こんにちは!
今回の記事ではIELTSとTOEFLの特徴と難しさの違いを徹底比較します。
「IELTSやTOEFL受験に興味がある方」や「 IELTSやTOEFLの難易度を知りたい人」の参考になれば幸いです。
基本的にはIELTSもTOEFLも英検1級と問題の難易度自体は変わりません。しかし英検1級をもっている人でも高得点を出すのには苦労をします。
それでは詳しくみていきましょう。
目次:
IELTSとTOEFLの違いは?
「IELTS」と「TOEFL iBT」の概要
次に「IELTS」と「TOEFL iBT」の違いを確認していきましょう。以下が2つのテストの概要です:
IELTS | TOEFL iBT | |
名称 | International English Language Testing System | TOEFL Internet Based Testing |
試験形態 | 紙とパソコンの選択制 | パソコン |
受験単位 | 個人受験 | 個人受験 |
受験料 | 25,380円 | $235 |
スコア | 0 ~ 9 | 20 ~ 120点 |
日本人の平均 | 5.7 / 9 | 70 / 120点 |
試験時間 | 約3時間30分 | 約3時間30分 |
構成と時間 | ・Writing (60分) ・Reading (60分) ・Listening (40分) ・Speaking (11-15分) | ・Reading (54-72分) ・Listening (41-57分) ・Speaking (17分) ・Writing (50分) |
特徴 | ・スピーキングが対面式 ・ライティングが非常に難 ・世界で最も受験者数が多い ・GeneralとAcademicの2つのテストから選択 | ・要約力が必要 ・リスニング力が必要 ・世界の中での順位認知 |
共通点が多い両テストですが、スコア算出、各セクションの出題順などに違いがあります。またIELTSは現在は紙とパソコンにて選択可能ですが近い将来はパソコンで統一されるでしょう。
以下にBritish CouncilとETSが公表しているサンプル問題のリンクを載せておきます。参考までに問題形式を確認してみてはいかがでしょう:
IELTSの特徴
IELTSの特徴をまとめてみましょう。
- ジェネラルモジュールとアカデミックモジュールに分かれている
- リーディングは問とパッセージの行き来をさせられる
- リスニングは詳細を問われる問題が多い
- スピーキングは人との対面式
- スピーキングは採点官の主観により1点-1.5点ずれる事がある
- ライティングは手紙or図表の読み取り
- ライティングで7.0以上が難
- 発音習得がLSに大きく貢献
IELTSは移住を目的としたジェネラルモジュールと留学を目的としたアカデミックモジュールに分かれており、アカデミックの方が難易度が高くなっています。
IELTSの最も際立った特徴はライティングが非常に難解な点です。伸び悩んだ人はプロのフィードバックをもらう事をオススメします。
移住組はオーバーオール7.0を、留学組は6.5を目指す事で選択肢が大きく広がります。 対策を始める前にセクション別の足切りが設けられていないか注意して調べましょう
TOEFL iBTの特徴
TOEFL iBTの特徴をまとめてみましょう。
- 60点まではSWにフォーカスをすると早く到達
- 80点を目指す人はRLに時間をかける必要あり
- 95点以上は「高い」リスニングが鍵を握る
- SWもリスニングの要約力が鍵
- リーディングはとにかく精読力
- スピーキングが非常に難解で23点以上が出ずらい
- 100点の壁が異様に高い試験
- 目標スコアによるアプローチの仕方が大きく変わる
TOEFLはそもそも読めて聴けないと、話すことも書くこともできないようになっている試験です。SWは読んで聴いた事をまとめる事がタスクとして課されるためです。
特に聴いた事をまとめる比重が採点の6-7割を占めるため、TOEFL学習はリスニングに一番大きく時間を割くことが大切です。
一方で、80点までを目指す人はRを捨てSWで稼ぐことも可能です。100点を目指す人はLRで満点クラスの実力をつける必要があります
IELTSとTOEFLの難易度比較
次にIELTSとTOEFLの難易度を比較してみましょう。イメージが湧くように他の英語試験も加えて換算表を作成しました:
IELTS | TOEFL iBT | TOEIC | 英検 |
9.0 | 116 – | N/A | N/A |
8.0 – 8.5 | 106 – 115 | N/A | N/A |
7.0 – 7.5 | 95 – 105 | 945 – 990 | 1級+ |
6.0 – 6.5 | 72 – 94 | 805 – 940 | 準1級-1級 |
5.0 – 5.5 | 55 – 71 | 605 – 800 | 2級 – 準1級 |
4.0 – 4.5 | 42 – 54 | 410 – 600 | 2級 |
ソロの生徒のスコアをまとめて換算表を作りましたので、一般に出回ってるものと少しズレが生じているかもしれません。IELTSやTOEFLのテストの難易度自体は英検一級とさほど変わりませんが高スコアをとるのは非常に難解です。
英検1級に余裕を持って合格 = IELTS7.0 = TOEFL95点というのが最も多いスコアです。また、英検準1級に合格できない場合はIELTSやTOEFLの対策をしても基礎に抜けがあるため 学習効率が落ちてしまいます。
IELTSやTOEFLは非常に難易度が高い試験です。ネイティブでも「あっ…」というような間違いを犯してしまうことが多々あります。かくいう偉そうな私もです…
