こんにちは!
今回の記事では、IELTSのバンドスコアと採点基準をセクション別に紹介します。
「 IELTSのスコアの基準を知りたい人」や「いまいちスコアのレベル感が分からない方」の参考になれば幸いです。
スコアがどのようにして算出されているか、また、目標としているスコアを達成するためにどれぐらい正答すれば良いのか知っておくと、学習プランを立てやすくなります!
それでは詳しくみていきましょう。
目次:
IELTSのバンドスコアについて
バンドスコアと採点の仕組み
以下がIELTSの各バンドスコアの評価です :
9.0 | ・十分に英語を使用できる ・適切、正確かつ流暢で、完全な理解力がある |
8.0 | ・ごく稀に不正確さがみられるが、十分に英語を使用できる ・こみ入った議論に、うまく対応できる |
7.0 | ・ほとんどの場合、上手に英語を使用できる ・複雑な言語や、論理を概ね理解できる |
6.0 | ・いくらか不正確さがあるが、概して効果的に英語を使用できる ・慣れた状況においては、ある程度は複雑な英語を使用できる |
5.0 | ・部分的に英語を使用できる ・大概の状況において全体的な意味をつかめる ・多くの間違いを犯すことが予想される |
4.0 | ・慣れた状況において基本的な英語を使用できる ・理解力や表現力の問題が頻繁にある ・複雑な言語は使用できない |
3.0 | ・一般的な意味のみを伝えられる ・コミュニケーションが頻繁に途絶える |
2.0 | ・確実なコミュニケーションはできない ・慣れた状況下で、極めて基本的な情報のみを伝えられる |
1.0 | ・いくつかの単語を羅列して使用する ・英語を使用する能力を有していない |
0 | ・評価可能な情報がない |
IELTSのスコアは、9.0を最高とし、0.5刻みでスコアが採点されます。このスコアのことを「バンドスコア」といいます。リーディング、リスニング、 ライティング、 スピーキングから成る4つのモジュールがそれぞれ9点満点で採点されます。
受験者が目指すべきスコアは、進学先の基準によって変わります。おおよそ、英語圏の学部レベルでは6.0 – 6.5、修士で6.5 – 7.0のスコアを求められることが多いです。
求められるスコアの基準は、学校や学部によって大きく変わります。必ず自分で一次情報を確認するようにしましょう!
オーバーオールスコアについて
4つのモジュールで採点されたそれぞれのバンドスコアが、平均値として算出されたものをオーバーオールスコア(OA)と呼びます。
オーバーオールスコアは0.25刻みで「切り下げ」「切り上げ」を行います。例えば、各セクションが以下のようなスコアだったと仮定をしましょう。
- リーディング : 7.0
- リスニング : 7.0
- ライティング : 6.5
- スピーキング : 6.5
オーバーオールスコアは全てのモジュールを足して4で割った数値です。以下の数式になります :
- (7.0+7.0+6.5+6.5) ÷4 = 6.75
6.75は繰り上げですので、オーバーオールスコアは7.0になります。IELTSは、厳密に点数が出るのではなく、スコアに幅をもたせた方法で評価されています。6.75の繰り上げでも、7.125の繰り下げも、どちらもオーバーオールは7.0となります。
同じオーバーオール7.0でもその実力は大きく異なります。自分の得意、もしくは苦手なセクションを加味した上で、戦略的にスコアを狙いに行くことがIELTSでは必要です!
