こんにちは!
今回の記事では、GMATのセクション別の対策法やスコアアップに必要な前提知識をできるだけ詳しくまとめていきます。
GMATとは基本的に、MBA受験をする場合に受ける試験です。日本では、年間2,000人程度しか受験しない試験なので、個人的なブログ以外の情報源があまり多くありません。
そこで、少しでも対策に役立てばということで、対策方法をまとめていきます。参考になれば幸いです。
GMAT対策では、「語彙力」と「数学力」が最も重要な要素です。対策の初期段階から、GMATに標準をあてた語彙力をインプットしておくと効果的です!
また、GMATの試験概要などのまとめは、以下の記事を参考にしていただければ幸いです:
それでは詳しくみていきましょう。
目次:
GMAT対策に必要な前提知識
対策前に必要なこと① 基礎読解力
まずGMAT対策において最も重要なことは、基礎的な読解力と文法力が身についていることです。
理由は以下の3点です:
- 理由1. 正しく読解ができないと問題に答えられない
- 理由2. 短時間で正確に英語を読む速読力が求められる
- 理由3. GMATはネイティブも受験する試験
GMATは、TOEFL(IELTS)のような第二言語としての英語力を評価するテストではなく、ネイティブも受験するビジネススキルを測定する試験です。
「受験生は英語ができて当たり前」という認識のもと作られているテストなので、テスト内で出題される語彙や表現の難易度は高く設定されています。
つまり、語彙力や文法力がない段階で対策を始めてしまうと、そもそも問題文を理解できないなど、対策に余計に時間がかかってしまいます。最低でも、TOEFL90点( IELTS6.5以上)が取得できるようになってから対策を始めることが望ましいと考えられます。
GMATでは英語の文章を読んで、その文章の論理構成を考える必要があります。英語の読解に苦労すると、余計に体力と集中力が奪われてしまいます!
対策前に必要なこと② 基礎数学力
もう一点、対策を始める前に重要なスキルに「基礎数学力」があります。日本では「中学〜高校1年」までに習う数学の範囲を指します。
数学の知識が重要になる理由は、以下の2点です:
- 理由1. 他のネイティブと差をつけるアドバンテージになる
- 理由2. 英語力を伸ばすよりもスコアが安定しやすい
GMATのQuantitative(数学)では、英語力ではなく基礎的な数学能力が測定されます。つまり、言語的に不利になる要素が少なく、ネイティブよりも高いスコアを取得できる可能性が高いです。
仮に世界ランキング上位のMBAスクールを目指す場合、700点以上のスコアを取得することが望ましいと考えられます。そのため、安定して数学のスコアを取得できることが必須になります。
特に高校で「文系」を選考した場合、忘れていることや教わっていない単元もあると思います。対策に必要な範囲だけでも、語彙のインプットと同時に学習をしておくと良いでしょう!
対策に必要な時間の目安
次に、GMAT対策に必要な一般的な時間の目安を確認してみましょう。
GMATの運営期間GMACによって公表されている、以下の図をご覧ください:
当然のことですが、対策により時間をかけた方が高スコアを取得できる割合が高いことが分かります。
上記の図を確認すると、GMAT700点以上を取得するためには「90時間以上」の学習時間を確保する必要があると考えら得ます。つまり、仮に毎日90分英語学習をしたとして、およそ2ヶ月かかる計算です。
注意点としては、上記の図はネイティブと非ネイティブを混合してデータを収集しています。ネイティブの中には著しく対策時間が少ない人もいるので、参考程度に考えておくと良いでしょう。
私が関わってきた方を考えると、非ネイティブはおよそ「約3ヶ月から6ヶ月」対策に時間をかける人が多い印象があります!
