こんにちは!
今回の記事では「IELTSリスニングのスコア別の対策法」を紹介します。
「IELTSのリスニングが難しくて伸び悩んでいる方」や「初めてIELTSを受けてみてどうすればいいか分からない方」の役に立てれば幸いです。
IELTSのリスニングは、現状のスコアによって対策を変えることが、効率よいスコアアップに有効です。結論は、以下のように「5.0以下、5.5 – 6.5、7.0以上」で対策を変えると良いです :
- 5.0以下: 英検のリスニングを活用する
- 5.5 – 6.5 : IELTSの音源を中心に勉強する
- 7.0以上: IELTS以外の音源を取り入れる
リスニング対策は、他のセクションと比べてもスコアアップに時間がかかります。リスニングに苦手意識がある人は3ヶ月 – 半年の余裕を持って学習プランを立てると良いですね!
それではさっそく詳しくみていきましょう。
目次:
IELTSリスニング対策 基礎編
リスニングの概要
まずはIELTSリスニングの試験概要について確認しておきましょう。以下が、概要になります :
- パート数:4つ
- 合計問題数 : 40問
- 試験時間:音源約30分+( 10分 )
IELTSのリスニングは、4つのパートから構成されています。各パート10の問い、計40の問いに答える形式です。ペーパーテストの場合に限り、音源が終わった後に、回答を紙に書き出す時間が10分間あります。
パソコンで受験される方は、受験最中に、パソコンの右端にメモが取れるようになっています。また、 パソコン受験では、ペーパーテストのように問題の先読みをする事ができないため、少し不利に感じるかもしれません。
各パートの概要
IELTS リスニングの各パートの概要は以下になります :
- パート1: 日常会話
- パート2: 日常、社会で遭遇する場面
- パート3: 教育現場
- パート4: 講義
パート1は、ホテルや車の予約をしている場面など、日常会話のトピックです。問題形式は穴埋め、フォームや文章を完成させるタイプで、話者は2人です。パート2は、店やテレビについてなど、様々な日常や社会で遭遇する話題についてで、話者は1人です。
パート3は、授業で提出する課題・論文・講義についてなど、様々な教育現場でのトピックで、話者の数は2 – 4人です。パート4は、大学での講義を聴いて問に答える形式です。主に講義をする人は、教授や外部から招かれた人で、話者は1人です。
正答数とスコアの関係
次に、IELTSリスニングの正答数と実際のスコアの関係を確認しましょう。自分の目標としているスコアに必要な正答数を以下で確認してみて下さい :
正答数 | バンドスコア |
39 – 40 | 9 |
37 – 38 | 8.5 |
35 – 36 | 8 |
32 – 34 | 7.5 |
30 – 31 | 7 |
26 – 29 | 6.5 |
23 – 25 | 6 |
18 – 22 | 5.5 |
16 – 17 | 5 |
13 – 15 | 4.5 |
10 – 12 | 4 |
日本人のリスニングのおおよその平均点である6.0を取得するためには、40問中23 – 25問正答する必要があります。海外の難関大に進学するための、おおよその基準である7.0を取得するためには、約30問の正解が目標になります。
目業までの戦略を正しく立てるためには、まず現状の実力をしることが大切です。下記に、IELTSの公式問題を共有しているので是非チャレンジしてみて下さい。その後、上記の換算表を使用してスコアを算出してみて下さい。
スコアアップのポイント
IELTSリスニングのスコアアップのポイントは以下3つです :
- ポイント1:全体像を理解する
- ポイント2:細部を理解できる
- ポイント3:IELTS以外から学ぶ
スコアアップのポイント1から3へと順に学習していくことをオススメします。IELTSリスニングは全体と細部の双方から聴いていく必要があります。問いは、非常に詳細まで聴いてくる特徴があります。
まず、リスニングの音源が何のトピックについて話しているのかという「全体を把握する必要」があります。その上で、全体の中で何にいついて話をしているのかという「細部へと意識」をうつしていきます。
まずは、音源の全体と細部の双方が理解できるようにしていきます。その上で、IELTS以外の教材を使用して勉強していくと様々な知識が付き高スコアが狙えるようになります!
IELTSリスニング対策 スコア別
IELTSのリスニング対策は、現状のスコアによって適切な学習方法があります。
具体的には、IELTSリスニング対策は「5.0以下、5.5 – 6.5、7.0以上」と3つのスコアで区切ります。以下が対策のまとめです:
- 5.0以下: 英検のリスニングを活用
- 5.5 – 6.5 : IELTSの音源を中心に勉強
- 7.0以上: IELTS以外の教材を使用
それでは、スコア別の対策方法を詳しく見ていきましょう :
スコア5.0以下の対策法
まずは、IELTSのリスニングスコアが「5.0以下」の場合、英検の教材を使用した以下の対策が効果的です:
- 対策1:要約トレーニング
- 対策2:精読とオーバーラッピング
スコアが5.0以下というのは、40問中16問以下の正答数です。これは、全体も細部もほとんど理解できていないレベル感です。いきなり、IELTSのリスニングの長い音源を聞いても、ほとんど理解できず挫折をしてしまう可能性が高いです。
一旦、英検のリスニングに立ち返ることをオススメします。目標としては、英検準1級のリスニングで8割の正答を目指すと良いです。英検のリスニングで、基礎力をつけた後に、IELTSにうつると勉強がはかどります。
まず、リスニングの音源を聴いて回答した後に、どのようなトピックについて話していたか、口頭1分程度でぶつぶつと要約をしてみましょう。要約ができる問題は、きちんと理解できた問題と考えることができます。口頭での要約が難しい人は、時間をかけて書き出しても構いません。
その後、トランスクリプトの精読をします。1文ずつきちんと読んで理解できるかを確認します。当然ですが、時間をかけて読んで理解できない文章は、聴いても理解できません。
最後に、同じ音源を使ってオーバーラッピングを毎日1時間は繰り返します。オーバーラッピングとは、トランスクリプトをみながら聴こえる音声を真似して発音する勉強法です。トランスクリプトを見ることで、シャドーイングよりも難易度が下がります。
意味が理解できた状態で音声を真似することで、英語話者が理解するのと同じように英語の意味を理解することに慣れていきます。自分にとってほんの少しだけ負荷がある音源を使うのがポイントです!