日本人のIELTSの平均スコア
以下が、日本人のIELTSの各セクションの平均スコアです :
- リーディング :6.1
- リスニング :5.9
- ライティング :5.5
- スピーキング :5.5
- 参照元 : IELTS公式ウェブサイト
日本人のIELTSのオーバーオールの平均スコアは5.8です。リーディングセクションは他国の平均と変わりませんが、他のセクションは0.2 – 0.3点ほど低めです。
ライティングとスピーキングが低めのスコアですが、これは他国でも同じ状況です。ですので、日本人がこの2つのセクションが苦手というよりも、テストとして難しいためでしょう。
他の英語試験スコアと比較
次に、他の英語試験と比較してIELTSがどれくらいのレベルなのかを確認してみましょう。
自分が目標としているスコアのレベル感を確認してみてください:
IELTS | TOEFL iBT | TOEIC | 英検 |
9.0 | 116 – | N/A | N/A |
8.0 – 8.5 | 106 – 115 | N/A | N/A |
7.0 – 7.5 | 95 – 105 | 945 – 990 | 1級+ |
6.0 – 6.5 | 72 – 94 | 805 – 940 | 準1級 – 1級 |
5.0 – 5.5 | 55 – 71 | 605 – 800 | 2級 – 準1級 |
4.0 – 4.5 | 42 – 54 | 410 – 600 | 2級 |
こちらはソロの生徒のスコアを参考に作った表ですので参考程度に考えてください。
もし仮に、中高の英語が身についていない場合は、いきなりIELTSの勉強を始めるのではなく、基礎に立ち返ることをオススメします。基礎に抜けがあると解説が理解できなくて勉強が苦痛になります。
セクション別バンドスコアの採点基準
リーディングのスコア
IELTSリーディングの正答数とスコアは以下のような関係です:
正答数 | バンドスコア |
39 – 40 | 9 |
37 – 38 | 8.5 |
35 – 36 | 8 |
33 – 34 | 7.5 |
30 – 32 | 7 |
27 – 29 | 6.5 |
23 – 26 | 6 |
19 – 22 | 5.5 |
15 – 18 | 5 |
13 – 14 | 4.5 |
10 – 12 | 4 |
日本人のリーディングのおおよその平均点である6.0を取得するためには、40問中23 – 26問正答する必要があります。IELTSのリーディングでスコア6.0がとれる人は、以下のようなレベル感です :
- 1. TOEICのリーディングで400点前後
- 2. 英検準一級のリーディングで8-9割の正答
- 3. TOEFL iBTのリーディングで20点前後
IELTSのリーディングスコアを上げるための前提として、中高で習う文法や単語の知識が必要です。その上で、IELTSのリーディングに必要な単語と精読力を強化するとスコアが上がりやすくなります。
リスニングのスコア
IELTSリスニングの正答数とスコアは以下のような関係です:
正答数 | バンドスコア |
39 – 40 | 9 |
37 – 38 | 8.5 |
35 – 36 | 8 |
32 – 34 | 7.5 |
30 – 31 | 7 |
26 – 29 | 6.5 |
23 – 25 | 6 |
18 – 22 | 5.5 |
16 – 17 | 5 |
13 – 15 | 4.5 |
10 – 12 | 4 |
日本人のリスニングのおおよその平均点である6.0を取得するためには、40問中23 – 25問正答する必要があります。IELTSのリスニングでスコア6.0がとれる人は、以下のようなレベル感です :
- 1. TOEICのリスニングで450点前後
- 2. 英検準一級のリスニングで8-9割の正答
- 3. TOEFL iBTのリスニングで20点前後
IELTSのリスニングの問題の特徴として、空欄補充問題が多く出題されます。聞き取れるだけでなく、きちんと単語のスペルが書けることが大切です。IELTSに限らず、リスニング力を高めるためには、「語彙力(文法力)」と「音声認識力」の2つが重要です。
リスニングの勉強は、問題を解き終わってからがスタートになります。まずは、トランスクリプトを見て1文ずつきちんと文章が理解できるかを確認しましょう。その上で一文ずつ音源の真似をしていきましょう。音源の真似が上手になればなるほど、スコアが上がりやすくなります。
ライティングのスコアと採点方式
ライティングのスコアは正答数ではなく、以下4つの評価項目から採点されます :
タスクへの返答 (TA) | ・適切かつ十分な量の回答ができているか ・問いにきちんと回答しているか |
内容の一貫性 (CC) | ・段落構成が明確で一貫性のある主張を展開できているか ・ 読みやすいアイデアや具体例かどうか |
語彙 (LR) | ・同じ語彙を繰り返さず様々な語彙を適切に使用できているか |
文法 (GR) | ・同じ文法を繰り返さず様々な文法表現を適切に使用できているか |
日本人のライティングの平均スコアは5.5ですので、スコア5.0と6.0の評価基準を確認してみましょう。
ライティングスコア5.0の評価基準
TA | ・問題に部分的にしか言及していない ・随所においてフォーマットが不適切 ・ポジションが示されているが、必ずしも明瞭ではなく結論に到達できていない場合もある ・メインアイデアがいくつか示されているが限定的で十分に展開されていない |
CC | ・情報をある程度整理して示しているが、全体としての進行に欠ける ・つなぎ言葉の不足、不正確さ、多寡がある ・代名詞、指示語が使われていないため繰り返しが見られる |
