こんにちは、SOLOのルークです!
IELTSを専門的に教えています。
今回の記事では「IELTSスピーキングの採点基準をスコア別に紹介」します。
多くの方が目指されている、スコア6、7、8点については、下記の動画にもまとめています:
それでは、詳しく見ていきましょう。
目次:
IELTSスピーキングのスコア別採点基準
まずは、評価項目を確認しておきましょう。
流暢さ(FC) | ・言葉に詰まることなく回答できているか ・適切な接続詞を用いて回答ができるか |
語彙力 (LR) | ・トピックに応じた様々な語彙を柔軟かつ適切に使用しているか |
文法 (GR) | ・様々な構文を自然かつ適切に使用しているか |
発音 (PR) | ・正しい発音を生成できるか ・聴き取りやすく分かりやすい発音か |
IELTSスピーキングでは、上記4つの観点において評価をされます。
各項目が0-9点満点で採点され、その平均値がスピーキングスコアとなります。
「流暢さ」や「発音」に着目してください。
これは、音声に関する評価が全体の50%を占めることを意味しています。
つまり、IELTSスピーキングでは「英語っぽさ」を強調したコミュニケーションが円滑に行われることが大切なのです。
ここからは、各スコアの採点基準を紹介していきます。
採点基準は、IELTSテストセンター機関の1つであるBritish Councilが公表しています。
そちらを直訳した上で、分かりやすいように私の解釈を載せます。
一次情報を確認したい方は下記をご参照下さい。
- 参照 : Band Descriptors
スコア9.0
FC | ・ごく稀に繰り返しや言い直しはある ・口ごもりは話す内容によるもので、言葉を探しているわけではない ・つながり語を適切に使用している ・トピックを完璧に適切に展開できる |
LR | ・全トピックにおいて柔軟かつ正確に使用している ・イディオムを自然かつ正確に使用している |
GR | ・全範囲の構文を自然かつ柔軟に使用している ・ネイティブスピーカーのうっかり間違いを除いて、正確な構文を生成できる |
PR | ・全範囲の発音の特徴を正確に使用している ・発音の特徴を柔軟に終始再現できる ・終始、容易に理解できる |
スピーキングスコア9.0点(満点)は、ネイティブスピーカーと同等のレベルです。
従って、その他の英語テストと比較は難しいです。
採点基準をみてください。
「イディオムを自然かつ正確に使用」
「ネイティブスピーカーのうっかり間違い」
といった表記がありますよね。
例で確認してみましょう。
- 問い:What do you think about the rising ocean problem?
- 答え:The rising ocean problem is just the tip of the iceberg when it comes to the massive challenge of climate change. Sure, we see the sea levels rising and the coasts eroding, and that’s definitely alarming. But trust me, those visible effects are just a tiny piece of the puzzle. The truth is, there are far-reaching environmental consequences lurking beneath the surface that we need to address to tackle this issue head-on.
The tip of the icebergとは、「氷山の一角」というイディオムです。
私の周囲を見渡しても、スコア9.0はネイティブスピーカーのみです。
仮に、満点を狙いたい人は、各トピックにおけるキラーイディオムをストックしていくと良いでしょう。
英語圏に10年以上滞在していた帰国子女の方でも、上手に意見展開ができない場合などは、スコア8.0-8.5止まりになることが多いです!
スコア 8.0
FC | ・時に繰り返しや言い直しはあるが流暢に話せる ・口ごもりは話す内容によるもので、言葉を探すことはまれ ・トピックから逸脱せず適切に展開できる |
LR | ・容易かつ柔軟に幅広い語彙を使える ・レベルの高い語彙やイディオムを巧みに使っているが、時に不正確さを伴う ・必要な場面で効果的に言い換えをしている |
GR | ・幅広い構文を柔軟に使用している ・大半の文章に間違いがなく不適切さや基本的な間違いは非常にまれ |
PR | ・幅広い発音の特徴を使用している ・時に間違いはあるが、発音の特徴を柔軟に終始再現 ・終始、容易に理解できる ・第一言語のアクセントが理解に与える影響は最小限 |
スコア8-8.5は、以下のレベル感です :
- TOEFL S 27-30(30点満点)
- TOEIC S 190-200(200点満点)
- Versant 71-80点 (80点満点)
多少は苦労しながらも、英語圏のネイティブ環境で働けるレベル感です。
仕事で英語が使えるようになりたい人は、スコア8.0-8.5を目指すと良いです。
このスコアは、様々なトピックに対して、自分の知っている知識を動員し、論理的に意見展開ができる力があります。
この「論理的に」の部分が大きく評価対象になることがポイントです。例えば、
- 問い:Do you think men and women view technological devices differently?
- 答え:Oh, definitely! First off, guys are just so into gadgets. It’s like they’re kids in a candy store, always wanting to play with the latest gizmos and figure out all the cool features. They can’t resist tinkering with their shiny new toys. And you know what? I think gadgets also stroke their egos. They’re always comparing their gadgets to see who’s got the best one, like it’s a competition or something. Now, women, they tend to be more practical. They see devices as tools for communication or getting things done. Of course, I know these are generalizations, but hey, stereotypes sometimes have a grain of truth to them, don’t they?
