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今回の記事では「IELTS 6.5のレベル感と勉強法」を解説します。
スコア6.0までは、難しい問題を捨て、自分が正解できる問題を見極めることが大切でした。
スコア6.5では、7割弱の正答率が求められます。ですので、難しめの問題にも正解できるように対策をする必要があります。
世間一般的には、IELTS 6.5はペラペラの領域です。英語中級者が、上級者を目指すための掛け渡しとなるスコア感とも言えます!
それでは、詳しく見ていきましょう。
目次:
IELTS 6.5のレベル感
まずは、IELTS 6.5のレベル感を見ていきます。
IELTS | TOEFL iBT | TOEIC | 英検 |
9.0 | 116 – | N/A | N/A |
8.0 – 8.5 | 106 – 115 | N/A | N/A |
7.0 – 7.5 | 95 – 105 | 945 – 990 | 1級+ |
6.0 – 6.5 | 72 – 94 | 805 – 940 | 準1級 – 1級 |
5.0 – 5.5 | 55 – 71 | 605 – 800 | 2級 – 準1級 |
4.0 – 4.5 | 42 – 54 | 410 – 600 | 2級 |
英検一級 = IELTS 6.5
と考えると、感覚的にわかりやすいのではないでしょうか。
英検一級を保持している方が、IELTSのテスト傾向に慣れると出るスコアです。
TOEFL iBTでは、80-90点程度に換算されることが多いです。
TOEICとの比較は難しいです。試験傾向と問題の難易度が大きく異なるためです。
IELTS6.5を保持している方がTOEICを受験すると、少なくとも900点は超えることが多いです。
一方、逆は成り立ちづらいです。スピーキングとライティングの対策をしてこなかった人は、IELTS 6.5はなかなか出ません。
取得に必要な勉強時間
次に、IELTS 6.5取得に必要な勉強時間を確認してみましょう。
以下は、IELTS作成機関のCambridgeが公表しているデータです。
CEFR / IELTS | 必要学習時間 |
C2 / 8.5-9.0 | 1,000 – 1,200 |
C1 / 7.0-8.0 | 700 – 800 |
B2 / 5.5-6.5 | 500 – 600 |
B1 / 4.0-5.0 | 350 – 400 |
A2 | 180 – 200 |
A1 | 90 – 100 |
データによると、およそ500-600時間学習するとIELTS 6.5に到達します。
しかし、ほとんどの日本人学習者はもっと時間がかかります。
このデータは、英語に近い言語圏の話者もデータに含まれているからです。
一般的に、英語から遠く離れた日本語話者は、より苦労される傾向があります。
- 英検3級:約2,500時間+
- 英検2級:約1,500時間+
- 英検準1級:約1,000時間+
出願に間に合わせるためにも、これぐらいの時間軸で学習戦略を組むことが現実的です。
思い通りにスコアが出ないのがIELTSです。少し厳しめのスケジュールを組むことをオススメします。
スコア6.5が使えるケース
IELTS 6.5が使えるケースを確認しましょう。
- オーストラリアの全大学の出願条件
- カナダの全大学の出願条件
- イギリスの優良大学の出願条件
- 国内の英語外部試験利用
スコア6.5を取得すると、オーストラリアとカナダの全ての大学の出願条件を満たすことができます。
(※ 医学部、法学部、教育学部などはスコア7.0が必要なことがあります。)
例えば、メルボルン大学、シドニー大学、トロント大学、UBCなどの上位校も、スコア6.5が出願要件です。
イギリスでは、オックスフォード大学とケンブリッジ大学を除いて出願可能です。
世界ランキング上位校の、UCL、インペリアル、エディンバラなども例外ではありません。
また、日本国内の大学入試でも、英語外部試験利用としてIELTSを活用することができます。
具体的には、早稲田大学の一部の学部を除いて、スコア6.5は出願に使用可能です。
IELTS 6.5の勉強法
リーディングとリスニングは、およそ7割弱の問題に正解すればスコア6.5が取れます。
難しめの問題にもチャレンジができるように、トピックに左右されずに「意味を認識する」練習が必要になります。
スピーキングとライティングは、語彙と文法のエラーミスを減らした上での、内容面にフォーカスをした練習が必要です。
リーディング
