こんにちは!
今回の記事では、IELTSバンドスコア「6.5」の難易度と勉強方法を紹介します。
「バンドスコア6.5を目標として勉強をしている方」や「海外進学を考えている方」の参考になれば幸いです。
IELTS6.5は、海外大学進学の際に一般に求められる水準です。6.5を取得することで、90%以上の海外大学進学の基準を満たすことができます。
海外大学進学を考えている人は、まずはこのIELTS 6.5を目指しましょう!6.5は、基礎英語力をつけた上で、各セクションの戦略とアプローチを練る事で達成可能です。
目次:
IELTSバンドスコア「 6.5」の難易度
結論ですが、IELTS6.5の難易度はおよそ英検一級と同等です。
英語学習を始めたばかりの、初心者の方がIELTS6.5に到達するためには、1日3時間を勉強すると仮定しても、およそ2年ほど時間が必要です。
それでは、詳しくみていきましょう。
6.5のレベル感
まずは他の英語試験と比較してIELTS「バンドスコア6.5」がどれくらいのレベル感なのかを確認してみましょう。
イメージが湧くように、他の英語試験も加えて換算表を作成しました:
IELTS | TOEFL iBT | TOEIC | 英検 |
9.0 | 116 – | N/A | N/A |
8.0 – 8.5 | 106 – 115 | N/A | N/A |
7.0 – 7.5 | 95 – 105 | 945 – 990 | 1級+ |
6.0 – 6.5 | 72 – 94 | 805 – 940 | 準1級 – 1級 |
5.0 – 5.5 | 55 – 71 | 605 – 800 | 2級 – 準1級 |
4.0 – 4.5 | 42 – 54 | 410 – 600 | 2級 |
IELTS 6.5は他テストとの換算では差が大きく分かりづらくなっていますね。
これまでの受講生データを参照すると、以下がよりバンドスコア6.5のイメージに近いスコア換算です:
- TOEFL iBT:85点前後
- TOEIC(L&R):930点前後
- 英検:準1級(余裕を持って合格)
- 英検 : 英検1級になんとか合格
それぞれの英語試験の特性と、受験者の英語の得意分野によってスコアの取得しやすさは変動するので、参考程度に考えてください。
IELTS6.5レベルの人は、TOEFLは80-90点の間、TOEICでは900点は優に超えるレベルかと思います。
英検ですと、準一級は余裕を持って合格できるが、一級は人によっては落ちるかもしれません。そういったレベル感です。
もちろん、TOEIC900点保持者でも、初受験のバンドスコアが「5.5」だったケースや、バンドスコア「6.5」の方がTOEFL100点を取得しているというケースもあります!
6.5取得に必要な勉強時間
IELTS バンドスコア「6.5」取得に必要な勉強時間を確認してみましょう。
CEFR / IELTS | CEFRの定義 | 必要学習時間 |
C2 / 9.0 | 熟練した言語使用者 | 1,000 – 1,200 |
C1 / 8.0 | – | 700 – 800 |
B2 / 7.0 | 自立した言語使用者 | 500 – 600 |
B1 / 6.0 | – | 350 – 400 |
A2 / 5.0 | 基礎段階の言語使用者 | 180 – 200 |
A1 / 4.0 | – | 90 – 100 |
どれぐらい勉強すればスコアが上がるのか?当然気になりますよね。データによると、およそ400-500時間学習するとIELTS6.5に到達することが分かります。
ただし、これはあくまで目的意識をもって集中した学習量で、何も考えずに、400-500時間勉強しても、IELTS6.5に到達するわけではないので注意してください。
また、比較的リスニング対策に苦労しないヨーロッパ圏の非ネイティブもデータに含まれています。一般的に、英語から遠く離れた言語のアジアの学生は、2-3倍の時間がかかると思った方が良いでしょう。
自分がなぜ今その学習をしているのか常に意識をして下さい。できれば、目標から必要な学習量を逆算して必要なトレーニングを行うようにしましょう!
