こんにちは!
今回の記事では「ニュージーランドで医師(医者)として働く方法と医師の年収」を紹介しています。
「既に日本で医師として働いて、ニュージーランドで働きたいと希望している方」や「海外移住を視野に入れて人生設計をしている方」の役に立てれば幸いです。
ニュージーランドの医師として働く方法は主に3パターンあります。年収は日本のそれとあまり変わりませんが、労働時間は少ないことが特徴です!
それでは詳しくみていきましょう。
目次:
ニュージーランドで医師(医者)として働く方法
ニュージーランドで働くために必要な英語力
ニュージーランドで医師として働く場合は「研修医から働く」と「専門医として働く」によって必要なプロセスが違います。しかし、どちらにせよ必要になるのが「英語力の証明」です。
具体的には以下のいずれかのテストで基準のスコアを満たす必要があります:
OETとは「Occupational English Test」の略で、日本では医療英語と訳されます。医療現場で使用される英語に特化したテストなので、背景知識で情報を補完できるというメリットがあります。
- 参照: OETとはどのような試験なのか
IELTSは海外進学で使用されるケースが多く、OETよりも日常英会話やアカデミックな領域に特化した試験内容です。またOETは後続の模擬面接であるNZREXにおいても効果を発揮しますのでOETの選択をオススメします。
よく聞かれますがOET 350点の方がIELTS7.5よりも圧倒的に早くスコアメイクが可能です。OET 350点はIELTS7.0と同等のレベルです!
方法1. ニュージーランドで研修医からスタートする
日本で医師免許をとりトレーニングを日本のみで受けてきた医師がニュージーランドで研修医としてスタートする場合は以下のプロセスを踏む必要があります:
- USMLE ステップ1・ステップ2CK
- IELTS7.5 or OET350以上取得
- NZREX (現地受験)
- 研修医
USMLEは米国医師資格試験ですがニュージーランドでも最初のステップとして採用されています。同時並行でIELTS7.5またはOET 350点の対策を行い合格する必要があります。
USMLEと英語のスコアメイクを終えると、最後にニュージーランドへ赴きNZREXを受験します。NZREXは実践形式の模擬診察となっています。
NZREXは患者の基礎情報読解→診察室に呼ぶ→問診・身体所見→アセスメント・プランの決定→カルテ記載というプロセスを実践で行います。OETが効果を発揮します!
研修医としての雇用主の見つけ方
NZREX合格後ニュージーランドで研修医として働くためには、雇用を約束してくれる雇用主が必要です。これが実はとてもハードルが高いです。
コネクションがない場合は各病院に片っ端から連絡をする必要があります。しかし外国人医師のポスト不足はニュージーランドでも問題となっています。
ちなみにコネクションは研究留学を通して作る場合が多いです。研究も臨床も両方やっているような力のあるボスがいる大学を探すと良いですね!
方法2. 専門医として最大2年間の臨床留学→長期ビザ
方法2は既に日本で専門医の資格を得ている方が2年間の短期臨床留学から永住へと繋げる方法です。以下のステップになります :
- IELTS7.5 or OET350以上取得
- 受け入れ先確保
- Postgraduate Trainingに申し込む
- 下記方法3の長期滞在ビザから永住へ
非常にシンプルです。英語の資格を満たし受け入れ先を探した上でNZMC(ニュージーランドのメディカルカウンセル)のサイトからPostgraduate Trainingに申込みをします。
最も大きなハードルは研修医と同様に英語と受け入れ先確保になります。粘り強く交渉して行く事が大切です。Postgraduate Trainingにおいてきちんと評価を得られると、方法3の長期ビザの申請が容易となります。
下記ブログのニュージーランドで医師をされている方が詳しく書かれています!
方法3. 専門医として初めから長期ビザ
- IELTS7.5 or OET350以上取得
- 様々な書類提出
- 落ちた場合はProbation
既に専門医の方からすると、初めから長期ビザ申請が可能なら当然方法3を選ぶよ!と思われるかと思います。ですがこのプロセスが簡単そうで難しいため方法2からトライする医師が多いのが現状です。
NZMCが専門医として有能か判断しかねる、つまり様々な書類提出後に落第した場合はSenior Specialistの元トレーニングを受ける必要があります。つまり実質的には方法2と同じ道を辿るのです。
オーストラリアのAHPRAを経由
以下のステップでオーストラリアでの医師登録をする事でニュージーランドの長期ビザを申請する事も可能です:
- IELTS7.0 or OET350以上取得
- AMC パート1 (MCQという筆記試験)
- AMC パート2 (臨床試験)
- 1年間の研修 (上記試験と同時並行)
- General Registration登録
臨床留学の選択肢はニュージーランドよりも多いためこのルートを辿る方もいます。詳しくは以下の記事を参照にしてください。
ニュージーランドで医師になった場合の年収
最後にニュージーランドの医師の年収をまとめておきましょう。下記は週40時間を基本に紹介します。当然労働時間に沿って増えます。
- House Officer : NZD 62,347 – 67,493
- Senior House Officer : NZD 71,313 – 75,132
- Registrar: NZD 79,234 (1年目)
- Registrar: NZD 96,148 (5年目)
- Registrar: NZD 136, 196(10年目)
- Consultant: NZD 164,369 (1年目)
- Consultant: NZD 184,915 (5年目)
- Consultant: NZD 211,952 (10年目)
- 参照: ニュージーランド病院勤務医の給与
ニュージーランドの医師は上記3層に分かれています。直訳の言葉はありませんが、イメージとしてはHouse Officerが研修医、Registrarは専門科の研修医、Consultantは公立病院勤務といったところです。
年収は地域、病院、シフトによって変わりますが概ね上記の範囲です!
まとめ
まずは時間をかけて英語力を
- ポイント1: 研修医からスタートする方法と専門医として働く方法がある
- ポイント2: OETが実践で役だつためIELTSよりオススメ
- ポイント3: 年収は日本とさほど変わらないが労働時間は短め
以上がニュージーランドで医師として働く方法と年収まとめでした。
研修医として働くにも専門医として働くにしても英語の基準値を満たすことが最初のハードルになります。
IELTSやOETに詳しくない方は、およそ英検1級に余裕をもって合格するレベル感を想像してください。
NZREXであったり、最終的にはニュージーランドで臨床の現場に入る事を考慮すると個人的にはOETの対策をする方が役立つかと思います。
弊社は日本で唯一、IELTSとOETの対策が専門的にできるオンラインスクールです。
わざわざ海外の語学学校に英語学習をしに行かなくても、日本で働きながら必要な英語力を手にする事は可能です。
現状英語力が低い人から、既に一般英語力が高い人まで自信を持って海外でも働けるレベルまで押し上げる事が可能です。
将来海外で医師として働きたい、もしくはIELTS、OET対策を通して医療英語のスキルをつけておきたいという人は遠慮なくご相談ください。