こんにちは!SOLOのルークです。
普段は、看護師の方にIELTSを教えています。
この記事では、「カナダで看護師(RN)として働く方法と年収」を紹介します。
この記事が「カナダで看護師として働きたい方」や「海外移住を視野に入れている人」の役に立てれば幸いです!
それでは、詳しくみていきましょう。
目次:
カナダで正看護師になる方法
看護学士を持っている人
カナダで看護師になるためには、2つの方法があります。
日本の看護免許を書き換えるルートと、カナダで1から取り直すというものです。
この記事を読んでいる方のほとんどが、日本の看護免許の書き換えを考えていると思います。日本の大学で看護学士課程を終えた方は、以下のステップで免許の書き換えが可能です。
- ECAに必要書類提出
- 希望の州の看護協会へ必要書類送付
- 英語資格の提出
- 看護協会指定のテスト受験
– 知識アセスメント
– 実技アセスメント - NCLEX-RNの受験
- 看護師登録
最初のステップは、ECA(Educational Credential Assessment)への書類提出をします。
ECAには、NNAS, WES, CES, ICES, ICASなどの機関があります。
以前は、NNASしか選択肢がなく申請にとても時間がかかっていました。ですが、2023年9月現在はどれを利用しても構いません。この中では、WESが知名度と早い審査で有名です。
提出書類は以下です:
- 身分証明書(パスポート / 運転免許証)
- 成績・卒業証明書(学校からECAヘ直接)
ECAから指定レポートが届いたら、希望の州の看護協会へ申請を行います。
例えば、バンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州の看護協会は、British Columbia College of Nurse & Midwives(BCCNM)、トロントのあるオンタリオ州ならCollege of Nurses of Ontario(CNO)です。
看護協会には、看護師登録証明と雇用証明を送ります。
日本での就労経験は必要ですが、明確な就労時間については明記されていません。これは私の憶測ですが、2,925時間が1つの基準になるのではないかと想像しています。というのも、カナダで看護師の免許更新をする際に、過去5年における2,925時間の就労経験が求められるためです。
また、臨床から離れていた年数に応じて、ご希望の州の看護協会が用意をする実習を規定時間受ける必要があります。
次に、指定の英語資格(IELTS or CELBAN)の基準値を満たす必要があります。
ちなみに、2022年10月までは、英語資格を満たしてからの、「Step1. ECAや看護協会へ申請」という流れでした。
しかし、現在は、先にECAや看護協会へ申請書類を提出してから、後から英語資格を提出することが可能になりました。
注意点としては、指定期間内に英語基準を満たせない場合、審査に追加の延長料金がかかるためご注意ください。
申請が終わったら、各看護協会が提供する試験を受けます。試験は、知識アセスメントと実技アセスメントの2段階に分かれています。
例えば、ブリティッシュコロンビア州ではCBA(知識)とSLA(実技)、オンタリオ州では多肢選択テスト(知識)、OSCE(実技)で構成されています。
その上で、最後にNCLEX-RNと呼ばれる、看護の知識を問うテストを受験します。カナダ国内外問わず、ピアソンVUEテストセンターにて受験可能です。
NCLEX-RNは3000問ある問題からランダムに出題されます。公式発表ではありませんが、72%以上の正答で合格と言われています。
NCLEX-RNに合格し、最後に看護協会にて看護師登録を完了させます。そうすると、正規看護師として雇用主を見つけカナダで働くことができます。
こちらのブログ記事に、BC州で看護登録をされている方の、とても詳しい体験記が載っています。是非参考にしてみてください。
専門卒の場合
日本で3年制の看護専門学校を出ている場合は、州によってルートが異なります。
BC州では、専門卒でも正看護師になれるルートがあります。具体的には、出願の英語基準を満たし、特定のカレッジに通うことで登録に繋げられます。
一方で、オンタリオ州は「学士」が必要です。この場合は、日本の通信大学等で、学士を取得することが最も一般的です。
