こんにちは、SOLOのルークです!
医療従事者の方に、OETやIELTSを教えています。
今回の記事では、OETリスニングの概要と対策方法を解説します。
結論:OETリスニングは、パートAに学習時間の9割を投下して下さい。具体的な対策としては、ディクテーションを行った上で、音源の真似をしていくと効果的です。
それでは、詳しく見ていきましょう。
目次:
リスニングの概要
まずは、リスニングの概要を確認します。
- パート数:3パート
- 問題数:42問
- 時間:約40分
OETのリスニングはパートA,B,Cの3つのパートに分かれており、問題数は42問あります。
トピックは一般的な医療に関するもので、特定の領域に特化したものではありません。
試験時間は、回答時間も含めて約40分です。
パートA:カウンセリング
パートAの構成は以下の通りです:
- トピック:カウンセリング
- 再生時間:各5分程度
- 問題数:24題
パートAは、特定の情報を聴き取る能力を問われます。
音声は2種類再生されて、内容は医者と患者によるカウンセリングです。
聴き取れた内容を元に、医者の書いた処方メモを埋めていきます。
パートAは全部で24問出題されます。ここで20問正解できるかどうかが、350点到達の鍵を握ります!
パートB:医療現場の対話
パートBの構成は以下の通りです:
- トピック:医療現場の短い対話
- 再生時間:各1分程度
- 問題数:6題
パートBは、対話の要点を理解する力が問われます。
音声は6種類再生されて、内容は医療現場における短い対話が中心です。
「ブリーフィング」や「診察」「引継ぎ」などの日常的な医療現場のシーンが中心になります。
聴き取れた情報を元に、複数の選択肢から最適な回答を選びます。
パートC:プレゼンテーション
パートCの構成は以下の通りです:
- トピック:プレゼンテーション
- 再生時間:各5分程度
- 問題数:12題
パートCは、様々な医療トピックを理解・解釈する力が問われます。
音声は2種類再生されて、内容はプレゼンテーションやインタビューが中心です。
一人の話者が長い間話している状況で「話についていけるか」という部分を評価します。
一つの音声に対して6問の選択問題を解きます。
リスニングの対策方法
なぜ難しいのか
具体的な説明の前に、OETリスニングはなぜ難しいのか、を考察するところから始めたいと思います。
リスニングが難しい理由や、伸び悩む原因を知っておくことで、日々の学習に意味を見出すことが可能です。
通常、英語の音が聴き取れない場合、
- 語彙がわからない(意味理解)
- 音が聴き取れない(音声理解)
の2点が原因です。OETも例外ではありません。特に、OETのリスニングでは、
- 音声の変化が多く起こる
- 音源のスピードが速い
- きわどい選択肢が多い
- 様々な口語表現が使われる
- 聴きながらの回答が必要
- 様々な国の訛りが出題される
といった理由から難しく感じます。当然、こういった特徴は、その他の英語テストでも挙げられます。しかし、OET以外のテストでは、標準的な教材としての綺麗な英語で作成されており、比較的適応しやすくなっています。
一方のOETは、医療現場のリアリティある会話をそのままテストに導入しています。現地の人が話すように、そのままテストが作られているのです。教科書的な英語とは外れ値が大きいため、非常に聴き取りづらいのです。
ただ、これは裏を返すと、OETのリスニングを聴き取ることができれば、現地で臨床現場に飛び込んだ際に、大きく役立つということでもあります。
アメリカ英語で教育を受けてきた人にとってOETの音源は難しく感じます。ただし、「一つの正しい発音」を習得すできると、アクセントの違いや訛りなどがあってもリスニングができるようになります!
