シンガポールで医師になるには?| 給与や労働条件も解説

こんにちは!SOLOのルークです。

普段は、海外で働くことを考えている医師の方に英語を教えています。

最近、英語を教えている学習者から、シンガポールで医師をする方法を聞かれることが多くなりました。

インターネットで検索をしても一次情報がほとんどないため、シンガポール医療審議会(以下SMC)直下の現地エージェントに思い切って連絡をしてみました!

教えていただいた情報を、この記事にまとめていきたいと思います。

シンガポールで医師になる方法

シンガポールで医師として働くためには、以下の要件を満たす必要があります:

このように見ると難しそうですが、その他の国のように医師国家試験を受ける必要はありません。

詳しく見ていきましょう。

年齢要件について

シンガポールで医師として働く際に年齢制限はありません。医師としての就労ビザにあたる、Employment Pass(EP)の申請規定に定められています。

しかし、実質的には、40歳以下の雇用がほとんどになっている現状があります。これは、年齢に応じて求められる最低月給が段階的に引き上げられる仕組みだからです。

つまり、IMGの求職者が40歳を超える場合、基本給が大幅に上昇するため、病院とのマッチングの段階で弾かれる傾向があるのです。

指定の大学を卒業していること

シンガポールでは、各国の学歴条件も定められています。日本も例外ではなく、以下の指定大学の医学部医学科を卒業している必要があります。

  • 1. 東京大学(2006年)
  • 2. 京都大学(2006年)
  • 3. 北海道大学(2006年)
  • 4. 大阪大学(2006年)
  • 5. 慶應義塾大学(2007年)
  • 6. 名古屋大学(2007年)
  • 7. 九州大学(2007年)
  • 8. 東京女子医科大学(2007年)

参照:LIST OF REGISTRABLE BASIC MEDICAL QUALIFICATIONS

難関大学の医学部ばかりです。厳しいですね…。

しかし、一昔前までは、東京大学・京都大学・大阪大学の3大学のみでした。そう考えると、若干ですが門戸は広がっています。

特定の勤務経験

次に、勤務経験についてです。シンガポールで医師として働くためには、日本での勤務経験が三年以上必要です。

総合病院や大学病院など、急性期病院での勤務経験が求められます。クリニックのような小規模の診療機関、企業の健診センターは認められません。

また、研修医としての2年間は勤務期間に含まれないので注意が必要です。

つまり、研修終了後に、救急対応や手術、入院治療などを提供する急性期病院で医師としての勤務経験が三年以上必要だということです。

一定の英語力の獲得

次に、英語力に関してです。シンガポールは英語環境で、職場も英語オンリーになりますので、ある程度の英語力が求められます。

具体的には、以下の3つのいずれかの試験で指定スコアを取得する必要があります。

  • 1. OET 各セクションB以上(=350点以上)
  • 2. IELTS 各セクション7.0以上
  • 3. TOEFL iBT100(各セクション25以上)

参照:Evidence of English proficiency

「どの英語試験が良いのか?」多くの方が疑問に思われるのではないでしょうか。

もちろん、どのテストにもメリットデメリットがあるので、好きなものを選んでいただいて結構ですが、それだと少しなげやりですよね。

これら全てを指導させていただいている私の見解では、OETが最も短期的に合格を目指せる人が多いと思います

OETのリスニングセクションは、その他の試験と比べると難しめです。それでも、IELTSやTOEFLの要件を満たすよりは早く攻略できるはずです。

何より医療従事者にとっては、臨床留学で直接役立つOETの学習は楽しいはずです!

面接

上記の要件を満たせた人は面接に進むことが可能です。

面接は採用エージェントと病院の2回行われます。面接の目的は、「働くにあたって十分な英語力を保持しているか」を測定することです。

聞かれる質問としては、以下の内容が中心になります。

  • 1)自分に関すること(バックグランド、地元、趣味、スポーツetc)
  • 2)経験や周囲に関すること(仕事、学生時代、周囲の人物etc)
  • 3)英語での医療知識の確認

IELTSを学習されている人などはピンと来たかもしれません。面接で聞かれる質問が、IELTSスピーキングの内容と重複しています

面接に合格をした人は、病院主導でビザの準備を進めることができます。ビザが認可されるとシンガポールに入国し就労することができます。

給与と労働条件

最後に、シンガポールで医師をする際の給与や労働条件について確認をしましょう。

基本給SGD 7,000 – 15,000(病院により異なる)
住居手当SGD 1,500/month + 政府保有物件
残業手当あり
夜勤・オンコール手当あり
ボーナスあり
年次休暇21日
契約期間2年(更新可能)

基本給がSGD7,000 – 15,000と幅が広くなっていますが、一年目の中央値はSGD8,000 – 10,000のスタートになることが多いです。

この基本給は、役職と共に上がっていきます。役職は、多くの場合、Resident Physician > Senior Resident Physician > Principal Resident Physicianと上がる仕組みです。

2025年現在の為替レートでは、基本給が日本円80万円-110万円ほどです。基本給でこの額ですから、レジデントの給与としては全世界で最も高い水準です。

ここに残業やオンコール手当、それからボーナスがつく形になります。また、住居手当として月におよそSGD1,500が支給されます。

シンガポールは家賃が高い国です。家族などで移住する人などは、2LDKが必要になる方が多いかと思います。

ある程度、立地が良いところに2LDKを借りようとすると、月にSGD5,000ほどが目安になります。しかし、医師の場合は、シンガポール政府の保有物件に住むことができます。

その場合、通常SGD5,000かかるところを、SGD3,000程度で借りることが可能です。これは、自己負担額がSGD1,500程度になることを指します。

最後に

以上が、シンガポールで医師になる方法、給与と労働条件の解説でした。

日本人医師が専門医としてシンガポールで就労することはできません。制度の互換性がないためです。

(厳密にはイギリスのMRCPなどに合格をすると可能ですが、かなりの難易度と時間を浪費するため過去にチャレンジされた方は見たことがありません…)

専門医としてのキャリアではなくて、レジデントとして働くことに抵抗がない人にとっては、世界有数の条件になっているかと思います。

また、最終的には病院のサポートが必要になりますが、一定年数の勤務をすることによってシンガポール永住権を獲得することも可能です。

弊社は日本で唯一、SMC直属のエージェントと提携をしています。シンガポールでの就労に興味ある方などは、遠慮なくご連絡ください

最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。

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