こんにちは、SOLO IELTS TOEFLのルークです。
この記事では、IELTSのスピーキングの評価基準をスコア別に紹介します。
「 スピーキングの採点基準を知りたい人」や「目標スコアのレベル感を知りたい方」の参考になれば幸いです。
IELTSのスピーキングは対策を始める前に、自分の目標スコアの評価基準をきちんと理解しておくことをオススメします。基準を理解した上で、逆算して必要なスキルをつけていくと良いですね!
目次:
IELTSスピーキングの評価について
4つの評価項目
IELTSのスピーキングは、 全パート共通して下記4つの評価項目から成り立っています :
流暢さ (FC) | ・言葉に詰まることなく回答できているか ・適切な接続詞を用いて回答ができるか |
語彙力 (LR) | ・トピックに応じた様々な語彙を柔軟かつ適切に使用しているか |
文法 (GR) | ・様々な構文を自然かつ適切に使用しているか |
発音 (PR) | ・正しい発音を生成できるか ・聴き取りやすく分かりやすい発音か |
4つの評価項目がそれぞれ25%の配分で評価されます。IELTSのスピーキングでは、各パートは採点されません。すべてのパートを通して、全体の印象値として採点されます。
採点の大きな特徴としては、「流暢さ」「発音」といった項目が評価の50%を占めていることです。IELTSスピーキングでは、コミュニケーションが円滑に行われることが大切なのです。
スピーキングは、「語彙」や「文法」にこだわって練習をするよりも、「音声」に注目をして対策をする方がスコアを上げやすいです。採点官の印象値に強く訴えることができるためです!
スコア別の評価基準
以下では、IELTSを作成しているBritish Councilが公表しているスピーキングの評価基準を日本語に訳しています。もし、評価基準の一次情報を見たい方がいましたら、下記に参照元を載せています。
それでは一緒に確認していきましょう。自分が目指しているスコアに求められている話し方を確認してみて下さい :
スコア 9点
FC | ・ごく稀に繰り返しや言い直しはある ・口ごもりは話す内容によるもので、言葉を探しているわけではない ・つながり語を適切に使用している ・トピックを完璧に適切に展開できる |
LR | ・全トピックにおいて柔軟かつ正確に使用している ・イディオムを自然かつ正確に使用している |
GR | ・全範囲の構文を自然かつ柔軟に使用している ・ネイティブスピーカーのうっかり間違いを除いて、正確な構文を生成できる |
PR | ・全範囲の発音の特徴を正確に使用している ・発音の特徴を柔軟に終始再現できる ・終始、容易に理解できる |
IELTSスピーキングにおける9点は、ネイティブスピーカーと同等のレベルだと考えてください。評価基準にも、「イディオムを自然かつ正確に使用」「ネイティブスピーカーのうっかり間違い」などといった表記が確認できます。
スコア 8点
FC | ・時に繰り返しや言い直しはあるが流暢に話せる ・口ごもりは話す内容によるもので、言葉を探すことはまれ ・トピックから逸脱せず適切に展開できる |
LR | ・容易かつ柔軟に幅広い語彙を使える ・レベルの高い語彙やイディオムを巧みに使っているが、時に不正確さを伴う ・必要な場面で効果的に言い換えをしている |
GR | ・幅広い構文を柔軟に使用している ・大半の文章に間違いがなく不適切さや基本的な間違いは非常にまれ |
PR | ・幅広い発音の特徴を使用している ・時に間違いはあるが、発音の特徴を柔軟に終始再現 ・終始、容易に理解できる ・第一言語のアクセントが理解に与える影響は最小限 |
IELTSスピーキングにおける8 – 8.5点は他のテストと比較すると以下のようのレベル感です :
- TOEFLスピーキング27-30 / 30点満点
- TOEICスピーキング 190-200 / 200点満点
- Versant 66-70点 / 80点満点
多少、苦労しながらも英語圏のネイティブ 環境で働けるレベルだと考えてください。特徴としては、「綺麗な発音で音声変化を起こした話し方を終始できるが、ごく稀に語彙の選択で間違える」といった状態です。
スコア 7点
FC | ・明らかな努力なしに一貫性を失うことなく長い文章を話せる ・言語に関連する口ごもりが時々見られ、繰り返しや言い直しもある ・さまざまな接続語や談話標識をある程度の柔軟性を持って使用できる |
LR | ・様々なトピックを議論するための柔軟な語彙を示せている ・レベルの高い語彙を巧みに使っており、コロケーションにも多少意識している ・効果的に言い換えをしている |
GR | ・様々な複文をある程度の柔軟性で使用している ・間違いのない文章が多いが、いくつかの文法の間違いも残る |
PR | ・バンド 6のポジティブな特徴を全て示しており、バンド 8のポジティブな特徴も一部示せている |
IELTSスピーキングにおける7 – 7.5点は他のテストと比較すると以下のようのレベル感です :
- TOEFLスピーキング23-25 / 30点満点
- TOEICスピーキング 180-190 / 200点満点
- Versant 60-65点 / 80点満点
IELTSスピーキングにおける7点は、英語圏の大学(院)に進学して授業についていけるレベルです。特徴として、「長い文章を言い直しながらも様々な語彙と接続詞を使用しながら話している。発音は容易に理解できる。」です。
日本で育った方が対策して目指せる最高点は7.5だと言われています。スコア7.5は、4つの評価項目のうち2つが8.0、残りの2項目が7.0であった場合に出るスコアです!
