こんにちは!SOLOのルークです。
医療従事者の方に、IELTSやOETを教えています。
今回の記事では、「ニュージーランドで医師として働く方法」を紹介しています。
それでは、詳しくみていきましょう。
目次:
ニュージーランドで医師として働く方法
必要な英語力
ニュージーランドで医師として働く場合は「研修医から働く」と「専門医として働く」によって必要なプロセスが違います。しかし、どちらにせよ必要になるのが「英語力の証明」です。
具体的には、以下のいずれかのテストで基準のスコアを満たす必要があります(2025年11月改訂版):
- IELTS Academic:Speaking 7.0、Listening 7.0、Reading 7.0、Writing 6.5
- OET:Speaking 350、Listening 350、Reading 350、Writing 300
ポイントは、WritingだけIELTS 6.5・OET 300で良いという点です。以前のイメージほどハードルは高くありません。
さらに、12ヶ月以内の2回の受験結果を合算するルールや、IELTS One Skill Retake(1セクションのみ再受験)も認められています。
IELTSは、海外進学や移住で使用されるケースが多く、アカデミック領域に特化した試験内容です。IELTSで対策をすると、日常生活で役立つというメリットがありますが、臨床現場は想定していないため、働き始めた際に少し戸惑うことが多いかと思います。
OETとは、”Occupational English Test”の略で、医療現場で使用される英語に特化したテストです。医師の方ですと、背景知識で情報を補完できるというメリットがありますし、現地で働き始めた際に、OETのテスト対策がそのまま役立ちます。
方法1. Comparable Health System Pathway【2025年2月〜の新ルート】
これが今、日本人医師にとって最大の朗報です。
2025年2月、ニュージーランド医療審議会(MCNZ)が日本を「Comparable Health System(同等の医療制度を持つ国)」のリストに追加しました。
これにより、NZREX(実技試験)を受けずに登録申請が可能になりました。
以下のプロセスを踏みます:
- IELTS or OETで基準スコア取得
- 受け入れ先確保
- Comparable Health System pathwayで申請
- Provisional General Scopeで登録、監督下で勤務
- 最低6ヶ月以上の監督下勤務後、General Scopeへ移行
主な要件:
- 直近48ヶ月のうち33ヶ月以上、週20時間以上、日本で臨床勤務していること
- NZでの想定ポジションと同じか類似の分野・責任レベルでの勤務経験
- 日本での医師免許を保有していること
ただし、ここは誤解されやすいポイントですが、*General Scope ≠ 独立した家庭医(GP)*です。
General Scopeに登録される医師は、典型的には病院のRMO(勤務医)や専門医研修中の医師です。独立して開業GPとして働くには、別途RNZCGP(NZ家庭医学会)のFellowshipが必要になります。
申請処理は20営業日以内と非常に早いのもメリットです。
方法2. NZREX経由で研修医からスタート
方法1の要件(直近48ヶ月で33ヶ月以上の臨床経験)を満たせない若手医師や、Comparable Health Systemパスウェイの対象にならない方は、従来のNZREXルートになります。
以下のプロセスを踏みます:
- USMLE ステップ1・ステップ2CK
- IELTS or OETで基準スコア取得
- NZREX(現地受験)
- 研修医
USMLEは、米国医師資格試験です。実は、ニュージーランドでも活用できます。
USMLEのステップ2CKまで合格したら、IELTSまたはOETの対策を行います。
USMLEと英語のスコアメイクを終えると、最後にニュージーランドへ赴き、*現地でNZREXを受験します。*NZREXは実践形式の模擬診察です。
NZREXは、患者の基礎情報読解→診察室に呼ぶ→問診・身体所見→アセスメント・プランの決定→カルテ記載というプロセスを実践で行います。ここでも、OETでの対策が効果を発揮します!