目標にするスコアの目安
前提知識の最後に、一体どれくらいのスコアを目標に対策すればいいのかを確認していきましょう。
仮に「700点」を目指した場合の目標スコアを確認するために、以下の表を見てみましょう:
上記の図を見ると、「Quantitativeで50点以上(51点満点)」かつ「Verbaで35点以上(51点満点)」を取得することができれば、700点台を取得できる可能性が高いということが分かります。
安定してスコアを伸ばすためには、いかに安定してQuantitativeのスコアを確保し、Verbalのスコアを伸ばせるか、ということが重要になります。
また、受講生の平均によって算出されるスコアに変動があるので、上記の図はあくまで目安として考えていただければ幸いです。
セクション別 GMAT対策法
Quantitative(数学)の対策
それでは、各セクションごとのGMAT対策法を確認していきましょう。
「Quantitative(数学)」は、以下の勉強を行うことがオススメです:
- 対策1. 日本語で数学の復習
- 対策2. 英語の数学用語のインプット
- 対策3. 公式問題集
多くの社会人の方は数学を忘れています。英語で数学を学びなおすのではなく、日本語でまずは復習をするのが効率的です。こちらはMath Academy(通称:マスアカ)、またはジェイマスのいずれかがオススメです。
その上で数学用語をきちんと英語で覚える必要があります。英語で数学用語を覚えていない場合、問を理解できないケースがあります。こちらは、iKnowのGMAT数学シリーズがおすすめです。
トップ校を狙う人はどうしてもVerbalでネイティブスピーカーと勝負にならないためQuantitativeにおいて満点近い点数を稼ぐことが求められます!
Verbal(英語)の対策
次に、「Verbal(英語)」セクションの対策は以下です :
- 対策1. TOEFL(IELTS)リーディング
- 対策2. 英文多読
- 対策3. GMAT用の語彙力の強化
まず前提として、TOEFLリーディング26点 (IELTSリーディング7.0)以上の基礎英語力がなければGMAT Verbalは対策自体が困難です。TOEFLやIELTSリーディングで高スコアが出せる人はきちんと文章を読む事が可能です。
その上で多読を取り入れます。具体的には、「Economist, New York Times, The Wall Street Journal, Scientific American」などのVerbalと相関性の高い記事を1日に5記事ほど読むとよいです。記事を読む中で分からない単語は調べてフラッシュカードなどにまとめ定着させます。
またGMAT様の単語強化も本番で遭遇する確率が高いのでお勧めです。こちらは、iKnowのGMAT(794語)、Magooshのフラッシュカードなどを中心に、できれば並行してGREの単語も覚えると良いです。
多読をする事と英単語の下地をひたすらに鍛える事はVerbal以外のセクションに効きますし、結果的にTOEFLとIELTSのリーディングは満点に近づきます。
AWA(ライティング)の対策
次に、「AWA(ライティング)」の対策を見ていきましょう :
- 対策1. TOEFLライティング
- 対策2. 反証を上げる訓練
- 対策3. AWAのテンプレート
AWAはTOEFLライティング25点以上 (IELTSライティング6.5以上)の基礎的なライティング力があればそれ以上の高度なライティングスキルは必要ありません。むしろ簡潔な英語で論理的に書ける事が大事です。
TOEFLやIELTSのライティングではエッセイにおいてエピソード展開が必要ですがAWAにおいては個人的な情報は必要ありません。問題文に対して反証を挙げる事が問ですので、反証をロジカルに書ける事が大切です。
初めはテンプレートに当てはめて書く練習をすると便利です。総合的なスコアとしての重要度は低いといえど、低いスコアがどれぐらい合否に影響を与えるかは不明です。きちんと対策をしましょう!
IR(総合問題)の対策
最後に、「IR(総合問題)」の対策です :
- 対策1. VerbalとQuanttitativeを先に対策
- 対策2. IRの対策教材を使用
IR対策はVerbalとQuanttitativeの対策をしっかりとする事が鍵になります。これはIRが総合問題であり、IRだけに必要な英単語・数式などはないためです。
通常、VerbalとQuantitativeでスコアが出せる人はIRも目標とすべき5点は出るはずです。万が一に不安が残る人は “Manhattan Prep GMAT Strategy Guides“で仕上げをすると良いでしょう。
最後に
GMAT対策は高い英語力が必要
最後に、今回の記事のポイントをまとめておきます:
- Verbal対策は高い英単語力と日々の多読が鍵
- Quantitative対策は日本語での数学の復習と数学の英単語暗記
- MBA生は初めからGMATに標準を当てる
GMATの4つのセクションでは共通して高い英語力が求められます。具体的には高度なリーディング力です。きちんと読めない人は問題すら理解できなくなっています。
GMAT対策の前にきちんとしたリーディングの素地と多読を通した高い英単語力をつける事を意識しましょう。
MBA生の多くはTOEFLやIELTSのスコアメイクでいっぱいいっぱいになりGMATを疎かにする方がいます。しかし、GMATこそが受験で差別化になる科目です。
最初からGMATに必要な英語力をつける事を目的として対策をしていく事でIELTSとTOEFLもリーディング問題はかなりのスコアが期待できます。
TOEFL(IELTS)対策や、GMAT対策でお悩みやご相談などあればお気軽にご連絡ください。