LR | ・限られた範囲の語彙を使用しているが、問題に対する最低限の回答としては十分 ・スペルやワードフォーメーションに顕著な間違いが見られ、読み手の理解を阻害 |
GR | ・非常に限られた構文のみ使用している ・重文や複文に挑戦しているが単文に比べて不正確 ・文法や句読点の間違いがしばしばあり、読み手の理解を阻害 |
ライティングスコア6.0の評価基準
TA | ・問題の全ての部分について言及しているが、言及が少ない部分もある ・適切なポジションが示されているが結論が不明瞭または繰り返し ・適切なメインアイデアを示しているが展開が不十分または不明瞭 |
CC | ・情報やアイデアを首尾一貫性を持って説明できており、全体としての進行が明らか ・つなぎ言葉が効果的に使われいるが、文章内や文章間の繋がりに欠ける、または機械的 ・指示語が必ずしも明確かつ正確に使われていない |
LR | ・問題に対する十分な範囲の語彙を使用できている ・レベルの高い語彙に挑戦しているがいくぶんかの不正確さを伴う ・スペルやワードフォーメーションに時折間違いが見られるが、意味を阻害するものではない |
GR | ・単文と重文や複文を併用している ・文法や句読点の間違いはあるが意味を阻害するのはまれであ |
4つの評価項目のうち2つが 6.0、残り2つが5.0であった場合、ライティングのスコアは5.5となります。スコア 5.5というのは、求められている文字数はきちんとかけているが、問いにきちんと応えていなかったり、最低限の英語で具体例を展開している回答です。
一般の受験生は、TAとCCに苦手意識を持っている人が多いです。スコア6.0や6.5に到達するためには、英文のクオリティを上げるよりも、TAとCCにフォーカスした、ライティングの型や書く前のアイデアの出し方を磨いていくことが大切です。
IELTSライティングの各スコアの評価基準は以下の記事を参考にしてください :
- 参照 : IELTSライティングの評価基準
スピーキングのスコアと採点方式
スピーキングのスコアも同様に正答数ではなく、以下4つの評価項目から採点されます :
流暢さ (FC) | ・言葉に詰まることなくスムーズに回答できているか ・適切な接続詞を用いて一貫性のある回答ができるか |
語彙力 (LR) | ・トピックに応じた様々な語彙を柔軟かつ適切に使用しているか |
文法 (GR) | ・様々な構文を自然かつ適切に使用しているか |
発音 (PR) | ・正しい発音を生成できるか ・聴き取りやすく分かりやすい発音か |
日本人のスピーキングの平均スコアは5.5ですので、スコア5.0と6.0の評価基準を確認してみましょう。
スピーキングスコア5.0の評価基準
FC | ・概ねスピーチの流れを維持できるが、スロースピーチが見られる ・接続語や談話標識を過剰に使用している ・単純なスピーチは流暢に話せるが、複雑な会話では流暢さが落ちる |
LR | ・トピックにかかわらず話そうとするが語彙は限定的 ・言い換えに挑戦するが成功する場合も失敗する場合もある |
GR | ・基本的な文章をそれなりの正確性をもって話せる ・大半の文章に間違いがなく不適切さや基本的な間違いはまれ |
PR | ・バンド4のポジティブな特徴を示せており、バンド6のポジティブな特徴を一部示せている |
スピーキングスコア6.0の評価基準
FC | ・長く話すことに意欲を感じるが、繰り返し、言い直し、口ごもりによりしばしば一貫性を失いがち ・さまざまな接続語や談話標識を使用しているが必ずしも適切ではない |
LR | ・トピックを議論するための十分に幅広い語彙をもっている ・不正確さがあるが意味を明確に伝えられる ・概ね言い換えに成功している |
GR | ・単文と複文を併用しているが、柔軟性は限定的 ・複文ではしばしば間違いがあるが意味を阻害することはまれ |
PR | ・発音の特徴をある程度コントロールしながら使用 ・いくつかの発音の特徴を示せているが持続できない ・概ね理解可能だが、ここの単語の発音の間違いがある |
スピーキングの評価の特徴は、「流暢さ」と「発音」の2点です。IELTSのスピーキングでは、自然な音で流暢にコミュニケーションを取ることが高スコアのポイントです。ですので、発音矯正を最初に徹底しておくと、スコアが上がりやすくなります。
スピーキングは一人では練習できないと思っている人もいるかもしれません。そんな時は、携帯の録音機能をつかって、自分が話してる英語を録音して、その内容を書き起こしてみてください。内容を客観的に分析、修正していくことがスコアアップの近道です。
まとめ
目標スコアを決めてからIELTSの勉強を開始しよう
今回の記事のポイントを以下にまとめておきます:
- IELTSのスコアは9.0が最高
- 日本人のオーバーオールスコアの平均は5.8
- LRは正答数によるスコアが決まる
- SWは4つの評価項目によって採点される
以上、IELTSのスコアについての紹介でした。是非、IELTSの勉強を開始する前に目標を設定してみてください。IELTSはアカデミック英語ですので、学習自体は「楽しい」という感覚とは違います。目標が明確であることで、挫折をせずに続けられるかと思います。
また、繰り返しになりますが、基礎に抜けのある人は中高の英語に立ち返ることをオススメします。基礎に抜けがある人は、勉強の道中のどこかで伸び悩む傾向があります。
皆さんが目標スコアに到達できるよう応援しています。記事を読んでくれてありがとうございました。
最後にIELTS対策などでお悩みのことがあればお気軽にご連絡ください!