6.5が必要になるケース
IELTS バンドスコア「6.5」を求められるケースは基本的に以下のようなケースがあります:
- ケース1:海外大学(学部)の入学基準
- ケース2:海外大学院の出願
- ケース3:アジア・欧州MBAの出願
- ケース4:ビザ申請(オーストラリア・カナダ)
IELTSの試験としての目的自体が、海外進学もしくは移住です。バンドスコア6.5というのは海外の8割以上の学部、修士の進学基準となっています。
海外大学進学を目指している人はまずはこのバンドスコア6.5を取得することが第一歩となります。出願には「ライティングは6.0以上」といった、セクションごとに制約がついていることがあるので、必ず大学のウェブサイトから確認しましょう。
バンドスコア7.0以上となるのは教育、法、医学のような学部、または一流大学やMBA進学です。バンドスコア6.5と7.0は、信じられないほど大きな差です!
IELTS 6.5を取得する勉強方法
IELTS6.5を取得するためには、まずはリーディングとリスニングの勉強に集中することが大切です。リーディングとリスニングのスコアが6.5に到達した人から、ライティングやスピーキングの勉強にうつることをオススメします。
ライティングやスピーキングは、リーディングとリスニングの上に成り立つテクニカルなスキルであること、またスコアを出しにくいセクションだからです。
6.5のスコア配分
まずは、日本人がIELTSバンドスコア「6.5」を目指すに当たってとるスコア戦略を確認しましょう。
スコア配分1
まずは、下記のスコア配分がオーバーオール6.5を目指す一般的な戦略です:
- リーディング:6.5
- リスニング:6.5
- ライティング:6.0
- スピーキング:6.0
平均で6.25を目指し繰り上げの6.5を目指すという戦略です。進学の際に、各セクションのスコアに制約がある場合はこちらのスコア戦略でいくと良いです。
スコア配分2
次に、リーディングが得意な人が目指す戦略です :
- リーディング:7.0
- リスニング:6.5
- ライティング:6.0
- スピーキング:5.5
日本で育った人の中にはリーディングが得意で、リスニングとスピーキングに苦手意識を持っている人は多いです。そういった方におすすめのスコア配分です。
IELTSのライティングは難しいことで有名ですが、6.0までは比較的取りやすいですね。またリーディングとライティングのスコアの相関性があります!
6.5を取得するための前提条件
IELTSバンドスコア「6.5」を目指すに当たっては、下記で紹介する勉強方法は以下の前提条件をクリアしていることが好ましいです:
- 前提条件1: 英語の基礎力がある
- 前提条件2: 明確な目標がある
- 前提条件3: 目的意識をもって
英語の基礎力がない人、具体的にはバンドスコアが「5.0以下」の場合や、英検2級に受からないレベルの人は、英語の基礎力が圧倒的に不足しています。
そんな場合はIELTSの対策を無理に行わずに、文法や語彙の基礎固めを集中的に行う方が学習効果が高いです。なぜなら、IELTSの問題を解いても解説を理解することもできないからです。
基礎力がない人は、IELTS対策の前に、英検2級(できれば準一級)に余裕を持って合格することを目指しておくと良いです。IELTSの問題は、英検一級のそれよりも若干難しいためです。
またバンドスコア「6.5」を目指すにあたって、確固たる目標と目的意識があることが望ましいです。具体的には、自分が行きたい大学や国はある程度絞り込めているか、その目標から逆算したトレーニングを行っているかです。
なぜ目的意識が重要かというと、TOEICや英検と比べてIELTSのスコアは伸びにくく、試験の難易度も高いので心が折れそうになることが何度もあるからです。そこから立ち直るためには、明確な目標が必要になります!
リーディングの勉強法
まずは、IELTS6.5点を狙うにあたってのリーディングの勉強法になります。リーディングで6.5点を獲得するためには、40問中27-29問の正解が必要となります。
以下の順で勉強していくと良いでしょう :
- 手順1:問題を解く
- 手順2 : 単語を全て調べる
- 手順3 : 構文が完璧にとれていること
- 手順4:音読
- 手順5:再度解く
6.5に到達するための、リーディングの基本戦略は「精読」です。時折「速読」を練習する人がいますが、きちんと読めていないのに早く読んでも意味がありません。
精読のためには、構文を理解する必要があります。構文を理解するというのは、SVOCを理解できかつ意味が完全に理解できていることを指します。構文理解できない文は抜き出して必ず理解をしてください。
並行して3000-4000語の語彙強化が必要です。IELTSに特化した単語帳から覚えていく手法でも、問題を解く中で知らない単語を暗記するのでも、どちらでも構いません。
単語の習得に関して大切なのは、自分に合った方法を知ることです。当然ですが、単語は知っていれば知っているほど有利になります。
繰り返しになりますが、IELTSリーディングにおいては、精読力をあげることがスコアアップにつながります。具体的に理解したい人は、以下の記事を参照にしてください!
