イギリスで医師として働く方法と必要な英語力を解説

イギリスで医師として働く方法と必要な英語力を解説

こんにちは!SOLOのルークです。

医療従事者の方に、英語を教えています。

今回の記事では、「イギリスで医師として働く方法と必要な英語力」を紹介しています。

その他の英語圏同様に、イギリスは海外で医学教育を受けた人材を多く受け入れています。アジア地域出身を中心とした、全体のおよそ35%が外国人医師になっています!

それでは、詳しくみていきましょう。

イギリスで医師として働く方法

下記のステップで、イギリスで医師として働くことができます。

  • Step1. 日本で医学部を卒業
  • Step2. IELTS or OETの基準を満たす
  • Step3. PLAB1&2に合格
    ※ Step3. MRCP Part1&2に合格
  • Step4. GMC登録
  • Step5. 就職先を探す

一言で述べると、英語力を満たして、PLABないしはMRCPに合格をする、というものです。

英国で診療をするためには、保持している医師資格を英国に登録する必要があります。それを管理するのが、General Medical Council(GMC)です。GMCは、日本の医師会のような組織と考えるとわかりやすいかと思います。

このGMCに登録をすることで、仕事先を探し、ビザのスポンサーシップを受けて働く権利が得られます

GMCの登録に必要なのが、指定の英語資格試験(IELTS7.5またはOET 350)のスコアと、医学知識を問われるPLABまたはMRCPの合格証明です。

英語の資格試験は、多くの方が1-2年ほど準備に時間がかかるので、早めから取り組みましょう。当ブログの下記「必要な英語力」にて詳しく記述しています。

英語力を満たした方は、PLAB対策です。PLABとは、Professional and Linguistic Assessments Boardの略で、IMGが受けるイギリス医師免許試験です。2025年以降は、PLABからUKMLAと呼ばれる試験に変更されますのでご注意ください。

すでに専門医を取っている人は、MRCPのルートもあります。MRCPは、Membership of the Royal Colleges of Physicians of the United Kingdomの略で、日本でいう内科認定医です。

PLABよりも、MRCPは英語面でのハードルが高いという噂があります。そもそも、PLABは外国人を対象としており、MRCPは現地の医師向けの試験だからです。

PLABに合格して、GMCへの登録が完了すれば就職活動が可能です。イギリスでの、医師としての就職活動はこちらのサイトで一元管理されています。

マッチング先とのインタビューに通り、採用が決まったら、採用先から就労ビザをスポンサーしてもらう流れとなります。

MTI制度の活用

イギリスには、MTI(The Medical Training Initiative)と呼ばれる制度はあります。

こちらの制度では、最長で24ヶ月の短期臨床留学が可能です。プログラム終了後、帰国を前提としているため、これ自体で長期臨床や永住に繋げることはできません。

ただし、MTIを活用することで、1. コネ作り(将来的な就業可能な病院の確保)2. イギリスの臨床経験 3.PLABやMRCP対策の時間を得られることができます。

まずは、英語力を満たした上で、てっとり早くMTIを活用し渡英する。その上で、現地で経験を積みながら、長期臨床につなげていくというのは1つの選択肢としてありだと思います。

弊社でOETを学習されて、実際にMTIを活用している方がおられます。以下は「MTIから永住権には繋げられるのか?」という問いに対する回答です。

この回答に付随しての情報です。

永住権を獲得するだけであれば、PLABルートからの5年勤続勤務による申請が最も確実性が高いです。

しかし、現在ロンドンではPLABルートからのSenior Doctorのポジション探しは困難だと各方面から聞きます。

すでに専門医を取得されていて、キャリアとしてもConsultantを目指すような場合は、MRCPを検討するのも1つの手ではないでしょうか。

必要な英語力

イギリスで医師として働く場合、最初に必要になるのが「英語力の証明」です。以下のいずれかのテストで基準のスコアを満たす必要があります:

  • IELTS:オーバーオール「7.5」以上(各セクション7.0以上)
  • OET:350点以上(各セクション350以上)

IELTSは、海外進学や移住で使用されるケースが多く、アカデミック領域に特化した試験内容です。IELTSで対策をすると、日常生活で役立つというメリットがありますが、臨床現場は想定していないため、働き始めた際に少し戸惑うことが多いかと思います。

