こんにちは、SOLOのルークです!
オンラインでOETやIELTSを教えています。
今回の記事では「OET B (350-440点) と IELTS7.0はどちらが取得しやすいのか」について紹介します。
OETとIELTSは、医療関係者が海外就職したり、日本で取得した免許を海外で書き換える際に必要になります。
いずれかの選択肢がある場合、「OET B(350-440点)」と「IELTS7.0」はどちらの方が取得しやすいのか、と悩む方が多いと思います。
結論ですが、一般的には「OET 350点」の方が「IELTS 7.0」よりも若干取得しやすいです。日本の受験生が苦手とするスピーキングとライティングのハードルがOETの方が低いためです!
記事の内容は、下記の動画でも参照していただけます。
目次:
OETとIELTSの試験情報
OETの概要
OETとは日本語では「医療英語」や「職業英語テスト」という名称で呼ばれています。以下がテストの概要です:
名称 | Occupational English Test |
試験内容 | 医療分野におけるコミュニケーションや医療トピック |
試験時間 | リスニング:40分 リーディング:60分 スピーキング:20分 ライティング:45分 |
スコア | 各セクション500点満点 |
合格スコア | 各セクション350点以上(B Grade以上) |
受験料 | 587AUD(約54,500円 ※1AUDを93円とした場合) |
公式ウェブサイト | https://www.occupationalenglishtest.org/ |
開催都市 | 東京と大阪 |
開催頻度 | 月に2回 |
OETは、医療現場で起こるコミュニケーションや、医療に関連するトピックが中心のテストです。
英語が母語ではない人に向けて、「実際に海外で働くことができる英語力があるか」を測定するテストがOETです。
OETは、海外や日本で取得した医療免許を海外で書き換えする際に、同時に英語力の証明として提出を求められるテストです!
OETが対応している職種
OETでは、対応する職種が決まっています。以下が職種一覧です:
- 医師:Medicine
- 看護師:Nursing
- 歯科医:Dentistry
- 栄養士:Dietetics
- 薬剤師:Pharmacy
- 検眼士:Optometry
- 作業療法士:Occupational Therapy
- 獣医師:Veterinary Science
- 足治療医:Podiatry
- 理学療法士:Physiotherapy
- 療言語聴覚士:Speech Pathology
- 放射線技師:Radiography
OETを使える国
以下が、移住としてOETを活用できる国一覧です:
- オーストラリア
- ドバイ
- アイルランド
- ナミビア(南アフリカの国)
- ニュージーランド
- イギリス
- ウクライナ
- アメリカ
- カナダ
弊社に来る生徒様のほとんどが、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスを目指してOETの学習をされています。
アメリカとカナダでは現在一部の州や条件下において使用が可能です。OETのテストに関する詳しい説明は以下を参照にしてください。
- 参照: OETとは? 試験内容
IELTSの概要
IELTSは、海外移住する際や、海外大学の入学要件の1つとして必要な英語試験です。概要を確認してみましょう:
名称 | The International English Language Testing System |
試験内容 | 総合的な英語運用能力を測定する |
試験時間 | リスニング:40分 リーディング:60分 スピーキング:12-14分 ライティング:60分 |
スコア | 各セクション0 – 9.0点満点 |
受験料 | 25,380円 |
公式ウェブサイト | https://www.eiken.or.jp/ielts/ |
開催都市 | 東京・大阪・横浜・札幌・仙台・埼玉・長野・金沢・静岡・神戸・京都・名古屋・広島・岡山・福岡・熊本 |
開催頻度 | 毎週 |
IELTSの運営は、ロンドンを拠点にしているイギリスの公的機関British Councilです。日本では、英検と共同運営をしています。
IELTSには、海外進学用の「アカデミック・モジュール」と、海外移住用の「ジェネラル・モジュール」があります。資格対策と提出できる機関が違うので、受験する時は注意しましょう。
また、海外で働くための要件としてもIELTSのスコアが認定されています。海外で働く場合はバンドスコア「7.0」以上が基準になります。
IELTSは、英語を運用するシチュエーションに関係なく、総合的な英語力を判断するテストです。
スコア換算表
それでは、OETとIELTSのスコア換算表を確認しましょう。
OETは0-500点のA-Eの6段階で、IELTSは0-9点満点の0.5刻みで評価される英語テストになります。
ほとんどの方が目指しているOET 350-440点 (B Grade)は、IELTS7.0-7.5と同等の評価であることが分かります。
実際に海外での免許の書き換えにおいても、このどちらかのスコアが求められることがほとんどです!
難易度比較
冒頭で、全体の比較としては、OET 350点(B Grade)の方がIELTS 7.0よりも取得しやすいとお伝えしました。
ただし、例外として、リスニングが極度に苦手な人に限っては、IELTS 7.0の方が早く取得できることもあります。OETは、リスニングの難易度が高いためです。
以下で、詳しく比較をしていきましょう :
リーディングの比較
リーディングは、IELTS7.0の方が若干難しいと言えます。以下が、IELTSの方が難しい理由です。
- 理由1. 読解量が多く制限時間が厳しい
- 理由2. 設問の種類が多い
- 理由3. パッセージの難易度が高い
IELTSの方が、時間との戦いにおいて厳しいです。900語程度の長文を3つ読み、40問解くという時間制限、 また、問の種類が14つあることを考えると、IELTSの方が難しいといえそうです。
弊社の生徒を見ていると、IELTSリーディグで6.5を取れる方は、OETリーディングは対策なしでも350点以上を取得できることが多いです!
