この記事では、TOEFLでどうやったら100点を取得できるのか、について書いていきます。
結論から書くと、TOEFL100点の鍵は「リスニング」です。リスニングで9割以上のスコアを目標に勉強することが、100点を取るために重要になります。
それでは、詳しく説明していきますね。
目次:
100点を取得する理想の点数配分
まずは、理想の点数配分については以下の通りです:
- リスニング:28点
- リーディング:28点
- ライティング:23点
- スピーキング:21点
特に、リスニングでは9割以上の正答率を取得できることが重要になります。理由はシンプルで、TOEFLはリスニングできないと、解けない問題がたくさんあるからです。
TOEFLはリスニングが鍵になる理由
TOELFの各パートの試験内容の特徴は、複合問題の多さです。リーディング以外は全て、リスニングが出来ていないと解けない問題で構成されています。
以下の問題が、いわゆる複合問題です:
- Integrated Speaking
- Integrated Writing
どちらも、リーディングをした後に、音声を聴きます。そして、適切に回答するためには、音声内容を正しく理解する必要があります。
これが、リスニング力が鍵になる理由です。
リスニングが伸びるとリーディングも伸びる
リスニングが出来るようになると、自然とリーディングも伸びます。理由は、リスニングを構成する2つの要素にあります。
2つの要素というのは以下です:
- 音声知覚
- 意味理解
リスニングが出来るということは、上記の2つの力がしっかりと身についたという証拠なのです。
そして意味理解の力が伸びることで、自然とリーディングの力が伸びていきます。
意味理解が伸びるとリーディングができる理由
意味理解とは、簡単にいうと「インプットした英語の意味を理解できる」力です。もっと簡単にいうと、語彙を知っている状態ですね。
つまり、理解している語彙が増えるほど、意味理解が伸びていくということです。
リーディングが出来るかどうかは、語彙力によって左右されますよね。文法を完璧に理解しても、文章の語彙を1割でも知らなかったら正しく文章は読めません。
リスニングができるようになるということは、十分な語彙力を理解していることであり、それはつまり、リーディング力が伸びているということになります。
結果的にライティングとスピーキングも伸びる
理解している語彙力が増えることで、ライティングとスピーキングのスコアも自然と伸びます。
なぜなら「複合問題」に対応できるようになることと、「語彙のバラエティ」が採点基準に含まれるからです。
「語彙のバラエティ」とは、簡単にいうと同じ語彙ばかりを使用していないか、という観点です。
リーディングと同じように、語彙力が伸びることで上記の問題も解決できるようになります。
100点を超えるために必要な勉強方法
まずは、リスニングの勉強に集中することをオススメします。リスニングで優先するべき勉強は以下の通りです:
- 第1優先:発音
- 第2優先:語彙と文法
- 第3優先:オーバーラッピング
- 第4優先:シャドーイング
それぞれ説明していきますね。
第1優先:発音
リスニングの勉強は、発音習得から始めます。理由は、自分で発音できる音は認識することができるようになるからです。
発音は以下の手順で勉強すると効率が良いです:
- 手順1:音声構造の違いを理解する
- 手順2:「唇の形」「舌の位置」「息を出す位置」を理解する
- 手順3:個々の発音を練習する
- 手順4:音声変化を練習する
「すぐに実践!」ではなく、頭で理解してから練習する方が効率がいいです。特に、臨界期を過ぎた高校生以上の人は感覚が鈍くなっているので、ネイティブのマネをしても正しい発音は習得できません。
運動と同じで、発音も正しいフォームを理解してから練習することで、結果的に最短で習得することができます。
第2優先:語彙と文法
発音と同じくらい重要なことが、語彙と文法です。通学、通勤中などの空き時間を使って、ガッと覚えてしまうと良いです。
目標とする語彙数は、およそ1万語です。英検で言うと「2級」から「準1級」の間。TOEICで言うと、「730点」から「900点」あたりです。
語彙の勉強は、1万語までは単語帳やアプリを利用しても効果的です。1万語以上になると、リーディングの過程で学習する方が効率が良いと思います。
- 1万語以下:単語帳などを利用して短期集中
- 1万語以上:リーディングの過程で長期的に学習
というのも、1万語くらいの語彙は日常的によく使われるので、耳にする機会も多いです。単語帳などで部分的に学習しても、日常の中で復習することができる確率が高いです。
一方で、1万語以上になると専門性が高くなるので、学んだ語彙を全く耳にしないケースが多くなります。その場合、単語帳で部分的に覚えていても、利用できないので、文脈の中で覚える方が効率がいいのです。
第3優先:オーバーラッピング
オーバーラッピングとは、「テキストを読みながら音声に続けて発音する」勉強方法です。
具体的な勉強方法は以下の通り:
- 音声を聞く
- スクリプトを理解する
- スクリプトを読みながら音声に続けて発音する
ポイントは、スクリプトを正しく理解できた後に、オーバーラッピングを行うことです。
なぜなら、事前に内容を理解しておくことで、音声を聞いてから理解するまでのプロセスがスムーズになるからです。スムーズなプロセスを身体で覚えると、自然と英語を聞いた時に、意味が頭に入ってくるようになります。
第4優先:シャドーイング
シャドーイングは、簡単にいうと「オーバーラッピングのテキストなしバージョン」です。テキストをみないで、聞こえてきた音声を発音します。
