こんにちは。SOLOのルークです!
オンラインでIELTSを専門的に教えています。
今回の記事では、「IELTS 6.0のレベルとその対策と勉強法」を解説します。
目次:
IELTS 6.0はどれくらいのレベルか
英検やTOEFLとの比較
まずは、IELTS 6.0のレベルを確認します。感覚的に理解するために、表で確認をしてみましょう。

まずは英検との比較です。IELTS 6.0は英検準一級と一級の中間程度のレベルです。
つまり、英検準一級では簡単には到達しないが、英検一級を持っている人は少し余裕を持って到達できるスコアです。
また、TOEFL iBTとの比較では、スコア63 – 75点前後(120点満点)になることが多いです。
TOEICの場合は、TOEIC 900程度が1つの目安になります。TOEICは試験が大きく異なるため、スコア800程度でもIELTS 6.0に到達することもあれば、TOEIC900を超えていてもなかなかスコア6.0が取れない人もいます。
勉強時間
次に、勉強時間を確認してみましょう。

現状のレベルによって、到達までの時間が変わることが分かります。
真ん中が、IELTS作成機関のCambridgeが公表しているデータによると、英語の学習を始めたばかりの人は、IELTS6.0まで5,600時間の学習で到達できそうです。
これは、毎日3時間勉強したとすると、半年で到達する計算です。
しかし、現実はそんなに甘くありません. . .
この表の勉強時間は、全世界の学習者の平均値だからです。日本語は英語とかけ離れています。一般の日本人学習者は、3-4倍ほど時間がかかります。
表の右側を見てください。これは弊社の日本人生徒をもとに独自でだした、おおよそ必要な勉強時間です。
初心者の人は、1日3時間学習をベースに、IELTS 6.0までは少なくとも1年半程度は見込んでおくと良いでしょう。
先ほど、IELTS 6.0は英検準一級 / 英検一級と同等のレベルだとご紹介しました。そう考えると、ある程度の時間がかかることは想像できるのではないでしょうか。
6.0が使えるケース
次に、IELTS 6.0が使えるケースを確認しましょう。
- アジアの優良大学の出願
- NZの優良大学の出願
- 海外有名大学の準備コース
- 海外一般大学の出願要件
- ビザ申請(豪、加)
様々な用途で使えることが確認できます。
最も顕著なのは、アジアの優良大学に出願できるようになることです。
例えば、シンガポールの南洋理工大学 (NTU)などです。香港では、香港科技大学(HKUST)や香港中文大学 (CUHK)への出願が可能になります。いずれも世界ランキング100位以内です。
ニュージーランドの大学でも、IELTS 6.0が直接進学の基準になっていることが多いです。NZ最高学位のオークランド大学、オタゴ大学などで活用できます。
また、直接進学の要件ではありませんが、その他の海外有名大学の大学準備コース入学としても、スコア6.0が求められることがあります。
有名どころでは、イギリスのUCLやオーストラリアのメルボルン大学などがそれにあたります。
IELTS 6.0の対策と勉強法
ここからは、IELTS6.0を取得するための勉強法を紹介します。