もしくは、カナダのカレッジまたは大学の看護コースから目指すこともできます。
例えば、ヨーク大学のような4年制大学が提供しているものと、ジョージブラウンカレッジのような2年制のカレッジが提供している場合があります。
違いは、卒業後の看護協会指定テストの受験有無です。4年制大学のコースは、卒業後にNCLEXに合格する事のみで、看護師登録が可能です。ただし、入学のための英語基準は厳しめです。
一方の、カレッジのブリッジングコースの場合は、卒業後に上記で紹介した看護協会指定のテストを受験する必要があります。ただし、入学のための英語基準が緩くなっています。
入学要件のハードルを下げるため、カレッジを選択したい。かつ、看護協会指定テストも受験したくない場合は、カレッジ卒業後に、大学に編入をするという選択もあります。
その場合は、四年制大学卒となるので、NCLEXの受験のみです。ただし、カレッジと大学の双方に通う必要があるため、学費は大きくかかります。
必要な英語資格
必要な英語資格について、詳しく確認をしましょう。
以下が、看護協会に認定されている提出可能な英語資格です。
- IELTS:R6.5, L7.0, S7.0, W6.5, OA7.0
- CELBAN:S8, L9, R8, W7
IELTSとCELBANの、いずれかの選択が可能です。
IELTSは、海外進学や移住で使用されるケースが多く、アカデミック領域に特化した試験です。IELTSのメリットは、情報と教材、そしてサービスが豊富にあることです。IELTSの勉強をすると、カナダでの日常生活で役立ちます。
CELBANは、医療現場で使用される英語に特化したテストです。看護実践に関連する言語とコミュニケーションのスキルを評価します。看護士の方は、背景知識で情報を補完できるメリットもあります。
2023年8月1日から、最大2回の試験結果の組み合わせでスコア提出ができるようになりました。
例えば、1回目のスコアが(R6.0, L7.5, S7.0, W6.5)OA7.0と、リーディングだけ足りなかったとしましょう。
2回目受験のスコアが(R6.5, L7.0, S6.5, W7.0)OA7.0と、リーディングできちんと指定のスコアが取れ、スピーキングセクションが0.5の幅で指定スコアに足りない場合などでも認められます。
これは、一般的に思われるよりも、とても大きな変化です。それほどに、1回のテストで必要スコアを全て取るのは難しいからです。
どちらの試験も、レベル感は英検一級程度です。IELSTは日常で役立ち、CELBANは臨床現場で役立つと覚えておくとよいでしょう!
英語資格が必要ない州
余談ですが、カナダには英語の資格スコアを提出しなくても良い州があります。
アルバータ、マニトバ、サスカチュワンの3つの州です。言い方は悪いですが、田舎ということで、人材を集めるのが大変なことが理由とされています。
これらの州で、英語資格の提出が必要なくなったのは2023年です。制度の変更から1年経った現在では、特にアルバータ州などでは、多くの外国人看護師が集まってきているようです。
IELTS VS CELBAN
では、IELTSとCELBANのどちらで学習をすれば良いのでしょうか。
結論としては、自分と相性が良いテストを選ぶと良いと思います。最後まで頑張れそうな方、と言い換えても良いかもしれません。
簡単に合格できるテストではないので、どこかで挫折をしそうになります。そこで、諦めずに継続して学習できるかが鍵になります。
それを大前提とした上で、個人的には、IELTSとOETという医療英語試験で実力をつけた上で、最終的にCELBANで合格を目指すのがオススメです。
- 参照:OETとは
CELBANは専門性の高い英語試験ですので、基礎英語力がない状態での対策は難しいです。また、CELBANは情報や教材がほとんどないため、実際に独学は困難です。
そこで、まずはIELTS6.0程度(英検凖1級-1級相当)の基礎英語力をつけることを目指します。その上で、CELBANと同じ医療英語試験OETで、B Gradeを目指します。
OETはCELBANと比べると情報が豊富にありますし、テストのレベル感も似ています。OET B Gradeに到達する頃には、CELBANで合格できる確率が高いです。
なぜ、IELTSをそのまま最後まで勉強しない方が良いのでしょうか?
