大学院試験「GRE」とは?試験内容やスコア詳細を徹底解説

大学院試験「GRE」とは?試験内容やスコア詳細を徹底解説

こんにちは!

SOLO IELTS TOEFLルークです!

今回の記事では、海外の大学院進学に必要なGREの試験内容やスコア詳細をできるだけ詳しくまとめていきます。

海外の大学院進学を意識して、「初めてGREを知った」という方も少なくないと思います。そんな方がこの記事を読んで、GREの概要や対策方法を理解する参考にしていただければ幸いです。

GREとは、基本的に北米の大学院進学や、MBA留学に必須のテストです。大学院で研究をするために必要な英語力、数学力、分析力の3つの能力を測定します!

なお情報量が多いので、見出しを参考にして必要な情報だけを読んでください。それでは詳しくみていきましょう。

大学院進学に必要な「GRE」とは?

GREの概要

GREは、一般的にアメリカの大学院やMBA留学を目指す方が、TOEFLIELTS)などの英語資格の対策後に受験するテストです。

まずは、以下のGREの概要をみてみましょう:

団体ETS
試験名称Graduate Record Examination
試験内容・Quantitative(数学)
・Verbal(英語)
・Analytical Writing(ライティング)
試験時間合計:約3時間45分
– Quantitative:70分
– Verbal:60分
– Analytical Writing:60分
– ダミー問題 or Research問題(時間は明記なし)
スコア最高点:170点(最低点:130点)
有効期限5年
受験場所東京・大阪
受験回数上限・12ヶ月で5回まで(21日以上の間隔が必要)
受験料205 USD(※ 約21,500円)
申し込み方法オンライン
公式ウェブサイトhttps://www.ets.org/gre

※… 1USDを105円とした場合

GREは、アメリカの大手教育サービス機関である「ETS」という団体により運営されています。日本では、ETSより受託を受けたPROMETRICという会社が試験の代行運営をしています。

試験科目は3科目で、特に大切なのは「Quantitative(数学)」と「Verbal(英語)」の2科目です。「Analytical Writing(ライティング)」は総合スコアとしてカウントされませんが、志望校にスコア自体は送付されます。

本試験の途中または最後に、スコアの採点をされない「ダミー問題」または「Research問題」が出題されます。ETSが、今後の試験改善のための目的のもと、データ収集が行われています。どの問題がダミー問題かわからないので、すべての問いに全力で答える必要があります。

GREは、受験回数が年間5回までと制限されてます。高いリーディング力が必要なテストなので、ある程度スコアコントロールができた段階で受験することをオススメします!

試験当日の流れ

次に、GREの試験当日の流れを確認していきましょう :

  • 1. 試験会場に到着
  • 2. 宣誓書を書く
  • 3. パスポート以外をロッカーにしまう
  • 4. 待合室で身元確認
  • 5. 試験本番の部屋に移動
  • 6. PCスクリーン上の注意点を確認
  • 7. 試験開始

試験会場には余裕を持って到着するようにしましょう。目安としては、1時間前に試験会場の最寄り駅に到着すると安心です。

GRE受験の際に、最も重要なことは試験当日にパスポートを持っていくことです。パスポートがないと受験ができないので、出発前に必ず持ち物を確認しましょう。

パスポートにサインが無い場合、または名前にアルファベット表記が無い場合、Secondary ID documentとしてサイン付き、アルファベット表記付きの本人確認書類が必要となります。

パスポート以外の持ち物は、基本的に全てロッカーにしまいます。試験の途中に10分の休憩があります。飲食が可能なので、水分や食料は持っていくと良いでしょう。

各セクションの流れ

各セクションは、以下の順番で解いていきます:

  • 1. Analytical Writing①(30分)
  • 2. Analytical Writing②(30分)
  • 3. Quantitative①(35分)
  • 4. Verbal①(30分)
  • 休憩時間.(10分)
  • 5. Quantitative②(35分)
  • 6. Verbal②(30分)

休憩時間を有効活用しましょう。時間は10分と短いですが、トイレと軽い飲食を済ませることをオススメします。おにぎりなどの炭水化物は眠くなってしまうため、手軽に摂取できるゼリー飲料などがオススメです。

GREは、試験終了後すぐにライティング以外の「数学」と「英語」のスコアを確認することができます。ライティングのスコアは、およそ15日以内にETSの自身のログインページ上で確認が可能になります。