方法3. 専門医として臨床留学→長期ビザ
3つ目の方法は、既に日本で専門医の資格を得ている方が、2年間の短期臨床留学から長期ビザへと繋げる方法です。
以下のプロセスを踏みます:
- IELTS or OETで基準スコア取得
- 受け入れ先確保
- Postgraduate Trainingに申し込む
- 下記方法4の長期滞在ビザから永住へ
英語の資格を満たし、受け入れ先を探した上で、NZMC(ニュージーランドのメディカルカウンセル)のサイトからPostgraduate Trainingに申込みをします。
注意点として、*Postgraduate Trainingは最大2年間で、永続登録には直接繋がりません。*帰国前提のスキーム、かつ自国またはその代理組織からのスポンサーが必要です。
最も大きなハードルは、受け入れ先の確保になります。粘り強く交渉して行く事が大切です。
Postgraduate Trainingにおいてきちんと評価を得られると、方法4の長期ビザの申請が容易となります。
下記ブログにて、実際にニュージーランドで医師をされている方が詳しく書かれています。
方法4. 専門医として初めから長期ビザ
4つ目の方法は、既に日本で専門医の資格を得ている方が、初めから長期ビザ(Vocational registration)を申請する方法です。
以下のプロセスを踏みます :
- IELTS or OETで基準スコア取得
- 受け入れ先確保
- MCNZと該当する専門医学会による評価(4〜6ヶ月)
- Provisional Vocational Scopeで登録、監督下で6〜12ヶ月勤務
- 必要に応じてVPA(Vocational Practice Assessment)を受験
- Vocational Scopeへ移行(正式専門医登録)
既に専門医をされている方からすると、初めから長期ビザ申請が可能なら当然方法4を選ぶよ。と思われるかと思います。
この長期ビザを出してくれるかどうかはご自身の専門により異なります。専門によっては、方法3からの方が入りやすいため、短期臨床留学で先にNZへいき現地でコネクションをつくり方法4へ繋げるかたもいます。
また、方法4は、仕事が決まれば即書き換え、というわけではないのがポイントです。
該当する専門医学会(例:内科ならRACP、外科ならRACS、家庭医ならRNZCGP)が、申請者の研修・資格・経験を「NZ専門医と同等か」評価します。
評価結果が「完全に同等」でなく「同等に満足できる(as satisfactory as)」と判定された場合、6〜12ヶ月の監督下勤務とVPA(職場で1日かけて2人の評価医が観察する評価)が必要になります。
方法5. オーストラリアのAHPRAを経由
5つ目の方法は、オーストラリアでの医師登録をする方法です。
以下のプロセスを踏みます:
- IELTS or OETで基準スコア取得
- AMC パート1(MCQという筆記試験)
- AMC パート2 (臨床試験)
- 1年間の研修(上記試験と同時並行)
- General Registration登録
このルートをたどると、NZで最初から長期ビザを申請する事が可能です。
ただし、2025年2月以降は日本がNZのComparable Health Systemに追加されたので、オーストラリア経由のメリットは以前より薄れました。日本→NZ直接ルートで十分という方が増えると思います。
当たり前ですが、オーストラリアでも臨床留学の選択肢ができます。詳しくは、以下の日本語記事を参照にしてください。
最後に
- 2025年2月、日本がComparable Health Systemに追加され、NZREXなしで登録可能に
- 研修医からスタートする方法と専門医として働く方法がある
- 英語要件はIELTS L/R/S 7.0、W 6.5(以前より緩和傾向)
- 英語資格はOETがオススメ
- 年収は日本とさほど変わらない
以上が、ニュージーランドで医師として働く方法と年収まとめでした。
短期で働くにしても、長期で働くにしても英語の基準値を満たすことが最初のハードルになります。レベル感としては、およそ英検1級に余裕をもって合格する程度です。
IELTSとOETのどちらで対策をしようか迷っている人は、下記の記事を参照にしてみてください。
弊社では、年間250名ほどの医師と看護師へ英語指導をおこなっています。以下は、一部の受講生の感想です。
- OET対策コース 受講生No.146
- OET対策コース 受講生No.145
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記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。