- 参照リンク: IELTSリーディング勉強法まとめ
リスニングの勉強法
次に、IELTS6.5点を狙うにあたってのリスニングの勉強になります。リスニングで6.5点を獲得するためには、40問中26-29問の正解が必要となります。
従って、以下の順で学習する必要があります :
- 手順1:基礎の発音 (母音/子音)
- 手順2:音声変化 (語と語の同化)
- 手順3:1文ずつシャドーイング
- 手順4:全体をシャドーイング
- その他:隙間時間は内容を完全に理解している音声を聴く
リスニング力を高めるためには、「語彙力(文法力)」と「音声認識力」の2つが重要です。また、聴き取れた順に英語を理解することに慣れることも大切な要素です。
音声認識力は、前提として発音の強化が必要です。聴こえた音と、同じ音が再現できるようになることで、音に対する感度が高くなります。
発音を強化した上で、IELTSリスニングの音源の真似をしていきましょう。以下は、私がIELTSリスニングをシャドーイングをしているものです。
いきなりシャドーイングが難しい人は、1文ずつ行なってみてください。1文が完璧にシャドーイングできたら、次の1文に移ると言った感じです。
リスニングは、練習する時からトランスクリプトは見ないようにしましょう。トランスクリプトを見た瞬間に、それはリーディングになってしまうからです!
スピーキングの勉強法
さて、IELTSスピーキングで6.0点を目指すための勉強法です。そのためにはまず、スピーキング6.0点というのがどのような評価なのかを確認する必要があります。
IELTSスピーキング6.0の評価基準 :
FC (流暢か) | ・長く話すことに意欲を感じる ・繰り返し、言い直し、口ごもりにより一貫性を失いがち ・さまざまな接続語や談話標識を使用しているが必ずしも適切ではない |
LR (語彙) | ・トピックを議論するための十分に幅広い語彙をもっている ・不正確さがあるが意味を明確に伝えらる ・概ね言い換えに成功している |
GR (文法) | ・単文と複文を併用しているが、柔軟性は限定的 ・複文ではしばしば間違いがあるが意味を阻害することはまれ |
PR (発音) | ・さまざまな発音の特徴をさまざまなレベルでコントロールしながら使っている ・いくつかの発音の特徴を示せているが持続できない ・概ね理解可能だが、ここの単語の発音の間違いにより伝わりにくいことがしばしばある |
この中で、最も大事な点をひとつだけあげるとすると、FCの「長く話すことに意欲を感じさせる」という点です。5.0と6.0の一番大きな差はここにあります。
いかなる問いに対しても、3文以上でテンポよく答えることができれば、多少英語が間違っていたとしても、スピーキングで6.0が出やすくなります。
以下の順で、学習をすると良いでしょう :
- 手順1:発音強化(リスニングと並行)
- 手順2:答えを録音
- 手順3:モデルアンサーと比べる
- 手順4:自分の録音を正しい英語に書き直す
- 手順5:再度録音
スピーキングは一人では練習できないと思っている人が多いようです。携帯の録音機能をつかって、自分が話してる英語を録音して下さい。
それを書き起こしてみてください。自分が話してる内容を客観的に分析、修正していくことが スコアアップの近道です。
また、発音よく流暢に話す事が全体の50%のウェイトを占めることを覚えておいてください。語彙や文法項目よりも、1文を滑らかに読むことが6.5到達には必要です。
このぐらいのレベル感の人にとっては、パート3は質問の内容が難しくて、失速してしまいがちです。ですので、6.5を目指すにあたっては、パート1と2のトピックを網羅することを優先してください。
パート2が終わった時点で、7.0ぐらいの印象を与えられるば、仮にパート3で多少失速したとしても勝ちです!
