IELTSのリスニングが「難しい・聞き取れない」時はどうすればいい?

こんにちは!SOLO IELTS TOEFLのルークです。

「IELTSのリスニングが難しくて、全然スコアが伸びないんです…」
「TOEICはできるのに、IELTSは音が全く聞き取れません…」

こんなお悩みをカウンセリングで頻繁にいただきます。

今回の記事では、そんな悩みに対して私が普段回答している内容をまとめていこうと思います。

参考になれば幸いです。

今回の記事はあくまで個人的な知識と、これまでの指導経験をもとにしています。あくまで、一つの考えとして読んでいただけますと幸いです。

IELTSのリスニングが「難しい・聞き取れない」時はどうすればいい?

課題に直面した時は、その課題の「原因」を正しく理解することが大切です。ちゃんとした原因が分かっていないと、適切な勉強ができないので学習効果が高くならないからです。

よく「とにかく模試を解けば…」という学習方法を聞きますが、それはあくまで学習方法が自分に偶然あっていただけです。(この記事を読んでくださる方は、既にかなりの量をやりこんでいると思うのでなんとなく分かっていると思います)

課題に直面した場合、基本的には以下のプロセスで課題を解決していきます:

  • リスニングが「難しい」原因を正しく認識する
  • 原因に対して最も適切な学習方法を適用する
  • 学習方法に慣れるまで徹底的に「質」を高める
  • 質を維持できるようになった段階で「量」をこなす

まず自分の問題点を正しく認識すること。これが一番大事です。

自分で判断することが難しい場合は、外部サービスや無料カウンセリングなどを活用してみることもいいと思います。(但し、無利用カウンセリングの中には誰にも同じようなことしか言わないところがあるので注意してください)

問題点が分かったら、それを解決するために最適な学習方法を実践していきます。この段階では、量をこなすよりも “正しく丁寧に取り組む” ことに焦点を当てるようにしましょう。

焦るとどうしても量をこなしたくなりますが、最初から量をこなしても単なる「作業」になりがち。頭が働いていない状態で黙々と身体だけを動かしているようなものなので、いくら量をやっても効果が出にくいです。

質の高い学習を維持できるようになった段階で、量をこなしていきます。この時も作業にならないように、できる限り丁寧な学習を心がけていくことが大切です。

リスニングは運動能力と近いスキルです。何も考えずに部活を続けても成果が出ないのと一緒で、毎回の学習に課題意識を持って取り組むことが課題解決に最も有効な手段になります!

リスニングが「難しい」原因を正しく認識する

一般的にリスニングが難しい場合、以下の2つの要素が原因だと言われています:

  1. 英語の音を聞き取る力
  2. 聞き取った音を元に内容を理解する力

「1. 英語の音を聞き取る力」は、英語を聞いた時にその単語や表現がイメージできるかという力です。

これまで単語帳とにらめっこしながら単語を覚えてきた場合、「実際の音」と「頭の中で思い込んでいる音」に乖離がある可能性が高く、ここに問題があることが考えられます。

受験勉強で詰め込み学習をしてきた人は、この部分に問題がある場合が多い印象です。常に “目” から得た情報のみで内容を処理する癖があります。

「2. 聞き取った音を元に内容を理解する力」は、聞き取れた音を組み立ててセンテンスとして理解する力です。

英語をセンテンスの最後から訳していく英文和訳が身体に染み付いている場合、音の順番で内容をイメージすることが苦手なため、この要素が原因である可能性があります。

また、リーディングが苦手というタイプや語彙力が不足している場合もこの要素が問題であることが考えられます。

これも和文英訳やSVOC…といった構文理解が染み付いていることが原因である場合が多いと思います。後は、いきなり海外に出て基礎が抜けている場合もここが問題の場合が多いです。

原因に対して最も適切な学習方法を適用する

自分の課題が分かったら、課題に応じた学習を適用させていきます。

「1. 英語の音を聞き取る力」は、英語の音に対する感度を高めていく。一方「2. 聞き取った音を元に内容を理解する力」は、音だけで内容を理解していくことに慣れることが効果的です。

「1. 英語の音を聞き取る力」が問題の場合

英語の音が聞き取れない場合、「頭の中でイメージしている英語」と「実際に話されている英語」の音に乖離があります。この乖離をできる限り近づけていくことが問題解決の糸口になります。

具体的な学習方法は以下のようなものがあります:

  1. フォニックス(英語発音)の理解
  2. オーバーラッピング
  3. ディクテーション

「1. フォニックス(英語発音)の理解」は、発音記号から英語の音を学んでいく方法です。単語を構成する最小のユニットに対する理解を深めることで、自然と英語の音に対して感度が高くなります。

このように説明すると、「発音記号を学ぶべきですか?」と聞かれることがよくあります。

一概には言えませんが、仮にこれまでの学習で効果が出なかった場合、基礎の基礎から取り組んでみることは効果があると思っています。

「2. オーバーラッピング」は、トランスクリプト(文字起こし・字幕)を見ながら、音声に続けて発音する練習方法です。シャドーイングと異なり、話している内容を確認しながら発話するので、より音声に意識を向けて学習することが可能です。

「3. ディクテーション」は、トランスクリプトに空欄を作り、その空欄に入る単語や表現を書き起こす練習方法です。前後の文脈から語彙を推測する力を伸ばすことができます。