まずは、リーディングの勉強法です。
リーディングは、
- 単語がわかる
- 構文がわかる
- 文意が分かる
この3つの条件が揃った時に、完璧に理解ができます。
スコア6.0までは、上2つ「単語がわかる」「構文がわかる」を追求することで到達可能です。
しかし、スコア6.5からは「文意が分かる」が大切になります。
これは「筆者はこういうことが言いたいんでしょ」といった事が正確にわかるスキルを指します。
文意を理解するためには、意味があやふやな文章の日本語訳を自分で作ることです。
日本語訳があっているかどうかを確認するために、元の英文をDeepLやGoogle翻訳などに挿入してみてください。
AI翻訳と自分の訳を比較してみることで、どこがうまく理解できていないのか確認をすることができます。
次に、翻訳した文章が、文中の該当箇所に挿入されている理由を言語化します。
リーディングは、各文章に意味があります。文章の挿入意図を言葉にすることで、各文章の意義を意識できるようになります。
問題はここからです。
ここまで徹底的に復習をしても「いまいち意味が情景レベルで想像できない」といったことがおこりえます。
原因は、該当トピックの背景知識不足です。知らないことは、日本語で理解をしても完全に理解できないのです。
これの対処法は「背景知識をつける」です。
YouTubeで “トピック名、Documentary” と検索をかけます。そうすると、リーディングの内容と似た動画がたくさん出てきます。
そういった動画をいくつか見た上で、再度、文章に立ち返ってみてください。驚くほど理解できます。
リーディング学習で避けて欲しいことは、キーワード探しに没頭することです。そういったテクニカルなことでは、リーディングのスコアを安定しません!
リスニング
次に、リスニングの勉強法です。
リスニングで最も有効な学習法は、「ディクテーション」と「音源の真似」です。
ディクテーションとは、書き取り練習です。そもそもIELTSのリスニングは、ディクテーション問題が7割程度を占めます。
本番では、1-3語程度のみ書かされる試験ですが、練習では一文全文をディクテーションします。
ディクテーションをやる目的は「記憶の幅を広げる」ためです。全文ディクテーションしようとすることで、文脈を強く意識するようになりますし、記憶できる英語の幅が変わってきます。
そもそも、自分が書き取れる音は、きちんと聞き取れるという証明になりますよね。
このレベル感の人は、公式問題集を中心にディクテーションを行なってください。その他の教材は、使う必要はありません。
スコア6.5を目指している人にとっては、公式問題集のレベルはほんの少しだけ難易度が高く、ちょうどいいはずです。
ディクテーションのやり方がいまいちわからない人は、「自分でスクリプトを作成する」と考えると分かりやすいのではないでしょうか。
問題に解答後に、スクリプトを見るのではなく、自らが作成します。一文ずつ音源を流しながら、書き起こしてみてください。
音源を3往復した後に、実際のスクリプトと自分が書き起こしたものを比べてみてください。
そこで間違っているものが、まったく聞き取れていない箇所です。
その個所を何度も何度も聞いてみてください。そして、できれば自分でも言えるように真似をしていきます。
自分でも音源の真似ができるようになると、より聞き取りやすくなります。
気づいた方もおられるかと思いますが、復習は問題に解答するよりも10倍は時間がかかります。
リスニングは、問題に解答をしてもスコアは全く上がりません。いかに復習に時間をかけるかが大切です。
最初からスクリプトを見る癖をやめましょう。スクリプトを見た瞬間に、それはリーディングの勉強になってしまうためです。何度も粘り強く聞いてみて、その後で初めてスクリプトを参照にします!
スピーキング
さて、IELTSスピーキングの勉強法です。
スピーキングでスコア6.5を取るためには、
- 複文で回答すること
- トピック語句を活用すること
- 攻め場を理解すること
の3点が重要です。
「複文で回答する」というのは6.0を出すために必要な要素で、「トピック語句を活用する」というのは7.0に必要な要素です。
複文で回答するというのは、主部と述部が2つ以上入っている文章で回答することを意味します。
例えば、
- I feel that advertisements are a great way to promote a company’s products and services that are newly launched in the market.
