こんにちは、SOLOのルークです!
IELTSを専門的に教えています。
この記事では「IELTS7.0のレベルと勉強法」を紹介します。
「IELTS7.0を目標として勉強をしている方」や「海外進学を考えている方」の参考になれば幸いです。
IELTS7.0は、MITやスタンフォード大学などの海外一流大学や、ビジネススクールなどで求められる水準です。7.0を取得することで、世界の99%の大学に出願が可能です!
目次:
IELTS7.0のレベル感
結論ですが、IELTS7.0の難易度は、英検一級に”ある程度の”余裕をもって合格する程です。
初心者の方ですと、IELTS7.0までは2-3年ほど、現状で既に6.5に到達されている人でも、3-7ヶ月程かかることが多いです。
レベル感を、他の英語試験と比較して確認してみましょう:
IELTS | TOEFL iBT | TOEIC | 英検 |
9.0 | 116 – | N/A | N/A |
8.0 – 8.5 | 106 – 115 | N/A | N/A |
7.0 – 7.5 | 95 – 105 | 945 – 990 | 1級+ |
6.0 – 6.5 | 72 – 94 | 805 – 940 | 準1級 – 1級 |
5.0 – 5.5 | 55 – 71 | 605 – 800 | 2級 – 準1級 |
4.0 – 4.5 | 42 – 54 | 410 – 600 | 2級 |
以下が、よりIELTS7.0のイメージに近いスコア換算です。これまで、SOLOを受講いただいた方のデータを参照にしています :
- TOEFL iBT:94-100点
- TOEIC(L&R):950点前後
- 英検:1級(ある程度の余裕あり)
各英語のテストにはそれぞれの特徴があり、学習者の得意、不得意によってスコア換算は大きく変わります。例えば、リスニングが得意な人は、TOEFLの方がスコアが出やすかったり、発音よく流暢に対面で話すことができる人はIELTSの方が有利になることが多いです。
また、一概にIELTS7.0といっても、6.75の繰り上げで7.0になった人と、7.125の切り下げで7.0になった人の間には大きな英語力の差があります!
必要な学習時間
次に、IELTS7.0取得に必要な学習時間を確認してみましょう。
CEFR / IELTS | CEFRの定義 | 必要学習時間 |
C2 / 8.5-9.0 | 熟練した言語使用者 | 1,000 – 1,200 |
C1 / 7.0-8.0 | – | 700 – 800 |
B2 / 5.5-6.5 | 自立した言語使用者 | 500 – 600 |
B1 / 4.0-5.0 | – | 350 – 400 |
A2 | 基礎段階の言語使用者 | 180 – 200 |
A1 | – | 90 – 100 |
上記のケンブリッジが出している表によると、IELTS7.0まではおよそ600時間で到達することが可能です。ここで、注意したいのは、闇雲に600時間勉強をして7.0に到達するという意味ではないということです。
この表だけを見ると、1日3時間の勉強を200日続けるとIELTS7.0に到達できる計算ですが、日本語のように英語から遠い言語である人にとっては2-3年かかることが普通です!
7.0が必要なケース
IELTS7.0が求められるケースは、基本的に以下のようなケースです:
- ケース1:海外の一流大学(学部・修士)
- ケース2:海外の医学部、教育学部、法学部
- ケース3:欧州トップMBA、米国の一般的なMBA
- ケース4:ビザ申請で有利に(豪、加)
IELTSは、その試験としての目的が海外進学もしくは移住です。
IELTS7.0を取得すると、アメリカの一流大学を含めて99%以上の進学基準を満たせます。欧州の大学でも、イギリスのオックスフォードとケンブリッジ大学を除いて、基本的に全て出願できます。
一方で、一流大学かどうかにかかわらず、「医学部、教育学部、法学部」などや、ビジネススクールもIELTS7.0が最低要件になっていることが多いです。
IELTS7.0の勉強法
各セクションの勉強法を見て行く前に、日本人がIELTS7.0を目指すに当たって、とるスコアの戦略を確認しましょう。まずは、一般的な戦略です:
- リーディング:7.0
- リスニング:7.0
- ライティング:6.5
- スピーキング:6.5
この戦略は、4つのセクションの平均で6.75を目指し、繰り上げのOA7.0を目指すという戦略です。大学側から各セクションの制約が設けられている場合、このスコア配分で目指すことが一般的です。
次に、リーディングとライティングで勝負する戦略です :
- リーディング:8.0
- リスニング:6.5
- ライティング:6.5
- スピーキング:6.0
日本で英語教育を受けてきた人の中には、音声を中心としたリスニングとスピーキングに苦手意識を持ってる人が多いです。
そういった方は、リーディングとライティングを伸ばし切ることでOA7.0を目指すのも一つの作戦です。ただし、事前に大学の出願要件からセクション別の制約がついているか確認しておきましょう!
