答する必要がありましたが、特に意見もなかったので、20回以上設問を読み直したと思います。主張と理由を考えるのに時間がかかりすぎたため、時間が足りずスコアが7.5でした」
  • 参照元:Can a native English speaker get a 9, which is the full mark, on the IELTS

ネイティブでも自分が考えを持っていない質問に対して、説得力のある文章を書くことが難しいということが分かります。

このように修士号を取得しているような教養のある方でも、スコアが取りにくく構成されているのがIELTSの特徴だと言えるでしょう。

満点を取る方法

満点を取るためには前提として、

  1. リーディングとリスニングセクションで8.5以上取得できる
  2. 評価基準を理解する
  3. ロジカルシンキングを習得している

まず大前提としてライティングで満点を取るためには、高い語彙力と文法力が必須です。

そのため、リーディングとリスニングセクションのスコアで8.5以上を取得できるかが一つの目安になるでしょう。他の試験で言うと英検1級の語彙を理解できることが望ましいです。

次に「どうすれば高い評価になるのか」という評価の仕組みを正しく理解します。

各観点ごとに何がポイントになるのかを言語化して、自分の文章を客観的にみた時にどのように評価されるかをメタで分析できるようにしておきましょう。

最後に、英語力を伸ばすだけでなく日頃からニュースや社説などをインプットし、自分の意見をロジカルにまとめておくことに慣れておくことが重要です。

これだけの前提が揃っていても、ライティングで高スコアが確実に取れるとは言い切れません。本人の思考の癖なども重要な要素の一つなので、あくまで参考程度に考えてください!

満点の評価基準

参考までに満点の評価基準を見てみましょう。

TA(設問への回答)・fully addresses all parts of the task
「設問の全ての要素に回答している」
・presents a fully developed position in answer to the question with relevant, fully extended, and well-supported ideas
「関連性のあるサポートセンテンスを十分に述べることができており、主張の説得力を高めることができている」
CC(文章構成)・uses cohesion in such a way that it attracts no attention
「自然に接続表現を用いることができている」
・skilfully manages paragraphing
「読み手が理解しやすいように効果的に段落を分けることができている」
LA(語彙力)・uses a wide range of vocabulary with very natural and sophisticated control of lexical features; rare minor errors occur only as ‘slips’
「幅広い語彙を自然にかつ適切に使用することができている(」
GRA(文法力)・uses a wide range of structures with full flexibility and accuracy; rare minor errors occur only as ‘slips’
「幅広い構文を柔軟にかつ適切に使用することができている」
参照元:IELTS Writing Task2 Band Descriptor

LAとGRAにある「rare minor errors occur only as ‘slips’」とは、「不注意によるスペル(文法)ミスが稀にある」という意味を指します。

つまり、文章に多少の間違いがあっても満点を取得することが理論的には可能であると考えられます。

この満点の評価基準をゴールとして、現状の自分のライティングがどれくらい(またはどのような部分で)ゴールとかけ離れているのかを正しく分析することがスコアアップにおいて非常に重要な考え方です。

満点のサンプル回答(推定)

満点がどれくらいの文章なのかをイメージしてもらうために、推定満点のサンプル回答を用意してみました。

以下が設問です。

  • Some people believe government should spend money on building train and subway lines to reduce traffic congestion. Others think that building more and wider roads is the better way to reduce traffic congestion.
  • Discuss both these views and give your opinion. Give reasons for your answer and include any relevant examples from your knowledge or experience.
  • You should write at least 250 words.

上記の文章に対してどのように自分の考えを述べるか、自分なりに頭の中で考えてみると良いと思います。

以下がサンプル回答です。

  • The methods of mitigating traffic congestion have been a heated topic of controversy. Some people argue that the construction of larger roads is the answer for the problem. However, I contend that such a solution is ineffective in the long term, while the option to construct railways and subways is a far better measure.
  • There is a common fallacy that governmental spending on building larger roads could sustainably address the problem of traffic congestion. An increase in road size could reduce the traffic intensity in the short term, but larger roads also mean that the citizens are encouraged to purchase more individual vehicles. This leads to the fact that the roads, albeit larger, would soon be filled with intense traffic again. For instance, traffic jams returned to Shanghai’s main streets not long after they were expanded in the early 1990s. In brief, if this solution is implemented, traffic jams would still persist in the long run.
  • Rail and subway systems, however, could ensure that traffic congestion is properly addressed. Unlike cars and buses, trains are capable of transporting hundreds of people simultaneously and thus would meet the transport demand of a vast number of passengers. Moreover, trains do not have to go through intersections and traffic lights, and dedicated lines ensure their travel is hardly interrupted. In other words, trains are always on time regardless of the level of traffic. This level of punctuality would encourage many people to choose railways and subways as their primary means of transport, and the number of individuals vehicles would decrease accordingly. As a result, traffic congestion could be tackled successfully.
  • The existing data provides a concrete foundation to conclude that building more and larger roads in an unsustainable measure, while train and subway lines would be a much more effective solution for the problem of traffic congestion.

まとめ

英語力以外の対策も重要になる

今回の内容を以下にまとめると、

  1. ネイティブでもIELTSで満点を取ることは難しい
  2. 満点の評価をゴールに置き現状とのギャップを埋めていく
  3. 英語力以外の能力も満点取得には重要

どんな難関大学でも、入学時に求められるスコアは「最高OA7.5」です。

海外進学以外の就労、移住に関しても7.5以上のスコアが求められることはありません。

満点という高い目標を持って学習に取り組むことはとても大切ですが、IELTS受験はその先の海外進学や就労といったゴールに続く中間地点に過ぎません。

バンドスコア9.0に固執するのではなく、本当に自分が達成したいゴールに向けて本質的に必要な要素を一つずつ積み上げていくことを忘れないでください。

残酷な現実をお伝えすると、たとえ満点近いスコアを取れたとしても現地で生活したり仕事をしてみると全く英語が通用しません。言語は生涯学習と言われているので、長い目で付き合っていくことが大切です!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

何かIELTS対策などでお悩みがありましたらお気軽にご連絡ください。

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