リスニングの比較
リスニングは、OET350点の方が圧倒的に難しいです。以下が、OETの方が難しい理由です。
- 理由1. スペルミスをおかしやすい
- 理由2. 強いオーストラリアの訛りで話される
- 理由3. 音声変化がたくさん起こる
- 理由4. 回答に解釈が求められる
OETは 、医療英単語を含む普段聴きなれない単語を書き取らされるため、スペルミスをおかしやすいです。
OETはオーストラリアで作られているテストということで、豪州アクセントの比率が高いです。実際に、音声の8割以上が豪州英語です。
また、OETは実際の医療現場を想定して問題が作成されています。したがって、一語一句丁寧に発音してくれるIELTSと比べて、音声変化が多く起こります。音声のスピードも、IELTSと比べてかなり早く聴こえます。
最後に、OETの選択肢はどれも音源中で触れているものが用意されており、根拠を持って消去するのがIELTSと比べて難しいです!
ライティングの比較
ライティングは、IELTS7.0の方が圧倒的に難しいといえます。以下が、IELTSの方が難しい理由です。
- 理由1. ミスがほとんど許されない
- 理由2. タスクが2つある
- 理由3. 論理展開に厳しい
IELTSライティングは、6.0→6.5→7.0と上げるのが非常に大きな壁になります。ネイティブが対策なしでIELTS受験すると、その7割がライティング6.5(その他のセクションは満点)になる傾向があります。どれくらい難しいか想像しやすいのではないでしょうか、
ライティング7.0は、文法や語彙におけるミスはほとんど許されません。一方のOETは、「英語」に関する評価は甘めです。
また、IELTS7.0のライティングは論理展開が上手にできないと出ないスコアです。論理展開は自分で振り返るのが難しい分、独学が難しいです。
時間に関してですが、IELTSは60分で2つのタスクをこなすのに対し、OETは40分で1つです。ゆっくりと注意しながら書くことができます。
両テストの採点基準を比較しても、OETの方がミスに対する許容範囲が広いことがわかります!
スピーキングの比較
スピーキングは、IELTS7.0の方が若干難しいといえます。以下が、IELTSの方が難しい理由です。
- 理由1. より高い流暢性の要求
- 理由2. 発音に対して厳しい
- 理由3. 普段考えないことに対して質問される
IELTS7.0は、自然な「流暢さ」と「発音」を求められます。一方で、OETは第一言語のアクセントに対して寛容的です。
また、IELTSスピーキングは、考えたこともないことをスピーチさせられたり、抽象度の高い質問に対してロジカルに話す必要があります。
OETは、医療従事者にとっては自分の専門分野ということで、前提知識があることでかなり話しやすです。知っていることは人間話やすいかと思います。
OET 350点(B Grade)の最短ルート
最終的なゴールがOET 350点までの最短距離は以下のようになります。
- 1. まずIELTS OA6.0-6.5をとる
- 2. OETに変更してBを目指す
OETは、医療英語ですので専門用語が中心の英語のテストです。専門性が高いテストですので、英語の基礎が欠如したまま取り組むと遠回りになります。
IELTS6.0-6.5は、英語の基礎があることを証明できるスコアです。リーディングとリスニングは6.5を、ライティングとスピーキングは6.0以上は取れる事を目指して下さい。
海外の語学学校の、OETコースの入学条件がIELTS6.0または6.5となっているのも上記のような理由によるものです!
なぜOETに切り替えるのか
途中までIELTSの学習をしてきたのになぜOETに切り替えるのか?
ほとんどの受験生は、スピーキングとライティングが苦手なことが多いです。IELTSでは、そのSWで7.0を取るのは難しいです。一方で、OETのSWは自分の専門分野に関して出ることもあり、IELTSで6に到達している人にとってはさほど難しくありません。
IELTSにて、ある程度の力をつけた上でOETにうつることで、SWは問題慣れをすることで合格することが可能なのです。また、リーディングとリスニングに関しても、IELTSにて一般英語の基礎力をつけてOET対策をする方が学習効率が上がります。
IELTSを学習したことがある人なら分かると思いますが、ライディングで6、そして6.5の壁を超えるのは至難の技です。人によっては6.5から7.0まで1-2年かかります。
まとめ
今回の記事のポイントをまとめておきます。
- OET 350点はIELTS 7.0より取得しやすい
- OETはリスニングの難易度が高い
- IELTSはスピーキングとライティングが難しい
以上が、OETとIELTSの難易度の比較でした。結論としては、OET 350点の方がIELTS 7.0より取得しやすいというものです。
一方で、人によって得意、不得意が違います。ですので、一度IELTSやOETの模擬試験を受けてみて、自分に合った方が選ぶと良いかと思います。
最後に、弊社は海外で医療従事者を志す方に、OETやIELTSをオンラインで専門的に教えています。日本で働きながらも合格を目指す事が可能です。英語対策でお悩みなどありましたら、遠慮なくご連絡下さい!
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。