前提としての英検準一級
IELTS7.0を目指すに当たっては、 英検準一級で9割以上の正答率があることが望ましいです。
IELTSの問題自体も、英検一級のそれよりも若干難しいので、英検準一級の問題で9割ほど正当できない人は、いきなりIELTSの学習をしても苦労をします。
もし英検準1級程度の英語に抜けがある場合は、一旦IELTSは置いておいて、自分のレベルにあった英検を活用して基礎の抜けを潰す所に立ち返ることをオススメします。
稀に、英検一級まで頑張ってからIELTSに移ろうとする方がいます。ですが、英検一級とIELTSは単語がさほど被っていないので、個人的には英検準一級まで進んだ方はIELTSに移行すると良いと思います!
リーディング
リーディングで7.0を獲得するためには、40問中30~32問の正解が必要になります。10問程度間違っても、到達することができるので細部まで「ある程度」きちんと読む精読訓練をする必要があります。
以下の手順で、学習することが効果的です。
- 手順1:時間をはかって問題を解く
- 手順2 : 単語を全て調べる
- 手順3 : 構文が完璧にとる
- 手順4 : なぜ間違ったのかを完全に把握する
- 手順5:音読
- 手順6:時間を置いて再度解く
必ず制限時間を設けて解くことを意識してください。実力がある人でも、IELTSリーディングは時間との戦いです。練習から時間配分をきちんと行うことが大切です。
7.0点を目指すにあたっては、様々な参考書に手を出すのではなく、IELTSの公式模試を中心に上記の手順で復習をしていくようにしましょう。公式模試をきちんと理解できるようになれば、7.0点までは到達可能です。
また、意識として、問題を解いた後の復習に10倍の時間をかけるつもりでいてください。自分に厳しく、復習の基準を上げて、1つ1つの問いの理解を深めることがポイントになります。
リスニング
IELTSのリスニングは、聞き取った音源をどんどん書き取らされる形式、つまりディクテーション問題が多いです。従って、音声をきちんと聞き取り、正しいスペルで書き取れることが大切です。
以下の順で学習する必要があります :
- 手順1:問題を解答する
- 手順2:トランスクリプトを精読
- 手順3:トランスクリプトを見ながら音源を聴く
- 手順4:1文ずつシャドーイング
- 手順5:パラグラフをシャドーイング
英語のリスニングは、単語の意味がわかることと、自分で音声を再現できれば、必ず聴き取れるようになります。
ですので、復習の過程でまずはトランスクリプトを見て文章が全て理解できるかを確認します。その上で、音源の真似を自分でしていきます。
具体的なトレーニングとしては、「シャドーイング」を行っていきます。イメージを掴むために、以下がシャドーイングのサンプルになります。
適当にシャドーイングをするのではなく、一文ずつクオリティにこだわって行うことがポイントです。初めは一文ずつ丁寧に行いましょう。音源の真似のクオリティを追求することがスコアアップにつながります!
