こんにちは!
SOLOのルークです!
英語を軸に、海外進学される方をサポートしています。
今回の記事では「IELTSリーディング対策」を紹介します。
音読、速読、多読 . . .リーディングには、様々な学習方法があります。
しかし、IELTSリーディングにおいては、一文を正確に読めることのみが重要です。
IELTSの設問は、細部を問うタイプがほとんどです。ざっくりとした理解や、テクニックに頼った学習ではスコアが伸び悩みます。
これを言うのは勇気がいりますが、テクニックは忘れてください。
それでは、文章を正確に読むための勉強法を詳しく見ていきましょう。
目次:
IELTSリーディングについて
テストの概要
まずは、IELTSリーディングの概要を確認しましょう。
試験時間 | 60分 |
パッセージ数 | 3つ |
設問数 | 計40問 |
ワード数 | 各900語程度 |
ジャンル | 自然科学 生物学 美術/歴史 医学 ビジネス 社会問題 科学技術 環境問題 時事・ニュース |
IELTSリーディングは、60分で3つのパッセージに解答します。
設問数は計40問です。したがって、各パッセージの質問数は13-14問となります。
パッセージの語彙数は900語程度です。英検1級の最も長いパッセージが800語、TOEFLが700語程度であることを考慮すると、分量は多いと言えます。
ジャンルも多岐にわたります。その中でも、最も出題傾向が多いのが、貧困、教育、健康などの社会問題や科学技術、そして生物学における3分野です。
時間配分について
解答の時間配分について確認しておきましょう。
60分で3つのパッセージですので、単純計算では1パッセージあたり20分です。ただし、注意が必要です。
IELTSリーディングは、パッセージが進むにつれて難易度が上がるのです。
個人的には、パッセージ1を15-18分、パッセージ2を18-20分、パッセージ3を22-25分を目安に解答することをオススメします。
本試験で時間配分を上手にするコツがあります。それは、練習時の徹底したタイムマネジメントです。
もう少し時間をかければ解答できるのに . . . という経験は誰しもがあるはずです。
しかし、ある設問に時間をかけすぎることによって、後続の設問をごっそり落としてしまっては元も子もありません。
また、ある設問に時間をかけたからといって、正解できるものでもありません。
むしろ、一度じっくり読んで理解できない場合、何度読んでも理解できないことの方が多いです。
練習だからといって長い時間をかけてじっくり解答するのではなく、いつも本番を想定して臨むことが大切です。
設問の種類
IELTSリーディングには、以下14設問あります。
- True / False / Not Given問題
- パラグラフ選択問題
- 見出し選択問題
- タイトル選択問題
- カテゴリー問題
- 穴埋め問題
- 文章完成問題
- テーブル完成問題
- フローチャート完成問題
- ダイアグラム完成問題
- 文章完結問題
- 多肢選択問題
- リスト選択問題
- ショートアンサー
その他の英語のテストと比べても、圧倒的に設問数が多いです。
独特の問題形式が多く、解答のしづらさを感じるテストです。
特に、True/False/Not Giveや見出し選択問題で苦しむ人が多いです。
正確に文意が取れないと、誤答するように作られているからです。
各設問の内容を確認したい人は、こちらの記事をご確認ください。
スコアについて
次に、スコアの算出方法をみてみましょう。
IELTSリーディングには40の設問があるとお伝えしました。スコアは、正答数によって決まります。
正答数 | バンドスコア |
39 – 40 | 9 |
37 – 38 | 8.5 |
35 – 36 | 8 |
33 – 34 | 7.5 |
30 – 32 | 7 |
27 – 29 | 6.5 |
23 – 26 | 6 |
19 – 22 | 5.5 |
15 – 18 | 5 |
13 – 14 | 4.5 |
10 – 12 | 4 |
8 – 9 | 3.5 |
6 – 7 | 3.0 |
4 – 5 | 2.5 |
3 | 2.0 |
IELTSのスコアは0-9点の、0.5点刻みです。日本人のリーディングの平均点は6.1点です。全セクションで最も高い数値です。
40問中23-26問正答すると、スコア6.0になることが確認できます。
裏を返すと、14-17問間違っても、スコア6.0には到達可能だということです。
自分が目標とするスコアは、何問間違っても良いのか把握しておきましょう。
そうすることで、本番で勇気をもって捨てる問題を取捨選択することが可能です。
リーディングの難易度
IELTSリーディングは、どれぐらい難しいのでしょうか?