申込方法

GREは、以下のPROMETRICのページからオンラインで受験申し込みをします:

上記のページに個人情報を登録した後に、オンラインで申し込みを行います。受験料はクレジットカード支払いになります。

受験日は祝日を除く「平日」で、試験会場は東京か大阪のいずれか都合が良い会場を選択します。

試験の4日前までキャンセルと予約の変更が可能です。予約の変更にはUSD50かかり、キャンセルの場合は受験料の50%のみが返金されます。

スコアの採点方法

繰り返しになりますが、GREの総合スコアは「Quantitative(数学)」と「Verbal(英語)」のスコアによって決定します。

それぞれ「130 – 170点」で採点されたスコアの合計が大切になります。 Verbal の平均スコアは「約150点」で、Quantitativeの平均スコアは「約153点」です。

GREはセクションレベル適応型テストです。セクションレベル適応型テストとは、VerbalとQuantitativeの1つ目のセクションの正答率によって、2つ目のセクションの難易度が決められるという意味です。

1つ目のセクションで正答率を高めれば、ある程度のスコアが取れます。一方で、1つ目のセクションで失敗すると高スコアは出づらくなります!

ライティングのスコア

Analytical Writing(ライティング)のスコアは、総合スコアとは関係がありませんが、志望校にはスコアが報告されます。総合スコアに反映されないから低いスコアでも良い、という訳ではないので注意してください。

参考までに、以下がライティングに関する共通認識のようです:

  • 認識1. 評価観点の一部として扱われる
  • 認識2. 「3.5点以下」はネガティブの印象を与える

ライティング は「0 – 6.0点」でスコアが算出されます。平均点は「3.58点」です。「4.0点以上」を目安にしておくとマイナスイメージは避けられます。

留学に必要なスコア

つぎに、大学院留学に必要なGREのスコアを確認していきましょう。ランキングや地域に応じて、求められるスコアは大きく4パターンに分かれます。

以下がその4パターンです :

  • ランキング10位以内:約166点
  • ランキング100位以内 : 約162点
  • ヨーロッパ MBA:約160点
  • アジア MBA:約158点

米国トップMBAを含めて、世界ランキング10位以内の大学院に進学したい場合は166点を目指す必要があります。

日本人の受験生にとってはVerbalは非常に難しいので、Verbal 160点、Quantitative170点を目指す人が多いようです。

どのスコアを目指すにしても、 基本的にはQuantitativeでVerbalを補う戦略が正攻法になります。Quantitativeは、Verbalより+10点ほど狙うというイメージです。

GREの試験内容について

試験内容の まとめ

GREの概要がわかったところで、次はGREの試験内容をセクションごとに確認していきましょう。

先述の通り、GREでは以下の3科目が出題されます:

Quantitative(数学)Verbal(英語)Analytical Writing(ライティング)
出題数40問40問2問
スコア130-170点130-170点0-6.0点
設問1. 計算問題
2. 代数
3. 幾何
4. データ分析
1. 適語選択問題
2. 文完成
3. 長文読解
1.問題を分析し、意見陳述
2. 提示された主張を批評
必要スキル・中学校の数学
・一部高校数学
・TOEFLリーディング26点以上
(IELTS リーディング7.0以上)
・TOEFLライティング25点以上
(IELTSライティング6.5以上)

いずれの試験も英語で問題が出題されるので、問題を理解するためにはある程度のリーディング力が必要になります。

また、英語力ではなくビジネススキルを測定する試験なので、英語力の対策だけでなく、母語の思考力も同時に伸ばしていく必要があります。

それでは各試験の内容を詳しく見ていきましょう。

試験1. Quantitative(数学)

以下が、「Quantitative(数学)」の概要です :

試験時間70分 (35分 × 2)
出題数40問(20問×2)
スコア130 – 170点
設問1. 数量計算問 : 約14問
2. データ読み取り問題 : 約6問
出題範囲基礎
絶対値
約数/因数/倍数
指数/ルート
分数/割合
パーセント
正/負&奇/偶
素数
余り
不等式
一次方程式
二次方程式
連立方程式
変数

座標
四角形
三角形
多角形他
平均
標準偏差他
組み合わせ
数列
関数
群/集合
確率
売上/利益/利息
速度/仕事算

出題される内容は大きく分けて2つあり、「Discrete Questions(数量計算問題)と「Data Interpretation(データ読み取り問題)」です。基礎的な計算問題が全体の約7割を占めます。

出題範囲は、「中学校の数学+ごく一部の高校数学」から出題されます。GREの数学は、中学数学の復習と、高校数学で出題される範囲の理解を重点的に行うことがポイントです。

GREの数学は、知らない英単語が問題文に含まれていると難しく感じるかもしれませんが、回答に必要な知識は中学の数学レベルです。きちんと問題文を理解できるよう英語で数学用語を覚えることが大切です!