トランスクリプトを精読するときの注意点
トランスクリプトを精読する時に、注意して欲しい点が以下の2つです:
- 注意点1:センテンスの頭から順番に訳す
- 注意点2:綺麗な日本語に訳さない
まず、精読するときは、センテンスの最初から順番に訳すようにしましょう。これは聴こえてくる順番と同じ流れで、英語を理解することに慣れることが目的です。日本語の語順で考えてしまうと、IELTSのような一文が長い音源に対応できなくなります。
また、精読は綺麗な日本語の文章を作らないようにしてください。綺麗な日本語に訳そうとすると、どうしても後ろから英語を訳す必要があります。後ろから英語を理解する癖がついてしまうと、リスニングの意味理解がうまく機能しません。
リーディングのように考える時間がないリスニングにおいては、言語を変換するのではなく、英語をそのままの形で受け入れるようにすることが重要です!
スコア5.5 – 6.5の対策法
次に、IELTSのリスニングスコア「5.5 – 6.5」の人に効果的な対策方法をみていきましょう:
- 対策1:要約トレーニング
- 対策2:シャドーイング
IELTSリスニングが5.5点に到達した人は、英検のリスニングを卒業して、IELTSの音源を使用して要約トレーニングをしていきます。英検の時と同様に、回答後にすぐに音源の要約をします。
要約の後は、精読→オーバーラッピングと練習します。ただし、オーバーラッピングに慣れてきたら、次はシャドーイングのトレーニングを取り入れます。シャドーイングとは、オーバーラッピングのトランスクリプトをみないバージョンだと思ってください。
最初は難しいと思うので、1文ずつ区切って練習していきましょう。具体的には、音源を1文流して止める。シャドーイングにチャレンジする。できた場合のみ、次の1文に移動する、といった流れで行います。
シャドーイングをしてもスコアが伸びない人は、発音が悪い可能性が高いです。シャドーイングは、真似をすることですので、あくまで正しい発音ができていることが前提条件として必要です!
スコア7.0以上の対策法
最後に、IELTSリスニングスコア「7.0」以上の人が、さらに高みを目指すために効果的な対策方法をみていきましょう:
- 対策1:多聴トレーニング
- 対策2:要約+シャドーイング
先ほどまでの学習に加えて、インプット量を増やすことが効果的です。現状で既に7.0が取得ができている人は、インプット量を圧倒的に増やして、足りない語彙や英語特有の会話の流れを身体で覚えていきます。
また、聴き取れる幅を増やすために、普段聴かない訛りのある英語を聴いてみるのも効果的です。聴き取りにくい英語を意図的に聴くことで、リスニング力のみならず推測力や要点の理解力も伸ばすことが可能です。 例えば、以下のようなユーチューブは、トピックがIELTSと近く効果的です :
以下の記事に、 IELTSのリスニング対策として有効な無料動画教材をまとめています。必要な人は参考にしてみてください :
上記で紹介した、「要約やシャドーイング」は続けてください。より良い精度で要約や真似ができるようになれば、全体を把握しながら一語一句が聴き取れるようになります。
理想としては、平日はIELTS以外のリスニングから様々な知識を取り入れて、休日は、IELTSのリスニングの学習をするとスコアアップにつながります!
まとめ
現状に合わせて最適なIELTSリスニング対策を
今回の記事のポイントを以下にまとめておきます:
- ポイント1:基礎力がない人は、英検2級から勉強を始めるのがオススメ
- ポイント2:目標スコアから逆算した適切な対策を考える
- ポイント3:全体と細部の理解が高得点の鍵を握る
多くの人が、他の英語試験と比べてIELTSのリスニングを難しいと感じています。理由は、音源の再生時間が長い、内容の専門性が高い、使用される語彙やフレーズの難易度が高いためです。
IELTSに限らずリスニングは、音声を認識できる(音声知覚)ことと、認識した音声を理解できる(意味理解)ことの双方ができて初めて聴き取れるようになります。
つまり、発音の精度高く音源の真似ができること、語彙力や英語の表現のインプット量が増えることの2点がそろって初めてリスニング能力が向上するという訳です。
前提として、IELTSリスニングは、スコアアップまで数ヶ月単位で時間がかかります。根気強く毎日続けていくことが大切です。頑張りましょう!
最後にIELTS対策などでお困りのことがありましたら、いつでもご連絡ください。