こんにちは!
今回の記事では、OET(医療英会話)のリスニング「パートC」の対策方法とサンプル問題を紹介します。
「OET対策で伸び悩んでいる方」や「医療英会話の勉強をしたいと考えている方」の役に立てれば幸いです。
OETのリスニング「パートC」は、5分程度の音声を聴きながら問題に答える必要があります。音源を聴いてから問題を解く時間がほとんどないので、注意してください!
それでは詳しくみていきましょう。
OETの基本的な内容や概要は以下の記事を参考にしていただけると幸いです:
目次:
OETリスニング「パートC」の概要
リスニング「パートC」 概要
まずは、OETリスニング・セクション「パートC」の概要を確認していきましょう:
Extract数 | 2 Extract |
問題数 | 12問 |
再生時間 | 約5分(各Extract) |
問題形式 | 3択問題 |
トピック | 医療トピックに関するインタビューやプレゼンテーション |
「パートC」の問題形式は、パートBと同様に3つの選択肢から適切な回答を選ぶ形式です。各エクストラクトで、問題が6問ずつ出題されます。
パートBとの大きな違いは、エクストラクトの後に回答時間が設けられていないことです。1つのエクストラクトが終わったら、約10秒後に次のエクストラクトの説明が始まります。
つまり、音声が終わった後に一つずつ問題と選択肢を理解しながら問題を解くことができず、音声を聴きながら選択肢を見て回答をする必要があります。
英語を聴きながら精読をする必要があるため、パートCは非常に難易度が高いです。問題も3択で少なく感じますが、選択肢が曖昧なものも多くしっかりとリスニングができていないとスコアが伸びません!
リスニング「パートC」の流れ
続いて、リスニング「パートC」の流れを見ていきましょう。
パートCでは以下のように試験が進みます:
- 流れ1.「Part C」の概要説明
- 流れ2. エクストラクト1の説明
- 流れ3. 準備時間(約90秒)
- 流れ4. エクストラクト1(約5分)
- 流れ5. 準備時間(約10秒)
- 流れ6. エクストラクト2の説明
- 流れ7. 準備時間(約90秒)
- 流れ8. エクストラクト2(約5分)
- 流れ9. 回答確認時間(約2分)
流れをみるとわかる通り、設問を確認する時間は約90秒しかありません。その間に全ての設問と選択肢を把握することはできないので、設問を精読してエクストラクトの流れを予想することに使うことが理想です。
また、最後の回答確認時間は、パートBとCの両方を含めた時間なので全ての問題を復習することはできません。そのため、回答に自信がない部分を再度考える時間として当てると良いでしょう。
リスニング「パートC」問題形式と対策法
リスニング「パートC」 問題形式
それでは、リスニング「パートC」の問題形式を、実際の問題を参考にしながら確認していきましょう。
以下は、OETの公式ホームページで公表されている問題の一部を編集したものです:
基本的な問題構成は、「パートB」と同じです。音源が再生されるまで約90秒の準備時間があるので、その間に設問に目を通して全体の流れを事前に予想しておきます。
エクストラクトのシチュエーションは、「インタビュー」と「プレゼンテーション」が主に出題されます。「インタビュー」では進行役の質問ごとに、「プレゼンテーション」では音の切れ目ごとに、回答の根拠が話されます。
リスニング「パートC」 対策のポイント
問題形式がわかった段階で、次に具体的な対策法をみていきます。
早速ですが以下が、パートC対策で効果的な対策法です:
- 対策1. 聴き流しながら精読する勉強
- 対策2. 選択肢の一部分に注目する
- 対策3. 多聴トレーニング
繰り返しになりますが、パートCは音声の後に問題を解く時間がありません。また、準備時間90秒で全ての選択肢を精読する(かつ覚えておく)ことは現実的ではないので、どうしてもリスニングをしながら英語を読むことに慣れる必要があります。
対策1. 聴き流しながら精読する勉強
まず、パートCを対策するためにやるべきことは、英語を聴きながら英語を読むことに慣れていく作業です。
例えば以下のような学習法があります:
- 学習法1. 英語のポッドキャストを聴きながら作業する
- 学習法2. 英語字幕を付けて洋画やドラマを視聴する
単に英語力を測定するTOEFL(IELTS)などの英語試験と違い、OETは実際に現場で使用することを想定したコミュニケーションを想定してテストが構成されています。
