IELTSリーディングが「難しい」と感じる場合の対処法

こんにちは!SOLO IELTS TOEFLのルークです。

「IELTSのリーディングが難しくて、どう対処すればいいか分かりません」

「問題集をやりこみましたが、スコアが一向に伸びません」

こんなお悩みをカウンセリングで頻繁にいただきます。IELTSのリーディング、難しいですよね。

TOEFLと比べると問題形式が多様で問題を全て同じように解けないですし、出題されるトピックも絶妙に知らない内容のことが多いと個人的に思います。(私の勉強不足が原因ですが)

今回の記事では、そんな悩みに対して私が普段回答している内容をまとめていこうと思います。

参考になれば幸いです。

IELTSリーディングが伸びない時の対処法

IELTSのリーディングは、60分の間に3つのパッセージ・合計40問を回答することが求められます。一番の特徴は問題形式が多様なことで、各問題形式ごとに異なる対応が求められます。参考までに、IELTSで公表されている問題形式を見てみましょう:

  1. Identifying information 
  2. Multiple choice 
  3. Identifying a writer’s views/claims 
  4. Matching headings 
  5. Matching information  
  6. Matching features 
  7. Matching sentence ending  
  8. Sentence completion 
  9. Summary, note, table, flow-chart completion 
  10. Diagram label completion 
  11. Short-answer questions 

参照:https://ielts.idp.com/uae/prepare/article-ielts-reading-test 

11種類も問題形式があるということは、それだけ柔軟な読解力が求められるということです。単に精読ができるだけでは太刀打ちできないため、たくさんの人がIELTSのリーディングに苦戦しています。

「難しすぎてムリゲーじゃん」

そう感じてしまうかもしれませんが安心してください。どれだけ問題形式が増えても、テストというフォーマットで求められる読解力はそこまで変わりません。

重要なことは “自分の課題が何か” を正しく認識して、焦らずしっかりと課題を解決することに集中することです。そうすれば、着実にスコアが伸びていきます。

「難しい」と感じる原因を見つける

「IELTSリーディングの何が難しいと感じますか?」

まず最初は、この質問に答えることから始めましょう。わからない単語が多いのか、それとも精読ができないのか。課題と思えることをそれぞれ書き出していきます。

この時に注意してほしいのが、2つ以上の課題を複合しないこと。いくらやっても課題が解決しない場合、一番の原因はいろいろな課題をくっつけて考えているということです。必ず個々の要素を挙げていきます。

そうすると、基本的に以下の課題点に行き着くと思います:

  1. わからない単語が多い
  2. 文章を精読できない
  3. 訳せても内容を理解できない
  4. 正解が導けない
  5. 時間が足りない

上記で挙げた課題を上から順番に解決していきましょう。下に行けばいくほど複合的な国語力や認知力が求められるので、最初に解決しようとすると沼にハマります。

それでは、それぞれの解決方法を共有していきます。

① 1段落にわからない単語が5つ以上ある場合

語彙力が足りているかどうかの判断は「1段落にわからない単語が5つ以上あるかどうか」を基準にしてみてください。特にわからない単語が “(専門的な)名詞以外の場合” は、明らかに語彙力が足りていない状態です。

リーディングにおいて語彙力は最も重要な要素です。語彙力はあればあるほど良い。

英検2級程度(英語ニュースをある程度読むことができる)までは、詰め込みで覚えていくことが結局一番速いです。効率云々の前に、単語帳でもアプリでも良いので徹底的に詰め込んでいきましょう。

英検準1級程度からは、詰め込みが通用しなくなります。覚える単語は日常でほとんど目にしないので、思い出すタイミングがなく記憶に残りにくいためです。

このレベルからはニュースや模試などを解いた時に出てきたわからない単語を中心に覚えることに切り替えましょう。難しい意味の単語も多いので、文脈でどのように使用されているかを覚えてしまった方がイメージしやすく効率が良いです。

語彙学習は、それだけに専念するよりも他の学習と組み合わせてやった方が効果的です。なので1日30分程度、学習時間を割いて残った時間は他の学習に割り当てるようにしましょう。

② 構文が理解できない場合

正しくセンテンスの構造を取ることができず、いつも「何となく」で文章を訳してしまう場合は精読力が足りないケースが多いです。何となく文章を読むことに慣れてしまうと、トピックごとに理解度が大きく変わりスコアが安定しません。

構文理解に最も効果的な対策は、SVOCといったいわゆる受験英語の勉強だと言われています。しかし、受験英語はどうしても「ゆっくり・しっかり」読むことに焦点が当てられがちで、IELTSのような大量のパッセージを読むことにはあまり適していません。

そこでオススメなのは音声からインプットをするということです。

英語は「強勢拍子」という音声性質を持っています。強勢拍子は重要な語や強調したい部分にストレス(強勢)がかかります。一方で日本語は「音節拍子」という音声性質。全ての語に同じ強さのストレスを付けて音が構成される言語です。

重要な部分にストレスがかかるということは、音が強く発話される部分を軸に情報を聞き取っていれば大局の意味を理解できるということになります。

構文を理解しようとすると「ここに関係代名詞が…」とか「副詞節が…」とか、難しいことばかりを考えがち。そうではなく、対局で意味の流れをとってみることを意識すると状況が変わるかもしれません。