目標をどこにおくか
学習の目標とするところは、「一文ずつ聴けるようにする」というものです。身も蓋もありません。聴けない音を、一つずつ聴けるようにしない限り、スコアは上がりません。
英語が聴けない理由は、意味の理解か、音声の理解のいずれかだと述べました。意味理解に関しては、スクリプトを精読することで可能です。
問題は、音声理解です。音声理解の克服には、
- 自分が聴けない音が何かを知る
- その音を認識できるようにする
- その音を記憶させられる
の3点が必要です。この3つの条件が揃った時に、一文ずつ聴けるようになります。
これを実現するためのトレーニングが、ディクテーションです。OETリスニング対策において、最も大切なトレーニングです。
ディクテーション
ディクテーションとは、音源を聴いて書き取ることです。自分が書き取れる音は、音源が聞き取れている証拠になります。
ディクテーションを行うことで、音声理解の三つの条件を満たすことができます。もう一度確認してみましょう。
- 自分が聴けない音が何かを知る
(自分が書けないところは、聴けない音です) - その音を認識できるようにする
(繰り返し音声を書き取ろうとすることで、聴けない音を認識できる) - その音を記憶させられる
(一文を書き取れるということは、記憶させられたということ)
ディクテーションを徹底的に行うことが、スコアアップに直結します。
手順としては、まず音源を1文流して、止めます。その1文を書き出します。もしかすると、最初は数語しか書けないかもしれません。
それで構いませんので、そのまま音源の最後まで進めてください。同様の手順で、少なくとも3往復はしてください。
2往復目以降は、1往復目に書き出したものに加筆修正します。最後に自分が書き出したものと、オリジナルのスクリプトを比較してください。
その際に、なぜ聴き取れなかったか仮説を持ちながら、該当箇所を何度も聞いてください。
音源の真似
ディクテーションをさらに効果的にする方法があります。
それが、ディクテーション後に自分でもOETの音源の真似をしていくことです。より音声になれることができます。上手に真似ができればできるほど、より聴き取りやすくなります。
音源の真似は、以下の3種類があります。
- 音読
- オーバーラッピング
- シャドーイング
音読は、最も難易度が低く、シャドーイングが最も難しいトレーニングです。まずは、音読から取り組んでみましょう。 音読に余裕を持って取り組めたら、オーバーラッピング、シャドーイングへと徐々に移行してください。
オーバーラッピングとシャドーイングの違いは、スクリプトを見るか、見ないかの違いです。
ディクテーションを通して音の聴き分けと記憶を向上させた上で、最後に精度高くシャドーイングまで行うと、効果が期待できます。
ディクテーションから音源の真似。 この一連の流れが、精度高くできるようになれば、その問題の音源に関しては、全て聴けるようになります。その証明として、問題を解いてみると、満点が取れます。
何度も聴く
ディクテーションと音源の真似が終わったら、空き時間に何度もその音源を聞いてください。
リスニングは学習量も大切です。今までリーディングを伸ばすために、多くの時間を割いてきたと思います。リスニングでも同等の努力が必要です。
特にオススメなのが移動時間です。音源を聴く際は、できればスクリプトを見ないようにしましょう。スクリプト見てしまうと、リーディングに近い作業になってしまいます。
聴きながら、頭で文章を文字として起こせるかを意識してみてください。
仮に聴けない箇所がある場合に、そこで初めてスクリプトを確認し、再度その箇所を重点的に真似してください。
また、それは上手にディクテーションと音源の真似が上手にできていないことを指します。復習の精度を見直すべき必要があるかもしれません。
避けたい学習
次にOETリスニング対策をするにあたっての、避けたい学習です。
それは「問題に回答しまくる」というものです。私は、たくさん問題に回答してスコアが上がった方を過去に見たことがありません。
弊社に来られる方の大半が、数多くの問題に回答した後にスコアが上がらなくて来られます。 仮に、問題に多く回答することでスコアが上がった方がいるのであれば、それはもともと高いリスニング力があったからです。
そういった方は、問題形式に慣れることでスコアがあがります。 問題に回答することは、問題形式に慣れることと同義です。問題に回答することで、聴こえない音が聴こえるようになることはありません。
極端な話ですが、問題に回答することは、「復習がきちんとできたかどうかの確認作業」として行う程度でも構いません。ただし、テスト直前に限っては、感覚をつかむためにも本番同様に、先に回答するのも良いかと思います。
最後に
最後に、今回の記事をおさらいしましょう:
- リスニングはパートA攻略が鍵を握る
- ディクテーションが最も大切
- 最後に音源の真似をしよう
この記事を読まれた多くの方が、350点(B grade)を目指されているかと思います。
そういった場合は、重複しますがパートAに集中して対策してください。パートAは、音さえ聴けたら正解できます。そこに解釈力は必要ありません。
一方で、イギリスで初期研修医になりたい方などは、400点が必要です。そのような場合は、パートBとCの攻略も必要になります。
下記にOETの対策記事をまとめていますので、必要に応じて参照にして下さい。
最後に、弊社は海外で医療従事者を志す方に、OETやIELTSをオンラインで専門的に教えています。日本で働きながらも合格を目指す事が可能です。英語対策でお悩みなどありましたら、遠慮なくご連絡下さい!
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。