文章間の繋がりを確認してください。大きく飛躍することなく、聞き手が行間を読む必要がないですよね。
論理が特に重要視されるのは、パート3です。つまり、スコア8.0以上を狙いたい人は、パート3を攻略する必要があるということです。
問いによっては、ライティングのタスク2と似ているので、同時に練習していくと良いでしょう。
「イントネーション」に関してもあなどれません。
いくら練習をしても、スコア8に到達しない方は、イントネーションがずれている可能性が高いです。
イントネーションに関しては、Netflixなどを活用してネイティブスピーカーの観察から入ります。その上で、自分でも真似をしてください。
スコア 7.0
FC | ・明らかな努力なしに一貫性を失うことなく長い文章を話せる ・言語に関連する口ごもりが時々見られ、繰り返しや言い直しもある ・さまざまな接続語や談話標識をある程度の柔軟性を持って使用できる |
LR | ・様々なトピックを議論するための柔軟な語彙を示せている ・レベルの高い語彙を巧みに使っており、コロケーションにも多少意識している ・効果的に言い換えをしている |
GR | ・様々な複文をある程度の柔軟性で使用している ・間違いのない文章が多いが、いくつかの文法の間違いも残る |
PR | ・バンド 6のポジティブな特徴を全て示しており、バンド 8のポジティブな特徴も一部示せている |
スコア7.0-7.5は、以下のレベル感です :
- TOEFL S 23-26(30点満点)
- TOEIC S 180-190(200点満点)
- Versant 60-70点 (80点満点)
英語圏の大学に進学して、なんとか授業についていけるレベルです。
具体的には、事実の描写に関しては問題なく話すことができます。一方、知らないことに対する意見展開では苦労するレベルです。
スコア7.0-7.5到達のポイントは、「ストレスとトピック語句」の攻略です。
ストレスとは、音の強弱です。強弱をつけて話すことで、話の中身が伝わりやすくなります。
トピック語句とは、議論をする際に期待されている語句です。
例えば、
- 問い:Is pollution a problem in your country?
- 答え:Definitely! Pollution is a major issue in my country. You won’t believe the air pollution we face in urban areas because of traffic, factories pumping out emissions, and other stuff. And it’s not just the air that’s a problem, water pollution is a big deal too. We’ve got industrial waste, runoff from farms, and untreated sewage messing up our water and putting the environment and our health at risk. The government has taken some steps, but there’s still a lot more to do to really solve these problems.
下線部分が、トピック語句に当たる部分です。
実際には、ここまで上手に回答する必要はありませんが、分かりやすいようにたくさん使ってみました。
本番では、各問いにトピック語句が1,2個使えていたら十分です。
トピック語句を上手に活用しても、スコアが7.0にのらない場合は、「ストレス」がずれている可能性が高いです。
ストレスに関しては、スコア8.0に必要なイントネーションと同時に学ぶと良いです。「英語徹底口練!」という本はオススメです。
海外の大学に進学して、英語で苦労する期間を短くしたい方などは、スコア7.0-7.5を目指すと良いでしょう。
とはいえ、ビジネススクールなどの難関校では、クラス内での議論ではまだまだ苦労される可能性が高いです。
スコア 6.0
FC | ・長く話すことに意欲を感じるが、繰り返し、言い直し、口ごもりによりしばしば一貫性を失いがち ・さまざまな接続語や談話標識を使用しているが適切ではない |
LR | ・トピックを議論するための幅広い語彙をもっている ・不正確さがあるが意味を明確に伝えられる ・概ね言い換えに成功している |
GR | ・単文と複文を併用しているが、柔軟性は限定的 ・複文では、しばしば間違いがあるが意味を阻害することはまれ |
PR | ・発音の特徴をある程度コントロールしながら使用 ・いくつかの発音の特徴を示せているが持続できない ・概ね理解可能だが、ここの単語の発音の間違いがある |
スコア6.0-6.5は、以下のレベル感です :
- TOEFL S 19-22 (30点満点)
- TOEIC S 160-170(200点満点)
- 英検1級の2次試験に合格するレベル
一般的な日本人の感覚では、いわゆるペラペラのレベルです。
スコア6.0-6.5を獲得するための鍵は、「複文」で話せるかどうかです。これは、一文を長く話すことを意味します。
特に、関係詞、接続詞、仮定法の3つを使いこなせるかどうかがポイントになります。
例えば、
- 問い:Where do you live?
- 答え:I live in Kyoto, which used to be the capital city of Japan. I’ve been living here for over 5 years, and I believe we’ll continue to stay because my family absolutely loves this city.