それは、スピーキングで同時に7.0を出すのが至難だからです。私はIELTSを教えていますが、人によっては何年もかかるのを見てきました。
一方のCELBANの最難関パートは、リスニングです。そこで、OETが役立ちます。OETもリスニングが難しいテストなのです。
長期的にカナダでのキャリア構築を考えても、そのまま現場で役立つCELBANを最終的に受験されるのが良いかと思います!
英語基準が満たせない場合
英語が苦手な方は、ブリッジングコースを活用することも可能です。
ブリッジングコースとは、 海外ナースのための、免許書き換えを目的とした特別プログラムといった感じでしょうか。
ブリッジングコースのメリットは、入学前の英語のハードルが比較的低いこと、看護協会指定のテストを受験する必要がないことです。
プログラムは1-2年になりますが、受講期間中にNNAS指定の英語資格を満たし、NCLEX-RN対策を同時並行で進めることが可能です。
オンタリオ州で最も有名なのは、コネストガカレッジの「Enhanced Practice for Internationally Educated Nurses」です。入学条件はIELTS6.5 or TOEFL88ですが、付属の英語コースから入る場合は、IELTS5.5から進学可能です。
もう一校は、ファンショーカレッジの『Bridging for Internationally Educated Nurses』です。入学要件がIELTS7.0、TOEFL92と厳しいですが、こちらも付属英語学校のESL4/GAP5 Level 10にて、80%以上の成績を納めることで英語資格試験は免除されます。これは、入学前にIELTSなどを受験する必要がない事を意味します。
次に、BC州です。バンクーバーのランガラカレッジの『Nursing Practice in Canada』コース。こちらの入学要件は、IELTS6.5またはTOEFL88(英検一級程度)です。
また、BC州には看護に特化したOMNIカレッジなどは、IELTS6.0(英検準一級-一級の間程度)から入学可能で、特に日本で専門学校しか卒業をしていない方に人気です。
オムニカレッジの注意点としては、卒業ピザが出ないことです。卒業ビザを活用した就職活動や、看護登録ができなくなっています。
その点を考慮すると、BC州を希望される方はランガラカレッジを目指されるのが良いかもしれません。
日本での大学の選択について
カナダで看護師資格取得する際に、日本でどこの大学を卒業したか、は重要ポイントか?
といったような質問をいただきます。結論から言うと、全く関係ありません。カナダ側は、日本のどの大学が良いか等は把握をしていません。
極端な話ですが、入学の難易度が低い大学で高い成績を収める方が、入学の難易度が高い大学で低い成績を収めるよりも、良い印象を与えることができます。
またカナダ特有で、オンラインでの看護学士でもエントリーをすることができます。その他の主要英語圏では、オンラインでの学士は認められていません。
例えば、専門学校しか出ていない方などは、武蔵野大学の通信看護コースを終了することで、晴れて学士課程を持って、カナダにアプライをするといった例も何度か目撃しています。
カナダの看護師の年収
最後に、カナダの看護師の年収を確認しましょう。
カナダの正看護師の2023年平均年収は$72,935です。2023年9月のレートで、日本円でおよそ795万円です。
これは、月給$6,078(約66万円)、時給$37,5(4,100円)となります。
ただし、経験と勤務する州や都市によって大きく変わるので注意をしてください。
最後に
今回の記事のポイントを以下にまとめておきます:
- 最初の準備は英語資格
- IELTSで基礎固めがオススメ
- 年収はおよそ795万円
以上が、カナダで看護師として働く方法と年収についてでした。
ざっくりとまとめると、英語の基準を満たし免許を書き換えるパターンと、カレッジに2年程度通うパターンがあるということです。
この記事を読んでいる皆様のほとんどが看護師という専門性の高い職についている方達です。
看護師の方は「英語さえできれば」海外でも働ける確率が飛躍的に上がります。
一方で、その英語の基準が高く多くの人が挫折しているのも事実です。 実際に語学学校に長期的に通っても、英語の基準が満たせずに諦めている人たちを私は目の当たりにしてきました。
日本で働きながら、英語基準を満たす事ができると費用を貯めることができます。何より、看護師登録までの確率を大きく上げる事ができます。
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