こんにちは!
今回の記事では「USMLE ステップ2 CS OETの概要と対策」を紹介しています。
「USMLE CSの対策法が分からない方」や「海外移住を視野に入れて人生設計をしている方」の役に立てれば幸いです。
日本人医師にとってUSMLE合格のために最もハードルの高いのがCSですが、2020年は医療英語OETにとって変わりました。OETは従来のCSよりもハードルが低いです!
それでは詳しくみていきましょう。
目次:
USMLE ステップ2 CS OETとは
OET(医療英語)の概要
OETとは日本語では「医療英語」や「職業英語テスト」という名称で呼ばれています。以下がテストの概要です:
名称 | Occupational English Test |
試験内容 | 医療分野におけるコミュニケーションや医療トピック |
試験時間 | リスニング:40分 リーディング:60分 スピーキング:20分 ライティング:45分 |
スコア | 各セクション500点満点 |
合格スコア | 各セクション350点以上(B Grade以上) |
受験料 | 587AUD(約46,960円 ※1AUDを80円とした場合) |
公式ウェブサイト | https://www.occupationalenglishtest.org/ |
実際に医療現場で起こるコミュニケーションや、医療に関連するトピックを中心にテストが構成されています。
日本では2020年8月現時点では大阪会場のみでの受験となり東京では受験できません。ECFMG/USMLE ID numberを持っている方はオンライン受験の事前申込も可能なようです。
OETはアメリカ、オーストラリア、イギリス、シンガポールなどの医療先進国を含む9か国の移住や就職の際に役立つ試験です!
- 参照: 医療英語OETの詳細
OETの難易度
OET合格のため必要な下記が350点取得に必要な各セクションの正答数です :
- リーディング42問中30問
- リスニング42問中30問
- ライティング38点中27点
- スピーキング39点中30点
難易度は英検1級、IELTS7.0、TOEFL100点程度と同等です。OETは専門性の高い試験ですので、完全な換算はできませんがイメージとしての難易度です。
日本人医師はOETのリスニング、その次にスピーキングで苦しむ方が多いです。原因は音声知覚と英語を話す時の強勢、リズムにあります。
実際にOETがどういった試験なのか気になる人は下記の公式サンプル問題をみて下さい!
- 参照: OET公式サンプル問題
OET対策に必要な前提としての英語力
OET対策に必要な前提としての英語力は以下の2つです :
- IELTSのRL6.5またはTOEFL RL 24点
- IELTSのSW6.0またはTOEFL SW 20点
上記スコアはある程度の正確性をもってきちんと読める・聴けること、アウトプットとしての最低限のスキルを持っている事を意味しています。
医療英語ですので特殊スキルではありますが、あくまで基礎の英語力の上に成り立っている事は変わりません。基礎英語力がないと対策が難しいです。
IELTSやTOEFLを回答した事がない人は下記から公式のサンプル問題を解く事ができます!
- 参照1: IELTS公式サンプル問題
- 参照2: TOEFL公式サンプル問題
OETに効果的な対策
リーディングとリスニング対策
OETのリーディングとリスニングは以下の順で学習していくと良いです :
- IELTSのRLで26問正解
- OETの公式問題集のRLを解く
- 知らない単語を全て覚える
- 1文ずつ意味をとる
(構文がとれない場合は完全に把握) - 音読
- シャドーイング
(リスニングの場合)
基礎英語力が足りない人はいきなりOET対策をするのではなくIELTS(またはTOEFL)にて英語力をつけましょう。IELTSのRLで26問正解できる医師は一発目からOETのRLは合格点にのる事もあります。
問題を解いた後は徹底的に復習をします。知らない単語は全て調べて覚える、1文ずつ完璧に意味がとれるまで復習しましょう。最後に音読をする事で新たな知識を身体化させる事が可能です。
万が一リスニングのスコアが伸びない人は音声知覚に問題があります。原因はきちんとした英語の音を生成できないためです。発音矯正をする必要があります!
ライティング対策
OETのライティングは以下の順で学習していくと良いです :
- 評価基準を知る
- 実際に回答
- フィードバックをもらう
- 再度書き直す
どのようにOETのライティングが評価されているのかを知る事が第一歩です。その上で採点基準に沿って書く事がポイントです。できれば採点ができる人にフィードバックをもらうと良いでしょう。
ライティング評価基準と合格基準
OETライティングの評価基準は以下です。( )内が合格基準です :
- Purpose:意図 3点 (2点)
- Content:内容 7点 (5点)
- Concseness & Clarity:明瞭さ 7点 (5点)
- Genre & Style:表現の適切さ 7点 (5点)
- Organisation & Layout:文章構成 7点 (5点)
- Language:言語の運用 7点 (5点)
全38点中27点を取得すると350点となります。多少は英語のミスをおかしつつも、趣旨と内容が明確で概ね過不足なくライティングされていることがポイントです。
最初に書く際は下記より私がまとめたOETライティングの型を参照にして下さい。慣れてくると型を意識しなくても書けるようになります!
スピーキング対策
OETのスピーキングは以下の順で学習していくと良いです :
- 評価基準を知る
- 発音矯正
- 実際にロールプレイを録画
- 録画を分析と書き起こし
- フィードバックをもらう
- 再度書き直す
ライティング同様に評価基準を知る事が大切です。その上で発音矯正をする事が絶対条件です。過去生徒をみた限り合格の分かれ目はここにあります。
母音や子音のみならず矯正とリズムの練習が不可欠です。平たくいうと、「日本語の影響をあまり受けずに英語っぽく話せていますか」という事になります。
スピーキングの評価と合格基準
OETスピーキングの評価基準は以下です。( )内が合格基準です :
- Intelligibility 明確か : 6点(5点)
- Fluency 流暢さ : 6点(5点)
- Appropriateness of Language 構文・口語 : 6点(5点)
- Grammar and Expression 文法と表現 6点(5点)
- Relationship Building 信頼関係の構築力 3点(2点)
- Understanding & Incorporating 聞き手への配慮 3点(2点)
- Providing Structure 要点の整理 3点(2点)
- Information Gathering 情報理解力 3点 (2点)
- Information Giving 情報伝達力 3点(2点)
評価基準1-4が英語力に関する評価24点、評価基準5-9がソフトスキルに関する評価15点の計39点満点で評価をされます。39点中30点を取得できると350点の合格点に達します。
スピーキングでは発音よく流暢に目的意識をもった会話を相手に配慮しつつ行えるかが30点獲得のポイントです。どういったロールプレイなのかを下記から確認して下さい!
まとめ
OET対策は基礎英語力それからSWのトレーニング
- ポイント1:OETは従来のCSよりも対策がしやすい
- ポイント2:まずはIELTS 6.5を目指そう
- ポイント3 : SW対策はフィードバックを貰おう
以上がアメリカで医師として働くために必要なUSMLE最後の関門ステップ2 CS OETの概要と対策法でした。
このブログを読んでいる方のほとんどの人が現在日本で医師をされている方でUSMLEにチャレンジをされているかと思います。
弊社は日本で唯一、OETの対策が専門的にできるオンラインスクールです。わざわざ海外の語学学校にてOETを学ぶ必要なく、日本で働きながらUSMLEステップ2 CSで必要なOET対策をする事が可能です。
現状英語力が低い人から、既に一般英語力が高い人まで自信を持って海外でも働けるレベルまで押し上げる事が可能です。
将来海外で医師として働きたい、もしくはOET対策を通して医療英語のスキルをつけておきたいという人は遠慮なくご相談ください。