プロセスは、オーバーラッピングと同じで:
- 音声を聞く
- スクリプトを理解する
- スクリプトを読みながら音声に続けて発音する
上記を行います。
テキストがない分、聞き取れない部分を補いながら発音する必要があるので、文法力も同時に鍛えることができます。
問題としては、音声についていく事に必死になって、発音が適当になってしまうケースが多い事です。
発音が適当な状態で、シャドーイングしてもあまり効果がありません。負荷が高すぎると思ったら、最初はオーバーラッピングまで集中して勉強する方が良いと思います。
音声は録音しよう
リスニングの勉強中は、自分が英語を話している音声を録音するようにしましょう。
自分では「出来てる」と思うことが、録音した音声を聞くと「気持ち悪っ!」と感じたりします。話し手が認識する音声と、聞き手が認識する音声にギャップがあるのですね。
録音した音声は、客観的に分析しましょう。
「ネイティブとどこが違うのか」
「どうすればネイティブのようになるのか」
考えて、改善を繰り返すことで着実に発音がよくなり、結果的にリスニング力が伸びていきます。
高原状態を理解しておくと良い
発音の勉強に1日使うべき時間はどれくらいがいいでしょう。
個人的にオススメしているのは、1時間前後です。なぜなら、勉強をし過ぎても効果がでない「高原状態」があるためです。
「高原状態」とは、簡単にいうと「もうこれ以上やっても効果がありませんよ」というボーダーラインです。
発音勉強で言うと、1日7回がそのボーダーラインです。個人的には、5回がちょうど良いと思います。
聞き流しは意味がない
リスニングの勉強として、「聞き流し」をする人が多いと思いますが、あまり効果はありません。
特にリスニング力が低い段階では、眠気を誘うという大きなデメリットがあるので、
「不眠症で通学、通勤中しか眠れない」
と頭を抱える人でなければ「聞き流し」で勉強するのはやめましょう。
認識できない音をいくら聞いても、臨界期を過ぎている状態では認識することはできません。地道に、認知できる音を増やす方が圧倒的に近道です。
最後に
まずはリスニングで9割以上を目指そう
仮にTOEFL80点を目標としている場合でも、今回紹介した「リスニングに集中する」方法は効果があります。
課題解決の基本は「ボトルネックに集中すること」です。ボトルネックとは、いわば「本質的な問題」のことで、ボトルネックを解決することで、他の小さな課題を解決することができます。
TOEFLの場合、リスニングがボトルネックです。この課題を解決することで、他のパートのスコアも伸びて、目標のスコア取得を実現することが可能になります。
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初めまして。
高原状態についてお伺いしたく、コメントしました。
先月、IELTSのリスニングの勉強に特化し、1日に4つの音源に対して各1時間(1日合計4時間)のシャドーイングやオーバーラッピングを1週間続け、それを別の音源に対しても行い、合計4週間継続していましたが、リスニングスコアは全く変わりませんでした(6.5のまま)。
高原状態は1つの音源に対してのみの制約だと思っていましたが、複数の音源に対しても制約となりえるのかを教えていただけないでしょうか?
(リスニングの勉強を1日1時間しても4時間しても、スコア向上に差は生まれないかです。)
子安邦明さん、ご連絡いただきありがとうございます!
オーバーラッピングとシャドーイングを1日4時間を1ヶ月間も続けることができたなんてすごいですね。
IELTSなどの英語力テストは、出題されるトピックが多岐に渡るのでトピックと背景知識との相性もスコアに反映されます。同じスコアだったとしても、どうか諦めずに学習を継続して目標スコアを達成してください!
さて音声に関する高原状態についてですね。
子安さんの場合の高原状態とは、
1) 自身のキャパシティが無意識に限界を迎えてしまいいくら学習量を増やしても学習成果が高まらない状態
2)音声の内容に慣れてしまって学習効果が高まらない状態
の2点を指していると考えられます。
つまり、異なる音声を使用することで音声の慣れを防ぐことができている可能性があるが、子安さん自身のキャパシティ(声帯、耳、発音を司る筋肉など)は限界点を超えてしまったため学習効果が高まっていないのだと推測できます。
仮に4時間リスニングを学習するのでしたら、以下の点を意識してみてはいかがでしょうか?
1)ディクテーションなどの変数を取り入れる(脳に違う観点から刺激を与える)
2)語彙のインプットに時間を割く(知らない語彙や表現は理解できないので)
3)オーバーラッピング/シャドーイングを録音して、自分で自分の音声に点数をつけてフィードバックをおこなう
4)発音に関してフィードバックをもらう(仮にネイティブの先生などが身近にいれば)
5)(音源が早すぎる場合)0.75倍速などにしてオーバーラッピング/シャドーイングをおこなう
学習に費やした時間や努力は、一見スコアには反映されていなくても必ず子安さんの糧になっています。
学習方法は、それぞれ当事者の癖ややりやすさなどに合わせて試行錯誤していくことでどんどん効果を高めることができますので、ぜひ継続する過程で学習方法を適宜振り返り改善を繰り返してみてください!
迅速な回答、及び非常に実用的なアドバイス誠にありがとうございます。
プロの英語教育者から助言をいただけてとても嬉しいです。
ご指摘いただいた方法を実践したいと思います。
本当にありがとうございました。
子安さん
そう言っていただけると私たちも嬉しいです!
また何かつまずくことなどありましたら、いつでもご連絡ください ^^