こんにちは!SOLOのルークです。
医療従事者の方に、英語を教えています。
今回の記事では、「カナダで医師として働く方法と必要な英語力」を紹介しています。
カナダで医師として働く方法
下記のステップで、カナダで医師として働くことができます。
- Step1. 日本で専門医を取得
- Step2. 英語資格の基準を満たす
- Step3. 大学でのフェロー(研究員)
- Step4. 大学病院での採用
カナダで医師として働くためには、カナダの医学部を出て医師国家試験にあたるMCCQEに合格するか、日本で取得をした専門医を活用して現地の医師免許を取得する方法があります。
カナダの医学部は、外国籍の人が入るのは非常に困難です。したがって、ほとんどの方は日本で専門医を取得することが第一歩になります。
アメリカの医師国家試験に当たる、USMLEは活用できませんのでご注意ください。
専門医が取得できたら、指定の英語資格試験のスコアを満たします。多くの方が、1-2年ほど準備にかかるので、早めから取り組みましょう。下記「必要な英語力」にて詳しく記述しています。
英語の基準を満たせた人は、大学のホームページから「クリニカルフェロー」に申し込みをします。ターゲットとなるプログラムにメールを送ることから始めます。
一部のカナダの大学病院は、専門性の高い分野に限り、外国人医師に臨床研修(専門フェローシップ)を提供するという制度を持っています。
日本からは、トロント大学、ブリティッシュコロンビア大学のクリニカルフェローに申し込まれている方が多いように思います。
例えば、産婦人科医の方は、”Toronto uni, fellowship, obstetrics and gynaecology”と検索すると、下記の該当ページが出てきます。
カナダでのフェローは、ほとんどが有給の案件です。年間80,000 – 90,000 カナダドルが給与の相場になっています。
フェローとして1年以上働くことにより、医師の特別免許を州に申請することができます。
権利としては、カナダで専門医として働くことができるわけですが、就職先の確保をする必要があります。フェロー中に、何らかのコネクションや、実績(論文や臨床技術)を作ると、大学病院でのジョブオファーをもらえる可能性が高まります。
必要な英語力
カナダで医師として働く場合、どこの州を目指すとしても、必要になるのが「英語力の証明」です。
具体的には、以下の基準です:
British Columbia (バンクーバーなど) | Ontario (トロントなど) | |
IELTS | 7.0(各セクション7.0) | N/A |
OET | 350(各セクション350) | N/A |
TOEFL | N/A | 93(S24以上) |
カナダは、その他の国と違い、州によって必要な英語の資格条件が異なります。
ブリティッシュコロンビア州では、IELTSまたはOETと呼ばれる資格が必要です。オンタリオ州の場合は、TOEFLの一択です。
IELTSは、海外進学や移住で使用されるケースが多く、アカデミック領域に特化した試験内容です。IELTSで対策をすると、日常生活で役立つというメリットがありますが、臨床現場は想定していないため、働き始めた際に少し戸惑うことが多いかと思います。
OETとは、”Occupational English Test”の略で、医療現場で使用される英語に特化したテストです。医師の方ですと、背景知識で情報を補完できるというメリットがありますし、現地で働き始めた際に、OETのテスト対策がそのまま役立ちます。
TOEFLは、進学先の大学で講義についていけるかを測定するテストです。生活や仕事とは、直接的な関係が少し薄いテストです。
難易度の比較
各英語資格の難易度を比較してみましょう。
上記では、IELTS 各7.0、OET 各350、TOEFL 93(S24)とご紹介しました。左から、私が考える難しい順番です。
難 IELTS各7.0 > TOEFL93(S24)> OET各350 易
難易度は、どれも大きくは変わりません。
ただ、日本で育った人にとっては、IELTSで全てのセクションで7.0取るのは最も難しいと思います。特に、スピーキングとライティングセクションで、同時に7.0を揃えるのは至難の技です。
TOEFLは、93点を出すこと自体はさほど難しくありません。一方で、「スピーキング24点」という制約があることが、飛躍的に難易度を上げています。TOEFLのスピーキングは、評価基準の関係で23点以上を出すのが困難なテストです。
OETは、スコア達成までの期間自体は最も短くできる方が多いです。リスニングセクションの難易度は、この三つの中では最も高いです。従って、リスニングが苦手な人は、苦労するかもしれません。
私はこの3つの全てのテストを教えていますので、フェアに述べたつもりです。ただし、人により、過去の学習背景や得意不得意のセクションが違ったりしますので、気になる方はサンプル模試に回答してみてください!
最後に
この記事のポイントをまとめておきます:
- まずは日本で専門医を取得する
- 必要な英語資格は州によって違う
- OETは対策期間を最も短くできる
以上が、カナダで医師として働く方法と必要な英語力の紹介でした。
すでに専門医をされている方は、英語の基準値を満たすことが最初のハードルになります。上記でご紹介した三つの基準は、およそ英検一級に余裕をもって合格できるレベル感です。
テストの難易度は高いですが、大学受験での英語学習が基礎となり役立ちます。是非チャレンジしてみてください。
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記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。