関係詞や接続詞を使って、長い文章を話していることが確認できます。
英検1級を保持している人などが受験をすると、スコア6.0-6.5になることが多いです。
今からIELTSに挑戦をする、といった方が目指すと良いスコアともいえます。
複文で話しているにもかかわらず、スコアが6.0-6.5にのらない人は、早口で話しすぎているかもしれません。
そういった場合は、ゆっくり、はっきり意味の塊へ話すことを意識してみてください。
スコア 5.0
FC | ・概ねスピーチの流れを維持できるが、スロースピーチが見られる ・接続語や談話標識を過剰に使用している ・単純なスピーチは流暢に話せるが、複雑な会話では流暢さが落ちる |
LR | ・トピックにかかわらず話そうとするが語彙は限定的 ・言い換えに挑戦するが成功する場合も失敗する場合もある |
GR | ・基本的な文章をそれなりの正確性をもって話せる ・不適切さや基本的な間違いはまれ |
PR | ・バンド4のポジティブな特徴を示せており、バンド6のポジティブな特徴を一部示せている |
スコア5.0-5.5は、以下のレベル感です :
- TOEFL S 15-18(30点満点)
- TOEIC S 130-150(200点満点)
- 英検準1級の2次試験に合格するレベル
日本人受験者のスピーキングの平均スコアは5.5です。
自分が知っていることに関しては話せるけれど、知らないことになると途端に減速してしまいます。
このスコアを獲得するためには「短文を連ねて話すこと」がポイントです。例えば、
- 問い:Do you like dogs?
- 答え:Yes, I like dogs. In fact, I have three dogs at home.
4-7語程度の短い文章を、立て続けに2,3文話すことを意識してみてください。
それでも難しい人は、〜 is 〜で回答することから始めてみましょう。
とにかくスピーキングが苦手で、口から英語がなかなか出てこない人が最初に目指すと良いスコアです。
スコア 4.0
FC | ・顕著なポーズがなしでは答えられない。 ・繰り返し、言い直し、スロースピーチが見られる ・単調な談話標識を過剰に使用して一貫性が途切れる |
LR | ・身近なトピックに関しては意味を伝えられるが、身近でないトピックでは語彙の選択に誤りが多い ・かろうじて言い換えに挑戦する |
GR | ・基本的な文章はいくらかの正確性をもって話せる ・複文の使用はまれ ・間違いが多く、理解に不和が生じる |
PR | ・限定的な発音の特徴を使用している ・発音の特徴をコントロールしようとしているが間違いが多い ・間違った発音が多くき聞き手が困難を感じる |
英検2級のスピーキングに合格するレベル感です。
途中で詰まったり、言い直しをしながら、なんとか短い文章を構築している様子です。
特徴としては、「単文でなんとか回答している」といった状態です。
これ以下のスコアは、目指すことは基本的にないかと思いますので、レベル感や特徴の説明はここで終わりにしますね!
スコア 3.0
FC | ・顕著なポーズをもってして話している ・単調な文章をつなげることも限定的 ・単調な回答が多い ・しばしば基本的なメッセージを伝えることもできない |
LR | ・身近なトピックも基本的な語彙でのみ伝える ・身近でないトピックに関しては語彙が足りない |
GR | ・基本的な文章を試みるが限定的、または明らかに暗記したものに頼ってブツブツ話す ・暗記した表現以外は、いくつもの間違いをおかす |
PR | ・限定的な発音の特徴を使用している ・バンド 2のポジティブな特徴を全て示せており、バンド 4のポジティブな特徴を一部示せている |
スコア 2.0
FC | ・ほとんどの語彙の前に顕著なポーズがある ・ほとんどコミュニケーションできない |
LR | ・孤立した語彙の生成か暗記したものをぶつぶつ話す |
GR | ・基本的な文章を生成することもできない |
PR | ・言っていることがほとんど理解できない |
スコア 1.0
FC | ・いかなるコミュニケーションもできない ・言語の評価ができない |
LR | |
GR | |
PR |
スコア 0点
FC | ・試験に出席していない |
LR | |
GR | |
PR |
最後に
最後に今回の記事のポイントを以下にまとめておきます:
- スピーキングは4つの評価項目がある
- 目標スコアの採点基準を理解する
- 「流暢さ」と「発音」が高スコアの鍵
意外と知られていませんか、IELTSのスピーキングは各パートごとに採点されていません。
全パートを通して、全体の印象値が採点されます。
これは、採点官がどう感じるかを終始コントロールする必要があるということです。
特に、冒頭でのあなたの印象を、後から逆転させるのは非常に難易度が高いです。
最初の印象は、実社会だけでなくIELTSスピーキングでもとても大事だということです。
「話し方」「表情」「積極性」など英語以外の要素も含めて、パート1から丁寧に対策をすることをオススメします。
IELTSに関する、対策記事は全て以下にまとめています。必要な人は参考にしてください。
- 参照: IELTS対策 まとめ
最後に、弊社はオンラインでIELTSを専門的に教えています。英語対策でお悩みなどありましたら、遠慮なくご連絡下さい!記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。