リーディングとリスニングでは、およそ6割の問題に正解すればスコア6.0が取れます。正解できる問題と、そうでない問題を分けて取り込むことがポイントです。
スピーキングとライティングは、「一文の長さ」が鍵を握ります。「接続詞、関係詞、仮定法」の3分野を使い、文章を長くすることが大切です。
詳しく見ていきましょう:
リーディング
まずは、リーディングの勉強法です。リーディングでスコア6.0を獲得するために、最も大切なのは英文解釈力です。
言い換えると、意味の塊を理解できるかどうかという意味です。同じ文章を何度も読んで理解をするのではなく、一度で理解できることが重要です。
IELTSのリーディングには、長い文章が多々出てきます。そのため、何度も読み返さないと、意味の塊が理解できないといった経験はないでしょうか。
どんなに長い文章でも、一回だけ読んで、その一回で意味の塊を理解できるようになる。
これが、IELTSリーディングを時間内に解き終えるためのポイントです。時間が足りない人は、同じ文章を何度も読んでいるのです。
学習に使用すべき参考書は、英文解釈書と公式問題集の二つです。
自分のレベルにあった英文解釈書からスタートし、最後はポレポレ英文読解プロセスなどの、難関大学用の参考書まで進めてください。
特に「強調構文、名詞構文、準動詞、省略、関係詞」の文法項目は要注意です。解釈が苦手な人が多い分野です。意識的に攻略してみてください。
英文解釈書で学んだ読み方を参考に、公式問題集のパッセージを一文ずつ精読していきます。いまいち意味が理解できない箇所は、抜き出して、意味の塊を分析してみてください。
その上で、日本語に訳します。訳があっているかどうかを確認するため、DeepLなどの AI翻訳に入れます。
問題を解く時から、時間制限を設けて時間内に回答することを心がけましょう。そうすることで、時間内に解き終える習慣がつきます。
とはいえ、本番ではわからなくて回答できない問題に多く対峙する必要があります。分からない問題にこだわり、時間をロスすることは避けましょう。
分からない問題は勇気をもって捨て、正答できる問題に1問でも多く回答することに集中しましょう。
分からない問題に回答しても、その問題に正解できるとは限りません。その時間で、自分が回答できるはずの問題に不正解になってしまうのは非常にもったいないです!
リスニング
次にリスニングの勉強法です。リスニングで6.0点を取得するためには、ディクテーションがオススメです。
目標スコアに関係なく、リスニング力を伸ばすためには、ディクテーションをする必要があります。
ディクテーションとは、その名の通り、書き出すことです。書き出すことによって、自分が聞こえる音と、聞こえない音を客観的に把握することができます。
基本的には、公式問題集を活用するのが良いでしょう。公式の問題が難しく感じる人は、IELTSテストセンターのひとつであるBritish Coucil Listeningの教材を活用するのも良いです。
レベル別に教材が用意されているので、自分のレベルに合ったところからスタートすることができます。
ディクテーションの仕方ですが、まず、音源を一文だけ流します。聞こえた分だけ書き出します。
少ししか書き出せなくても、気にしないでください。そのまま音源の最後までにディクテーションをします。
ポイントは、流れてくる各単語に集中するのではなく、流れの文脈から、推測しながらも一文全体を脳に記憶させようとすることです。
くどいですが、文脈を強く意識することがポイントです。「この文脈なら、こう言っているに違いない」といった仮説をもつことが重要です。
結局は意味を理解することが最も重要だからです。リスニングの練習はどうしても音にフォーカスをしがちですが、意味を理解できないと問題には回答できないのです。
それが理由で、シャドーイングをうまくできてもIELTSではスコアが上がらない人がいます。シャドーイングでは意味を疎かにしてしまうためです。
音源を最後までディクテーションできたら、自分が書き出した文章を、スクリプトを照らし合わせます。うまく書き出せてないところが、聞けていない箇所です。
最後に、聞けなかった個所を何度も聞いてください。その際に、出来れば自分も声を出して、音源の真似をしてみてください。
ナレーターになった気分で音読をしてみてください。自分でも音源の真似がきれいにできるようになると、より音声が聞きやすくなります。
スピーキング
スピーキングの勉強法です。
スピーキングで6.0を取得するために最も大切なことは「問いに対しても、一文を長く回答しようとする」です。
その時に大事なのか、チャンク(意味の塊)を維持することです。一文を長くするというのは、主部と述部を二つ以上含む、重文または複文で話すことを指します。
例えば、I live in Tokyo which is the capital city of Japan.
whichという関係詞を使うことによって、複文を作ることができました。
このように、関係詞、接続詞、仮定法の3分野を、会話で使いこなせるまで練習することをオススメします。採点官から高い評価を得やすいです。
しかし、長い文章を話すことによる副作用があります。語彙や文法のエラーが多くなったり、リズムが崩れがちになるのです。
そこで、チャンクで話すことが大切になります。ジャンクで話すとは、言い換えると、意味の塊できちんと息継ぎをすることです。
息継ぎをすることによって、間ができますので、考えながら話すことができます。エラーの数を減らし、リズムを維持することができます。
IELTSのスピーキングでは、早口で話す方が良いと勘違いをしている人がいます。これは明確な誤解です。早口であることと、流暢であることの評価対象にならないのです。
スピーキングは、自分一人でも練習ができます。教材が必要ないという点においては、最も練習をしやすいセクションです。
朝起きたらスピーキング、夜寝る前にスピーキングといった意識で、1日に何度も練習しましょう!
ライティング
最後に、ライティングの勉強法です。ライティングで6.0を取得するためには、以下のポイントを満たすことが重要です。
- 一文が長い文章を含む
- エラーミスを減らす
- 余裕を持って文字数をみたす
一つ目は、長い文章を書く。はい、スピーキングと同じですね。
ライティングでも、スコア6.0を取るためには長い文を書く必要があります。
文章が長くなると、どうしてもミスが多くなります。自信をもって書ける文章だけを連ねるようにしましょう。
したがって、ライティングで6.0を出すためには、語彙と文法にフォーカスをして練習をすることが大事です。
一文を書く際に、「主語を書いたから動詞、次は目的語だな」と心の中でつぶやきながら書くことも、エラーを少なくするのに効果的です。
エラーの目安としては、2文に1つ程度です。ほとんど全ての文章にエラーがある場合、スコア6点を出すのは難しいです。
また、余裕をもって指定の文字数を満たすことも大切です。6.0を目指している人は、時間的には猶予がないかと思います。
時間内に余裕を持って書くためのポイントは、書き出す前のプランニングです。冒頭5分ほど取り、全体の構成を考えることをオススメします。
いきなり書き出す人ほど、途中でアイデアが枯渇して、手が止まってしまうものです。
そもそも1文を書くのに時間がかかる人は、練習では10分80字程度からチャレンジしてみてください。そこから徐々に時間と文字数制限を厳しくしていきます。
ライティングは、実際に書かないと上達しません。コツやテクニックを覚えて、わかった気になるのが最も危険です。頭で理解することと、実際にアウトプットできる事は別次元の難易度だと心得ましょう!
最後に
以上がIELTS 6.0のレベルと勉強法の解説でした。
今回の記事のポイントを以下にまとめておきます:
- IELTS6.0は英検準1級と1級の間のレベル
- RLは正解できる問いを選別しよう
- SWは長い文章をアウトプットしよう
IELTS6.0を取得したい人は、小手先のテクニックに頼るのをやめましょう。
テクニカルなことが有効なのは、せいぜいスコア5.5程度までです。スコア6.0からは、細部への理解が重要になるので、英語力そのものをあげる必要があります。
また、中高の英語の基礎に抜けがある場合は、必ずどこかで行き詰まります。IELTSの対策をする前に、きちんと基礎固めをしましょう。
目安としては、先に英検準一級程度の力をつけることをオススメします。英検を活用したIELTSの準備は以下の記事にまとめています。
記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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