また、自分が想像している単語(表現)の音と実際に発話される音の違いを認識するためにとても効果的です。

「2. 聞き取った音を元に内容を理解する力」が問題の場合

聞き取れた内容が理解できない場合、読解の癖や語彙力が影響を与えていることが多いです。

語彙力は当面の目標として「英検2級程度」を目指しましょう。英検2級までは日常会話で頻繁に使われる表現が中心なので、これらを理解できるようになるだけでも全体の7割程度がカバーできるようになります。

読解の癖を矯正するためには、以下のような学習方法がオススメです:

  1. スラッシュ・リーディング
  2. 音読
  3. パラフレージング

「1. スラッシュ・リーディング」は、センテンスを意味のまとまりごとに区切っていく学習方法です。

英語の情報は、一つの意味のまとまりでポーズ(音が止まること)が起きるという性質があります。つまり、音が止まったタイミングで内容を理解していけば、自然と内容をイメージすることができるようになります。

「サイトトランスレーション」といわれる学習方法と同じものだと思ってください。前から意味のまとまり(チャンク)ごとに訳していくことに慣れていきます。

英文和訳では「センテンスを全部読んでから内容を理解する」というプロセスで英語を理解していましたが、リスニングではそれだと音の流れについていくことができません。

そのため、聞こえる情報の順番で内容を理解していくことに慣れていくことが重要なポイントになります。

「2. 音読」は、精読して内容を理解したトランスクリプトを実際に声に出して読む学習方法です。スラッシュ・リーディングと組み合わせると効果的です。

音読は必ずしも大きな声で取り組む必要はありません。「マンブリング(ぶつぶつ話すこと)」でも十分効果があるので、復習の一環として取り組んでみるといいでしょう。

「3. パラフレージング」は、聞き取れた情報をよりシンプルなセンテンスに置き換えるという学習方法です。

リーディングが苦手な場合「英語を日本語に訳すことができるけど、訳した内容がいまいち理解できない」ということが起きやすいです。つまり、自分が納得できる形で情報を解釈できていないということです。

これを解決するためには、情報をそのまま訳すのではなく、簡単な表現に置き換えて理解するというプロセスに慣れていくことが効果的です。

例えば、簡単な単語に置き換えたり表現を変えてみて、自分の中で “腑に落ちる” フォーマットで内容を理解していくイメージです。

日本語に翻訳することは “DeepL” や “Google翻訳” でできますが、その内容を理解することは自分自身にしかできません。「わかったつもり」にならないことが大切です!

学習方法に慣れるまで徹底的に「質」を高める

学習を始めたら、作業として消化しないようにすることが大切です。毎回の勉強で「自分ができるようになったこと」を認識し、着実にレベルアップしていくことを意識しましょう。

学習の質を高めるためには以下の3点を意識しましょう:

  1. 目標設定
  2. 学習
  3. 振り返り

いわゆる「PDCAサイクル」を回していくイメージで、やるべきことに沿って学習を進めていきます。

この時に一番大切なのが「3. 振り返り」です。振り返りを行うことで、学んだ内容の言語化ができたり、どれくらい定着しているかが分かったりします。

例えば、

  • 何が学べたか
  • 何の音が聴き取れなかったのか
  • その原因はなんだったか
  • 聴き取れるようになった音は何か
  • 学んだ内容を簡単に説明し直すことができるか
  • 今日学んだことを10年前の自分がわかるように説明できるだろうか

このようなことを自分で自問し、理解した内容を改めて再認識していきます。そうすることで、学習前の自分との変化を意識することができ、毎回の勉強で一歩ずつ成長することができるでしょう。

質を維持できるようになった段階で「量」をこなす

質の高い学習を再現できるようになったら、量をこなしていきましょう。繰り返しになりますが、リスニングは運動能力と近いので、型を覚えたらあとは身体に染み込むまで繰り返し練習を積み重ねていきます。

リスニングの学習はどんな教材でも問題ありませんが、自分の興味関心がある領域のものを使用することをオススメします。

例えば、

  1. IELTS公式問題集
  2. Netflix / Amazon Prime / Hulu
  3. Youtube
  4. TED
  5. News(BBCやCNNなど)
  6. E-Learning

などで自分が時間を使っても苦ではないものを中心に学習していきましょう。

余談ですが、第二言語習得理論では、「CLIL(クリル)」という学習方法が効果的であると言われています。

「英語 “を” 勉強する」のではなく「何かしらのコンテンツを、英語 “で” 勉強する」ことが学習効果が高いという考え方で、豊富な教材にアクセス可能な今の時代にピッタリの学習方法です。

例えばプログラミングスキルに関する動画を英語で視聴したり、専攻したい科目の講義を聞いたりしてみてもいいかもしれません。

まとめ

テストのスコアが伸びないとどうしても焦ってしまいますが、そんな時こそ冷静に自分の問題点を正しく認識していくことが大切です。

学習しても効果が出ない場合「認識している問題が違う」か「学習方法が適していない」かのいずれかが問題です。受け入れ難いこともあると思いますが、ここでしっかりと時間を取ることが最終的に一番の近道になるでしょう。

また、今回紹介した内容はあくまで一例です。

運動能力と同じように、リスニングは個々の感覚やセンスが大きく反映されるスキルです。何か不安なことなどがあれば、私でよければ相談に乗りますのでご連絡ください。

記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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