周りで絶えず情報が流れてる状態で、書類などを確認しなければならない状況も実際の現場ではあると思います。そのような状況を想定して、「聴くぞ!」とインテンシブな意識を持たなくても、英語をリスニングすることに慣れていくことがポイントになります。
対策2. 選択肢の一部分に注目する
一方で、音声を聞きながら長い選択肢を全て精読するのは至難の技です。そこで役立つ対策法が、選択肢の一部分にのみ集中するという方法です。
例えば、以下のイメージをみてください:
上記は、選択肢の一部以外を黒く塗った状態です。もちろん選択肢にもよりますが、基本的には選択肢の内容をこの程度把握しておけば問題を解くことが可能です。
部分的に読むときのポイントは、選択肢の動詞や形容詞の細かいニュアンスは気にしないことです。「ポジティブな意味か、ネガティブな意味か」程度でこれらの語彙を把握しておき、その後のより具体性の高い部分をしっかりと精読します。
下線部は、設問を解くうえでのキーワードになり得る部分です。キーワード内で意味が特徴的な単語は重点的にチェックしておくと良いです。今回の場合は、”neglected” ですね。
後でサンプル問題として、実際の音源を載せておくので問題を解くときに上記を意識してみてください。
対策3. 多聴トレーニング
最後に、対策として効果的な方法に「多聴トレーニング」があります。というのも多聴に慣れると、途中で音を聞き逃しても再度要点が掴むことが容易になります。
「対策1」と近いですが、勉強をしていないリラックスした状態でも英語を聴き流したり、途中で訳が分からなくなっても継続して英語を聞き続けることが効果的です。
もちろん、洋画などを英語音声で視聴することも効果的です。その場合は事前に日本語で、ストーリー展開などを理解しておくと、内容が頭に入ってきやすいのでおすすめです!
リスニング「パートC」のサンプル問題
それでは、対策方法がわかったところで実際の問題を解いてみましょう:
繰り返しになりますが、OETの公式ホームページで上記の問題は無料で解くことが可能です。2020年10月現在で、リスニング模試3回分が掲載されているので気になる場合は是非解いてみてください。
今回紹介したサンプル問題は、インタビュー形式でした。インタビュアーの質問ごとに、回答に当たる箇所を話していることがわかると思います。今回は2問のみをピックアップしましたが、上記に続けて残り4問解く必要があるので本番は注意してください。
サンプル問題 回答とトランスクリプト
以下にサンプル問題の回答とトランスクリプトを載せておきますのでご確認ください:
- 31. A
- 32. B
以下が、トランスクリプトです。回答の根拠となる部分に、黄色い下線を付け加えてあります。
OETに限らず英語試験では、必ずと言っていいほど本文で使用される語彙は選択肢でパラフレーズされています。つまり、本文と同じ語彙や表現が選択肢にあった場合は、選択肢を疑ってみることが重要です。
31の場合は、”neglected” の部分が “indifference” と本文では話されています。また、32では “concern” が “alarming thing” と2語で表現されていることが分かります。
リスニングを聴くときは、選択肢のキーワードを把握して、その類義表現が本文で出てこないかを注意深く聴くことをオススメします!
まとめ
「パートC」対策は英語をリスニングしながら読む対策を
今回の記事のポイントを、以下にまとめておきます:
- パートC は音声の再生中に選択肢を読む必要がある
- リラックスした状態で英語のインプットを増やす
- 設問はパラフレーズされて本文で話されることが多い
OETはリスニングに限らず、リーディングでもどれも正解と考えることができそうな問題がいくつか出題されます。それらは「部分一致」と「完全一致」の問題と言い、区別が非常に難しいです。
正しい回答を導くためには、余計に想像力を膨らませることなく正しく設問を読み取り、音声の要点を十分理解することが重要になります。
医療に関する背景知識がありすぎると、様々な前提を汲み取って情報を補完してしまう傾向があります。あくまで、聴き取れた音声を正しく理解して、設問に答えていくことが大切です!
OETリスニングの他のパート対策に関しては、以下の記事を参考にしていただけると幸いです:
最後まで読んでいただきありがとうございました。
最後に、OET対策や医療英会話でお悩みなどありましたらお気軽にご連絡ください!