スピーキング
まずは、スピーキング7.0の評価基準を確認しましょう。評価基準に基づいて、練習をしていくことがポイントになります。
FC (流暢か) | ・明らかな努力なしに一貫性を失うことなく長い文章を話せる ・口ごもりが時々見られ、繰り返し・言い直しがある ・さまざまな接続語や談話標識をある程度の柔軟性を持って使用できる |
LR (語彙) | ・さまざまなトピックを議論するための柔軟な語彙を示せる ・レベルの高い語彙を巧みに使っている ・使い方やコロケーションにも多少意識している ・効果的に言い換えをしている |
GR (文法) | ・様々な複文をある程度の柔軟性で使用している ・間違いのない文章が多いが、いくつかの文法の間違いも残る |
PR (発音) | ・Band 6のポジティブな特徴を全て示しており、Band 8のポジティブな特徴も一部示せている (以下バンド8) ・幅広い発音の特徴を使用している ・時に間違いはあるが発音の特徴を柔軟に終始再現 ・終始、容易に理解できる ・第一言語のアクセントが理解に与える影響は最小限 |
大切なポイントを要約すると、「どんな問いに対しても、ストレスとイントネーションを維持しながら復文で回答できる」ことです。スピーキングは、以下の順で学習をすると良いでしょう :
- 手順1: 問いを準備
- 手順2:テイクワンを録音
- 手順3:モデルアンサーから表現を盗む
- 手順4:再度ぶつぶつ練習する
- 手順5:再度録音
スピーキングで7.0を狙うにあたっては、語彙や文法もですが、特に「音声」が鍵を握ります。スコアが6.0-6.5点で伸び悩んでいる方は、FCとPRに影響を与える音声面が原因があることが多いです。
具体的には、1文を話す時に、強調(ストレス)するところをきちんと力強く話せていること。また、音の上げ下げ(イントネーション)がきちんとつけられていることがポイントになります。
可能な時で構いませんが、回答はできれば録音してください。自分の録音を聞きながら、ストレスとイントネーションに特に注意をして音声面の改善をはかりましょう。
また、モデルアンサーをみて、盗めそうな表現があったらどんどん盗んでみましょう。時には、モデルアンサーのような満点の回答のみならず、ユーチューブで自分が目指している7.0点がどんなものなのかを参照にするのも効果的です。
ライティング
ライティングも7.0点の評価基準がどうなっているか確認するところから始めましょう。
TA (回答) | タスク1 ・問題の要求をカバーしている ・主なトレンド・違い・段階の全体像を明示している ・主要な特徴/箇条書きの質問について説明しているがやや説明不足な部分も残る タスク2 ・問題の全ての部分について言及している ・終始、明確なポジションが示されている ・メインアイデアを示し展開・サポートしているが、一般化しすぎる傾向にありサポートの論点がずれていることもある |
CC (一貫性) | ・情報やアイデアを論理的に展開できており、全体としての進行が明らかである ・様々なつなぎ言葉が適切に使われいるが、その使用において多寡が見られる |
LR (語彙) | ・十分な範囲の語彙を使用することである程度の柔軟さと正確さを示すことができている ・レベルの高い語彙を巧みに使っており、使い方やコロケーションにも多少意識した使い方をしている ・語彙の選択、スペルやワードフォーメーションに時折間違いが見られる |
GR (文法) | ・様々な重文・複文を使用している ・間違いのない文章が多い ・文法・句読点のコントロールがよいが間違いも散見される |
ライティングで7.0点取得には、英語力そのものもそうですが、文章の展開力をつけることが大切です。展開力とは、アイデアに対する具体例が充実していることを指します。
つまり、試験官があなたの答案を読んだ時に、「立ち止まることなく、納得感をもってスラスラと上から下まで読める」ような答案だということです。
勉強のステップは、以下になります。
- 手順1:ライティングの型を覚える
- 手順2:頻繁に使用する英語表現を覚える
- 手順3:段落構成を覚える
- 手順4:実際にライティングする
- 手順5:フィードバックをもらう
- 手順6:再度ライティングする
問いに応えようとしているものの、スコアが5.5-6.0で頭打ちになっている場合は、書いている英語の文章のクオリティそのものに問題がある場合が多いです。
そういった場合は、自分のレベルにあった文法書に立ち返ったり、一文の中に含まれるエラーの数を少なくしていくことにフォーカスをして練習をしていくと良いでしょう。
一方で、現状のスコアが6.5の人は、プロの講師からフィードバックをもらうことをオススメします。ライティングで7.0点を取るにあたっては展開力をつける必要があると上で述べました。上手に展開できているかどうかというのは、自分で確認することは非常に難しいです。
最後に
今回の記事のポイントを以下にまとめておきます:
- IELTS7.0は英検1級に合格するレベル
- 海外の一流大学やMBA進学に必要なスコア
- 各セクション対策が必要
IELTS7.0を目指すにあたっては、スコア配分に関わらず、まずはリーディングとリスニングの基礎力が必要です。リーディングとリスニングよりも、スピーキングとライティングのスコアが高くなることは通常ほとんどありません。
単語や文法などの基礎に抜けがある人は、まずは自分の弱みを潰すことに集中しましょう。基礎に抜けがある状態で無理にIELTSの学習をしても必ずどこかで伸び悩みます。
IELTS7.0は、人によっては数年かかる道のりになると思います。それでも必ず到達できるそうですので、諦めずに学習を継続していきましょう。応援しています!
最後にIELTS対策や海外進学などでお悩みのことがあればお気軽にご連絡ください!