関係詞 that により、複文になってることが確認できます。
特に、「関係詞、接続詞、仮定法」はIELTSスピーキングで複文を作るのに役立ちます。
また、上の文章では、3つのトピック語句が活用されています。
promote, launch, market です。
あるトピックを議論するにおいて、期待されている語句をトピック語句と呼びます。
闇雲に単語を覚えるのではなく、スピーキングでよく出題されるトピックにおける語句を強化すると良いです。
そして、最後に重要になるのが「攻め場を理解すること」です。
スコア6.5を目指す人にとっては、うまく話せる箇所とそうでない箇所があるはずです。
自分が馴染みのある問いに対しては、積極的に長い文章で、トピック語句を活用することがポイントです。
回答が困難な場所では、手短に切り上げることも大切です。文章の途中で詰まったり、沈黙してしまうと、減点対象になってしまうためです。
ほとんどの方にとっては、パート3はまだまだ難しく感じるかと思います。パート1と2のトピックを網羅することを優先すると良いでしょう。
パート2が終わった時点で、スコア7.0ほどの印象を与えられれば、仮にパート3で多少失速したとしても、スコア6.5はでる可能性が高いです!
ライティング
最後に、ライティングの勉強法です。
ライティングで6.5を取得するためには、
- エラーミスを減らす
- 展開と構成を改善する
- 全ての設問に対応できるようにする
スコア6.5を達成する上で、最重要ポイントは、語彙文法のエラーミスを減らすことです。
具体的には、各タスクでエラーを3つ以下にすることを目標にしましょう。
ライティングは4つの評価項目があります。そのうちの半分が「語彙」と「文法」です。
この2つの項目で、スコア7.0を目指すことが、結果的に早くスコア6.5に到達させられます。
自分が自信をもって書ける文章を増やすことが大切です。背伸びをして、難しい語句などは使う必要はありません。
次に重要なポイントが、展開と構成の改善です。こちらは、評価項目「タスク達成度」「首尾一貫性」に関わるところです。
本番でスコア7.0を出すことが難しい項目です。どのような回答を作成すれば、スコア7.0の展開と構成を達成できるか、練習の段階では理解しておくと良いでしょう。
そのためには、書いたライティングを、必ず誰かに添削してもらいましょう。ライティングはなかなか自分では客観視することができないためです。
添削してもらったライティングをもとに、書き直しをしてください。リライトしたものが、スコア7.0になることを目標にします。
そういった形で、IELTSライティングでよく出るトピックにおいて、自分だけのスコア7.0の解答集を集めていくことがポイントです。
短期間でライティングを伸ばしたい方は、量よりも質です。100回書くよりも、10のトピックを書き直しまで行うことがより重要です!
スコアが伸びない場合
上記で述べた勉強法を続けても、スコアが伸びないというケースが少なからずあります。
そんな場合は「分かったつもりになる」が原因になっている可能性が高いです。
知識には主に以下の3種類があります。

この中で一番厄介なのが「理解できたと思い込んでる知識」です。
これを防ぐためには、一度覚えた知識を「自分よりも英語力が低い人に教えることができるか」ということを自問してみてください。
人に教えるためには、覚えた知識を簡単な表現に置き換える必要があります。
簡単な表現で教えることができればできるほど、その知識を深く理解できた証拠でもあります。
最後に
今回の記事のポイントを以下にまとめておきます:
- IELTS6.5は英検一級程度のレベル
- 復習では「意味の理解」にこだわる
- トピックの運任せにしない
以上が、IELTS 6.5のレベル感と勉強法の紹介でした。
4技能の対策が大変な人は、まずはリーディングとリスニングに絞って学習することをオススメします。
リーディングとリスニングが苦手な人が、スピーキングとライティングで高得点を取得する事は難しいためです。
また、本番でトピックの運任せにするのはやめましょう。
実際に、このレンジの人はスコア5.5-6.5を行き来することが多いです。
自分の得意なトピックに当たった時はスコアが上がり、そうでない時は下がるといった具合です。
しかし、全てのセクションで、自分と相性の良いトピックが出ることはありません。
結局のところ、IELTSに出題される可能性があるトピックを一つずつ網羅することが大切です。
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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