TOEFLライティングセクションを攻略するためのキーポイントは、採点基準の理解です。
「何を書けば良いスコアが得れるのか、逆にどんな情報は不必要なのか。」を理解して、自分にとって本当に必要な学習を積み上げていくことが、最も効率が良い対策方法です。
ということで、今回はTOEFLのライティングセクションの採点基準を徹底的に解説していきます!
目次:
ライティングセクションの採点基準の概要
TOEFLライティングのスコアの出し方
TOEFLライティングには2つのタスクがあり、各タスクが0-5点の6段階で採点されます。TOEFL ETSのサイトに詳しく明記されています。下記に分かりやすく解釈をのせました。
- 0点: 全く書いていない
- 1点: ほとんど書けていない
- 2点: 字数が200字に届かず問に答えきれていない、読むに絶えない。
- 3点: 英語の間違いは散見しつつも、字数も十分書けているが「構成」が悪い
- 4点: 英語の間違いは散見しつつも、ある程度「構成」よく回答できている
- 5点: 英語の間違いもほとんどなく、構成よく回答できている
TOEFLライティングの採点というのはこれぐらいざっくりとしています。ざっくりしているからこそスコアにブレが出なくなっているのです。
多くの生徒が3点でつまずきます。3点と4点の大きな違いは「構成」です。構成とは、Integratedではポイントが3つ書けていること、Independentではアイデアと理由と例が一貫していることを指します!
TOEFLライティングの換算表
TOEFLライティングでは上記で紹介した5点満点で採点されたタスクが、30点満点に換算されます。以下が換算表になります :

両タスク5点満点のスコアで評価され、足して2で割った数値が左側で、実際のスコアが右となります。例えば、タスク1が5点、タスク2が4点だと仮定をすると以下のような数式になります :
(5+4) ÷2 = 4.5点
4.5点というのは、換算表をみてみると、実際のスコアは28点 / 30点満点となることがわかります。注意点としては、上記換算表は2019年8月まで公開されていましたが、テストが変わってからはETSサイトからは見れなくなっています。
ただし、ライティングはテストの変更の影響を受けていないセクションですので同様の算出方法だと推測できます!
ライティングはあくまで下書き
わざわざ採点監督による手動採点を導入している理由は、ライティングの考え方にあります。以下の文章を見てください:
専門的なトピックについての包括的なエッセイを書き上げることは期待されていません。解答は下書きと考えられます。エッセイに英語の誤りがあっても満点5点をとることは可能です。
参考:TOEFL iBT® テストに関するよくある質問 (FAQ)
つまり、学術的な論文のように明確な引用元を参照することや、対立意見を全て打ち消す必要はないということです。内容や意味は手動で判断し、機能的な特徴は自動採点することで、一貫した質の高い採点が保証しているようです。
採点方法がわかったところで、採点基準の内容を詳しく見ていきましょう。
Independent Writingの試験内容
Independent Writingは、「独立した質問に対して意見を述べること」が中心のタスクです。具体的には、以下のような質問に答えます:
What is a very important skill a person should learn in order to be successful in the world today? Choose one skill and use specific reasons and examples to support your choice.
質問形式は主に5つあります。どれも明確な答えがなく、自分自身の主張を説得力を持って展開することが重要になります。質問形式は以下の通りです:
- 賛成反対形式:Agree or Disagree
- 説明形式:Description or Explanation
- 仮定形式:If or Imaginary
- 比較形式:Compare and Contract
- 選択形式:Preference
いずれの質問形式にも、ある程度決まった回答の型があります。考えたことのない質問にも対応できるように、型を覚えることが攻略のポイントでしょう。そして具体的な試験時間と推奨する文字数です:
- 回答時間:30分
- 文字数:約300 – 350字
30分のうち、8 – 10分は文章のアウトラインを構成する時間に費やしましょう。要点だけをつなげた状態で、論理的に一貫性のある主張をつくることが高得点を取得するために重要です。
Independent Writingの採点基準
Independent Writingで重要視されるポイントは、以下の3点です:
- ポイント1:主張をサポートする具体例や詳細の説明が的確か
- ポイント2:一貫性のある主張を構成できているか
- ポイント3:様々な英語表現の運用と適切な語彙を使用できているか
つまり、「説得力のある主張を構成する事」ことが、Independentライティング対策の鍵になります。主張に対して「理由」「具体例」を関連付けて表現することを徹底することが重要ですね。
重要なポイントがわかったところで、細かい採点基準を見ていきましょう。採点基準は以下の通りです:

日本語で簡潔にまとめてみましょう。
スコア5
スコア5の概要は、簡潔に訳すと以下の通りです:
- タスクに対して適切に回答ができている
- 的確な具体例と詳細を用いて主張が構成されている
- 一貫性がある主張が展開されている
- 多少のミスがあるが幅広い英語表現と語彙を使用できる
つまり、「説得力のある主張を展開する」が重要になります。
スコア4
続いてスコア4の概要は、簡潔に訳すと以下の通りです:
- 詳細まで伝え切れていない部分があるがタスクに対して回答できている
- 一貫性のある主張が展開されているが繋がりが曖昧な点がある
- 顕著なミスが時折あるが意味を妨げない程度に幅広い英語表現と語彙を使用できている
つまり、スコア5に比べると「詳細さ」「曖昧さ」「表現のミス」が目立つということですね。
スコア3
スコア3の概要は、簡潔に訳すと以下の通りです:
- タスクに対して多少の具体例とともに回答できている
- 一貫性のある主張を構成できているが繋がりが曖昧なことがある
- 言語の運用にブレがあり意味が曖昧になる場合がある
- 使用できる語彙と表現が限定的である
つまり、スコア4よりも「詳細の説明」「主張構成の不明確さ」「表現の幅」が不十分になるということです。以下は参考までに。
- スコア2:
・タスクに対して限定的な回答しかできていない
・主張の理由付け構成が不十分である
・詳細が不適切でタスクに対して一般論を回答している
・表現のミスが多い - スコア1:
・主張を展開できていない
・タスクに対してほとんど詳細を回答していない - スコア0:
・トピック文章のコピー / 他言語での回答 / 空欄 など
あくまでも自分自身の主張に説得力をもたせることが目的なので、一般論を書くのは禁物です。型に沿って主張を構成できたとしても、具体例の部分に独自性がないとスコアが下がる原因になり得るので注意しましょう。
Integrated Writingの試験内容
Integrated Writingは、リーディング・リスニング・ライティングの複合問題です。具体的には以下の内容を行います:
- リーディング:短い文章を3分間で読む
- リスニング:リーディングに関する対話(2~4分)
- ライティング:リーディングとリスニングに関する内容を20分間で答える
- 文字数:約200 – 250字
リーディングの文章は、ライティング中もパソコン画面に表示されるのでいつでも確認することが可能です。一方リスニングは一度しか再生されません。重要なポイントはメモを取り、ライティングのときに忘れないようにしておきましょう。
Integrated Writingの採点基準
Integrated Writingで重要視されるポイントは、以下の3点です:
- ポイント1:リスニングで要点を聴き取れるか
- ポイント2:聴き取れた内容をリーディングに関連づけて適切に表現できるか
- ポイント3:文章構成は適切か
つまり、「リスニングで要点を聴き取る能力」を伸ばすことが、Integratedライティング対策の鍵になります。なぜなら、要点を正しく理解できないと上記の2つのポイントを十分にカバーできないためです。
重要なポイントがわかったところで、細かい採点基準を見ていきましょう。採点基準は以下の通りです:

日本語で簡潔にまとめてみましょう。
スコア5
スコア5の概要は、簡潔に訳すと以下の通りです:
- リスニングで要点を選択できている
- リスニングで選択した情報をリーディングと関連づけて的確に表現できている
- 多少のミスがあっても意味が通るような分かりやすい文章構成である
つまり、「リスニングで聴き取った内容を分かりやすい表現に再構築するプロセス」が重要になります。
スコア4
続いてスコア4の概要は、簡潔に訳すと以下の通りです:
- リスニングで大まかな要点を選択できている
- リスニングで選択した情報をリーディングと関連づけて表現はできているが不正確な部分や曖昧な部分がある
- 不適切な表現の使用が頻繁にあっても文章の意図はわかりやすい
つまり、スコア5に比べると「リスニングの理解度」「表現の不正確さ」が少し劣ることが分かります。
スコア3
スコア3の概要は、簡潔に訳すと以下の通りです:
- リスニングとリーディングの関連性が曖昧または不正確
- リスニングのメイントピックが1つ抜けている
- 不適切な表現の使用が頻繁にあり文章の意図が伝わりにくくなることがある
上記のことから分かるのは、「リスニング内容で要点を一つでも取りこぼすとスコアが3になる」ということです。以下はイメージにはありませんが、参考までに。
- スコア2:
・リスニングとリーディングに関して誤った記載または要点が大きく抜け落ちている
・読み手の誤解を招くような不適切な表現の使用がある - スコア1:
・リスニングと全く関係がない
・表現の意味を理解することができない - スコア0:
・リーディング内容のコピー / 他言語での回答 / 空欄 など
リーディング内容のコピーは禁物です。聴き取れなかったとしても、少しでもリスニング内容に関して言及した方がスコアが高くなります。
ETSが公表している採点基準
ライティングの採点基準は、ETSが公表しています。2019年8月から形式が変更したように、採点基準も変わる可能性は十分あります。正しい情報の引用元から、正しい情報を取ることに慣れておきましょう。
最後に
高スコアのポイントを的確に抑えよう
最後にもう一度、TOEFLのライティングで重要なポイントをおさらいしましょう:
- Independent Writing:主張の説得力がポイント
- Integrated Writing:リスニング対策がポイント
説得力のある主張をするためには、母語でも同じように論理的な主張構成を意識すると効果的です。日常生活の中でも、曖昧な答えはしないで「主張 +理由+具体例」がセットになるように考えることを意識しましょう。
Integrated Writingはとにかくリスニングが重要です。効果的な勉強法として、リスニングをした内容の要約を書き出してみるといいでしょう。リスニング力だけでなく、ライティング力も同時に伸ばすことができます。
皆さんが目標スコアに到達できるよう応援しています。記事を読んでくれてありがとうございました。
最後にIELTS対策に関する悩みや相談などあればいつでもご連絡ください!