ライティングの勉強法
最後にライティング6.0点を目指すにあたっての勉強法です。スピーキング同様に6.0点の評価基準がどうなっているかをまずは確認しましょう。
ライティングはタスク1と2で評価基準が若干異なりますので、それぞれ確認しておきましょう。
タスク1の6.0点評価基準
TA (回答) | ・問題の要求に言及している ・アカデミック:適切に情報を選んで全体像を示している ・ジェネラル:手紙の目的が概ね明らかであるが、文調が必ずしも一定ではない ・主要な特徴/箇条書きの質問について説明しているが、無関係・不適切・不正確な説明を伴う |
CC (一貫性) | ・情報やアイデアを首尾一貫性を持って説明できており、全体としての進行が明らかである ・つなぎ言葉が効果的に使われいるが、文章内・文章間の繋がりに欠ける、または機械的である ・指示語が必ずしも明確かつ正確に使われていない |
LR (語彙) | ・問題に対する十分な範囲の語彙を使用できている ・レベルの高い語彙に挑戦しているがいくぶんかの不正確さを伴う ・スペルやワードフォーメーションに時折間違いが見られるが、意味を阻害する物ではない |
GR (文法) | ・単文と重文、複文を併用している ・文法、句読点の間違いはあるが意味を阻害するのはまれである |
タスク1は、主要な特徴をグラフから読み取れるかが鍵になります。それを概要パラグラフにきちんとまとめる事が6.0に到達するための最重要事項です!
タスク2の6.0点評価基準
TA (回答) | ・問題の全ての部分について言及しているが、言及が少ない部分もある ・適切なポジションが示されているが結論が不明瞭または繰り返しである ・適切なメインアイデアを示しているが展開が不十分または不明瞭である |
CC (一貫性) | ・情報やアイデアを首尾一貫性を持って説明できており、全体としての進行が明らかである ・つなぎ言葉が効果的に使われいるが、文章内・文章間の繋がりに欠ける、または機械的である ・指示語が必ずしも明確かつ正確に使われていない |
LR (語彙) | ・問題に対する十分な範囲の語彙を使用できている ・レベルの高い語彙に挑戦しているがいくぶんかの不正確さを伴う ・スペルやワードフォーメーションに時折間違いが見られるが、意味を阻害する物ではない |
GR (文法) | ・単文と重文、複文を併用している ・文法、句読点の間違いはあるが意味を阻害するのはまれである |
タスク2のエッセイで6.0を目指すにあたっては、冒頭で主張を明確に、問に答えきる事です。その上で、主張に対するアイデア、理由、例が「ある程度」まとまって書けることが大切です。
以下の順で、学習をすると良いでしょう :
- 手順1:ライティングの型を覚える
- 手順2:頻繁に使用する英語表現を覚える
- 手順3:段落構成を覚える
- 手順4:実際にライティングする
- 手順5:フィードバックをもらう
- 手順6:再度ライティングする
IELTSライティングのテンプレートに沿って「書くこと」からスタートしましょう。コツやテクニックを覚えても、書かないとスコアは伸びません。
書いたライティングは、必ず誰かに添削してもらいましょう。ライティングはなかなか自分では客観視することができないからです。
ライティングやスピーキングは実際に書いたり話さないと伸びません。頭で理解することと実際にアウトプットできる事は別次元だからです!
まとめ
IELTS「6.5」はまずはLRの強化にある
今回の記事のポイントを以下にまとめておきます:
- ポイント1:IELTS6.5は英検1級程度の英語力
- ポイント2:海外大学進学の選択肢を大きく広げてくれるのがIELTS 6.5
- ポイント3:6.5取得には目的意識をもった勉強を
IELTS 6.5は、RLが苦手な人は到達できません。RLが苦手な人がSWで7.0以上を取得する事は考えられないためです。
IELTS6.5への近道は、英語の基礎を完璧にすることです。目安としては、英検2級で9割以上はとれることです。その上で、IELTSに出てくる単語を増やしつつも音源の再現性を上げていくと安定してきます。
このように書くと「3週間ぐらいやりましたが伸びません!」という連絡を頂きます。IELTSは少なくとも3か月はかかります。英検やTOEICのように直前の追い込みがなかなかききません!
中長期で根気よく毎日続けてくださいね。最後にIELTS対策や海外進学などでお悩みのことがあればお気軽にご連絡ください!