パッセージと、設問の難易度をそれぞれ分けて考えるとわかりやすいです。以下は目安です。
- パッセージの難易度:
難 TOEFL < IELTS < 英検一級 易 - 設問の難易度:
難 IELTS < TOEFL < 英検一級 易
パッセージ内の文章の難易度は、ライバル試験であるTOEFLの方が難しく感じる人が多いです。
IELTSに出題されるトピック自体は、とっつきやすいものが多いです。
一方で、設問の難易度に関しては、IELTSが難しいです。
先ほどご紹介したように、設問数が多いことが一つ。また、設問に対して、パッセージの上から順番に答えが出てこないことがあるため、パッセージと設問の間をいったりきたりさせられます。
そこそこ読みやすいけど、解答はしづらい。それが、IELTSのリーディングです。高得点を取るという観点では、どの試験もさほど差はありません!
IELTSリーディング対策と勉強法
1. 単語力をつける
文章を正確に読むためには、まず第一に、認識できる単語量を増やす必要があります。
単語は知っていれば知っているほど有利です。文章は、単語と文法でできているからです。
文中でキーになる単語が一つでもわからなかった場合、全体のメッセージを損なう可能性すらあります。
練習問題で出くわす知らない単語は、復習の過程で全て覚えてください。
暗記の仕方としては、1日にまわす単語量を増やすと定着しやすいです。例えば、100単語覚えたいような時は、
1日10単語x10日ではなく、1日100単語x10日のペース感で暗記をしてください。
IELTSリーディングは、3万単語程度のプールから出題されています。
ほとんどの方が、数千単位で英単語を補強することになります。1日に数十個の暗記では、短期間で覚えきれないです。
固有名詞などは、スペルまで暗記する必要はありませんが、Googleの画像検索などで情景として想像できるようにしておく事をオススメします!
単語帳は使うべきか
学習者の方に「単語帳は買った方が良いですか?」とよく聞かれます。
単語帳で紹介されている単語が分からないのであれば、購入をオススメします。
単語帳というのは、あえてよく出る単語を、わざわざ集めてくれているものです。
単語帳に出てくる単語がわからない場合、IELTSのリーディングではスコア6.0を超えることは難しいです。
使用する単語帳に関しては、どれでも構いません。書籍間で紹介されている単語に差はほとんどないためです。
書店に行って、パラパラめくってみて、やり切れそうなものを選ぶと良いです。単語帳の暗記は、決して楽しくありません。やりきれることが選択の最重要項目です。
リーディングは、単語帳を覚えたからといってスコアが上がるものでもありません。だからこそ、単語帳はなるべく短期間で終わらせることがポイントです!
2. 意味の塊で前から理解をする
単語を覚えましょう!とお伝えしたばかりですが、単語学習ばかりをした人が陥りやすい罠があります。
それは、1語ずつ単語だけを読んでいく読み方をしてしまうというものです。スコア6.0に届かない方に顕著に多いです。
正確に読むためには、第二に、文章を意味の塊で理解していくことが必要です。言い換えると、英文解釈力をつけることです。
英文解釈は、大学受験の時に頑張った方が多いのではないでしょうか。大学受験の学習は、IELTSリーディングでもそのまま役立ちます。
いわゆる、SVOCがパッと分かる状態です。
文章を、前から意味の塊が理解できるようになると、返り読みをする癖がなくなります。つまり、一回だけ読んで、意味を理解しやすくなるのです。
IELTSでは長い文章が多く出てきます。文が長いので、途中で切れ目がわからなくなり、また文の冒頭から読み始める人がいます。
これが、時間が足りなくなる一番の原因です。
英文解釈力をつけて、文章を一回だけ読んで、一発で理解する。これが目標です。
こちらも書店に行って、自分のレベルに合った参考書を購入すると良いでしょう。
最終的には、難関大学の英文解釈ができるようになることを目標にしてください。
具体的な参考書としては、「ポレポレ英文読解プロセス50」や「英文読解の透視図」をゴールにすると良いでしょう。
個人的には、ポレポレがオススメです。著者がYouTubeで解説をあげいるためです。
最初のうちは、SVOCとメモをつけないと塊を意識できないかもしれません。それでも構いません。慣れてくると、塊が目に飛び込んでくるようになります!