試験2. Verbal(英語)

次に、「Verbal(英語)」セクションの概要です :

試験時間60分 (30分 × 2)
出題数40問(20問×2)
スコア130 – 170点
設問1. 適語選択問題 :約4問
2. 文章穴埋め問題 :約6問
3. 長文読解 :約10問
必要スキル– TOEFLリーディング26点以上(IELTS リーディング7.0以上)
– 社会科学・自然科学の背景知識
– GREで出題される語彙

「Verbal」は英語力を測定するセクションですが、TOEFL(IELTS)とは違い、英語の語彙力と読解力を中心に評価します。試験で問われる内容が全く異なるので、注意してください。

GREは、ネイティブスピーカー向けの「英語ができる」という前提のもと作成されている試験なので、読解にも相当のリーディング力が必要になります。

TOEFL(IELTS)で高スコアが取得できる状態から、さらに速読力や難易度の高い語彙力を身につける必要があります。

適語選択問題と文章穴埋め問題は、問題形式に違いはあれど、いずれも単語力の勝負です。

長文読解は、150語程度の文章問題と、450語程度のロングパッセージの文章問題が出題されます。TOEFLのリーディングが700語程度の長文ですので、長文自体は短めですが 制限時間が短いため、速読力が必要です。

GREのVerbalにおける単語力の重要性は強調しきれません。TOEFLやIELTSで覚えた単語に追加で3,000単語ほど覚える必要があります!

試験3. Analytical Writing(ライティング)

次に、「Analytical Writing(ライティング)」の概要を見ていきましょう :

試験時間60分(30分 x 2回)
出題数2問
スコア0-6.0点
設問1. Analysis of an Issue
 (問題を分析し、意見を述べる)
2. Analysis of an Argument
 (提示された主張を批評する)
必要スキル・TOEFLライティング25点以上(IELTSライティング6.5以上)
・ロジカル・シンキング

Analytical Writingは、論理的にライティングを展開する力を求められます。ポイントは、TOEFL(IELTS)のライティングとは違い、英語力以上に問題を分析する能力と、その分析結果を論じることができる能力が評価されるということです。

Analysis of an Issueは、TOEFLのタスク2のエッセイとほとんど同じです。ある問題が提示され、まずその問題に対しての自分のポジションを決め、その立場が正しいと判断する根拠(アイデア+理由)を述べる必要があります。

Analysis of an Argumentでは、論文が出題されます。論文を分析し、論述方法、論理展開、根拠の示し方などを「批評するエッセイ」を作成する形式です。自分でポジションを決めるのではなく、予め用意された意見を批評する形式です。

Analytical Writing は、「Quantitative」と「Verbal」と比べると、スコアとしての重要度は低めです。試験前に集中的に対策をしていくことがオススメです!

最後に

GREには高い「英語力」が必要

最後に、今回の記事のポイントをまとめておきます:

  • GREはネイティブを想定したテスト
  • 160点以上が目安のスコア
  • 対策なしで高スコアの取得は難しい

北米の大学院進学やMBA受験生にとって、GREは避けては通れない道です。非常に難易度の高いテストですが、TOEFL(IELTS)対策でスコアメイクが万全にできている状態ならば、通常約3ヶ月程度から間に合わせることが可能です。

GREは独学でも十分に対策可能ですが、油断は禁物です。特に、「Quantitative」は簡単だという噂が受験生の中で共有されているので、気を抜いている受験生を見かけます。

Quantitativeも、数学の英単語を覚えることや、過去の数学の知識を幅広くカバーすることを考慮するとVerbalと同じぐらい対策に時間がかかります。

GREは、TOEFL(IELTS)よりも他の受験生と差別化をはかることができます。TOEFLなどの英語の試験は、ネイティブはそもそも受験しないため、選考の基準においてはGREの方が大切です。

GREは難易度の高い試験ですが、試験であることに変わりはありません。諦めずに対策を続けることで必ず対処できます。頑張ってください!

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。

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