スコア 6点
FC | ・長く話すことに意欲を感じるが、繰り返し、言い直し、口ごもりによりしばしば一貫性を失いがち ・さまざまな接続語や談話標識を使用しているが適切ではない |
LR | ・トピックを議論するための幅広い語彙をもっている ・不正確さがあるが意味を明確に伝えられる ・概ね言い換えに成功している |
GR | ・単文と複文を併用しているが、柔軟性は限定的 ・複文では、しばしば間違いがあるが意味を阻害することはまれ |
PR | ・発音の特徴をある程度コントロールしながら使用 ・いくつかの発音の特徴を示せているが持続できない ・概ね理解可能だが、ここの単語の発音の間違いがある |
IELTSスピーキングにおける6 – 6.5点は他のテストと比較すると以下のようのレベル感です :
- TOEFLスピーキング19-22 / 30点満点
- TOEICスピーキング 160-170 / 200点満点
- 英検1級の2次試験に合格するレベル
IELTSスピーキングにおける6点は、日本人の感覚ではいわゆるペラペラにうつるレベルです。特徴として、「長く話すことに意欲を感じさせる。語彙や発音は、不正確ではありつつもある程度コントロールしている」状態です。
英検1級を保持している人が対策をして受験をすると、スコア6.5になることが多い印象ですね!
スコア 5点
FC | ・概ねスピーチの流れを維持できるが、スロースピーチが見られる ・接続語や談話標識を過剰に使用している ・単純なスピーチは流暢に話せるが、複雑な会話では流暢さが落ちる |
LR | ・トピックにかかわらず話そうとするが語彙は限定的 ・言い換えに挑戦するが成功する場合も失敗する場合もある |
GR | ・基本的な文章をそれなりの正確性をもって話せる ・不適切さや基本的な間違いはまれ |
PR | ・バンド4のポジティブな特徴を示せており、バンド6のポジティブな特徴を一部示せている |
IELTSスピーキングにおける5 – 5.5点は他のテストと比較すると以下のようのレベル感です :
- TOEFLスピーキング15-18 / 30点満点
- TOEICスピーキング 130-150 / 200点満点
- 英検準1級の2次試験に合格するレベル
特徴としては、「とにかくスロースピーチで、語彙も発音も限定的」といった状態です。また、日本人受験者のスピーキングの平均スコアは5.5です。スコア5.0と6.0には大きな差があります。顕著な差は、「テンポ」です。テンポが遅い人は5.5を超える事はありません。
スコア 4点
FC | ・顕著なポーズがなしでは答えられない。 ・繰り返し、言い直し、スロースピーチが見られる ・単調な談話標識を過剰に使用して一貫性が途切れる |
LR | ・身近なトピックに関しては意味を伝えられるが、身近でないトピックでは語彙の選択に誤りが多い ・かろうじて言い換えに挑戦する |
GR | ・基本的な文章はいくらかの正確性をもって話せる ・複文の使用はまれ ・間違いが多く、理解に不和が生じる |
PR | ・限定的な発音の特徴を使用している ・発音の特徴をコントロールしようとしているが間違いが多い ・間違った発音が多くき聞き手が困難を感じる |
IELTSスピーキングにおける4点は、英検2級のスピーキングに合格するレベル感です。特徴として、「単文だけでなんとか回答している」といった状態です。
私の人生でスピーキングのスコアが3.5点以下というのを見たことがないため、レベル感や特徴の説明はここで終わりにしますね!
スコア 3点
FC | ・顕著なポーズをもってして話している ・単調な文章をつなげることも限定的 ・単調な回答が多い ・しばしば基本的なメッセージを伝えることもできない |
LR | ・身近なトピックも基本的な語彙でのみ伝える ・身近でないトピックに関しては語彙が足りない |
GR | ・基本的な文章を試みるが限定的、または明らかに暗記したものに頼ってブツブツ話す ・暗記した表現以外は、いくつもの間違いをおかす |
PR | ・限定的な発音の特徴を使用している ・バンド 2のポジティブな特徴を全て示せており、バンド 4のポジティブな特徴を一部示せている |
スコア 2点
FC | ・ほとんどの語彙の前に顕著なポーズがある ・ほとんどコミュニケーションできない |
LR | ・孤立した語彙の生成か暗記したものをぶつぶつ話す |
GR | ・基本的な文章を生成することもできない |
PR | ・言っていることがほとんど理解できない |
スコア 1点
FC | ・いかなるコミュニケーションもできない ・言語の評価ができない |
LR | |
GR | |
PR |
スコア 0点
FC | ・試験に出席していない |
LR | |
GR | |
PR |
まとめ
IELTSスピーキングは音声対策が鍵
最後に今回の記事のポイントを以下にまとめておきます:
- IELTS スピーキングは4つの評価項目から
- 「流暢さ」と「発音」が評価の大きな比重
- 目標スコアの評価基準を理解する
IELTSのスピーキングは、全体の印象値でスコアが決まるので、採点官がどう感じるかを終始コントロールする必要があります。そのためには、「話し方」「表情」「積極性」など英語以外の要素も大切になります。
広義の意味での発音を身につけることで、上記のようなノンバーバルの態度にも変化が現れてきます。評価項目の「流暢さ」と「発音」にも大きく影響を与えるため、何をすべきか迷っている人は発音習得をオススメします。
他にも気になるところや、詳しく説明して欲しい部分があればいつでも連絡してください。