3. 背景の知識をつける
単語と文法力をつけても、スコアが6.0付近から上がらない. . .
といった声を耳にすることがあります。こういった方は、トピックの背景知識が原因です。
背景知識がないと、意味が想像できないのです。その場合は、知識をつけていく必要があります。
IELTSは「知識がないと答えられないことがある」から難しいのです。
オススメは、YouTubeの活用です。Youtubeで「トピック名、Documentary」と検索すると関連動画がたくさん出てきます。
例えば、パッセージのトピックが “Army Ant” だったと仮定をしましょう。
以下のように検索をすると、ドキュメンタリーがたくさん出てきます。
上から順に、いくつか見てみてください。コンテンツが、パッセージの内容に似ていて驚くかと思います。
こういった動画を見た後に、もう一度パッセージに立ち返ってみてください。意味を情景レベルで想像しやすくなります。
あくまで背景知識を付けることが目的なので、字幕をつけても構いません。リスニングの勉強にもなるので、一石二鳥です!
4. 読解力をつける
上記1-3の学習をしても、スコア6.0-6.5でピタっと止まってしまう方がいます。
そういった方は、読解力不足である可能性が高いです。
IELTSのリーディングでは、読解力がないと高スコアは取れないのです。
少し残酷ですが、読解力は人生で読んできた読書の質と量がものをいいます。
どうすれば良いのかというと、今から読解力をつけるしかありません。
そもそも、読解力とはフワっとした言葉ですよね。私は、読解力があるとは、各文章の役割と階層を考えることだと定義します。
図で確認してみましょう。
最初の一文、Althoughから始まる文を見ると「トピックに関する背景知識の共有」と文の役割が書かれています。
さらに、文章が左寄りなので、抽象的な文章であることが確認できます。
皆さんが今読んでいる文章は、どのような役割を果たしているのか。
皆さんが今読んでいる文章は、前文に対して抽象的なのか、それとも具体的なことを述べているのか。
この2点を各文章に書き込んでいくことで、体型立てて読むこと、つまり読解力をつけることが可能です。
リーディングには全ての文章に意味があります。一文たりとも無駄な文章はなく、各文章が呼応しあっています。
スコアが伸び悩む人は、感覚的に読んでいたり、自分が分からない箇所を無意識に飛ばして読む癖があります。
それを止めることが重要であり、役割と階層の言語化がその対処法となります。
これが上手にできるようになると、パラグラフ全体のメッセージも正確に取ることができるようになります。
読解力がある人は、こういった読み方を自然としています。このスキルは、ライティングでも必須のスキルです。ものすごく疲れますが、マスターできると別の世界が見えます!
最後に
今回の記事のポイントを以下にまとめておきます:
- 一文を正確に読むことが最重要
- 正確に読むためには訓練が必要
- 頑張っても伸びない人は読解力を鍛えよう
以上が、IELTSリーディング対策の紹介でした。いかがでしたでしょうか。
リーディングは、日本人の平均スコアが最も高いセクションだとお伝えしました。
これは、一重に日本の学校教育のおかげだと思います。中高6年かけて培った力は、IELTSでも大いに活きます。
一方、リーディングが苦手な人にとっては、時間がかかるセクションであるということを意味しています。
テクニックに頼って、リーディングを伸ばそうとすると、スコア5.5-6.0前後から伸びなくなります。
テクニックとは、実力がある人が活用することによって、初めて意味があるものです。IELTSの学習者にとっては、さほど気にする必要はありません。
どれだけ時間がかかろうとも、リーディングは地道で時間がかかる学習を選択、そして継続して下さい。
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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