OETとは、「Occupational English Test」の略で、医療現場で使用される英語に特化したテストです。医師の方ですと、背景知識で情報を補完できるというメリットがありますし、現地で働き始めた際にOETのテスト対策がそのまま役立ちます。

テスト自体の設問の難易度は、全体としてはどちらも変わりません。当たり前ですが、どちらも難易度が変わらないため、どちらを選んでも良くなっています。

IELTS VS OET

では、IELTSとOETはどちらで対策をすれば良いのでしょうか。

結論は、IELTS6.5までスコアを上げてから、OETに切り替えるのが良いと思います。理由は、

  1. OETはマテリアルが非常に限られている
  2. OETは教えられる人も少ない

からです。英語力が低めの段階から、OET対策をしようとしても、すぐにマテリアルがなくなってしまいますし、先生を見つけるのも大変です。

一方、IELTSは年間400万人近くが受験している世界最大の英語テストです。多くのマテリアルが、受験者のレベル別に用意されており、サービスも充実しています。

一旦、IELTSで学習を始めたのなら、最後までIELTSで対策をした方が良いのでは?

ごもっともな意見です。ですが、私が見てきた医師の方は、スピーキングとライティングを6.5から7.0に上げるために1-2年は費やしています

たった0.5をあげるために、膨大な時間を使う価値は本当にあるのでしょうか。これをOETに切り替えることで、2-3か月の対策で合格することが可能です。

OETはスピーキングとライティングセクションの採点がIELTSと比べて甘めです。一方で、リスニングは難しくなりますが. . .

OETは、その後のPLABとのテストとしての相関性も高いですし、実際にイギリスで働き始めてからも役立ちます。IELTSは英語力を上げるために利用して、最後に短期集中でOETに取り組むことをオススメします!

PLABの概要と対策

IELTSまたはOETが取得できたら、PLAB対策です。

PLAB1&2は、日本の研修2年終了程度の医療知識を要します。MRCP Part1&2試験は、イギリスの研修2年修了程度(日本でいう後期研修終了程度)の知識と経験を要します。

PLABとは、IMGが受けるイギリス医師免許試験です。2024年以降は、PLABからUKMLAと呼ばれる試験に変更されますのでご注意ください。

現時点で明確な違いはわかりませんが、PLABが外国人医師を対象とした試験であるのに対して、UKMLAは英国国内の医学部に通われる人も受験をするようになります。イメージとしては、USMLEに近い制度になるのでしょう。

PLAB1は、多肢選択問題です。3時間で180問に回答します。日本では受験をすることができないので、最も近い国ではインドに行く必要があります。その他の受験会場については、こちらをご参照ください。

PLAB2は、コミュニケーション能力、臨床推論の能力と身体診察や採血などの実技を試される試験です。12のステーションがあり、各ステーションごとに8分かけて、指定された通りのことをこなします。

8分という時間管理を正確にしつつ、共感を示しながら助言をしたり治療方針を決めたりする必要があります。OETのスピーキングが5分で、試験形態も似ているので役に立つでしょう。

ちなみに、PLAB2は現在、イギリスのマンチェスターのみで受験可能です。

PLAB1に合格した者のみが、PLAB2を受験することが可能です。PLAB2は、PLAB1に合格した日から3年以内にパスする必要があります。

より具体的な対策に関しては、以下の3つのサイトを参照にしてみて下さい。

最後に

この記事のポイントをまとめておきます:

  • まずは日本で医師免許を取得する
  • GMCに登録することで英国で働ける
  • 登録の第一歩は英語の資格試験

以上が、イギリスで医師として働く方法と必要な英語力の紹介でした。

英語の基準値を満たすことが最初のハードルになります。上記でご紹介した三つの基準は、およそ英検一級に余裕をもって合格できるレベル感です。

IELTSとOETのどちらで対策をしようか迷っている人は、下記の記事を参照にしてみてください。

弊社では、年間250名ほどの医師と看護師へ英語指導をおこなっています。以下は、一部の受講生の感想です。

SOLOは日本で唯一、IELTSやOETの対策を専門的にできるオンラインスクールです。海外で医師や看護師をされる方の英語サポートを全面的に提供しています。遠慮なくご相談ください!

記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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