具体的な勉強方法は、ニュースなど音声が付随している教材を「① 聞く→② トランスクリプトを読む → ③ トランスクリプトをみながら聞く → ④ トランスクリプトなしで聞く」こんな感じで勉強してみてください。

④の時は、①の時の自分と比べてどこがクリアに理解できるようになったかを振り返るとより効果的です。

③ 和訳できても内容が理解できない場合

日本語に翻訳することができるんだけど「つまりこれってどういう意味!?」となる人は、覚えた語彙のイメージが限定的です。Google翻訳やDeepLを使って、ザッと内容を理解している場合も注意が必要ですね。

語彙が限定的というのは、辞書に出てくる一番最初の意味しか覚えていないということです。

限定的な意味しか分かっていないと、どうしてもその部分の和訳は “浮いて” しまいます。つまり訳すことができても腑に落ちない。

対策の一つは辞書に載っている情報を全て覚えることですが、これは現実的ではありません。そこで効果的なのが、類義語(Synonyms)を軸に語彙のイメージを持つことです。

例えば “Exclusively” という単語。辞書によっては「排他的」という意味がのっています。しかし、排他的という言葉は、日本語でもあまり使わない表現なのでイマイチしっくりきません。そこで、類義語を見てみる。そうすると “only” と同じである事が分かる。こんな感じです。

特にテストというフォーマットは、「パラフレーズ(表現の置き換え)」で構成されているので、語彙のニュアンスを理解することに役立ちます。

④ 回答する時に「何となく」で解いてしまう場合

選択肢を絞る事ができているのにバチッと正解を導く事ができない場合、それは回答の根拠を感覚に依存していることが原因です。

先ほど述べたようにテストというフォーマットの基本は「パラフレーズ」です。本文とはあえて異なる語彙や表現を使うことによって、受験生の語彙力や文章解釈力を評価します。

つまり「正解の選択肢は本文のパラフレーズになっている」確率がめちゃくちゃ高いです。

「この選択肢も正解な気がするんだけどなぁ…」

と、腑に落ちない状態で学習を継続している場合、きちんと本文にパラフレーズがあるかを確認してみてください。

問題は、

  1. 本文に記載されていて設問の意図とあっている(True)
  2. 本文に記載されていない(Not Given)
  3. 本文に記載されているが間違っている(False)
  4. 本文に記載されているが設問の意図とあっていない(Not Exactly)

この4つのカテゴリに分類する事ができます。感覚的に選択肢を選んでいる場合、本文に記載されていない情報を感覚的に補完している可能性が高いので注意してみてください。

例外があるとすれば、問題文に “suggest” や “imply” といった「推察」の表現が含まれる場合。この場合は、文脈やトピックセンテンスを理解する事が求められることが多いです。

⑤ 回答時間が足りない場合

上記4つの課題がクリアできたら、読解速度を高める学習の対策に移行しましょう。

読解速度は「① 正しく読む → ② ペースを徐々に速くする → ③ 量をこなす」この順番で学習する事が大切です。多くの場合、最初から大量に問題を解くことで問題を解決しがちですが、正しく読めない状態ではどれだけ解いても全く意味がありません。

読解速度を高める時のポイントは「重要な情報とそうでない情報を分類して読解する」ことです。つまり、段落の要点(トピックセンテンス)はしっかりと精読し、それ以外はサラッと読みます。

アカデミックライティングは基本的に、トピックセンテンスとサポートセンテンスの2種類で構成されています。

トピックセンテンスは段落の中で筆者が伝えたいメッセージ。サポートセンテンスは、このトピックセンテンスに説得力を出すための情報です。データや引用、歴史的な事実などの具体例がこれに当たります。

サポートセンテンスは、トピックセンテンスで述べた内容と同じことを別の角度から説明します。つまりトピックセンテンスと本質的な同じ内容を言っているということになります。

これが分類できるようになると1つの段落で「結局同じことを言っている」ということが分かってきて、それだけ段落の情報処理が速くなります。

各センテンスにどのような役割があるのか。これを意識して復習してみると、イメージが湧いてくると思います。

(番外編)背景知識を増やすだけ読解は楽になる

IELTSで出題される情報は、ニュースや学術的な雑誌に載っている基本的な内容が中心です。もちろん、日本語でその内容について知っているかどうかで難易度は大きく変わります。

特にIELTSは、

といった媒体に載っている情報がよく出題されます。

NatureやNational Gepgraphicは日本語でも雑誌が販売しているので、そう言った情報を定期的に読むだけでも対策として一定の効果があります。

もちろん英語で読むとより効果的なので、余力があれば試してみてください。さまざまなフォーマットの英語に触れることで、柔軟な理解ができるようになります。

まとめ

リーディングで最も大切なのは語彙力です。語彙力が足りない状態では、いくら問題を解いてもあまり意味がないので、まずは自分の課題をしっかりと洗い出しましょう。

学習しても効果が出ない場合「認識している問題が違う」か「学習方法が適していない」かのいずれかが問題です。受け入れ難いこともあると思いますが、ここでしっかりと時間を取ることが最終的に一番の近道になるでしょう。

また、今回紹介した内容はあくまで一例です。個々の認知パターンや学習経験によって、課題は異なります。

何か不安なことなどがあれば、私でよければ相談に乗りますのでご連絡ください。

記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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