リーディングの違いを比較
ここからは各セクションの難易度を違いに着目して比較していきます。
リーディングの難易度はIELTSの方が若干高いです。以下がIELTSとTOEFLのリーディングの比較です :
IELTS | TOEFL | |
パッセージ数 | 3 | 3-4 |
問題数 | 40問 | 30-40問 |
解答時間 | 60分 | 54-72分 |
1問あたり時間 | 1.5分 | 1.8分 |
パッセージ語数 | 800-900語 | 700語 |
IELTSは常にパッセージが3つに対してTOEFLはダミー問題が含まれているため3つの場合と4つの場合があります。
特徴としてはIELTSは問とパッセージを行ったり来たりするので早く読む力が特に大切になる一方、TOEFLはパラグラフごとに解くことができるので精読をきちんとできることがポイントです。
IELTSもTOEFLもまずはきちんと読めることを追求する方が中長期的な視点では高得点を取れるようになります。テクニックに走ることはお勧めしません
リスニングの違いを比較
リスニングの難易度はTOEFLの方が高いです。以下がIELTSとTOEFLのリスニングの比較です。
IELTS | TOEFL | |
パート数 | 4 | 5-7 |
設問タイプ | 1: 日常会話 2: 社会で遭遇する場面 3: 教育現場の会話 4: レクチャー | 会話形式 : 2-3題 レクチャー: 3-4題 |
問題数 | 40問 | 28-39問 |
解答時間 | 30分+(解答時間10分) | 41-57分 |
1問あたり時間 | 45秒 | 1.5分 |
IELTSは音源を聴きながら回答していくのに対し、TOEFLは聴き終えてから全て回答します。違いとしては、IELTSは細部を問う問題が多いですが、TOEFLは全体から細部と双方の視点がないと高得点がとれません。
どちらの試験も会話とレクチャーで構成されています。会話の難易度は変わりませんが、レクチャーの難易度はTOEFLの方が高いです。TOEFLの方がアカデミックな単語が使われております。
リスニングは発音矯正をしてから、IELTSやTOEFLの音源のマネができるようになるところを目指すと1語1句聴き取れるようになります
スピーキングの違いを比較
スピーキングの難易度はTOEFLの方が高いです。以下がIELTSとTOEFLのスピーキングの比較です。
IELTS | TOEFL | |
形式 | 対面式 | パソコン |
パート数 | 3 | 4 |
設問タイプ | 1: 日常会話 2: スピーチ 3: ディスカッション | タスク1: Independent タスク2: Integrated タスク3: Integrated タスク4: Integrated |
解答時間 | 11-14分 | 17分 |
IELTSが人の面接官と対面式で行われるのに対してTOEFLはパソコンに向かって話しかけます。IELTSのスピーキングが純粋に英語力を試しているのに対し、TOEFLは話す能力以外の要約する力、きちんと読んで聴きとる力が必要となります。
IELTSは自分に関することを聞かれた後に2分間のスピーチを行い、スピーチから派生した話題に対して質問をされます。一方でTOEFLのIndependentは問に対して答えるものですが、Integratedの3題は読んで聴いたものを要約する形式です。
IELTSのスピーキングは発音矯正をして長く流暢に話せる訓練を、TOEFLはリスニング力を磨いて簡単な言葉で抽象的な概念を説明する訓練が効果的です
ライティングの違いを比較
ライティングの難易度はIELTSの方が高いです。以下がIELTSとTOEFLのライティングの比較です。
IELTS | TOEFL | |
タスク数 | 2 | 2 |
設問タイプ | タスク1: 手紙 or 図表の読み取り タスク2: エッセイ | タスク1: Integrated タスク2: Independent (エッセイ) |
解答時間 | 60分 | 50分 |
IELTSはジェネラルが手紙なのに対してアカデミックは図表の読み取りがタスク1です。TOEFLはスピーキング同様に、読んで聴いたことをまとめるのがタスク1です。タスク2は双方ともエッセイによる意見表明です。
IELTSのライティングの特徴としてはとにかく採点基準が厳しいことにあります。日本で育った人が7.0/9.0以上を取得するのは非常に難しいです。一方でTOEFLは小さなミスには寛容で文字数を稼げれば高得点が出るようになっています。
英検1級のライティングで高得点だった人がIELTSライティングでは6.5しかとれなかった…という事例をよく見ます。できればライティングはプロに客観的なフィードバックをもらうと良いでしょう
まとめ
IELTSやTOEFL iBTは難しいけれど世界へ出る1歩になる
さて今回の記事のポイントをまとめておきます:
- ポイント1:IELTSとTOEFLの問題は英検1級と同等の難易度
- ポイント2:リーディングとライティングはIELTSの方が難しい
- ポイント3:リスニングとスピーキングはTOEFLの方が難しい
IELTSやTOEFLは日本ではまだまだマイナーな試験です。一方で貴方が世界に出て勝負をする人間になるのであれば、IELTSとTOEFLをベンチマークとして学習すると良いでしょう。具体的にはIELTS7.0、TOEFL100点を最初の大きな目標にするのがいいのではないでしょうか。
最後にIELTSやTOEFL対策で悩みや相談などがあればお気軽にご連絡ください!